伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会議事録
 
1 日 時 平成18年3月17日(金)9時00分〜10時00分
 
2 場 所 愛媛県庁第一別館11階会議室
 
3 出席者 委員8名(別紙のとおり)
 
4 議 題
 (1) 平成18年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
 (2) 平成18年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
 
5 審議等の内容(全部公開)
  (定刻になり、開会)
事務局
それでは、石川県民環境部長から御挨拶を申しあげます。
石川県民環境部長
(挨拶)
事務局
それでは、濱本部会長さん、進行をよろしくお願いいたします。
濱本部会長
それでは、早速議事に入らせていただきます。第一に御審議いただくのは、平成18年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画についてでございます。資料につきましては、あらかじめ先生方のお手元に事務局から送らせて頂いておりますけれども、事務局から改めて御説明をお願いいたします。
近藤原子力安全対策推進監
平成18年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画(案)につきまして御説明申しあげます。
【資料1】に基づき、環境放射線等調査計画について説明)
濱本部会長
どうもありがとうございました。
ただいまの説明について、何か御意見、御質問はございますでしょうか。
古賀委員
今まで環境放射線の積算線量としてガラス線量計を用いて18年度から取り入れる予定なのですが、今、業者におきますガラス線量計の評価の問題点につきまして色々問題が出ておりますが、こちらのほうで環境放射線量を評価する場合に、その線量評価にあたりどのようなことをされているのかお伺いしたいと思います。それからもう一点は、こちらのほうで外部被曝線量を算出すると計画では入っているのですが、環境線量の集積線量ではなくて個人被曝線量のほうで評価されているのかどうか、2点お願いします。
吉野内衛生環境研究所環境調査課長
御質問がございました伊方発電所周辺の環境におけます積算線量の測定につきまして、ガラス線量計という手法を用いまして発電所周辺の29地点と対照地点の松山1地点、合計30地点を3ヶ月ごとに素子を回収して測定を実施しております。この測定方法につきましては、松山にございます測定器にかけまして3ヶ月間のガラス線量計素子に放射線を受けました量をガラス線量計からの蛍光を発する量によって放射線の量を測定するという手法で、その都度標準線源のセシウム137による標準照射で校正を実施しております。そして、校正を実施して正確に周辺で受けた放射線の線量を換算するということで、3ヶ月ごとに報告書に取りまとめて御報告をさせていただいております。
濱本部会長
辻本先生、今のことについて御意見ありますでしょうか。
辻本委員
ガラス線量計で問題となりましたのは、校正定数の掛け方がサービスメーカの人為的なミスにより起こり、新聞紙上に書かれたものです。ルーチン作業で行っていますので、担当者が入れ替わった時の連絡はしっかりと行うことが良いと思います。ガラス線量計を使うことは、精度が良く安定しているということであり、前向きで良いと思っております。今度四国電力も同様にされるということで、四国電力も愛媛県も同じ物で測れるということは非常に良いことだと思っております。その場合に、平均値+3σの件でございますが、ガラス線量計は5年データの比較と書いてございますが、5年や10年には根拠があるのでしょうか。
吉野内衛生環境研究所環境調査課長
今回、あるメーカーで発電所の従業員の個人被曝線量を測定するガラス線量計の読取値に問題があったというケースでございますが、実際の照射線量が200ミリレントゲンのところ190ミリレントゲンしか照射していなかった。少なめに照射していたのを、1.05を掛けて5%高めに評価していたということのようですが、本県の場合は、特にそのような手順につきましてはマニュアルを作っておりまして、正確な照射が行われるということ、読取の換算係数についても間違いがないように複数の人数でダブルチェックをかけるということで、正確をきすこととしております。また、ガラス線量計素子の読取値につきましても、日本分析センターとのクロスチェックを毎年実施しておりまして、今年度も先般実施しました結果、問題ないという評価を頂いておりますので測定値につきましては正確な数字を出してまいりたいと思っています。2点目の平成18年度からはガラス線量計の5年間のデータで評価することとなっておりますが、環境放射線の測定結果の平常値の変動幅につきましては、環境放射線モニタリング指針によりますと、よく管理された条件のもとで有意義な測定値が多数得られた場合は、これを統計処理し、その結果が正規分布とみなせるようであれば平均値+標準偏差の3倍、これを平常の変動幅にすることができるということになっております。また、母集団に含めますデータの数は多ければ多いほど真の分布に近づくということで、数十以上とすることが望ましいとされておりまして、今回ガラス線量計の5年分弱でございますが、測定値が蓄積できまして統計処理した結果、正規分布しているということから、18年度からガラス線量計素子の5年間のデータと比較して、異常があるかないか、変動範囲を超えているか否かということをチェックしていくとさせて頂いたわけでございます。
辻本委員
全般的に見まして平成17年度の踏襲を行うとともに、新しい線量計を追加したり走行サーベイの追加を行うなど必要な見直しを行っており、平成18年度計画につきましても問題はないと思います。
濱本部会長
辻本委員の御意見もありましたように各委員もそのようなことでよろしいでしょうか。
(異議なし)
それでは、この議題1につきましては、只今の辻本委員の御意見に基づきまして部会としての意見を取りまとめまして11時からの安全管理委員会に報告したいと思います。「平成18年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画については、前年度の調査を継続するもので、積算線量の評価法の見直し等、必要な見直しが図られていることから、適切なものと認められる」と、このような文面で報告したいと思いますが、御了承いただけますでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございました。
それでは、1番目の議題を終わりまして、2番目の平成18年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について、これも資料は送らせて頂いておりますが、まず事務局から御説明願います。
鶴井水産課長
平成18年度の温排水影響調査計画について御説明申し上げます。
(【資料2−12−2】に基づき、温排水影響調査計画について説明)
濱本部会長
   ただいま説明がありましたように、温排水影響調査計画につきましては、当部会での議論を踏まえ、水温の連続自動測定機の導入等の高度化が図られてきております。また、平成18年度には、クロロフィルの測定器の導入が計画されて高度化が検討されております。その点も含めまして、四国電力から御説明を願います。
四国電力(株)岡崎安全技術グループリーダー
温排水影響調査高度化の平成18年度調査計画の反映について御説明申し上げます。
【資料2−3】に基づき、温排水影響調査の高度化について説明)
濱本部会長
   ただいま説明のありました平成18年度の温排水影響調査計画及びその測定方法の高度化の取組状況につきまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。
仲井委員
水温の連続装置ですが、これは原理的に何を使って水温を計られているのか。例えば、熱伝対であるとか赤外線であるとか、それを教えていただきたい。また、水温の変動をどの程度の誤差範囲、精度で計らないといけないのか、それに対して今度のものが十分精度があるのか教えていただきたい。
武智水産課栽培漁業係長
この水温センサーについてメーカーには確認してはおりませんが、熱伝対かサーミスターとなっております。精度ですが、仕様では分解能が0.0625℃、精度として±0.125℃となっております。自動測定装置や電気系統の測定装置では±0.2℃程度は確保できますので、それと同程度の精度は持っていると考えております。
仲井委員
四国電力にお尋ねします。4項の図5ですが、非常にエラーバーが大きい。先ほどの御説明で200から400m取水してということですが、あまりにも誤差が大きく、例えば最低値を見るとシステマチックなエラーがほぼ0で値を採っているので、もう少しエラーバーを小さくできないのか。大量の水を取らないと当然エラーバーは小さくできないと思うのですが、これを連続取水されているのでしょうか。そうであれば、もっと精度を上げられないのかなと思っていますがいかがでしょうか。
四国電力(株)岡崎安全技術グループリーダー
サンプル量につきましては、取水ピット2箇所におきまして1時間あたり10ないし20mの取水をネットで採取しておりますので、1時間おきにネットを取り出し、次にまたネットを沈めてという行程で約10時間行い、そのトータル量で行っております。このようなものでございますから、取り出しましても何も入っていない場合等もあることから、それを置き換えております。
仲井委員
熱赤外線撮影装置をお考えなのですが、先ほどのお話で、例えば0.15℃くらいのものを要求されるとして撮影場所一箇所から熱赤外撮影でそれだけの精度を得られないと思うのですが、今は進んでいるのかどうか、また、近年中に実用化されるのかどうか教えていただきたい。
四国電力(株)岡崎安全技術グループリーダー
   これにつきましては、委員のお話のとおり非常に厳しい条件ですが、発電所構内からなので角度が非常に浅く反射等の関係もあり厳しいのですが、1から3号の放水口を睨むように2箇所からの場所で行い、水温につきましては1℃上昇範囲でございますので、それが分かるようにこれから順次精度向上に努力して、極力行えるようにしていきたいと考えてございます。
武岡委員
エラーバーというお話がありましたが、これは測定誤差ということではなく、年によってばらつきがあるという部分を含めているということであります。生物現象の場合は、毎年同じように繰り返すというものではありませんので偏差が大きくなります。これは、エラーというより偏差があるとお考え頂きたい。水温の精度については、色々な沿岸の海の現象をみるのに、0.1℃程度あれば基本的には十分であり、我々が使っている機器とこの機器は変わりません。本来沿岸の海は水温の変化が大きいところですから、外洋は0.01℃とかないと状況が把握できませんが、沿岸の海は水温も塩分も非常に変化が大きいところですから、0.1℃あれば十分ということになります。熱赤外ですが、絶対値としての0.1℃が必ずしも必要ではなくて、その周辺に対して1℃高い範囲がどの程度あるかを見るものです。絶対値で0.01℃を見るには非常に難しく、ほとんど不可能に近いと思います。特に近傍の海域よりどの程度高いか判断をするのに1℃ということでは困りますが、温排水の拡散範囲は、従来行っている方法に比べればはるかに詳しいものが出てくると思います。
三宅委員
   県においても自動水温測定器を導入されるということですが、17年度から四国電力で水質の自動測定装置を導入されていますが、その両者の関係はどのようになるのでしょうか。
鶴井水産課長
   今回、四国電力が設置している水温連続測定装置の観測点とほぼ同じ場所に水温連続監視装置を設置することとしております。それにより、相互のデータのクロスチェックも可能となるということを大きく考えています。また、定期的なメンテナンス等で四国電力、愛媛県のどちらかが水温測定ができなくなっても、一方が測定している状態となり、より詳細な水温データを得ることができるようになると期待しています。今回設置する水温連続監視装置は、四国電力が設置している水質連続自動測定装置と比較してシンプルな構造となっており、装置の維持管理も迅速にできるメリットもありますので、台風などの悪天候に対しても耐久性が強く、稼働日数・時間が多くなると期待しています。
古賀委員
   温排水影響調査において高度化を図られるとのことですが、プランクトン調査に関しましてクロロフィル測定器の導入をされていますが、多数点における手分析の比較や従来得られていなかった分布状況を把握できるとのことですが、従来のプランクトンの種類や数、沈殿量等の関連に問題点はないのでしょうか。
四国電力(株)岡崎安全技術グループリーダー
それにつきまして、継続をして6地点において同じような測定を実施いたしますので問題ないと考えています。
濱本部会長
   武岡委員、専門の立場から総括をお願いします。
武岡委員
温排水影響調査には色々な側面があるのですが、温排水を出すことによってそこの海にどのような影響があるかという意味での調査というのは、ある意味では終わっているといいますか、20年、30年掛けて調査するものではなく、何年か行えば直接的な影響がその海域にどういうふうに表れるか基本的には分かっていると考えていいのではないかと思っています。80年前後に魚の大量死が起こったりしたことがありますが、そのような時にその海域に何もデータがないと温排水との関係があるのかないのか論議ができないということがあります。そういう意味では周辺海域を常時監視することの意味が大きく、特に連続的なものを導入する意義があって、水温のほうはこのように連続で計測するということは今までの月1回に比べてはるかに空間的には測定は減りますが、それを補って余りある情報が出てくるということで基本的に問題ないと思っています。あとは、生物的な面で言いますと、取り込み影響の目的というのは、生存率調査、取り込んでから出てくるまで温度が上がることによってどの程度影響を受けるかどうかを考えれば数年行えば分かるのもであり、これについても経年変化、季節変化に対する温排水の影響というよりも環境の変化をモニタする意味が強くなっています。これについては、たくさんの頻度があれば、学術的には論文が書けるようなデータになる可能性があるのですが、手間も経費もかかる調査だと思いますので、基本的には変化のシグナルとして大きなのは季節変化であり年4回の最低ラインをくずさなければ経年変化と季節変化を抑えられるということでいいのではないかと考えています。
濱本部会長
武岡委員の御説明はよく分かりましたが、各委員も御了解いただけますでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございました。
それでは、部会としての意見をとりまとめたいと存じます。「平成18年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画については、水温連続監視装置やクロロフィル測定器の導入による高度化及びこれらを踏まえた調査範囲あるいは頻度の見直し等を図ったものとなっており、適切なものと認められる」このようにとりまとめて11時からの安全管理委員会に報告させていただきたいと思います。御了承いただけますでしょうか。
(異議なし)
今日御審議いただく2つの議題について終わらせていただきます。どうも長時間にわたりましてありがとございました。
 
(閉会)

伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会次第
 
日 時  平成18年3月17日(金)9:00〜10:00
場 所  愛媛県庁第一別館11階会議室
 
 
1 開 会
 
2 議 題
 
(1) 平成18年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
 
(2) 平成18年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
 
3 閉 会

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