伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会議事録
 
1 日 時 平成17年10月26日(水)11時00分〜11時55分
 
2 場 所 愛媛県庁第一別館11階会議室
 
3 出席者 委員8名(別紙名簿のとおり)
 
4 議 題
 (1) 平成16年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査結果について
 (2) 平成16年度伊方原子力発電所温排水影響調査結果について
 
5 審議等の内容(全部公開)
  (定刻になり、開会)
事務局
 それでは、はじめに山下環境局長から御挨拶を申しあげます。
山下環境局長
 (挨拶)
事務局
 それでは、濱本部会長さんよろしくお願いいたします。
濱本部会長
 それでは、まず第1番目に平成16年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査結果について御審議いただきます。資料につきましては、あらかじめ事務局のほうから、先生方のお手元に届いておりますが、まず、最初に事務局から説明願います。
近藤原子力安全対策推進監
 平成16年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査結果(案)につきまして御説明申しあげます。
 (【資料1】に基づき、環境放射線等調査結果について説明)
濱本部会長
 どうもありがとうございました。
 ただいまの周辺環境放射線等調査結果につきまして、どなたか御意見、御質問はございますでしょうか。
藤川委員
 詳細な調査結果をいただきまして大変ありがとうございました。74ページに走行測定の結果を載せていただいておりまして、大変興味深く拝見しておりますが、これもやはり県民の皆様に御理解いただくうえで、分かり易さが大事と思いますので、例えば、これを地図上に書いていただいて地形とかその他の要因との、あるいは発電所との位置関係などが、ビジュアルに分かるようにしていただくと更に良い結果になるのではないかと思うのですが、愛媛県ではいかがでございましょうか。
吉野内環境調査課長
 御質問のありました走行サーベイのことにつきまして、昨年度から測定を開始しており、その結果につきましては、できるだけ県民の方に分かり易い形でまとめたつもりでございますが、もっと正確に、ビジュアルに地図上にデータを落とすということにつきましては、他県におきましてもGPSの位置情報を基にそのような地図上にデータを落とすという事例もございますので、今後必要な機器の整備も含めまして、そのような取りまとめの方向で検討させていただいたらと思っております。
藤川委員
 GPSの整備などが必要ということで、余計なこと申し上げたかもしれませんが、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
辻本委員
 資料39ページのモニタリングポイントにおける積算線量について、従来はTLD熱ルミネッセンス線量計を使われておりましたが、今回ガラス線量計に切替えられたということでございます。その場合に平均値+標準偏差の3σ(シグマ)を超えているか超えていないか、いつも表示されるのですが、ガラス線量計の場合、積算データの不足から蛍光ガラス線量計による測定値の範囲を僅かに超えていたものがあったと書いています。これは、ガラス線量計の測定値のデータの蓄積が十分にできていないことから平均値がでないと思うのですが、いつ頃からガラス線量計だけで平均値を出し、標準偏差の3σで評価できるようになるのでしょうか。
近藤原子力安全対策推進監
 蛍光ガラス線量計への切替えについては、平成13年度の第3四半期から熱ルミネッセンス線量計と並行で測定をさせていただいておりまして、蛍光ガラス線量計による測定は3年半、都合14四半期分の測定データを蓄積しています。データ的にはかなり蓄積はできていると思いますが、16年度のデータにつきまして、15年度までのデータに基づいた平均値+3σで評価した結果、超過する地点が10数地点あったことから、今年度につきましては、従来の評価方法とさせていただきました。今年度データを蓄積させていただき、来年度については、測定結果を踏まえまして検討させていただきたいと思っておりますので、その際には、御審議をよろしくお願いします。
三宅委員
 57ページのサメの調査結果を大変興味深く見させていただいておりますが、セシウム−137を指標として、サメについて調査していると、その結果、カスピ海のサメはかなり濃度が高くて、1桁上がると、インドネシア産のほうは検出されずとなっておりますが、この結果に関してはどのようにお考えでございましょうか。
吉野内環境調査課長
 サメの昨年度の調査結果につきましては、57ページの資料のとおりでございまして、先程お話のありましたような傾向がみられております。この原因につきましては、平成14年度に愛媛大学との共同研究で世界各地の海棲哺乳類、イルカやアザラシなどの海棲哺乳類につきましても放射能の測定を実施しておりまして、その結果、86検体の海棲哺乳類の筋肉につきましてセシウム−137を測定した結果、昭和61年に事故が発生したチェルノブイリに近いバイカル湖、東側になりますが、ロシアのバイカル湖が最も高い14ベクレル/kg・湿重量であり、次いで黒海、カスピ海が平均2.6ベクレル/kg・湿重量と高い傾向がでており、同時期に測りましたフィリピンの検体につきましては、平均0.27ベクレル/kg・湿重量ということで、今回のサメと食物連鎖上のそのような関係は多少違っていますが、同じような海棲哺乳類の調査結果では、チェルノブイリのちょうど緯度に近い地域のものについては高い傾向が出ておりましたので、今回もそれぞれのサメの餌の状態や食物連鎖の上位のどのような位置に占めるのかという詳細な調査を待たなければ正確な原因は出てまいりませんが、一般的には、やはり物理的な位置関係が近いということによる影響ではないだろうかと考えております。
三宅委員
 この下に、サメの全長とセシウム−137の濃度の関係が、ちょっと右肩あがりというデータになっておりますが、もしかしてこの程度、ある程度、そのセシウム−137が蓄積するのではないかという感じもいたします。もしそうでありますと、更に、そのサンプリングのときにサメの部位によって蓄積の度合いを見るともう少し面白いことも分かってくるのではと、これは直接関係しないかもしれませんが、貴重なデータであると思っております。
有吉委員
 いまサメの話が出たのでお聞きしたいのですが、予定では2ヵ年の予定ということで、16年度はここに詳しく御報告されてるわけですが、後1年の17年度の調査内容はもしお話できるようであれば紹介していただきたいと思います。
吉野内環境調査課長
 昨年は国内外の試料85検体につきまして、重量、体長、それからゲルマニウム半導体検出器による核種分析を実施してまいりました。今年度は、県内産のサメを50検体、県外産のサメ10検体につきまして調査する予定としており、調査項目は昨年度に引き続き、重量、体長等の調査、ゲルマニウム半導体検出器による核種分析を実施する予定にしております。新たな項目といたしましては、サメの骨の断面から年齢を査定して、生物濃縮にどのように影響しているのか、胃の内容物からどういう餌をとっているのか、そういう濃縮係数に影響のある高位の位置を占めるのかどうか、そのようなことを推定するための胃の内容物の調査を実施する計画にしております。これらの結果を踏まえまして、今後伊方の放射線監視にどのように有効活用できるかを検討してまいりたいと考えております。よろしく御指導のほどお願いいたします。
仲井委員
 環境放射能の値は異常でないと理解できるのですが、先程おっしゃいましたように、核種の同定は、どの程度の精度で監視されているのか教えていただきたいと思います。また、原子力発電所から出てくる核種、先程、人工的とおっしゃいましたけれども、どのように区別やチェックをされているのか教えていただきたいと思います。
吉野内環境調査課長
 環境試料のガンマ線放出核種などを測定し、御存知のとおり放射線の計測には統計的なバラツキがありバックグラウンドを差し引いて有意に検出されたかどうかということで核種の定性、定量を行っていますが、国の指針や専門部会の御指導をいただきまして、一応、計測値が3σを超える値を計測した場合に、バックグラウンドを差し引いて有意に3σを超える場合に検出されたと定量化をしております。従いまして、3σ以下のデータにつきましては、有意に検出された値として扱わないこととしています。
仲井委員
 核種の同定というのは、エネルギースペクトルを解析されているわけですね。それは3σを超えたものだけでしょうか。
吉野内環境調査課長
 そうでございます。
 実際のスペクトルには、色々な核種が出てきますし、プログラムファイルには、その他の核種もあり、全てチェックをかけるようにはしております。現在、特に土壌や環境試料で人工放射性核種として有意に検出されているのがセシウム−137ということで、海産生物からは、徐々に検出されないというレベルに下がってきてるというのが実情でございます。
仲井委員
 セシウムで代表されているわけですね。
吉野内環境調査課長
 そうです。半減期が約30年ということで、一度環境に放出されると簡単には下がらないということです。
仲井委員
 そうしますと、発電所から出ているかどうかの判定基準は、どのようにお考えでしょうか。変化がないからどうもないという結論でしょうけど、どの程度から危険信号とお考えでしょうか。
吉野内環境調査課長
 発電所の放出状況につきましては、定期的に国へ、また安全協定に基づき愛媛県へ報告がされており、液体廃棄物等はほとんど検出、放出されていません。一部のものを除いてセシウム等は放出されていないとお聞きしておりますし、万一検出された場合も、例えば食品中から検出された場合には、標準的な方がそのものを食べ続けた場合に、被ばく線量として線量当量限度を超えるのか超えないのかを評価をすることにしており、現在伊方町周辺で検出されていますセシウム−137については、過去の核実験によるものと思われますが、これらの最高の濃度のものを年間ずっと食べ続けたとして、先程事務局から説明がありました評価結果のとおりで、はるかに自然放射線による線量当量を下回っていると考えております。
菊池委員
 今の仲井委員の御質問ですが、簡単に答えると各瞬間瞬間で核種分析ができるほど強い放射能が出てないということです。だから、非常に長時間蓄積したものを、例えばセシウムなどは、かろうじて測ることができるけれども、普通の環境試料に入っているものもトータルベータでしか測れない。それは核種分析をするほど精度がないという、つまりバックグラウンドと比べてもほとんど変わらなく、核種分析は各時間的変化で核種分析ができるほどのことはないということがまず基本的な知識としてあり、それで初期の頃の技術専門部会で、例えば3σを超えた場合には少し気にして問題にしようではないかと決めたと思います。だから、最初に技術専門部会か安全協定の段階かで、四国電力と愛媛県が協定を交わした時にも厳しい年間の基準で決めました。当時の数で2.5ミリレムか5ミリレムかの低い基準で決めていて、世の中の多くの先生方はそんな低い基準で決めたって測定できないという御異論もあり、私にもそのような質問が出たことがあります。私は当時安全協定の草案の作成者の一人でありましたので、皆さんから批判されたことがありますが、その後、実際に世界の放射線を発生する研究所あるいは原子炉の基準、当時アメリカは原子炉の周辺の基準が100ミリレムくらいだったと思います。今はアメリカも研究所もみんな5ミリレムとか、それ以下に非常に厳しくなっており、つまり技術の進歩とともに段々測定ができるようになり、当時はとてもそのようなものはできないだろうと多くの専門の方々がおっしゃっていましたが、そういう安全協定に基づいて技術専門部会はスタートしたわけです。そのときに決めたのがこの3σの値であり、今でも技術が非常に進歩して、このような数値が出るようになりましたが、多分各瞬間瞬間での、あるいは1時間ごとに核種分析ができるほどは、まだ難しいのではないかと思います。そのうち、測定の技術が進歩して、もっと精密なデータが出るようになれば、それはその時点で、この技術専門部会としてもあるいは県としても考えていただければよろしいんじゃないかと思います。
辻本委員

 今回の調査概要と関係ないかもしれませんが、中国が湾岸に60基の原子力発電所を造る計画を立てており、伊方町周辺で中国からの偏西風の影響や酸性雨の影響が何かあるのかどうか、それに対し、伊方の原子力発電所だけでなく中国からのバックグラウンドも気を付けておかなくてはいけないと思います。場合によってはモニタリングのやり方も考えなければならないと思いましたのでお聞きかせください。
吉野内環境調査課長
 大気汚染の関係は直接はタッチしていませんが、聞くところ、愛媛県内におきましても中国からの硫黄酸化物や自然現象としては黄砂など、緯度関係は正確には把握していませんが、やはり何らかの影響は考えられうることから、今後検討していく必要もあるかと思っております。
濱本部会長
 ではこのあたりで、議題1の平成16年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査結果について、部会としての意見を取りまとめたいと思います。
 平成16年度の調査結果は、これまでの結果と比較して特に変わったものではなく同程度のものであり特に異常なものは認められなかった、ということで部会として取りまとめ、午後の安全委員会に報告したいと思います。よろしいでしょうか。
 (異議なし)
 ありがとうございました。
 それでは、次の議題に入らさせていただきます。平成16年度伊方原子力発電所温排水影響調査結果について、まず事務局から説明願います。
佐伯水産課技術課長補佐
 平成16年度の温排水影響調査結果について水産課から説明させていただきます。
 【資料2】に基づき、温排水影響調査結果について説明)
 本日、県の調査の分析を委託しております本専門部会の委員でもございます、愛媛大学の武岡委員から、18年度の温排水影響調査の内容の見直しについてコメントを頂いておりますので、私から御報告をさせていただきます。内容でございますが「昭和52年の伊方原子力発電所1号機稼動以来、伊方発電所に対する不安や不信感を払拭するため、発電所から排出される温排水が付近の漁場や漁業に与える影響の評価を目的として、愛媛県水産試験場と並行して愛媛大学が役割を分担して調査を行ってきた。調査開始から、28年を経過したが、これまでの調査結果に特に異常がみられていないことから、新しい調査手法の導入を含めて調査内容を検討するべきではないかと考える。」以上が武岡委員のコメントでございます。これに対しまして、水産課としましては、コメントを頂いたばかりでございますので、今後武岡委員とも協議しながら、新しい調査手法の導入など調査内容について検討してまいりたいと考えております。
濱本部会長
 どうもありがとうございました。ただいまの温排水影響調査結果について、どなたか御質問、コメントはございますでしょうか。
有吉委員
 温排水の影響調査の高度化に向けて、流動調査ではドップラーの流向流速計を導入されたわけですが、今回のデータ124ページからあるのですが、その実施状況や結果について、少し御説明いただければと思います。
佐伯水産課技術課長補佐
 このドップラー流向流速計を用いました流動調査につきましては、観測を行います船の下の多層にわたります流向、流速を航行しながら連続的に収集できるということで、従来の定点観測に比較しまして、水平方向、鉛直方向とも得られるデータ密度が大きく増しております。このため前面海域におけます流況というのを詳細に把握できるという特徴がございます。16年度につきましては、平成16年度伊方発電所温排水影響調査計画に基づきまして、ドップラー流向流速計による調査を計画どおり実施し、伊方発電所前面海域の沖合域では、下げ潮と上げ潮時で南西流と北東流が交互に現れるという明確な往復流が認められておりますほか、放水口近傍の湾内域では主に干潮時と満潮時に地形の影響とみられる反流が認められる、などこれまでと同様の流況でございますが、データ密度が増加したことから、湾内域の転流や反流という複雑な流況を詳細に把握することができております。
三宅委員
 拡散調査のところで、2月のデータが、例えば11月の倍程の広さになっておりますけれども、先程これは予測範囲内ということで特に取り上げるべき問題ではないとおっしゃってましたが、この予測範囲というのはどの程度のものでしょうか。
佐伯水産課技術課長補佐
 これは平成16年度の冬季干潮時に1℃の上昇範囲面積が0.24平方キロメートルで、過去最大値と御報告をいたしましたが、この調査時の発電所の運転状況につきましては、1号機から3号機とも通常運転中で温排水の放出状況もこれまでと特に変わっていませんでした。考えられます要因としては、一般的に冬季は水温分布が一様で、1℃上昇範囲の特定が容易であり、また、干潮時は温排水が海面に浮上するまでの間の攪拌、希釈作用が小さいということから、1℃上昇する範囲面積というのも、比較的大きく観測されるようです。これに加え、今期の調査時は冬季としては風が弱く、穏やかな海象条件であったことから、攪拌、希釈作用が小さく、浮上した温排水が穏やかに前面海域に広がったため、その上昇範囲面積が従来より大きく観測されたのではないかと考えられております。先程申しました環境影響調査書の中では、温排水の拡散範囲につきまして、水理模型実験により予測をいたしておりますが、それによりますと、各潮時の各拡散範囲におけます1℃を超える上昇範囲は、放水口から東西方向でそれぞれ約2km、沖合い方向が約1.5kmの範囲内に留まると予測がされております。今回0.24平方キロメートルと過去の最大の面積が計測されましたが、今回の上昇範囲につきましても、先程申しました温排水の拡散予測範囲内に収まっていることから、特段の問題はないと考えております。
濱本部会長
 武岡委員は、今日御欠席ですが、あらかじめ書面で、今回の水質調査、拡散調査、生物調査いずれにおいても過去の調査結果と比べて特異なものがなく、異常というものは認められないと御意見を頂いておりますので御報告いたします。
 いかがでしょうか。温排水影響調査結果について、御意見ないようでしたら平成16年度の温排水影響調査結果についても過去のデータと比べて特に変わったところがなく、異常ないものと認められる、と取りまとめて午後からの安全管理委員会に報告させていただきたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 (異議なし)
 今日御審議していただくことは、この2点です。これで審議は終わらせていただきます。どうもありがとございました。
 
 (閉会)

[部会事務局]
県民環境部環境局環境政策課原子力安全係
電 話 089-941-2111(内線2352)
FAX  089-931-0888


伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会次第
 
日 時  平成17年10月26日(水)11:00〜11:45
場 所  愛媛県庁第一別館11階会議室   

1 開 会

2 議 題
 (1) 平成16年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査結果について
 (2) 平成16年度伊方原子力発電所温排水影響調査結果について

3 閉 会


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