伊方原子力発電所環境安全管理委員会
 
1 日 時 平成22年1月29日(金)13時45分〜15時15分
 
2 場 所 愛媛県水産会館 6階 大会議室
 
3 出席者 委員23名(別紙名簿のとおり)
 
4 議 題
   伊方発電所の耐震安全性評価について
 
5 審議等の内容(全部公開)

○事務局
 ただいまから伊方原子力発電所環境安全管理委員会を開催いたします。
 開始時刻が遅れましたことをお詫び申し上げます。
はじめに、傍聴者の方に傍聴に際しての遵守事項を申し上げます。
 会議の開催中は静粛に傍聴すること。
 写真、ビデオ等の撮影、録音等はしないこと。
 その他、会議の秩序を乱す等の行為をしないこと。
 などとなっておりますので、ご協力をお願いします。
また、携帯電話等をお持ちの方は、マナーモード等に設定いただきますようお願いいたします。
 前回の委員会以降、委員さんの委嘱代えがありましたので、新しくご就任いただきました委員さんをご紹介させていただきます。
 八幡浜市議会議長の萩森委員さんです。
 なお、本日は、岡村委員さん、武岡委員さん、辻本委員さん、濱田委員さん、山本委員さん、吉田委員さんは、都合により欠席されておられます。
 それでは、会長の高浜副知事からごあいさつを申し上げます。
○高浜会長
 それでは、一言ごあいさつを申し上げます。
委員の皆様には、大変お忙しい中この委員会にご出席をいただきまして、本当にありがとうございました。
技術専門部会の皆様方には、午前中、熱心なご審議をいただきました。また引き続いてということになりますが、どうかよろしくお願いをいたします。
皆様方には、日頃から本県の原子力安全行政に対しまして、格別のご協力をいただいております。改めて厚くお礼を申し上げます。
それから、今日は原子力安全・保安院の小林耐震安全審査室長さん、それから名倉安全審査官、それから原子力安全委員会から事務局の長谷川課長補佐さんはじめ、国の関係機関の皆様にもご出席をいただきました。遠路ご多忙の中をお越しいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございます。
今日は、伊方発電所の耐震安全性評価についてご審議をいただくことになっております。県としましては、平成18年10月、プルサーマルの事前了解時に当委員会からの意見を踏まえまして、四国電力に対しまして県民の安心の醸成のため、平成18年9月に改定をされました、耐震設計審査指針に基づきます伊方原発の耐震安全性評価を速やかに行って、MOX燃料の装荷までに国、それから県の確認を受けるよう要請をいたしたところでございます。そのあと、当委員会におきましては、四国電力での評価の進み具合、それから国の審議状況に応じまして、都度ご審議をいただいてきたところでございますが、皆様ご案内の通り、本年1月7日には原子力安全・保安院におきまして、また、1月25日には原子力安全委員会におきまして、四国電力の評価結果は妥当との確認がなされたところでございます。
本日は、この国の確認を踏まえまして、当委員会の開催をお願いしたところでございます。このあと、国から審議結果についてご説明などをいただきまして、技術専門部会から本日午前中ご審議をいただきました結果をご報告いただいた上で、ご審議をお願いしたいと思っております。どうか委員の皆様には、忌憚のないご意見を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単ですがごあいさつにさせていただきます。
どうかよろしくお願いいたします。
○事務局
 議事の進行につきましては、委員会設置要綱の規定によりまして、会長が務めることとなっておりますので、高浜会長よろしくお願いいたします。
○高浜会長
それでは、早速議事に入らせていただきます。
 本日は、伊方発電所の耐震安全性評価について審議をいたします。
 まず、事務局からこれまでの技術専門部会等における審議の結果などについて説明を受けました後、四国電力から国における審議内容を踏まえた報告書の変更点について説明を受けたいと思います。そのあと、原子力安全・保安院から評価結果についてご説明をいただき、さらに原子力安全委員会から見解についてご説明をいただきたいと思います。
 それでは、まず事務局から説明を願います。
○山口原子力安全対策推進監
 それでは、事務局より資料1に基づきまして、伊方発電所の耐震安全性評価のこれまでの経緯につきましてご説明申し上げます。
 伊方発電所の耐震安全性評価につきましては、平成18年9月に原子力発電所の耐震設計審査指針が改定されたことを受けまして、県および原子力安全・保安院から、この新しい指針に基づきます既設原子力発電所の耐震安全性の再評価の要請・指示を行ったものでございます。
これを受けまして、四国電力では平成20年3月に伊方発電所の地質調査結果、基準地震動の策定結果、ならびに、これらを踏まえました3号機主要設備の耐震安全性評価結果をとりまとめ、原子力安全・保安院に提出いたしました。
当該報告につきましては、原子力安全・保安院におきまして継続して審議され、この間、技術専門部会および当環境安全管理委員会におきましても専門的観点から活発なご審議をいただいております。
昨年3月には、アスペリティを発電所前面に設置した評価を行うべきとの技術専門部会のご指摘、およびこれを踏まえた県からの要請を受けた四国電力の追加評価結果についてご審議いただき、妥当との意見をとりまとめいただきました。
また、同じく昨年8月には、基本モデルの断層長さを42kmから54kmとする不確かさの考え方につきまして論点が整理されまして、環境安全管理委員会におきましてもご説明いただいたところでございます。
その後、原子力安全・保安院におきましては、断層長さを54kmに変更したモデルに基づき、四国電力が再評価いたしました結果も含めてご審議されまして、今月7日に伊方3号機の耐震安全性は確保されている旨の評価書をとりまとめられ、原子力安全委員会にご報告されました。
原子力安全委員会におかれましては、原子力安全・保安院の報告を受ける以前より同時平行的にご審議されてきており、同じく今月25日に原子力安全・保安院の評価は妥当である旨の見解を決定・公表されたところです。
以上が、これまでの伊方発電所の耐震安全性評価の経緯でございます。
○高浜会長
 続きまして四国電力から説明をお願いします。
○四国電力 石ア原子力本部長
 皆様方には、日頃から伊方発電所の運営に関しましてご指導、ご理解をいただきまして、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
 伊方発電所の状況ですけども、現在、伊方の1号・2号につきましては安定に運転しております。3号につきましては、この1月7日から原子炉を停止して定期検査に入っております。
本日は、伊方発電所の耐震安全性評価の内容につきましてご説明させていただきます。
また、3号機のプルサーマル計画につきましては、順調に準備を進めております。
今後とも、信頼される伊方発電所を目指しまして安全・安定運転の継続と、情報公開の徹底に全力を挙げて取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
それでは、計画グループリーダーの高木から説明いたします。
○四国電力 高木計画グループリーダー
 それでは、お手元の資料2に従いましてご説明させていただきます。
 伊方発電所の「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果(補正の要点)でございます。
 1ページよろしくお願いします。
 まず、活断層評価についてでございますが、宇和海の活断層調査データの拡充を行いました。宇和海の活断層データの拡充を目的に、3号の設置変更許可申請時の測線の間を中心として調査を行っております。この図でオレンジの部分が3号申請時の測線。それから、今回行いましたのを青で描いてございます。
 3ページお願いいたします。
 調査結果でございますけれども、宇和海にはF−21断層というのがあるのが既に分かっておりましたが、それにつきましてF−21断層には約19kmの区間で後期更新世以降の活動が認められるということが確認できました。それから直線的な断層分布、さらには断層の走向と広域応力場の関係から、横ずれの卓越する断層運動が推定されるということが確認されました。これらの結果を踏まえまして、宇和海には敷地前面海域の中央構造線断層帯による地震動を上回るような活断層は分布しないということが確認できております。
 4ページお願いします。
 4ページからが、中央構造線断層帯の地震動評価についてでございます。基本震源モデルの変更として、断層の長さを42kmから54kmに変更しております。
 5ページお願いします。
 断層の長さでございますけれども、当初の評価では、これまで伊方の前面海域には串沖、それから三崎沖にジョグがあるということで、その間の42kmを断層長さとして設定しておりました。今回の変更内容でございますけれども、「地震動評価を行う上で中央構造線のような長大な断層評価する際に、その一部を基本震源モデルとして設定する場合には、ジョグの中央付近まで震源モデルを延ばしたケース54kmですがこれを基本とすべき」旨の原子力安全・保安院における審議結果を踏まえ、42kmから54kmに変更しております。この図でいきますと、緑で描いた54kmがそうでございます。
 6ページお願いいたします。
 次は考慮する不確かさの変更についてでございます。
 7ページお願いいたします。
 7ページと8ページには、応答スペクトルに基づく手法、それから断層モデルを用いた手法、各々について不確かさのケースを書いております。
 8ページの断層モデルを用いた手法のページを使ってご説明をさせていただきます。
 基本震源モデルですが、左上に書いてございますように断層長さは54km、それから断層傾斜角は90度を基本としております。これに不確かさを見ていくわけですが、右にありますように不確かさの考慮@といたしましては、応力降下量1.5倍。これは中越沖地震の知見の反映でございます。
それから不確かさの考慮Aとして、断層傾斜角北傾斜30度。これは地質境界がこういうものが見えてございますので、これを不確かさとして考慮しております。
それから不確かさの考慮Bといたしましては、ジョグの長さも含んだ69kmの断層の長さのケース。
それから不確かさの考慮Cといたしましては、中央構造線断層帯をさらに東側に延ばした130kmの長さで、連動させて計算したケースをCとしております。
それから最後、不確かさのケースDでございますけれども、横ずれ断層ということで90度の傾斜角を想定しておりますが、角度のばらつきを考慮ということで南側80度の傾斜についても計算しております。
 9ページお願いします。
 以上の不確かさの評価に加えまして、地震動の妥当性確認として評価したケースがございます。
 先ほどの不確かさの考慮Cが130kmの連動のケースとして計算しておりますが、その右のほうにありますように、まずSsの妥当性確認といたしましては、360km連動ケースというものも計算しております。これは中央構造線が紀伊半島のほうまで延びておるということも考慮いたしまして360kmを想定しております。
 それから、もう1つの妥当性確認といたしましては、130kmの連動モデルでも先ほどのものはカスケードでしたが、今回はスケーリングを想定した計算も行っております。
 それから下の破線が囲んでおりますように、これは原子力安全・保安院のほうからのコメントを受けて実施したケースでございますけれども、前面海域について九州側への連動ということで、180kmの連動ケースについても妥当性確認の計算を行っております。
 10ページからが、基準地震動の変更についてでございます。
 11ページお願いいたします。
 まず、応答スペクトル手法による地震動評価といたしまして、これをSs−1と呼んでおりますけれども、ここの図では3つございまして、左からNS方向、EW方向、UD方向の応答スペクトル図を描いてございます。黒い太線が以前に我々が提出しておりましたSs−1でございます。このグラフに先ほどの不確かさのケースについて計算したもの、それからプレート間地震、それからプレート内地震など考慮すべき地震の結果を全て重ね描きしたものがこの3つのグラフでございます。見ていただきましたら分かりますように、どのケースにつきましても黒い太線であるSs−1を全て下回っておるということが確認できましたので、今回不確かさのケース等が変更にはなりましたけれども、Ss−1については変更の必要がないことが確認できました。
 次のページ、12ページお願いいたします。
 12ページからは、断層モデルによる地震動評価としてSs−2の策定について書いてございます。このページでは策定の流れについて書いてございますが、基本ケースと不確かさのケース@〜Dのケースについて、今までは経験的グリーン関数法という手法を用いて計算しておりました。今回はこれに加えまして、統計的グリーン関数法というものについても計算するということで、経験的グリーン関数法を用いたSs−2の候補。それから統計的グリーン関数法を用いてSs−2の候補という候補が1つずつできてくることになります。これらの候補1つ1つにつきまして、長周期理論地震動というものを用いまして、長周期側理論ということで短周期側と長周期側をハイブリッド合成したものでSs−2の候補を作っております。そうやってできましたSs−2のスペクトルを比較するために、この地震波を用いて建屋応答解析いたします。そして建屋応答解析上厳しくなるほうのSs−2を新Ss−2として採用することとしています。
 次のページ、13ページが、以上のようにして求めた結果について書いてございます。
 統計的手法と経験的手法による結果でございますけれども、濃い青が経験的手法。それから薄い青が統計的手法ということで、左からNS、EW、UDとSs−2の候補が1つずつできたことになります。
これのどちらを採用するかということで、建屋の応答解析を行いました。
14ページを見ていただきますと、このようにして求めた地震動を原子炉建屋の基盤に入力してその応答を見ております。濃い青が経験的手法による応答、それから薄い青が統計的手法による応答、黒がSs−1でございます。この結果の特徴的なものとしては、NS方向の固有周期が0.05〜0.1秒付近にある部位で、格納容器、蒸気発生器、内部コンクリート、それから原子炉周辺補機棟については、経験的手法のほうが大きいというようなことが分かりました。
15ページお願いします。
今のは建屋についての評価でございますが、このページでは機器が載っております床応答について評価した事例でございます。
左からNS方向、それからEW方向と2つ描いてございまして、やはり濃い青が経験的手法、薄い青が統計的手法でございます。この2つの波を包絡いたしまして、周期軸方向に10%拡幅した波を描いたものが一番右端の図でございます。この図からいえることは、下のほうにも書いてますように、経験的手法による応答は統計的手法による応答をほぼ包絡したものとなっているということが一番右の図からいえますので、先ほどの建屋の応答の結果、それからこの床応答の結果から、経験的手法による地震動を基準地震動Ss−2として選定することにしました。
次のページお願いします。
このようにして求めたSs−2を新Ss−2と呼ぶわけですけれども、このページでは42km基本モデルのときのSs−2は赤で、それから54kmのSs−2は青で示してございます。左からNS、EW、UDとございますが、全般的に新しいSs−2のほうが42kmのモデルのときよりも大きめの値を示していることが分かると思います。
 次のページお願いいたします。
 以上でSsが確定いたしましたので、それをまとめたものがこの表でございます。
 まず、応答スペクトルに基づくものはSs−1と呼んでおりますが、Ss−1の水平動がSs−1H、それから鉛直動Ss−1Vですが、これについては変更してございませんので水平方向の最大加速度振幅、cm/s2ですが、これをガルという単位で呼んでおりまして、570ガル、それから鉛直の330ガルについては変更はございません。
それから断層モデルを用いた手法によるSsをSs−2と呼んでおりますが、Ss−2の南北方向Ss−2のNSは最大応答加速度が318から318と加速度上は変わっておりませんが、波としては変更になっております。それから水平方向のEW成分、Ss−2EWは298ガルから413ガル。鉛直方向のUDは、Ss−2UDとして141ガルから285ガルになりました。
18ページお願いいたします。
このようにして求めましたSsについて、施設の耐震安全性評価を行いました。
19ページをお願いします。
19ページでは、原子炉建屋の地震応答解析モデルのデータ誤りについてちょっと述べさせていただいております。原子炉建屋の諸元の一部に誤りを確認したことから、正しい諸元を用いた再評価を実施しております。
諸元誤りは、この@と書いてございますように3号機建設当時の工事計画認可申請書で用いたモデルで、断面2次モーメントの値を間違えていたものが1つ。
もう1つが、Aとして新耐震指針に照らした耐震安全性評価で用いたモデルで、等価せん断断面積が一部間違っていたという2つの誤りがございました。
でも、この誤りの程度がどの程度あるのかということを確認するために、原子炉建屋にSs−1の波を入れて評価した結果が20ページと21ページでございます。
 20ページがEW方向、21ページがNS方向について描いてございまして、実線がモデル訂正前です。それから青の破線がモデル訂正後でございますけれども、20、21ページ両方の図を見ていただきましても分かりますように、建屋の応答としては両者の差はほとんどなく、今回の諸元誤りの影響はほとんどなかったことが確認できました。
 22ページお願いいたします。
 これからが伊方3号機の施設の耐震安全性評価についてでございます。Ss−2が新しくなったこともございますので、施設について耐震安全性評価を行いました。
 23ページが、まず原子炉建屋の耐震安全性評価でございます。耐震壁の最大応答せん断ひずみは、最大で0.63×10−3という値でございまして、評価基準値(2.0×10−3)を超えないことを確認しております。
 それから、原子炉補助建屋について24ページに描いてございます。同じく、最大せん断ひずみは、最大で0.84×10−3ということで、基準値は(2.0×10−3)と同じでございますので、やはり基準値は満足していることを確認しております。
 25ページが、機器・配管系の評価結果でございます。機器・配管系の評価結果につきましては結論を書いてございますが、発生値は評価基準値を超えず耐震安全性は確保されていることを確認しました。評価した全ての機器において、基準地震動Ss−1による発生値が新Ss−2によるものを上回っていたということです。
その結果について、まず構造強度評価結果がありまして、その表について書いてございますが、「止める」、「冷やす」、それから放射性物質を「閉じ込める」という重要な機能を持った主要な施設についての発生値がここに書いてございまして、その横に評価基準値を書いてございますが、発生値は全て評価基準値を下回っていることを確認しています。
あと、動的機能維持評価結果といたしまして、制御棒の挿入性について評価してございますが、発生値は2.03秒という結果で評価基準値の2.50秒を満足していることを確認してございます。
最後、27ページのところにまとめについて書いてございます。
 今回の変更の概要といたしましては、基準地震動の策定にあたりましては、
・基本震源モデルの断層長さを42kmから54kmに変更しました。
・断層長さ54kmを基本に、不確かさの考慮として、断層長さ69kmや断層南傾斜80度のケースなどを追加しております。
・基準地震動Ss−1(最大加速度振幅570ガル)に変更ないことを確認しました。
 ・Ss−2の策定にあたっては、経験的グリーン関数法に加え、統計的グリーン関数法でも評価し、Ss−2を新たに設定いたしました。
 施設評価のほうでは、
 ・原子炉建屋の諸元の一部に誤りを確認したことから、正しい諸元で施設の評価を実施しました。
 ・Ss−1、新Ss−2で、伊方3号機の原子炉建屋、原子炉補助建屋の耐震安全性評価を実施した結果、耐震壁の最大応答せん断ひずみは評価基準値を超えないことを確認しております。
 ・Ss−1、新Ss−2で、伊方3号機の主要8施設について、構造強度評価、動的機能維持評価を行った結果、発生値は評価基準値を超えないことを確認しております。
 以上でございます。
○高浜会長
 ありがとうございました。それでは、続きまして原子力安全・保安院から説明をお願いします。
○原子力安全・保安院 小林耐震安全審査室長
 伊方発電所の耐震バックチェックということで、一昨年の3月に四国電力から提出されました中間報告書、これにつきまして先ほど会長からのご案内の通り、この1月7日に原子力安全・保安院としてその評価結果が妥当である旨を判断したところでございます。本日は、その評価結果についてご説明させていただこうと思います。着席したまま説明させていただきます。
 それでは、まず2ページ目をご覧下さい。
 この資料では大きく2つに分かれてます。1つは1番としまして耐震バックチェックの全般論について記載いたしてございます。それから、2番目が伊方発電所の評価結果そのものでございます。
 次の3ページお願いします。
 3ページ、まず耐震バックチェックの一般論でございまして、4ページをお願いします。
 原子力発電所の耐震設計の基本的考え方ということで、ここにございますように基本的考え方については大きな地震があっても、発電所周辺に放射性物質の影響を及ぼさないということがございます。具体的な設計でございますけど、安全上重要な「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」この機能が確保されるように設計してございます。
 5ページお願いします。
 この基本方針を実現するためにどのような調査なり設計を行うかというのが、この5ページに書いてございます。左側のほうにございますように、徹底した調査を行います。そしてそれに基づいた基準地震動の策定、そして重要度に応じた耐震設計、そしてそれとは別に自動停止機能、こういったような考え方で設計しております。
 6ページでございます。
 耐震設計審査指針の改訂でございますけど、56年に設定されました「耐震設計審査指針」、これについて既設の原子力発電所については評価しておりますけど、許可後であっても最新の知見を踏まえて常にその確認を行っているのが実情でございます。
この6ページの下にございますように、平成18年9月にこの指針が改訂されております。これに基づきまして、事業者は耐震バックチェックを実施してそれを国に報告して現在私どもが評価しているところでございます。
 次の7ページお願いします。
 これが、指針の改訂のポイントでございます。簡単に申し上げますと、旧指針と新指針を比べたものでございます。より厳しい水準、より入念な調査、より高度な手法、こういったものについてそれぞれここに記してございますような形で新たに指針を制定してございます。特に、一番下のところより高度な手法のところご覧いただきますと、従来水平方向のみの基準地震動だったものを、水平方向に加え鉛直方向についても基準地震動を策定するというような指針になっております。
 次に8ページでございます。
 これは改訂に伴う対応ということで、18年9月20日に私ども原子力安全・保安院のほうで耐震バックチェック手法、確認基準の策定ということで、いわゆるバックチェックルールというものを策定しました。それと同時に、事業者に対して耐震バックチェックを行うように指示してございます。その間、今般平成19年7月20日、ご存知の通り新潟県中越沖地震がございましたので、それを受けまして実施計画の見直しを指示してございます。中身につきましては、この中越沖地震の知見を踏まえるとともに、早期にバックチェックを済ませるようにというように指示したわけでございます。それを受けまして、平成20年3月に事業者のほうで中間評価報告が出てきたと。現在、私どもで妥当性を確認しているということでございます。
 次の9ページでございます。
 耐震バックチェックの方法でございまして、まず、基準地震動の策定でございますけど、この右上の図にございますように地震発生様式毎、海洋プレート内とか、プレートとプレートの間の地震、それから大陸プレートの中の内陸地殻内地震、こういった地震発生様式毎に検討用地震を選定します。その次に、このフローのAのところでございますけど、ここにございますように、応答スペクトルに基づく地震動評価、それから断層モデルを用いた地震動評価、それぞれ旧指針では応答スペクトル、いわゆるこの震源を点として見る評価方法でございますけど、これに新しい指針でそれにプラスアルファ震源を面として見る断層モデルを用いた手法、これを評価いたします。これに不確かさを考慮しまして基準地震動を策定するということでございます。
 10ページお願いします。
 これは同じようにバックチェックの方法でございます。今度は施設の耐震安全性評価でございます。ここにございますように、建物、それから機器・配管、地震随伴事象、それから屋外重要土木構造物、それから基礎地盤の安定性評価、こういったものについて耐震バックチェックを実施します。今回は、この赤枠で囲った部分のうち重要なものについて建物、それから安全上重要な機能のうちの重要なものについて評価してございます。
 その次の11ページお願いします。
 伊方発電所にかかる原子力安全・保安院の評価結果でございます。ここにございますように、専門家による審議に基づく原子力安全・保安院の評価結果につきましては、22年1月7日に四国電力に通知するとともに、原子力安全・保安院のホームページにて公表済みでございます。
 12ページがバックチェックの審議体制でございます。経済産業大臣に対する諮問機関の1つでございます耐震・構造設計小委員会、この中で関連する分野の専門家による審議を経まして厳格に確認してございます。大きく合同ワーキング、これは地震・津波、地質・地盤こういった評価をするワーキング。それから施設、建物・機器などの評価をする構造ワーキング。この2つに分かれまして審議を重ねております。
 次の13ページをお願いします。
 審議実績および審議に当たってのポイントでございますけど、審議につきましては合計38回の会合において厳格に審議してございます。それから、審議に当たってのポイントでございますけど、これにつきましてはここに(1)に書いてございますように、敷地前面海域の断層群の活動性、その性状、それから中央構造線帯のセグメント区分。こういったものにつきまして評価するとともに地震動評価をしてございます。(3)にございます施設の耐震安全性については、あらかじめ定められたルールに従って行われているか、それから評価結果は安全基準を満足しているかということをポイントに評価してございます。
 それから14ページ、15ページでございますけど、これは四国電力が行いました地質調査方法等の評価でございます。これにつきましては、新耐震指針等で要求されています事項を満足していることから、基本的に必要な調査が実施されていると判断してございます。
 次の16ページをお願いします。
 これらの調査結果に基づきまして、評価の結果でございます。活断層の評価(全体)ということで、まず、結論から申し上げますと、ここに書いてございますように、右方に書いてございますように、敷地周辺の陸域および海域の断層についての活動性および性状等につきましては妥当なものと判断してございます。右下のところに耐震設計上考慮する活断層の一覧表がございます。敷地前面海域の断層群、これは活断層の長さ約54kmということで四国電力が当初評価しました長さ42kmから12km程度延伸してございます。それからAにございます五反田断層。これは約2kmでございます。それから海域のF−21断層。これ約19kmでございます。このうちの特に敷地への影響が一番大きいと思われる敷地前面海域の断層群につきまして次ページ以降詳細に評価してございます。
 17ページをお願いします。
 敷地前面海域の断層群の評価ということで、ここでは黄色い枠の部分の下のほうでございますけど、ここに書いてございますように、断層の境目のジョグこういったものの領域の一部を含む約54kmという評価をしてございます。それから断層の傾斜角につきましては種々検討の結果、横ずれ断層として鉛直を想定することが合理的であるということを確認してございます。
 それから18ページお願いします。
 これは私ども自ら海上音波探査を実施した結果でございます。耐震安全性について厳格に検証を行うために、事業者による調査結果につきまして念のためチェックする観点から、私ども原子力安全・保安院自ら海上音波探査を実施してございます。調査の概要は18ページの下にございます。三崎沖とか串沖、この引張性ジョグの部分、それから敷地前面部の断層の性状を把握することを念頭に調査位置をこの図のようにAからH測点まで実施してございます。ちなみに、これは2年前、平成20年4月から5月にかけて行った調査でございます。
 次の19ページをお願いします。
 これは音波探査の結果でございます。詳細はここでは割愛させていただきますけど、調査結果については四国電力の評価と整合的ということで、私どもとしては四国電力の調査については妥当であるというふうに判断してございます。
 それから20ページお願いします。
 敷地前面海域の断層群による地震の地震動評価でございます。これにつきましては、この黄色の枠の中のまず(1)でございますけど、モデルの長さでございますけど、基本モデルについては先ほどの地質調査等に基づきまして54kmと設定してございます。ただ、不確かさを考慮した震源モデルとして69kmという長さも考慮してございます。それから、(2)のモデルの角度でございますけど、これは先ほどの種々検討した結果、この横ずれということで鉛直90度と設定してございますけど、地質境界断層が震源断層と一致する可能性を否定できないということで、不確かさを考慮した地震動評価におきまして北傾斜30度こういったものを考慮してございます。また、安全評価上の観点から南傾斜80度という角度も設定してございます。
 次に21ページでございます。
 これは不確かさの考え方をまとめたものでございます。ここにございますように、不確かさのケースとしては先ほど来の長さを変えたケース。それから角度を変えたケース。それから130kmを連動したケース。こういったものを不確かさとして考慮してございます。特に、応力降下量。これは地震のエネルギーの解放の大きさでございますけど、通常レシピで示されている値の約1.5倍の値を使って不確かさの考慮をしてございます。こういったことで基本震源モデルに対して不確かさの要因を1つずつ考慮してございます。
 それから22ページお願いします。
 これは先ほど来の基本モデルに対しまして、その不確かさを考慮したケースを含めてそれぞれ別々なアプローチから基準地震動を策定してございます。1つは、観測記録に基づきます経験的グリーン関数法。それからもう1つは、人工地震波等によります統計的グリーン関数法。こういったアプローチを経まして基準地震動Ssを策定しております。
 次の23ページをお願いします。
 先ほどまでが敷地前面海域の断層群でございまして、これは内陸地殻内の地震でございまして、これ以外の地震発生様式によります地震の評価でございます。1つは、海洋プレート内の地震でございまして、これについては1649年の安芸・伊予の地震の発生位置の不確かさを考慮しまして、敷地下方にこれをもってきまして既往最大の地震規模(M7.0)を想定しております。それから、もう1つのプレート間地震でございますけど、これは中央防災会議の想定南海地震、これを考慮してございます。
 これらに基づきまして、24ページでございますけど、基準地震動Ssの評価をしてございます。先ほど来の敷地前面海域の断層群、内陸地殻内でございますけど、それとか海洋プレート、それからプレート間、こうった地震の応答スペクトルに基づきます地震動評価結果、これを包絡するように設定した基準地震動Ss−1ということで、この24ページの左下にグラフ2つございますけど、そのうちの黒い実線で示したものでございます。これが検討用地震の応答スペクトルに基づく評価結果を包絡したように設定したものでございます。それから、それ以外にこの青線の部分でございますけど、これが断層モデルを用いた手法による評価結果のうち、先ほどの黒い実線を一部の周期帯で超えるもの、こういったものを基準地震動Ss−2としてございます。これらにつきましては、この24ページの黄色の枠の一番下に書いてございますように、新潟県中越沖地震を踏まえた対応として、伊方発電所の地下構造が地震動評価に与える影響について検討しまして、現状で得られている情報からその影響は小さいと判断してございます。
 次25ページでございます。
 これは参考に比較したものでございまして、地震調査研究推進本部の強震動予測との比較でございます。説明性向上の観点から、四国電力が行いました地震動評価とそれから地震本部の強震動予測、これについて比較してございます。結論から申し上げますと、基準地震動Ssの策定に影響はしないという結論を得てございます。
 それから26ページ。
 今度は今まで策定した基準地震動を基に、施設、建物・構築物・機器・配管等についての評価結果でございます。26ページの黄色い枠にございますように、原子炉建屋それから補助建屋、これにつきまして外周コンクリート壁等を評価してございます。いずれもこの基準値以内だということを確認しております。
 次の27ページ。
 これは一方の機器・配管でございます。これについてはこの表にございますように、「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」の機器、炉内構造物ですとか一次冷却材配管、それから原子炉容器、こういったものについて評価してございます。この結果、3号機の主要な設備の耐震安全性が確保されると判断してございます。
 28ページは、そのまとめでございます。
 原子力安全・保安院は、伊方発電所の基準地震動Ssは妥当なものと判断するとともに、3号機の安全上重要な「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」機能を有する主要な施設の耐震安全性は、基準地震動Ssに対しても確保されるものと判断してございます。
 29ページお願いします。
 これは参考に示させていただいていますが、新たな知見を耐震安全性に取り入れる仕組みということで、ここに書いてございますように、原子力発電所の耐震安全性の確認につきまして、事業者、原子力安全基盤機構、これJNESともいいますけど、と連携しまして、地震学等の進歩を反映していくための仕組みを構築したところでございます。実際の運用は来年度からになりますけど、ここにございますように事業者、JNES等から新たな科学的・技術的な知見を収集しましてこれを報告させます。そして原子力安全・保安院のほうでこれを定期的に検討しまして実際の審査に反映していくという仕組みでございます。地震学とか地震考古学につきましてはご承知の通り、日々著しい進歩を遂げてございます。今までも我々が常に審査の中でこういった知見を基に審査を行っておりましたけど、より確実に、より透明性を高めるためにこういった仕組みを来年度から立ち上げるという予定でしてございます。今後とも、より一層の私どもの信頼性の確保に努めてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○高浜会長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして原子力安全委員会から説明をお願いします。
○原子力安全委員会事務局 長谷川課長補佐
 本日は、伊方3号機の耐震安全性にかかる原子力安全・保安院のほうの評価結果につきまして、原子力安全委員会の見解につきましてご説明をさせていただきます。説明のほうはちょっと前のほうへ出ていたします。
 本日、資料のほうですけれども、4−1号から3号のほうまで3つほどご用意をさせていただいておりますけれども、資料のほうの4−2号というものですけれども、これが1月25日に原子力安全委員会で決定されました見解の本体の資料となっております。それから、4−3号のほうでございますけれども、この見解を原子力安全委員会決定するに当たって原子力安全委員会の委員長のほうから補足的な説明がされておりまして、それを文章にしたものでございます。本日のほうは、説明は資料4−1号で説明をさせていただきたいと思います。
 まずはじめに、原子力安全委員会の役割ということでございますけれども、原子力安全にかかる科学的判断をより確実に行うために原子力安全・保安院等の規制行政庁とは別に原子力安全委員会が設置されております。そこでは、関連分野の専門家が専門的・中立的な立場から議論を尽くして自ら判断をするということでございます。
 それから実際の検討に当たりましては、規制行政庁に対し、あらかじめ検討に当たって考慮すべき点等を提示した上で検討・報告内容をチェックして意見を表明し、必要があれば勧告や報告聴取を行うといったことでございます。検討のほうは全て公開で実施しておりまして、判断の透明性を確保しております。
 それから、耐震安全性のほうの調査審議体制ということでございますけれども、次のページ3ページでございまして、原子力安全委員会の下に、紺色で示しておりますけれども耐震安全性評価特別委員会というものを設けておりまして、38名の専門家から構成されております。それから今回バックチェックということで、全ての原子力施設を対象にしてやっているということで一番下でございますけれども、ワーキンググループの1から4までの4つのグループに分けて、個別・具体的に検討をしております。伊方3号機につきましては、黄色のワーキンググループの3というところで検討がされておりまして、これまで22回実施しております。そのほか、原子力安全委員が自ら専門家の意見交換会ですとか、作業会合といった今回のバックチェック全般にわたる共通的な事項に対する検討等を計7回実施しておりまして、1月25日に原子力安全・保安院のほうの評価結果につきまして妥当とする原子力安全委員会決定をしているところでございます。
 次のページに特別委員会のほうの構成員を示しております。
 それから、今回の次に新耐震指針のポイントというところでございまして、まずは1ポツとしまして、最新の調査手法を統合して徹底的な活断層調査を行うというところ。
 それから、2ポツ目でございますけれども、基準地震動の評価方法の高度化というところで、「震源を特定して策定する地震動」では、断層モデルといった新しい手法を採用していること。それから、「震源を特定せず策定する地震動」というところでも評価をすること。それから、B、Cというところで「残余のリスク」ですとか、弾性設計用地震動の確認の要求といったものが指針のポイントとなってございます。
 さらに、その指針の具体的な運用に当たりまして、明確化の観点から手引きというものを策定しております。
 このポイントでございますけれども、従来の旧指針ではリニアメントというものを重視しておりましたけれども、地形の発達過程というところから変動地形学的な調査といったところを新たに加えて、また、活撓曲・活摺曲といったものについても十分調査するというところが1点目でございます。
 2点目は、いろいろな調査の手法を組み合わせた上で、相互比較して妥当性を検証して総合的に判断すると。
 3番目は、断層の三次元形状等を可能な限り把握する。
 4番目は、一貫したものの考え方に基づいて評価・認定していくというところ。
 それから審査に当たっては、できる限り大本の原資料を確認するといったところがポイントとなってございます。
 それでは、そういったところからどのようにして耐震安全性を再確認するのかというところでございまして、大きく今回重視した点でございますけれども、まず、現時点での最新の科学的知見を反映して安全性を確認するというところ。
 それから、科学的不確かさが評価に与える影響を考慮して、それでも安全が確保されるようにするということ。
 それから、専門家が徹底的に議論を尽くし、論点を可能な限り俎上に載せて検討を実施するといったところが主に重視している点でございます。
 また、不確かさの考慮というところでは、活断層の調査、それから地震動の評価に当たってはそれぞれ不確かさというものをきちっと考慮するということ。
 それから、建物・機器に関しましては、安全余裕をそれぞれ確保するというところを不確かさの考慮としてみております。
 それで、今回の伊方発電所3号機の具体的なというところでございますけれども、原子力安全・保安院の評価結果につきましては先ほど説明がございましたので、これは割愛をさせていただきまして、12ページ、原子力安全委員会での主要な論点ということで、ここに列挙させていただいておりますけれども、まずは、活断層ということで中央構造線断層帯の評価というところ。
 それから、それに基づく基準地震動の評価ということ。
 それから、中央構造線が非常に長い長大な断層というところで、これの強震動評価手法の検討。
 それから、下に書いてございますように、応答スペクトルですとか震源を特定せず策定する地震動。
 それから、下2つは建物・機器というところで、今回の弾性設計用地震動のSdといったところ。それから旧指針のS2への応答と、今回の基準地震動Ssでの応答値の比較というところです。
 それから、今回は評価手法として応答倍率法というものを使っておりますので、そういったものの評価手法の適用性というところを論点にして検討をしております。
 本日は、ここに赤で3つほど書いてございますけれども、四国電力、それから原子力安全・保安院のほかに、原子力安全委員会がそれらについて追加的に検討した事項というところで、断層傾斜角の南80度の追加検討。それから、大分県陸域への活断層の連動ということで180km区間について追加的に検討をしていただいています。それから、さらには確認用の地震動ということで原子力安全委員会自らが地震動の計算をして、今回の四国電力の評価の妥当性について検討を加えております。
 それでは、まず最初に、断層の傾斜角というところでございまして、四国電力、それからまた原子力安全・保安院の検討では、いくつかの不確かさを考慮しておりますけれども、原子力安全委員会としましては基本的には断層傾斜角は90度鉛直と考えておりますけれども、北傾斜プラスマイナス10度程度はその不確かさとして見る必要があるということで、敷地に近い側に傾く南傾斜の80度のケースということをプラスして検討を要請して、四国電力のほうで評価を実施していただいております。結果としましては、基本震源モデルという長さ54km、90度といったものに対して、地震動レベルは若干大きくなりますけれども、最終的に決定しております基準地震動には影響をおよぼさないということを確認しております。
 それから2点目としまして、大分平野のほうへの連動というところでございまして、地震調査研究推進本部というところで別府−万年山断層帯の評価において、別府湾の活断層が中央構造線へ連続する可能性というものが指摘がなされております。こういった知見を反映してそれでも大丈夫だということを確認をするために、川上断層という東側の断層から、大分平野−由布院断層帯の東部というところまでの180kmの区間が連動して地震が起こるといった評価について四国電力に要請して計算を実施しています。
 その結果としましても、180km連動したとしても基準地震動Ss−1には影響していないということ。それから、これちょっと間違えておりまして、130km、360kmといった連動のケースを四国電力で実施しておりますけれども、それらと同様にして敷地の前面海域の断層群が地震動としては支配的になっているということを確認しております。
 それから、これは確認用地震動ということで、地震動評価結果の信頼性ということを高めることを目的に原子力安全委員会自ら計算を実施していまして、四国電力が実施したものの妥当性を評価しております。合計4ケースほど実施しておりますけど、基本的なケースから原子力安全委員会がお願いしている南傾斜80度。それから、180kmの連動ケースといったものを含めて、4ケースほど原子力安全委員会自ら実施しておりまして、それらの結果から四国電力の評価の妥当性というものを確認してございます。
 確認結果としてはこのようなことになっておりまして、いずれにしましても基準地震動を下回っているということを確認してございます。
 それから、次に施設の耐震安全性ということで、19ページでございますけれど、これは先ほど来説明がなされているように、それらに建物、機器・配管系についてそれぞれ評価基準値を下回っているということをそれぞれ確認をしてございます。
それから、次に20ページでございますけれども、これも原子力安全委員会のほうで重要視して検討を実施した部分でありますけれども、Ssというもののほかに指針では弾性設計用の地震動Sdというものを設定するようになってございまして、その設定の考え方ということでそれは妥当であるということ。
 それから、設定した弾性設計用地震動Sdというものに対する地震力でも、建物・構築物が弾性範囲内に収まっているというふうな安全であるということを確認してございます。
 それから、さらに基準地震動Ssといったものに対しても、概ね弾性範囲に収まっているということを確認していること。
 それから、今回の評価対象機器ということでございまして、基準地震動Ssに対する評価結果ということで、これについても弾性範囲内である許容応力状態というのを満足しているということで、建物、機器・配管につきましてまだ十分余裕があるものであるということを確認してございます。
まとめといたしましては、原子力安全・保安院の評価結果は新耐震指針に基づき、四国電力の伊方3号機にかかる敷地・敷地周辺の地質・地質構造、基準地震動および主要な施設の耐震性安全性に関して適切に評価がされているというふうに原子力安全委員会のほうで判断してございます。
 それから、これは中間報告ということでございましたので、原子力安全・保安院、四国電力のほうにいくつか最終報告までに検討する事項ということでまとめをさせていただいております。
 それから最後に、これは評価書のほうの資料4−2の21ページになりますけれども、まとめの最後に書いてございますけれども、原子力安全の安全確保の第一義的責任ということでは、四国電力は常に新たな知見と経験の蓄積に応じて、それらを適切に反映する必要があるということで、こうした取り組みを継続して今回だけに終わらず継続して実施していくということが肝要であるといことを述べさせていただいております。
 説明のほうは以上でございます。
○高浜会長
 ありがとうございました。今回のこの耐震安全性の評価につきましては、技術専門部会で専門的な見地からご検討いただいております。濱本部会長さんから部会の意見の報告をお願いいたします。
○濱本部会長
 それでは、技術専門部会の意見を申し述べます。
 技術専門部会としては、改訂された耐震設計審査指針に基づく伊方原発の耐震安全性評価については、平成18年9月の国の指針改訂以降、本日を含め9回の会議を開催し、アスペリティ位置の不確かさについて追加評価が必要とするなど厳格に審議してきたところでございますが、本日、原子力安全・保安院および原子力安全委員会の評価結果について説明を受け最終的な審議を行った結果、次の通り3点の意見をとりまとめました。
 第1点としては、敷地周辺の地質・地質構造の評価については、四国電力により指針に沿って種々の調査が実施され、原子力安全・保安院の独自調査結果で整合性が確認されていること等から、必要な調査が適切に実施され、断層等の評価についても適切に実施されているものと認められる。
 第2点といたしまして、地震動評価については、地質・地質構造の調査や断層等の評価結果に基づき、不確かさを安全側に考慮した震源モデルが設定され、適切な評価手法により地震動評価が行われており、国においてもこれらの妥当性が確認されていることから、今回設定された基準地震動570ガルは妥当なものと認められる。
 第3点としまして、施設の耐震安全性評価については、今回設定された基準地震動に対して、指針に沿った適切な地震応答解析手法により、伊方3号機の主要な建屋及び施設に係る耐震評価がなされた結果、評価基準値を満たしており、国の独自解析によっても地震応答解析の妥当性が確認されていることから、耐震安全性は確保されるとした評価結果は妥当なものと認められる。
 なお、付帯意見として、四国電力は、今後とも、耐震安全性にかかわる新しい知見や事象に対しては、その都度、迅速かつ適確に検討・評価を行うこと、とさせていただいたものです。
○高浜会長
 ありがとうございました。
 説明、長時間聞いていただきましたが、それでは、これまでのただいまの説明、それからご報告についてご意見、ご質問を委員の皆様方からお願いいたします。
○岡崎委員
 今、原子力安全・保安院のほうと原子力安全委員会のほうからは説明いただいて、ちょっと私たちには専門的な部分というのは聞かされても感覚的に分からないんで、もう一度、今日は国から来られておるんで念を押してお聞きしたいんですけど、私たち今の説明で現在考えられる状況というんですか、地震、長さ、それから深さ、角度。そういうものを踏まえて、いろんなことを考えても安全であるという答えをいただいたという考えでよろしんでしょうか。
○原子力安全・保安院 小林耐震安全審査室長
 たぶん、私どもの資料でいくと3−1の資料の21ページを見ていただければと思うんですけど、言葉は不確かさということで専門的な言葉に近いんですけど、この中で私どもとしては地質や地質構造の調査結果を基に、いわゆる強震動、強い震動を与えるような領域。これはアスペリティと呼んでますけど、こういったものの断層破壊の方向とかそういったものを不確かさとしてあらかじめ基本とするということで、モデルを構築しています。その上で、この不確かさの考慮ケースというのは1から5までございますけど、こういったことで長さとか応力降下力。これはいわゆる地震のエネルギーの解放の強さなんですけど、これを通常の考えられるレシピによるものの1.5倍の値とかそういったように、今の地点で考えられるような不確かさ、こういったものを要素として網羅してるということで、現在の知見でいうと考えられるそういった不確かさこういったものを考慮して私ども地震動評価してるというふうに判断してございます。
○岡崎委員
 私たちもふつうに考えてる以上に、地震についても今までこれくらいと思っとった以上のものが起きたり、いろんな災害が考えてるより大きいものが来るんで、その不確かさの中にはそういうのもしっかり入ってると理解した上での安全であるということでよろしいわけですね。はい。分かりました。ありがとうございました。
○高浜会長
 そのほか。どうぞ。
○渡部委員
 原子力安全委員会から、新耐震指針についての評価の説明がありましたけれども、先日、新聞の報道で日本の原発の最新指針が国際原子力機関、IAEAの新たな最新基準案として取り入れられ、そして新基準が2月に発表されるという報道が出ておりましたけれども、そのIAEAの基準というものはどういったものか、もう既に分かっているのであればご説明をいただきたいと思います。そして、そういったものが指針が出された場合に我が国を含めたいろんな原発、地震国においてどういった扱いをするのか。そしてまた今後、どういうふうなことで指導されていくのかというようなことをお伺いしたいと思います。
○原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 国際原子力安全機関のIAEAの安全基準につきましては、「安全原則」、「安全要件」、それから「安全指針」の3種類に分類されております。今回、報道されました新しい耐震基準につきましては、これは安全指針に相当するものであります。IAEAにおきましては、これまではその下のガイドという形で耐震関係の評価をするガイドがあったんですけども、それが安全指針に格上げされて改訂されたというものでございます。これらのIAEAの安全基準の位置づけでありますけれども、これは加盟国を拘束するものではないというものでありまして、加盟国それぞれの審査とかそういったところの体系、それから活動の状況に応じまして、それぞれの判断により国の規定に取り入れられるというものでございます。報道された件につきましては、これは2008年5月から現行の評価ガイドを改訂しておりましたけれども、これが今年の2月に公表予定ということになっております。我が国がこのIAEAの地震動耐震基準のほうにどのような取り組みをしたかということにつきましては、これはIAEAのほうでは国際安全基準検討会、それから専門家会合といったものがございますけれども、こういった会合におきまして我が国としてコメントを提示しまして、ドラフト案への反映を促すということ。それから、地震動評価にかかる先端動向を紹介するとか、そういったことで新たな耐震基準の策定に積極的関与をしてきました。その結果といたしまして、新耐震基準には我が国のコメントによりまして今回の指針で取り入れられたような断層モデルによる手法といったものが追加されるということで、国内での耐震指針に関する取り組み、こういったものがある程度反映されたというものであります。私どもの今後の取り組みということでありますけれども、この新耐震指針というものは、新たな知見に敏感であるべきだという考えの基に作られてるものでありますので、こういった指針の基にいろいろな知見、これから考えられるような知見、そういったものに対して適宜対応する。そういった中で新しい技術を積極的に導入していくという取り組みを進めるとともに、今回のIAEAの指針の基準の策定プロセスで我が国のコメントが反映されたということはありますけど、国際的貢献ということで私どもの新耐震指針を踏まえた取り組みというものを今後も積極的にアピールしていきたいというふうに考えております。
○高浜会長
 よろしいでしょうか。
○渡部委員
 2008年に我が国の新耐震指針が改訂されたわけですけれども、今後、いろんな状況によって検討する事項が出てくるのではないかと思うんですけれども、こういった指針の改訂というのは我が国ではどういったときに行われているのかということをお聞きしたいと思います。
○原子力安全委員会事務局 長谷川課長補佐
 原子力安全委員会でございますけれども、指針のほうは平成18年にその時点の最新の知見に基づきまして改訂がされております。それで、現在、先ほど説明も多少しましたけれども、運用解釈等の明確化という観点から手引きというものを策定しておりまして、活断層の評価、それから現在、地震動の評価というところについてどんどん策定をしている途中でございますけれども、指針自体は現時点でも十分であるというふうに考えておりまして、今のところ改訂するという予定はございません。ただし、先ほど申しましたように、新たな知見が得られた際には、またその知見を積極的に情報を収集するということを事業者においても取り組んでいって、そういった知見が分かった時点ではまた評価をフィードバックしていくということは継続して行っていただきたいということで、原子力安全委員会のほうでも見解として示しているところでございます。
○高浜会長
 よろしいでしょうか。ほかに、ございますか。
○二宮委員
 先ほどと同じ質問になるかと思うんですけれども、やはり住んでいる者としての不安というのは拭いきれないものがあるかと思うんですけれども、今の段階で考えられることは全てそういったものの中に入れて、その結果で安全だというふうに解釈してよろしいというふうに私は話聞いてて思うんですけれど、そういうふうに解釈してよろしいでしょうか。
○原子力安全・保安院 小林耐震安全審査室長
 今、おっしゃられたように、現在の知見で最新の知見を踏まえて審査しますので、そのような判断でかまわないと思います。
○高浜会長
 技術専門部会でも午前中議論されたことをご紹介いただけますでしょうか。
○森委員
 愛媛大学の森です。私は地震工学を専門としております。
 実務的な観点からも、それから理学、あるいは工学の観点からも、そして設計上といいますか、一県民といいますか、私も住民なんで、一県民として、もちろん科学的な見地には立ちながらもそれだけではなくて、考えられうる可能性は私の中では考え尽くしたというぐらいは考えました。もちろん、ある数字として大きすぎてあり得ないというようなそこまではいってないかもしれませんが、ほかの構造物であれば考えないぐらいのばらつきも考えていますので、何ていうのか、もう疑いを持つところは私としてはない。
○高浜会長
 ありがとうございます。ほか、何かございませんでしょうか。
○濟川委員
 本日の技術的なお話もいろいろお伺いさせていただきました。そういった中で確信を得たいということで今日は来たわけでございますが、そういった点では参考になったと思います。
 今日は、一次産業の方がたくさん来られておるので、そういった中で私は農業団体としての一員でございますが、一言申し述べておきたいなというふうに思います。
 それは、今社会全般に大変な深刻な不況の元で消費者の購買力が著しく減退しとるという状況ございます。そういった中で愛媛県はどちらかといえば一次産業でもっとるような県でございまして、県知事さんを筆頭にトップセールス等もしていただいて、農畜産物、あるいは魚介類等も含めて消費者に買っていただくということで本当に苦労をしておるというのが今の現状だろうというふうに思っています。そういった中で、私たちの組織も今本当にこれから一次産業として再生産していくということが大変厳しくなっておる中で、本当今回、国内の2例目になるという今回のプルサーマルでございますけども、大変社会的にも注目を浴びとるというような状況だろうと思います。そういった中で、先ほども申しましたように、農畜産物、あるいは魚介類等も含めて大変販売状況が悪いということで、これ以上負荷をかけないようにお願いしたいし、そういった点では先ほど一番最初に申されておりましたが、やはり安全性能を確保、あるいはまた情報交換会議、あるいはまた国民の皆さんに対する啓蒙対策等をもっと万全を期していただきたい。私どもは今、現に苦しい中でいろいろと一次産業者は経営生活を強いられておるという状況でございますので、そのあたり本当にその苦労が報われるようにしていただきたいし、足を引っ張られないようにしていただきたいなということを一番思っておりますので、よろしくお願いしたらと思います。
○高浜会長
 ありがとうございました。ほかに、ございませんか。はい。
○岡崎委員
 私も農業のほうなんで、そちらのほうは今言っていただいたんですけど、住んどる者として、やはり今回はかなりプルサーマルというものについて不安もかなりあるんです。今日聞いて、地震とかそういう技術的なことについては確かに安全だろうと私もさっきの森先生も言われたように、考える限りいろんなものでしていただいてるんで、ただ、これが住んでる人たちに本当に浸透するっていうたらおかしいんですけど、もうちょっと啓発いうか啓蒙していただいて、住んどる人たちがもうちょっと安心できるような形を四国電力さんにもやっぱりしていただきたいし、それからあと県のほうも行政のほうも一緒になってしていただきたい。住んどる者が不安を持ちながらっていうよりは、全部100%不安がないというのは無理かもしれませんが、やっぱりそういう活動をしていく中で少しでも減ってくると思うんですね。だから、そういう分について四国電力さんはじめ努力というか伝わるようにしていただけたら、私たち住んどる者にとってはより感情的にもそれから安心をするのではないかなと思っておりますので、そこらあたりをお願いできたらと思います。
○高浜会長
 ありがとうございました。そのほか、ございませんでしょうか。はい、どうぞ。
○菊池委員
 ただいまの意見と似通っているのですが、今回、国そして技術専門部会でも厳格に審査をしていただき、新指針に基づきまして伊方原発の耐震安全性を確認いただいたということで地元としても一安心いたしたところでございます。しかし、耐震安全性評価については、内容が非常に専門的で分かりにくい部分が多いので、四国電力におきましても耐震安全性の評価結果等について地域住民に対して分かりやすい説明、広報をしていただき、住民の原発への安心感を高めていただきたいと思います。
○高浜会長
 ありがとうございました。ほか、ございませんでしょうか。
 ないようでしたら、今までの審議を踏まえまして、この委員会としての意見のとりまとめをさせていただきたいと思います。内容について申し上げます。
 改訂された耐震設計審査指針に基づく四国電力の耐震安全性評価結果は妥当である。
付帯意見としまして、四国電力は今後とも耐震安全性にかかわる新しい知見や事象に対しては、その都度、迅速かつ適確に検討・評価を行うこと。それから、先ほど来、複数の委員さんからお話ございましたが、県民の安心醸成のため、耐震安全性に関する取組状況について県民への分かりやすい説明に努めること。という形でとりまとめたいと思いますが、ご了承をいただけますでしょうか。
  (異議なし)
 それでは、そのようにさせていただきます。管理委員会の意見ということで、会長である私から知事に報告をさせていただきます。
 以上で、本日の審議事項は全て終了いたしました。委員の皆様には長時間にわたって熱心なご審議、本当にありがとうございました。
  (閉  会)
   (とりまとめられた意見)
 

 
伊方原子力発電所環境安全管理委員会次第
 
日 時  平成22年1月29日(金)13:45〜 
場 所  愛媛県水産会館 6階 大会議室
 
1 開 会
 
2 議 題
  伊方発電所の耐震安全性評価について
 
3 閉 会
 
 

資 料 目 次
 
 
1 伊方発電所の耐震安全性評価の経緯

2 伊方発電所「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果(補正の要点)[四国電力馨

3−1 伊方発電所3号機の耐震安全性評価について(基準地震動の策定及び主要な施設の耐震安全性評価)[原子力安全・保安院]

3−2 耐震設計審査指針の改訂に伴う四国電力株式会社伊方発電所3号機耐震安全性に係る評価について(基準地震動の策定及び主要な施設の耐震安全性評価)[原子力安全・保安院]

4−1 「耐震設計審査指針の改訂に伴う四国電力株式会社伊方発電所3号機耐震安全性に係る評価について(基準地震動の策定及び主要な施設の耐震安全性評価)」に関する原子力安全委員会の見解[原子力安全委員会]

4−2 「耐震設計審査指針の改訂に伴う四国電力株式会社伊方発電所3号機耐震安全性に係る評価について(基準地震動の策定及び主要な施設の耐震安全性評価)」に対する見解[原子力安全委員会]

4−3 「耐震設計審査指針の改訂に伴う四国電力株式会社伊方発電所3号機耐震安全性に係る評価について(基準地震動の策定及び主要な施設の耐震安全性評価)」に対する見解を委員会決定するに当たって[原子力安全委員会]

5 伊方原子力発電所環境安全管理委員会委員名簿

6 伊方原子力発電所環境安全管理委員会設置要綱

7 伊方原子力発電所環境安全管理委員会傍聴要領