伊方原子力発電所環境安全管理委員会議事録
 
1 日 時 平成19年3月14日(水)13時30分〜15時10分
 
2 場 所 愛媛県庁第一別館11階会議室
 
3 出席者 委員17名(別紙名簿のとおり)
 
4 議 題
  (1)平成19年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
  (2)平成19年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
 
5 報告事項
  (1)伊方3号機プルサーマル計画の状況について
  (2)伊方1号機高経年化対策について
  (3)耐震設計審査指針の改訂について
 
6 審議等の内容(全部公開)
  (定刻になり、開会)
事務局
ただいまから、伊方原子力発電所環境安全管理委員会を開催いたします。はじめに、傍聴の方におかれましては、遵守事項をお守りいただきますよう御協力をよろしくお願いいたします。また、携帯電話等をお持ちの方は、マナーモード等に設定頂きますようお願いいたします。はじめに、今回新しくご就任頂きました委員さんをご紹介させていただきます。材料科学がご専門の九州大学応用力学研究所助教授の渡邉委員さんです。つづきまして、地盤工学がご専門の愛媛大学大学院理工学研究科助教授の岡村委員さんです。お二方とも技術専門部会委員として指名されておられます。なお、愛媛大学工学部教授の仲井委員さんにおかれましては、学務多忙のため、御退任されましたので、報告させていただきます。それでは、会長である吉野内副知事より、御挨拶を申し上げます。
吉野内会長
一言ごあいさつ申しあげます。委員の皆様には、年度末の大変お忙しい中、お集まりくださいまして、誠にありがとうございます。また、日頃から、県の原子力安全行政に対しまして、格別のご協力を頂いておりますことを、厚く御礼申し上げます。特に本年度は、プルサーマル計画、これにつきまして、入念な御審議を頂きまして、あらためて御礼を申し上げます。さて本日の議題は、ご案内のとおり、平成19年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画及び温排水影響調査計画が今日の議題でございます。いずれも大切な調査でございますし、県民の安心・安全のために、これは公表させていただいておりますので、よろしく御審議をお願い致します。なお、報告事項としまして、伊方3号機のプルサーマル計画の状況、伊方1号機の高経年化対策、耐震設計審査指針については、四国電力のほうからご報告をいただくことになっておりますので、皆様方におかれましては、このことについても、いろいろな角度からご意見を賜ればありがたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
事務局
それでは、吉野内会長に議事進行をお願いいたします。
吉野内会長
それでは、議事に入ります。はじめに、議題1の平成19年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画、議題2の伊方原子力発電所温排水影響調査計画につきまして、事務局から一括して説明を願います。
近藤原子力安全対策推進監
原子力安全対策推進監、近藤でございます。平成19年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について、ご説明申し上げます。この調査は、伊方原子力発電所周辺の環境保全を図るとともに、公衆の安全と健康を確保するため、伊方1号機が運転を開始する以前の昭和50年度から、愛媛県と四国電力が継続して実施しているものでございます。平成19年度の調査計画は、平成18年度の計画を基本的に継続して実施することとしておりますが、項目の追加など一部変更を行っております。調査計画の概要により、説明させて頂きますので、資料1の概要の1ページをご覧下さい。まず、1の目的といたしましては、原子力安全委員会が策定しております環境放射線モニタリング指針に従いまして、周辺住民等の線量を推定、評価すること、環境における放射性物質の蓄積状況を把握すること、予期しない放射性物質又は放射線の放出による周辺環境への影響の評価に資すること、異常事態発生の通報があった場合に平常時モニタリングを強化するとともに緊急時モニタリングの準備を開始できる体制を整えておくこと、としております。
2の調査機関は、従来どおり、愛媛県及び四国電力でございます。3の調査期間は、平成19年4月1日から平成20年3月31日の1年間といたします。4の調査項目、頻度及び地点数でございますが、まず、愛媛県実施分を説明させて頂きます。固定局による空間放射線の測定につきましては、伊方町内に県が設置しておりますモニタリングステーション1局及びモニタリングポスト7局の計8局の測定局において、引き続き連続測定を実施いたします。
次に、定点での線量率測定でございますが、可般型のスペクトロメータ等各種測定機器により集落等で定期的に測定を実施し、平常値の継続的な把握と測定の習熟などを図ることとしております。また、サーベイメータによる緊急時モニタリング候補地点での定期測定についても、前年度と同様に測定を実施いたしまして、平常値及び現地状況の把握を行うとともに、緊急時の対応に備えることとしております。
次に、走行測定でございますが、引き続き、伊方町内の主要な3ルートを対象にいたしまして、年4回実施いたしまして、緊急時の対応に備えることとしております。
次に、積算線量でございますが、前年度と同様に測定を実施いたします。
次に、環境試料の放射能濃度についてですが、陸上試料につきましては、大気浮遊じん、河川水、土壌、みかん等を、海洋試料につきましては、海水、海底土、魚類等を、継続して調査する計画としております。
以上が、愛媛県実施分の調査計画でございます。
次に、資料1の概要の2ページをお開きください。
四国電力実施分の調査計画でございますが、四国電力が発電所周辺に設置しておりますモニタリングステーション1局及びモニタリングポスト4局あわせて固定局5局での線量率の連続測定、サ−ベイメ−タ等によります線量率の定期測定、伊方町内等25地点における積算線量測定、陸上試料及び海洋試料の核種分析など、発電所周辺を重点とした従来の調査を、継続して実施する計画となっております。
積算線量測定につきましては、従来、熱ルミネセンス線量計で測定しておりましたが、18年度は、蛍光ガラス線量計を導入し、並行測定を実施してきました。19年度からは、蛍光ガラス線量計による測定に切り替えることとしております。
5の調査結果の評価方法でございますが、モニタリング指針に準じましてそれぞれ評価いたしまして、四半期毎に技術専門部会でご検討頂いたうえで、その都度公表するとともに、年度を通しての評価を年報としてとりまとめまして、管理委員会にご報告し、公表することといたしております。
次に、放射性物質の放出管理状況に基づく線量評価でございますが、平成18年度と変更はなく、伊方発電所からの放射性物質の放出量及び気象状況の測定結果を基に、国の評価指針に基づきまして、発電所に起因する周辺公衆の線量を評価いたしまして、年間7マイクロシ−ベルトという安全協定の努力目標値の遵守状況を確認することとしております。
最後に、サメに関する調査研究が本年度で終了することから、平成19年度は新しいモニタリングカーを使用いたしまして、県下の自然放射線の分布状況調査を実施することとしております。
なお、本年度まで実施の放射性物質の環境挙動に関します「サメに着目した伊方周辺及び全国・地球規模の放射能レベルの調査研究」につきましては、平成18年度年報にて取りまとめ後、改めて報告させていただく予定としております。
次に、平成19年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画における前年度からの主な変更内容を御覧下さい。
愛媛県実施の平成19年度調査計画の変更点につきましては、1つ目として、走行測定に高圧電離箱検出器による測定を追加しております。2つ目に、3年間のサメに関する調査研究の結果、低濃度レベルにおけるサメの環境試料としての有用性が確認されたことから、サメを環境試料に追加しております。3つ目に、環境試料のうち魚類については、従来、可食部及び可食部外を測定対象としていましたが、内部被ばく評価で使用している可食部を測定対象とするよう変更しました。
次に、四国電力実施分につきましては、積算線量について、蛍光ガラス線量計の導入に向け、平成18年度にこれまで使用してきた熱ルミネセンス線量計との並行測定を実施した結果、両者の相関性が確認されたことから、平成19年度より正式に蛍光ガラス線量計に切替えることとしております。なお、測定結果の評価は、愛媛県で切替えたときと同様に、蛍光ガラス線量計での測定結果が蓄積されるまで、これまでどおり、熱ルミネセンス線量計での過去の測定結果と比較して評価することとしております。
最後に、調査研究としまして、本年度、モニタリングカーをGPS機能を搭載したものに更新し、放射線測定のほか、位置情報も同時に取得できるようになりましたことから、伊方町周辺及び県下主要道路の自然放射線の分布状況を調査することとしております。
以上で、平成19年度の環境放射線等調査計画の説明を終わらせて頂きます。
佐伯水産課技術課長補佐
引き続きまして、平成19年度の温排水影響調査計画について、水産課から説明させていただきます。資料2をお願いいたします。本調査は、伊方原子力発電所から排出される冷却用の温排水が周囲の環境に与える影響の有無を判断することを目的に、愛媛県と四国電力がそれぞれ実施しているものです。表紙には調査計画の全体像をとりまとめております。3枚めくっていただきまして、平成19年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画(案)の1ページをお願いいたします。ここには、愛媛県の平成19年度の調査計画を示しております。調査期間は、平成19年4月から平成20年3月までの1年間で、18年度と同様に、愛媛大学に調査を委託する予定です。次に、2ページの表1をお願いいたします。調査内容につきましては、1か所で水温の連続測定を行いますほか、水質、水温、プランクトン調査を年4回、流動、拡散調査を年2回、付着動植物調査を年4回実施する計画になっております。各調査の定点につきましては、資料3ページ、4ページの図に示しております。そのほか、温排水の漁業に及ぼす影響をみるために、八幡浜漁協の町見、瀬戸、有寿来の3支所で漁業実態調査を周年実施することとしております。続きまして、5ページをお願いいたします。四国電力の平成19年度の調査計画でございます。調査期間は、県と同様、平成19年4月から平成20年3月までの1年間でございます。6ページからの表2をお願いいたします。調査内容でございますが、5の水質調査で、1か所で連続測定を行いますほか、水温分布、塩分分布、流動、水質、底質等、6ページから8ページまでの調査と9ページの13の調査につきましては、年4回、同じく13ページの藻場分布とプランクトンの取り込み影響調査につきましては、年2回実施する計画になっております。次に、19年度調査の変更点につきましては、最初のページに戻っていただきまして、1枚をめくっていただきますようお願いします。横書きの新旧対照表をお付けしております。下線部でお示ししているところが変更箇所でございますが、調査の内容につきましては、18年度と変更はございませんが、四国電力が調査をいたします連続水質測定装置の調査水深につきまして、表中の、四国電力調査分、5水質調査の上から4行目でございますが、連続測定の調査水深を18年度は、マイナス4メートルのみとしておりまして、基準面の記載がございませんでした。このため、19年度におきましては海抜の基準面でありますTP(東京湾平均海面)を追記しました。また、表中同じく、愛媛県調査分につきましても、2水温調査の上から2行目、連続水温測定の部分につきましても、基準面および水深の表記をTP(東京湾平均海面)マイナス4.2メートルと追記する変更をいたしております。先ほどの東京湾平均海面でございますが、伊方原子力発電所周辺海域とは若干差がございます。伊方原子力発電所周辺におけます平均海面の直接観測した数値はございませんので、最も近くの観測点でございます松山港を参考にしますと、平成13年から17年の5か年平均で、東京湾平均海面に対して、15.8センチメートル高くなっております。もう1点変更箇所がございますが、表中、四国電力調査分の1行目で、連続測定が1箇所であることを明確にするため、読点の位置を下線のとおり変更いたしております。以上で、平成19年度の温排水影響調査計画の説明を終わらせていただきます。
吉野内会長
ありがとうございました。只今説明のありました2つの調査計画につきまして、何か御意見、御質問ございませんか。
両調査計画につきましては、技術専門部会で御検討いただいておりますので、まずは、濱本部会長さんのほうから、部会意見の報告をお願いいたします。
濱本技術専門部会長
それでは、午前中に行いました技術専門部会での検討結果をご報告させていただきます。平成19年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画については、前年度の調査を基本的に継続するもので、走行測定の測定項目の追加、積算線量の測定器の統一等、必要な見直しが図られていることから、適切なものと認められる。それから、平成19年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画については、前年度の調査を継続するものであり、適当であると認められる。以上でございます。
吉野内会長
ありがとうございました。今の技術専門部会のご報告も含めまして、この2つの調査計画について、御質問等ございましたら承りたいと思います。
山本委員
毎年、こちらのご報告のほう拝見させて頂いているのですが、近年、この四国電力以外の、他の電力会社で、検査データ等の改ざんですとか、その他やや信頼性に問題が生じるようなケースもあると思うのですけれども、四国電力さんのほうに是非ともそのあたりに関して、きちんとしたお話をお伺いしたいと思います。
吉野内会長
四国電力の方、今のデータ改ざんの問題について。
四国電力 谷川原子力部長
ご質問に対しまして、ご返答いたします。昨年、国の原子力安全・保安院から、この件に関して、点検をするように指示が行われておりまして、現在、今月末を目途に点検を続けている状況でございます。現在のところ、各地の新聞等で報告されておりますような、不正や改ざんは、当社については出てきておりません。我々と致しましては、今後とも安全協定に基づいて、正常状態以外は全て公表して、その原因の究明や対策を適切に実施するという透明性のある適切な発電所運営に努めて、県民の皆様の安心感の醸成に努めて参りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
吉野内会長
その他、何かございますでしょうか。
御意見もございませんようですので、この2つの議題1、議題2につきましては、この委員会としましては、適切である旨意見を取りまとめ、知事に報告をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
ありがとうございました。以上で議題の審議を終了いたしますが、先ほど申し上げましたように、伊方発電所の安全対策等について、3件の報告がございます。まず、伊方発電所3号機のプルサーマル計画につきましては、昨年9月に、本委員会で安全性について厳正に御審議を頂いた結果、知事に報告させて頂き、同年10月、県が事前了解を行ったわけでございます。その後の状況及び今後の計画等について、四国電力から報告をお願いします。
四国電力 太田原子力本部長
四国電力の原子力本部長の太田でございます。説明に先立ちまして、一言ご挨拶させていただきます。皆様方には日頃から、伊方発電所の運営につきまして、ご理解、ご指導を賜りまして誠にありがとうございます。現在、伊方発電所では、1号機、2号機、3号機とも安定して運転をしてございますが、引き続いて、安全・安定運転に努めて参りますので、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。本日は、今、会長さんのほうからご紹介がございましたように、昨年10月にご了解をいただきました、当社のプルサーマルの計画の状況についてと、それから、伊方1号機の高経年化対策について、さらに、耐震設計審査指針の改訂がございましたので、それについてのご説明をさせていただきます。早速ですけれども、資料に基づきまして、まず、プルサーマル計画の状況について、当社の原子燃料部の品質保証グループリーダーをしております大沢のほうから説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
四国電力 大沢原子燃料部品質保証グループリーダー
四国電力原子燃料部 大沢でございます。それでは、伊方発電所3号機プルサーマルの状況について、説明させていただきます。それでは資料3、プルサーマルの現状と今後の計画というタイトルの資料でございます。当社につきましては、2010年度までの伊方発電所3号機におきますプルサーマルの実施に向けまして、現在、鋭意、諸準備を進めているところでございます。昨年の10月13日には、愛媛県、伊方町より、事前了解をいただきまして、その後、11月28日にモックス燃料の加工契約を締結してございます。モックス燃料加工契約の内容でございますけど、元請会社を三菱重工業としまして、三菱重工業は、燃料設計、燃料部材の調達等を担当いたします。下請け会社、フランスのメロックス社を対象といたしまして、メロックス社はモックス燃料の製造を担当いたします。当社で製造するモックス燃料の体数といたしましては、21体を予定してございます。また、モックス燃料の製造につきましては、2008年12月末までに完了の予定です。現在の状況ですけれども、モックス燃料の製造に向けて許認可、品質保証関係の準備を進めてございます。まず1点目ですけれども、許認可のほうの準備でございます。電気事業法に基づきまして、国による検査を受ける必要がございますので、そのための、輸入燃料体検査申請の準備を、現在進めてございます。そして、モックス燃料の製造に着手する前までに、この申請を行う予定でございます。2点目といたしまして、品質保証活動の準備でございます。フランスでの燃料製造におきまして、万全の体制のもとで、品質保証活動を行うための準備を進めてございます。当社が行います主要な品質保証活動の内容といたしましては、資料のほうに4点ございますけれども、1点目が、モックス燃料製造前に、システム監査を実施いたしまして、元請並びに下請け会社の品質保証活動が適切に実施されることを確認いたします。2点目といたしまして、モックス燃料製造中におきましては、ペレット、燃料棒、燃料集合体組立の各工程毎に、工程監査を実施いたしまして、定められた手順に従ってモックス燃料が製造されていることを確認いたします。3点目といたしまして、製造期間を通じまして、当社社員が工場に常駐いたしまして、ペレット、燃料棒、燃料集合体組立の各工程毎に、立会検査を実施いたします。4点目ですけれども、客観性の観点から第三者の監査機関を起用いたしまして、当社が工場で行います品質保証活動を評価させます。ということを行います。以上の準備を進めまして、万全の体制で燃料製造に関わる品質保証活動を実施していきます。今後とも安全確保を最優先にモックス燃料の製造、輸送等の各段階における品質保証活動を着実に進めるとともに、引き続き地域の皆様との対話や各種広報媒体を活用した理解活動を継続して参る予定でございます。
資料の裏のほうをめくっていただきまして、こちらのほうに今後のスケジュールを示してございます。スケジュールといたしましては、主要工程と許認可の2つの内容がございます。許認可といたしましては、その下のほうに書いていますが、各種許認可ということで、4種類ございます。輸入燃料体検査、工事計画認可、使用前検査、保安規定の変更認可がございます。上の主要工程に戻っていただきまして、昨年の10月13日に地元のご了解を得て、その後、燃料製造に入っていく予定でございます。燃料製造に先立ちまして、下の許認可の欄のところで、長い棒の輸入燃料体検査申請という枠がございます。こちらで、※1をつけてございますけれども、成型加工開始前、燃料を製造する前に、製造中の試験とか品質保証活動の計画等を示した説明書を国のほうに提出して申請するという手続きがございます。この申請の後、燃料の製造を開始いたします。燃料の製造が終了いたしますと、許認可のところの真ん中あたりに※2というのがございます。補正申請と書いてございますけれども、そちらのほうで、成型加工を終了した後で、試験の結果とか、品質保証活動の結果の内容を記載した説明書を提出いたします。提出の後、燃料を日本に輸送するという作業になります。燃料を発電所に受け入れまして、その後、国による輸入燃料体検査が発電所で実施されます。その後、使用開始となるわけですが、使用開始に先立ちまして、原子炉の中に燃料を装荷した後、各段階におきまして、使用前検査を実施いたしまして、安全性を確認した後、使用を開始するという手順になってございます。以上が、スケジュールでございます。以上、簡単ではございますけれども説明を終了させていただきます。
吉野内会長
ありがとうございました。今のプルサーマルの現状につきまして、何かございましたら、承りたいと思います。
古賀委員
モックス燃料の製造に関しましては、海外でということで、フランスの燃料製造会社において、燃料加工に向けて、製造前、それから製造中の期間について、社員の方々が、そちらのほうに常駐されて、品質保証活動を含めて製造活動を行うという準備を進められているという説明でございました。この場合に、四国電力さん、元請会社の三菱重工業さん及びメロックス社の3社間でのそういう関係を含めて、どのような観点から燃料製造及び品質管理においての検査確認を行われるのでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
モックス燃料の品質の要求事項は、基本的に今まで使っているウラン燃料と同じでございまして、各製造過程で当社の社内の規程に従いまして、厳密な品質保証活動に取り組んで参る予定です。ただし、モックス燃料はウラン燃料と異なりまして、ペレットの製造工程前に、ウラン粉末とプルトニウム粉末を混ぜるという特別な工程もございますので、このようなものに対しては、プルトニウムの含有率や組成等についても当社が行う検査で確認いたします。こういうことにつきましては、当社の社内規程を加工契約に反映させて、間違いなくできるようにしております。もう少し具体的に説明させていただきますと、当社元請会社であります三菱重工の品質保証活動が適切に行われていることを確認するとともに、その下請け会社でありますフランスのメロックス社に対しても、製造の開始前に、メロックス社の品質保証システムが当社の要求事項、すなわち品質保証に関します国際規格でありますISO9001等に適合していることを確認する全体のシステムの監査を実施いたします。また、製造中には各工程ごとの実作業を確認する工程ごとの監査を実施いたします。当社向けのモックス燃料が、適切な品質保証活動のもとで製造されることを確認いたします。それぞれの工程ごとに立会検査を実施いたしまして、モックス燃料の品質が確実に間違いないかということを確認することにいたしております。
吉野内会長
その他、プルサーマル計画に関しまして、何かございますか。
それでは次の報告でございますが、伊方1号機につきましては、ご案内のとおり、昭和52年に運転を開始いたしました。今年の9月で、運転開始から30年ということになります。昨年9月に四国電力が原子炉等規制法に基づきまして、国に高経年化対策に関する報告書を提出しておりますので、その概要につきまして、報告をお願いします。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
四国電力原子力部計画グループの高木と申します。お手元の資料4をお願いいたします。伊方発電所第1号機高経年化技術評価の現状と今後の計画にということで、資料4に基づいて説明させていただきます。資料の1ページをお願いいたします。原子力発電所の高経年化対策につきましては、平成8年に国より、事業者の自主的な保安活動として運転開始後30年を目途に経年劣化に関する技術評価及び長期保全計画策定を実施するように要請されております。その後、平成15年に実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則、略して実用炉規則と言っておりますが、これにおいて、原子力発電所の運転開始日以降30年を経過する日までに技術評価及び長期保全計画策定を実施し、10年を超えない期間毎に再評価することが義務づけられております。さらに、平成16年には、高経年化対策の充実を図るために、国において、高経年化対策検討委員会が設置され、平成17年12月には、同委員会の検討結果を踏まえて高経年化対策実施のためのガイドラインの整備等がなされるとともに実用炉規則が改正され、技術評価及び長期保全計画策定に加え、運転開始日以降29年を経過する日までに報告することが義務付けられております。伊方発電所1号機は昭和52年9月30日に営業運転を開始しておりまして、本年、運転年数30年を迎えることから、原子力発電所の機器・構造物の健全性について評価を行い、昨年9月28日に国に報告書を提出し、現在、国の審査、確認を受けております。それでは2ページをお願いいたします。技術評価対象機器についてでございますが、実用炉規則で定める安全上重要な機器・構造物を技術評価対象機器としておりまして、具体的には、発電所のほとんど全ての機器・構造物が対象となっておりまして、その数は15,000以上にものぼっております。図1でございますが、原子炉格納容器内の主な機器であります原子炉容器、蒸気発生器、1次冷却材ポンプ等について例示しておりますが、もちろん格納容器外の機器についても対象機器となっております。評価に当たりましては、下の表1に示しますように、対象機器・構造物を、ポンプ、熱交換器、ポンプモータ、容器、配管、弁、炉内構造物、ケーブル、電気設備、タービン設備、コンクリート構造物及び鉄骨構造物、計測制御設備、空調設備、機械設備、電源設備、その他設備の16に分類し、機種ごとに評価しております。なお、機器単位で定期的に取り替えております燃料集合体等は、技術評価対象外としております。1ページにお戻りいただきまして、2でございますけれども、伊方発電所1号機の運転・保守状況についてでございますが、原子力発電所では、発電所の安全・安定運転を確保するため、運転中や定期点検中の保全活動により各設備の健全性や機能を維持し、信頼性の向上を図っております。運転中には、安全上重要な設備に対して定期試験を実施するほか、運転状態の監視や巡視点検を実施しています。定期検査中には、設備の点検・検査を行うとともに、必要に応じ修理又は取替を実施しています。また、応力腐食割れ、減肉などの経年劣化事象に対しては、予防保全を行うとともに、国内外の事故・故障等の経験を適宜、保全活動に反映しております。伊方発電所で発生した事故・故障については、速やかに原因究明及び再発防止対策を実施するとともに、国内外で発生した事故・故障の対策についても水平展開を行い、設備の改善、運転、保守運用等の改善を行うことにより、発電所のより一層の安全・安定運転に努めております。お手元の資料の一番最後にA4横でカラーの資料を用意しております。同じものをスライドのほうでも前のほうに出しておりますので、お手元の資料、またはスライドを参照いただければと思います。スライドの右上に@、Aと書いてある資料ですが、この資料には、伊方1号において発電所の安全性・信頼性を向上させるために、運転開始以降に実施した主な改善項目について書いておりまして、1番上の蒸気発生器取替えをはじめ、応力腐食割れ等の事象ごとに分けたものです。スライド@とAにその主なものをここに列記しております。次に、資料4の1ページにお戻りいただきまして、3の高経年化技術評価の概要についてでございます。高経年化技術評価は、原子力発電所を構成する安全上重要な機器・構造物について、長期間の使用、ここでは長期間とは60年間の運転期間を仮定しております。60年間に対する健全性評価を確認するため、経年劣化事象が発生する可能性の有無や、経年劣化事象の発生及び進展傾向に対する現状の保全活動の妥当性、それから耐震性への影響等について評価するものでございます。3ページの図2をご覧ください。ここには、技術評価フローを示しております。まず1番上の四角のところで評価対象機器を全て抽出しております。その下の菱形の部分のところで抽出された機器のうち機器単位で定期的に取り替えている燃料集合体等は技術評価対象外として除外します。その次に、抽出した機器類を、構造、使用環境、材料等をもとにグループ化します。ポンプを例にあげれば、ポンプの型式、内部流体の種類、ケーシング等の材料などをもとにグループ化を行います。その中から代表機器を選定します。代表機器の選定に当たっては、仕様、重要度、使用条件、運転状態等を考慮します。重要度が高いものとか、使用温度、圧力等が高いなどを選定根拠に、選定することとしております。こうやって抽出した代表機器に対しまして、高経年化対策上着目すべき経年劣化事象を抽出いたします。対象機器・構造物に発生しているか、または、発生する可能性が否定できない全ての経年劣化事象の中から、高経年化対策上着目すべき経年劣化事象を抽出し、さらに、国内外の運転経験や研究等によって得られた新たな知見を考慮して原子力発電所に想定される経年劣化事象を抽出いたしております。抽出された高経年化対策上着目すべき経年劣化事象に対して技術評価を実施しました。これについては、4ページの図3に詳しく書いておりますので、ご覧ください。図3に示しますように、まず、健全性評価といたしまして、機器ごとに抽出した部位、経年劣化事象の組合せごとに60年間使用することを仮定して、傾向管理データによる評価、解析等の定量評価、過去の点検実績、それから補修・取替実績及び一般産業で得られている知見等により健全性評価を実施いたしました。それから四角の右側のほうでございますが、現状保全ということで、評価対象部位に実施している点検内容、それから関連する機能試験内容等の現状保全の内容について整理しました。この2つを合わせまして総合評価として、健全性評価と現状保全を合わせて、現状の保全内容の妥当性等を評価しました。具体的には健全性評価結果と整合の取れた点検等が現状の発電所における保全活動で実施されているか、また、点検手法は当該の経年劣化事象の検知が可能か等を評価しております。そして最後に高経年化への対応といたしまして、60年間の運転を考慮した場合、現状保全の継続が必要となる項目、今後新たに必要となる点検・検査項目、技術開発課題等を抽出いたしております。3ページにお戻りいただきまして、図2のフローチャートで下のほうにありますけれども、これらの評価は代表機器以外の機器にも展開することにより、漏れなく評価することができるようになります。高経年化対応項目の抽出、耐震安全性評価を実施しております。それらの結果を踏まえ長期保全計画というものを策定しております。以上の手順に従い技術評価を行った例として、原子炉容器の例を5ページの表2に載せております。ここでは経年劣化事象として、一番左の項目ですが、胴部の中性子照射脆化とスタットボルトの疲労割れを紹介しております。これについてはスライドを準備しておりますので、スクリーン又はお手元の資料をご覧ください。スライドで言いますと資料の右上のBと書いてある資料が該当します。このスライドには原子炉容器の鳥瞰図を示しております。先ほどのようにして、抽出されました経年劣化事象のうち、胴部の中性子照射脆化、スタットボルトの疲労割れについてご説明させていただきます。まず、胴部の中性子照射脆化についてでございますが、原子炉容器の鋼材というのは、運転中に燃料からの中性子照射を受けると脆くなることが知られており、これを中性子照射脆化と呼んでいますけれども、この中性子照射脆化による経年劣化について評価したものでございます。カラーの資料の4ページ目をお願いします。スライドのCページになります。ここにはグラフを示していますけれども、このグラフは、原子炉容器に用いられている鋼材の特性を示したものです。このグラフの横軸には温度、縦軸には吸収エネルギー、単位ジュールとなっておりますが、これは吸収エネルギーというのは、簡単に言いますと、鋼材の粘り強さを表す指標と思って頂いて結構かと思います。ですから、この吸収エネルギーが大きければ大きいほど鋼材の粘り強さがあるということになります。一般に原子炉容器に用いられている鋼材は、温度が低いと脆く、温度が上昇するに連れてその粘り強さが増していくという特性を持っています。このカーブをご覧いただくとわかりますように、その粘り強さが急に増加する温度というのがございまして、この温度のことを関連温度と呼んでおります。このグラフは鋼材の特性を模式化したものですけれども、初期と書いた緑のカーブがございますが、これが建設当時の鋼材のカーブ、そして、赤の一点鎖線がございますが、このカーブが一定の中性子照射を受けた鋼材のカーブとなります。鋼材が中性子照射を受けて起こることといえば、このグラフにもありますように関連温度が上昇するとともに、高温部でエネルギーが一定となる領域、上部棚領域と呼んでいますが、この領域の吸収エネルギーが低下することがわかっています。原子炉容器鋼材の中性子照射による脆化の程度は、関連温度の上昇量及び上部吸収棚エネルギーの低下量によって把握することができます。次のDのスライドをお願いいたします。この鋼材の中性子照射脆化の程度でございますけれども、原子炉容器内に設置されている監視試験片を定期的に取り出して試験を行い知ることができます。この図からもわかりますように、監視試験片は原子炉容器内表面より燃料に近い位置に設置されておりますので、原子炉容器内表面の2〜3倍程度の中性子照射を受けているため、監視試験片を取り出して試験すれば、その結果から原子炉容器の将来を予測することができます。監視試験片には引張試験片、シャルピー試験片、破壊靭性試験片、中性子照射量測定用金属からなり、カプセルに納めて原子炉容器内に挿入しております。カプセルは全部で6本ございまして、現在までに3本使用しておりますが、今後の運転期間を考慮しても、カプセルの数に不足はないと考えております。関連温度の上昇量でございますが、中性子照射量が決まれば、国内原子力発電所用鋼材の試験結果を統計処理して求めた予測式というのがございまして、その式により予測することが可能でありまして、伊方1号機の監視試験片試験結果を用いて、将来の脆化の程度を知ることができます。次のスライド、Eをお願いいたします。ここにはグラフが載っておりますが、横軸が中性子照射量、縦軸は関連温度を示しておりまして、今までに3回実施した伊方1号機の監視試験片の試験による結果と、予測式によるカーブを示しています。赤丸が試験結果、それから緑の破線が予測式によるカーブ、赤い実線が予測式にマージンを含んだカーブになっています。試験結果と予測式はよい一致を示しておりまして、中性子照射量が増えても、関連温度の上昇が緩やかであることがわかります。脆化に対する原子炉容器鋼材の健全性を評価する場合には、この赤のマージンを含んだ実線のカーブを使用して予測することになります。次のスライド、Fをお願いします。今までは関連温度の上昇についてご説明して参りましたが、先ほどご説明しましたように、鋼材の粘り強さを表すもうひとつの指標である上部棚吸収エネルギーの低下についても国内予測式がございまして、建設時は209ジュールあったものが、60年運転時は174ジュールまで低下するという評価になっています。この174ジュールという値でございますが、日本電気協会の技術規程というのがございまして、そこで、原子力発電所用機器に対する破壊靭性の確認試験方法で要求されている値がございまして、これが68ジュールですので、これを満足する十分大きな値であることがわかりました。最後、評価になりますが、次のスライド、Gになります。以上のようにして60年運転時点の原子炉容器鋼材の脆化の程度を把握した上で、原子炉容器の健全性を評価しました。評価の方法は、原子炉容器の脆性破壊に対して最も厳しい条件であるPTS事象と呼ばれる事象に対して評価を行いました。PTS事象とは、ここにもありますように、加圧熱衝撃事象のことでございまして、運転中で高温となっている原子炉容器内に、例えば、原子炉冷却材喪失事故というのがありまして、そのときに、低温の非常用炉心冷却水が注入されますと、原子炉容器内の急激な冷却が起こりまして、原子炉容器内外間の温度差による熱応力と、それから内圧による応力によりまして、原子炉容器内面に大きな引張応力が発生する現象のことでございます。60年間運転したと仮定して、原子炉容器鋼材が脆化している状態で、この加圧熱衝撃、PTS事象が発生したときにでも、原子炉容器は破壊しないことを確認いたしました。まず、評価に当たりましては、胴の内面に初期亀裂があるとして評価を行っております。脆化による破壊というのは既に存在する亀裂の先端を起点として起こるために、評価のために実際には存在していない亀裂を想定するわけです。その大きさは深さ10ミリ、長さ60ミリの半楕円欠陥を想定しております。このような亀裂に対して、破壊力学的な手法を用いて評価を行います。破壊力学では応力拡大係数という指標を用いますが、亀裂に荷重が加わったときに、その先端に発生する応力拡大係数、ここにKTと書いてありますが、KTを計算することができます。それから、PTS事象が発生したときには、原子炉容器内の温度、圧力は刻々と変わりますので、KTの値も時系列に応じて変化していきます。この変化を、温度を横軸に整理したものが、このKTと示した青のカーブでございます。一方材料が持っている破壊靭性値、KTCと呼んでおりますが、KTCは、先ほどからご説明しております脆化予測カーブを用いて求めることができまして、KTCの値が大きければ粘り強いということになり、温度の関数になります。このKTCがKTよりも大きければ原子炉容器は脆性破壊しないということになりますが、このグラフを見ていただければわかるように、PTS事象発生時のどの時点においても、KTCがKTより大きいことから、60年間原子炉容器を使用した際に、PTS事象が発生したとしても、原子炉容器の健全性は保たれるということがわかりました。資料4の5ページの表2に戻っていただきまして、今の補足の資料で健全性評価のご説明をいたしました。この表で現状保全でございますが、原子炉容器胴部に対する現状保全といたしましては、定期的な超音波探傷検査で欠陥がないことを確認すること、つまり、脆性破壊の起点となる亀裂がないことを確認し、また、原子炉内に挿入されている鋼材の中性子照射脆化の程度を測るための監視試験片を計画的に取り出し試験を実施しています。あと、得られた監視試験結果をもとに運転管理上の制限範囲を示す加熱冷却時制限曲線を作成して、その範囲内で運転するとともに、定期検査中に行う耐圧漏えい試験の制限温度を設けて、それ以上の温度で試験を行うことにより、原子炉容器に過度な力が加わらないように管理しております。これらを総合いたしまして、総合評価として現時点の知見において、胴部の中性子照射脆化が原子炉容器の健全性に影響を与える可能性はないと考えられます。胴部材料の機械的性質の予測は定期的に行う監視試験により把握可能であり、また有意な欠陥のないことも超音波探傷検査により確認していることから、保全内容として適切であると結論づけております。そして、長期保全計画としては、先ほどの関連温度上昇を予測する式の精度向上を、現在、国内電力会社共同で行っており、この精度が向上した予測式が確立したときには、これを採用すること、また、先ほどの試験片でございますが、一回使用した試験片を再生して、再び原子炉内に挿入して、一定期間中性子照射して取り出し、再び試験するということにより、データ拡充をを図って長期的な予測信頼性向上に取り組む等についても反映すべきものであるかどうかを検討するということになりました。以上が原子炉容器胴部の中性子照射脆化に対する評価についてでございます。
それから、原子炉容器に関するもう一つの経年劣化事象としては、原子炉容器上部蓋を締め付けるために用いられているボルトでございますスタッドボルトというのがございますが、このボルトの疲労割れが抽出されております。これもお手元のスライドを使ってご説明したいと思いますが、Hのスライドを使って説明させていただきます。このスライドの左のほうに図がございますけれども、スタッドボルトには原子炉の起動・停止操作を行うときに、圧力や温度変化が加わるときに、荷重の変動があり、運転とともに繰り返されています。これが、疲労による劣化で、これに対する健全性評価としては、60年使用時のボルトに加わる繰り返し荷重を評価した結果、この程度は、累積疲労係数という指標で表すことができるのですが、制限値である1より十分小さい0.25という結果になりました。このスライドのグラフにもございますように、60年時点で0.25という評価になっております。資料4の5ページに戻っていただきまして、表2ですが、今のスライドが健全性評価結果でございますが、現状保全においては、定期的な超音波探傷検査及び目視検査を実施して欠陥がないことを確認しております。それから総合評価では、現時点の知見において欠陥の発生の可能性はないこと、それから、疲労評価は実際の過渡回数に依存し、欠陥は超音波探傷検査等で検知可能であるということになりました。従いまして、長期保全計画では、次回評価時に実際の過渡回数を確認するということになっております。以上が原子炉容器の技術評価の例について説明させていただきました。
それでは、資料4の6ページをお願いします。4というところで、評価結果と長期保全計画についてでございますが、伊方発電所1号機の高経年化に関する技術評価を実施した結果、現在実施している保全活動を継続していくことで、大部分の機器・構造物については、健全性が確保されていることを確認しました。なお、一部の機器・構造物については、より一層保全活動を充実する観点から、点検等を追加する項目が抽出され、これらを長期保全計画に取りまとめております。7ページの表3でございますが、技術評価結果と長期保全計画の代表例を記載しております。一番上は原子炉容器の胴部照射脆化でございますので、ここでは、原子炉容器については割愛させていただきます。その下ですけど、炉内構造物というのがございますが、これについても、補足資料でスライドを用意してございますので、スライドのIに絵がありますので、それをご覧ください。炉内構造物でございますけれども、原子炉容器内に設置されておりまして、燃料を収納している機器のことでございます。絵にもございますように、上部炉心構造物と下部炉心構造物から構成されており、定期検査時に容易に原子炉容器から取り外すことができます。この炉内構造物は、平成16年度に一体で新しい設計のものに取り替えております。この炉内構造物について抽出された劣化事象としては、照射誘起型応力腐食割れというものがございます。炉内構造物に使用されている材料でございますが、ステンレス鋼でございまして、伊方発電所で使用されている水環境ではステンレス鋼の応力腐食割れは起きませんが、炉内構造物は燃料を収納しており、燃料からの中性子照射を運転中は絶えず受けております。ステンレス鋼に高い量の中性子照射を受けると応力腐食割れに対する感受性が高くなることが知られておりまして、これを、照射誘起型応力腐食割れと呼んでいますが、先ほどご説明したように、伊方1号機は炉内構造物を一体で取り替えており、その際には、耐照射誘起型応力腐食割れ性に優れた材料、構造をした改良型に取り替えていることから、照射誘起型応力腐食割れは発生しにくいと評価しております。また、炉内構造物の目視検査の実施により、健全性を維持できると評価しております。長期保全計画といたしましては、炉内構造物の保全について、火力原子力発電技術協会、日本機械学会で規定されている点検評価内容を基に今後の保全につて検討を進めていくことが抽出されました。次に資料4の7ページのポンプについてでございます。ポンプについても絵を用意しておりますので、スライドのJに一次冷却材ポンプの絵を載せてございます。一次冷却材ポンプの経年劣化事象として抽出されたものの例としては、吐出ノズル疲労割れについて記載してございます。一次冷却材ポンプは配管を介して原子炉及び蒸気発生器に接続されており、一次冷却材系統の水を循環させるためのポンプでございます。このポンプ吐出部にはノズルがございまして、そのノズルと配管が接続されております。先ほどの原子炉容器スタッドボルトでもご紹介いたしましたように、一次冷却材ポンプ吐出ノズル部には、プラントの起動・停止等の繰返しにより荷重が加わりますが、疲労に対する解析評価及び超音波探傷検査等の実施により健全性を維持できると評価できました。長期保全計画としては、スタッドボルトと同じですが、次回評価時に実際の過渡回数を確認するということになっております。以上がポンプについてでございます。
資料4の7ページ表3のポンプの下の配管についてでございます。これに関する経年劣化事象としては、ステンレス鋼の応力腐食割れと炭素鋼のエロージョン・コロージョンを例示しております。エロージョン・コロージョンとは、高温水または二相流体を内包する炭素鋼配管内の流れの乱れが起こる箇所で配管の材料が、えぐられまして、肉厚が薄くなっていく現象でございます。ステンレス鋼の応力腐食割れ、炭素鋼のエロージョン・コロージョンについては、いずれも点検を継続することで健全性を保てるものと評価しております。ステンレス鋼の応力腐食割れにつきましては、伊方とは型式の異なる沸騰水型原子力発電所で、損傷事例が報告されておりまして、これが、伊方1号機の型式である加圧水型原子力発電所でも起こり得るかどうかの研究が、今現在、国のプロジェクトにて行われておりますので、今後適切な処置を検討することとしております。また、炭素鋼配管につきましては、今後もデータの蓄積・知見の拡充を行うこととしております。以上が配管についてでございます。
表3の配管の下のケーブルでございます。ケーブルについては、絶縁特性の低下が経年劣化事象として抽出されました。これにつきましては、代表的なケーブルに対する熱、放射線等を模擬した長期健全性試験結果から急激に絶縁特性が低下する可能性は小さく絶縁抵抗測定等の実施により健全性を維持できると評価いたしておりまして、現在、国のプロジェクトで検討されている評価手法を反映し、再評価を実施していくこととしております。
ケーブルの下にありますのは、基礎ボルトでございます。基礎ボルトでございますが、これは、タンク、ポンプ等の機器を床に結合するために用いられているボルトでございまして、コンクリート内部に埋め込まれている部分はアルカリ環境であるため腐食しません。それから、空気中にある部分は塗装により腐食を防止していますが、ナットがねじ込まれている部分はどうしても塗装ができない範囲があり、この部分の全面腐食が経年劣化事象として抽出されております。60年間使用を考えた場合の腐食を想定いたしまして、その状態で健全性評価を行った結果及び巡視点検等により支持機能を維持できるという評価になりました。なお、長期保全計画といたしましては、機器の取替等の機会を捉えて、実機プラントのサンプリングを行いまして、腐食、付着力の調査を実施していくこととしております。以上が基礎ボルトについてでございます。
次は表3の一番下になりますが、最後は、コンクリート構造物の強度低下というのがございます。コンクリートの劣化要因としては、熱それから放射線照射、中性化、塩分浸透、アルカリ骨材反応及び機械振動による強度低下が想定されますが、伊方1号機のコンクリート構造物については、それらによる劣化が急激に発生する可能性は極めて低いという評価になりました。スライドのKに絵を示してございますが、タービン発電機架台について示したものでございます。タービン発電機を支えているタービン発電機架台はコンクリート構造物でございますが、アルカリ骨材反応によるひび割れが認められておりますが、ひび割れの状況、架台全体の伸びの状況及びコンクリートサンプルを採取しての残存反応能力の測定結果などから、反応はほぼ収束しており、ひびの補修、これはひびを塞ぎ内部の鉄筋の腐食を防止するために行っておりますが、およびタービン発電機架台の状態を継続監視していくことが保全方法として適切であるという結論になっております。なお、タービン架台については耐震評価も行っておりまして、アルカリ骨材反応による伸びを想定しても、通常運転時はもちろん、設計地震力が加わった場合でも、その耐力に十分な余裕があることを確認しております。長期保全計画でございますが、現状の目視点検等を継続していくとともに、さらに慎重を期すため非破壊検査を実施していくこととしております。以上が7ページに示しました技術評価の代表的な例についてご説明させていただきました。
それでは、8ページの図をご覧いただけますでしょうか。図4ですが、先ほど代表例について挙げさせていただきましたが、その他の機器も含めた高経年化技術評価において抽出された新たな保全項目について、運転開始後30年を迎える今年の9月30日以降の最初の定期検査から計画的に実施していくこととしております。また、今回実施した高経年化技術評価は、現在最新知見に基づき実施したものですが、今後10年を超えない期間ごとに新たな知見を踏まえて再評価を実施していきます。長期保全計画についての実施時期でございますが、3つに大別しております。1つ目が短期でございまして、平成19年以降の5年以内に実施すべきものでございます。これについては、健全性評価結果から実機プラントデータでの確認・評価が早急に必要なもの、それから、5年以内に技術開発成果等の新知見が得られる見込みであるもの、それから5年以内に実施計画があるもの、これは取替等がございますが、というのが短期でございます。それから2つ目が中長期でございまして、これが、19年以降の10年以内に実施すべきものとしております。それから、3つ目が次回評価時ということで、10年後になりますが、次回高経年化評価結果で実施すべきものですが、これについては、先ほどの疲労による過渡回数の確認等が含まれます。これらの実施時期につきましては、7ページの表3の一番右にございますように、長期保全計画の実施時期の欄にそれぞれ明記しております。最後のページ、9ページをお願いします。伊方1号機の高経年化技術評価の国の審査状況についてでございますが、昨年9月28日に国に報告書を提出後、国においてその内容を審査中でございまして、本年2月20日から23日の間、伊方発電所の立入検査が行われまして、現地確認及び具体的な記録等の確認をしていただきました。また、審査状況については、専門の先生方を委員とするワーキンググループというものが結成されておりまして、そこで意見聴取されており、国の審査がまとまれば、その結果についても公表される手順となっております。当社は高経年化技術評価等の活動を通じて、今後とも原子力発電所の安全・安定運転に努めるとともに、安全性・信頼性のより一層の向上に取り組んでいく所存でございます。以上でございます。
吉野内会長
ありがとうございました。ただいまご説明ございましたが、何か質問等ございましたら承りたいと思います。どうぞ。
渡邉委員
先ほどご紹介にありましたように、原子炉の中には、全体で一万点を超えるようなたくさんの部品があります。たぶんいろいろなところで検討されていると思いますが、30年間の中で、交換された部品と、そうでない部品をまず鳥瞰図などで色分けしてもらって説明されたほうがわかりやすいと思います。その中でも交換されていない部品でも、非常に重要な部分と、安全上そうでないような部分もたくさんありますので、そういうことを、全体の重要性というものを示された上で、説明されたほうがわかりやすいと思います。これは要望です。
それとお聞きしたいのは、原子炉容器の脆化の問題ですけれども、先ほど資料を見ますと、監視試験片が表面から2、3倍程度の照射量を受けていると書いてあるのですが、それであれば、中性子のフラックスの違いというものもあるわけですよね。これはどういうふうに脆化の予測式の中には評価されていますか。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
先ほどご説明させていただきましたように、試験片というのは、燃料に近い側にございますので、だいたい1.8倍から3.2倍原子炉容器に比べて余分に中性子照射を受けております。ですから、原子炉容器に比べて将来の照射量になっておりますけど、先生御指摘は、おそらく加速照射による影響だと思いますが、今の基準では、加速照射5倍以内であれば、大きな違いはないだろうということが分かっておりますので、それ以下の3倍程度のフラックスで試験しておりますので、予測式自体にそれほど大きな影響はないと思っております。それから先ほど少し説明いたしましたが、予測式というのがございますが、それももちろん国内のあらゆるデータも含めて統計処理した予測式でございますが、それには加速照射のデータも入っておりますが、それについては、今、予測式自体を精度を上げるという高度化の作業を行っておりますので、そういう結果が出れば、伊方発電所のほうにも適用いたしまして、新知見を用いて再評価することになると考えています。
渡邉委員
その新知見を出すときに、どのような具体的な評価になりますか。例えば色々な材料試験のデータなども一緒に公表しないと新しい脆化式に当てはまらないわけですよね。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
まず、国内原子力発電所は、加圧水型、沸騰水型いろいろございまして、鋼材の種類は色々ございますけれども、国内で今かなりの試験データが集まっておりますので、それらをまず統計処理という手段で処理するという手順があります。後、試験炉のデータも一部使用すると聞いておりますが、主としては、統計処理を用いてやることになっておりますので、当初、あまりデータがない当時は、化学成分等を用いて予測するという手法もございましたが、今は、かなりのデータが集まっておりますので、それらのデータを用いて統計処理すると聞いております。
吉野内会長
よろしいでしょうか。その他ございませんでしょうか。
それでは3番目の報告事項に移りたいと思います。耐震設計審査指針の改訂についてお願いします。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
お手元の資料5になります。1ページをお願いいたします。1の経緯でございますけれども、昨年9月19日に原子力安全委員会が耐震設計審査指針を改訂しております。その翌日、9月20日には、保安院は事業者に対して、改訂指針に照らした耐震安全性評価を実施するように指示しております。10月18日には保安院の指示に基づき、当社は耐震安全性評価計画書を国に提出し、耐震安全性評価を開始いたしております。その下の2でございますけれども、指針改訂の位置付けと主要変更点についてでございます。耐震設計審査指針は、耐震設計に関する安全審査において、その設計方針の妥当性について判断する際の基礎を示すことを目的として定められたものであります。昭和56年の改訂以来、20年以上が経過し、この間、地震学ならびに耐震工学に関する新たな知見の蓄積、原子炉施設の耐震設計技術の改良及び進歩には著しいものがございまして、また、平成7年に発生した兵庫県南部地震では、地震動特性などの貴重な知見が得られておりますので、これらを踏まえ、原子力施設の耐震安全性に対する信頼性を一層向上させることを目的に、指針の改訂が行われたものでございます。耐震指針の主要変更点を表1に示しておりますが、これらについて説明させていただきます。まず一番上の耐震重要度分類の改訂でございます。これについても補足説明資料として先ほどのスライドの資料の後ろに@としてスライドも用意していますので、これも一緒に参照しながら説明させていただきます。スライド@ですが、左側は旧指針、右側は新指針と分けております。旧指針では原子力発電所の設備を、その耐震上の重要度に応じまして、As、A、B、Cと4分類にしており、それぞれの分類に応じた設計としておりました。旧指針のAsクラスの設備としては、原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する機器・配管系、これには原子炉容器や加圧器、それらを接続している配管などが含まれております。それから使用済燃料を貯蔵するための施設、これには使用済燃料ピットが含まれます。それから原子炉の緊急停止や停止状態を維持するための設備、これには制御棒やほう酸注入系が含まれております。それから原子炉停止時に炉心から崩壊熱を除去するための設備、これには余熱除去系統設備が含まれております。あと、放射性物質の放散を防ぐための施設として原子炉格納容器が含まれております。これらの設備は、旧指針で言いますとAsクラスということで、安全機能を保持するという観点から、後から説明いたしますS2地震に対して弾塑性設計をしております。それから弾性挙動の維持の観点から、S1地震に対して、弾性設計を行っております。これが特徴でございます。旧指針のAクラス機器については、原子炉冷却材圧力バウンダリ破損事故後に炉心からの崩壊熱を除去するために必要な施設として、事故時に炉心に水を注入する安全注入系統などが含まれますが、その設計には弾性挙動の維持ということで、S1地震に対して弾性設計を行っております。新指針では、旧指針のAsとAクラスを統合してSクラスという名前にいたしまして、安全機能の保持の観点から、Ss地震に対して弾塑性設計、弾性挙動の維持の観点から、Sd地震に対して弾性設計するということになっております。ですから大きな変更点としては、旧指針でAクラスの機器は、弾性設計していたものが、新指針では、Sクラスに統合、格上げされますので、弾塑性設計が必要になったということでございます。以上がクラス分けの変更でございますが、次に、スライドAをお願いします。基準地震動に関する変更についてでございます。スライドAは旧指針について書いてございますが、旧指針における基準地震動には、先ほど申し上げましたようにS1とS2の2つがございまして、基準地震動S1をもたらす地震を設計用最強地震と呼んでおりまして、歴史的資料から過去において、敷地またはその近傍に影響を与えたと考えられる地震が再び起こりまして、敷地及びその周辺に同様の影響を与える恐れのある地震、それから近い将来敷地に影響を与える恐れのある活動度の高い活断層による地震のうちから、最も影響の大きいものを想定しております。それからもうひとつ基準地震動のS2という地震でございますが、これは、設計用限界地震と呼びまして、地震学的見地に立脚し、設計用最強地震を上回る地震について、過去の地震の発生状況、それから敷地周辺の活断層の性質及び地質・地体構造に基づき構造的見地から検討を加え、最も影響の大きなものを想定いたしております。伊方発電所のS1の最大加速度は350ガル、S2の最大加速度は473ガルとなっております。地震動の評価は、経験的な手法であります応答スペクトル法に基づき実施いたしまして、活動度の高い断層は1万年前以降の活動が否定できない断層、それから、活動度の低い断層は5万年前以降の活動が否定できない断層を考慮しております。以上が旧指針についてでございます。次のスライドBについては、新指針について書いてございます。新指針は、基準地震動Ssというものに一本化されております。これについては、敷地周辺で発生する地震に関しまして、一番左になりますが、各種文献、観測データ及び活断層の調査結果を収集・検討いたしまして、過去の地震、活断層等の性質やプレートの性質、地震発生様式等を評価しております。その右に行きまして、次に地震発生様式等に着目して、プレート間地震、内陸地殻内地震、海洋プレート内地震等に分類します。そして、調査した地震について敷地に大きな影響を与えると予想される地震を選定するという手順になっております。新指針でございますが、後期更新世という期間、これは約13万年前になりますが、13万年前以降に活動した活断層までが考慮されることになります。地震動評価といたしましては、先ほどご説明いたしました応答スペクトル法という経験的な方法に加えまして、断層モデルを用いた地震動評価手法が採用されております。これらの手法により先ほどのSsというものが策定されます。弾性設計用の地震動Sdというものがございますが、これは、Ssに一定の係数を乗じて求めるという手順になっております。それでは、スライドの次のページCをお願いします。ここでは、地震動の評価方法の比較について示しております。応答スペクトル法と断層モデルによる手法の2つがございますが、上が応答スペクトル法でございまして、応答スペクトル法では、震源をひとつの点と仮想して、震源からの距離と地震が伝播する地盤の地質から、ある地点の揺れを評価する手法でございます。新指針では、この応答スペクトル法に加えまして、断層モデルによる手法でも評価するように求められております。断層モデルによる手法は、震源の面的な広がりによる影響を考慮でき、敷地での揺れを直接評価できるものでございます。その概念的なものはスライドのCに示しています。
それでは、資料5の1ページにお戻りいただければと思います。1ページの資料の表1でございますけれども、一番下の直下地震または震源を特定しない地震というのがございまして、旧指針では、マグニチュード6.5の直下地震を想定していましたが、新指針では、過去の地震の観測記録から、震源を事前に特定するのは困難な地震による揺れを直接定義することになっております。以上が新指針の主な改正点でございます。次に2ページをお願いします。3でございますが、耐震安全性評価の内容と当社の現況でございます。当社では、従来から、新たな知見を踏まえた耐震評価を都度実施しておりまして、耐震安全性に問題がないことを確認してきておりますが、指針の改訂を機に、改訂指針及び最近の知見等に照らした耐震評価を進め、耐震安全性の確保はもとより、広く地域の皆様の安心感の醸成に努めることといたしております。耐震安全性評価の内容は今からご説明するとおりであり、現在、基準地震動Ssを策定しているところであります。耐震安全性評価の対象となる施設は、伊方発電所第1、2、3号機でありまして、そのうち、新耐震指針における耐震重要度分類によるSクラスの施設について耐震安全性評価を実施いたします。また、BクラスおよびCクラスの施設のうちでも必要なものについては、その破損によるSクラス施設への波及的影響の評価を実施します。例えば、クレーンなどは耐震クラスが低いものもございますが、地震時にそれが破損してSクラスの施設を破損させることがないかどうかという評価を行うこととしております。評価対象施設は、表2に示しますように、基礎地盤は、原子炉建屋基礎地盤、それから建物・構築物は原子炉建屋、原子炉補助建屋、機器・配管系は、原子炉本体、計測制御系統設備、原子炉冷却系統設備、原子炉格納施設、放射線管理設備、燃料設備、附帯設備というものがございます。それから屋外重要土木構造物としては、海水ポンプ室、海水管ダクトであり、地震随伴事象としまして、津波、周辺斜面などを考慮しております。評価手順についてでございますが、3ページの図1をご覧ください。耐震安全性評価では、新耐震指針に沿った地質・地盤に関する調査結果を踏まえ、新耐震指針に照らした基準地震動Ssの策定を行います。震源を特定する地震動評価には、先ほどご説明いたしましたように応答スペクトル法に基づくもの、それから断層モデルに基づくものの2手法に基づき行います。これと震源を特定せず策定する地震動を合わせて基準地震動Ssを策定します。さらに、策定した基準地震動Ssに基づく建物・構築物等の地震応答解析結果から得られる応答等に基づきまして、機器・配管系の評価や地震随伴事象の評価などを順次実施していきます。一番最後になりますが、実施工程でございます。現在、基準地震動Ssを策定中であり、伊方1、2号機については平成21年3月に、それから3号機については、平成20年7月に耐震安全性評価結果を国に報告する予定で、今現在、作業を進めているところでございます。以上でございます。
吉野内会長
ありがとうございました。今ご説明のございました耐震設計審査指針につきまして、何かご質問等ございましたら承ります。
濱本委員
以前に国や県が実施しました公開討論会におきましても、地域の人たちの最も関心の大きかったことのひとつに地震ということがあったかと思うのですけれども、この最後の工程について説明いただいたところでは、評価結果が出てくるまでに、まだ2年先のことになる、長い期間かかるということですが、なぜこんなに時間がかかるのか、これは大変大事な問題だと思います。それから、3号機と1、2号機で、3号機が少し早く、1、2号機は半年さらに後になるということですが、その違いというのはどういったところにあるのでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
耐震設計審査指針の改訂に関連して、我々、評価を、今実施しておりますが、現在の耐震設計審査指針に基づく設備が直ちに危ないとは考えておりません。将来新しい知見を入れて、将来に向かってより安全にするために、今どういうことをやらなければならないか考えて、この改訂に前向きに取り組んでおります。従いまして、将来にわたる余裕をどういう風に取るのかというようなところも含めて、慎重に検討を進めたいと考えております。また、実際の実務的な面から言いますと、先ほど話がありましたが種々の作業を一歩ずつ進めていかなければなりませんが、保安院が最新の考え方に基づいて、詳細な各段階における評価ルールを策定して、これを基に厳格・丁寧に進めていく必要があることから、相当の期間を要すると考えております。また、今回、この評価は日本国全部のプラントで一斉に実施されておりますことから、ゼネコンやメーカーの耐震設計や強度計算に優れた人たちの制約も受けております。従いまして、3プラント全て完了するのには、できるだけ早くするということですがギリギリの工程となっております。ただ、3号は比較的新しいプラントでありまして、設計データが揃えやすくて、評価作業が比較的スムーズにいくと考えておりますし、プルサーマルも抱えておりますので、順番として3号を先にして、その後、1、2号を実施するという形で考えて、今、工程を提案させて頂いております。以上です。
有吉委員
表1の一番最後のところですが、直下地震または震源を特定しない地震動のところですが、この直下地震の地震動について、いくつにするかという点の検討状況を知りたいということと、これに関しては、全原発がひとつの数値になるのかということをお聞きしたいのですが。
四国電力 谷川原子力部長
当社が震源を特定せずに策定する地震動として、今考えていますのは、最大加速度で、450ガル、今、設計473ガルで我々チェックしておりますが、それより少し下のところの450ガル程度になると考えております。他社も含めて、450ガル、全てのサイトが同じになるかどうかは、周辺の地質調査の把握の状況によっても、若干評価は異なりますので、他社が同じになるかどうかは、現段階では、承知しておりません。ちなみに、従来のマグニチュード6.5の直下地震の場合の最大加速度は、約370ガルという値でございます。以上です。
森委員
先ほどの部会長の質問と絡むのですが、図1の検討フローでは、基準地震動Ssの策定と施設耐震安全性評価という2段階になっており、さらにそれぞれの段階で検討項目が示されていますが、少なくとも、個々の検討項目がいつまとまるのかということをお示しになるのは困難かと思いますが、この2段階の移行期がいつになるのかということぐらいは説明、ご提示いただいて、少なくとも基準地震動Ssというのが、どれくらいであるのかが、いつの時点でわかるのか、いつになるかわからないというのであれば、直下型地震は450という具体的な数字が出てきているわけですから、そのあたりもう少し詳しく説明いただければと思います。
四国電力 谷川原子力部長
この評価につきましては、私どもが技術的な評価をして、国の保安院の評価を受けてその結果として確定するという状態になると考えております。私ども先ほどお話させていただきましたが、できるだけ透明性のある活動に努めておりますので、適宜、必要に応じてデータ等を提示していきたいということで基本的には考えておりますが、国の検討の状況等ございますので、現段階で、いつというような形ではお示しできない。先ほどの450ガルも私どもの評価として考えておりますが、国のほうの評価を受けているわけではありません。ただ、国のほうで色々検討している状況から、私どもの技術評価として、それくらいであれば国のほうに受け入れられるだろうなという確証といいますか心証を持っておりますので、そういう発言をさせていただきました。従いまして、今言ったように考えておりますので、今後、国や県御当局のご指導を得て、適宜・適切に進めて参りたいと考えております。
岡村委員
先ほどの実施工程の冒頭のご説明の中で、平成21年3月まで比較的長いか短いかというようなご議論がありましたけれども、その中で、今すぐに地震が来ても、すぐに危険だという状況ではないので、きちんとした耐震評価をするべきだというご説明、私も非常にそれはそうあるべきだと思いました。その中で、私自身はこれは必ずしも長いとは思っていないのですが、先ほどの長期保全計画の中で、いろんな施設についての例として説明があった中で、タービン架台のコンクリート構造物の一部にアルカリ骨材反応があったというようなご説明もあったのですが、先ほどの長期保全計画の中の説明を伺っている上では、機械ものに関する強度の把握、経年劣化の把握というのと、コンクリート構造物に関する強度の把握というのが、随分レベル間に違いがあるのかなと感じました。この耐震性評価を21年3月までにされる段階で、こういう機会にきちんとした評価をするべきだと私は思っておりますので、コンクリート構造物、概ね同時期に施工されているわけですから、タービン架台だけではなくて、他にもアルカリ骨材反応が隠れたところにある可能性が当然あるわけです。ですから、コンクリート構造物の強度評価も含めて、是非きちんとやっていただけたらいいと思うのですが、この計画の中にそういう項目は入っているのでしょうか。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
高経年化評価でございますが、先ほども説明いたしましたように耐震評価を行っております。このやり方といたしましては、60年運転を仮定したときに、顕在化する劣化を想定して、そこで地震が来ればどうなるかという評価をいたしておりますが、ただ、新指針にもとづくSsというのがまだできておりませんので、ここで採用している地震というのは過去に行いましたバックチェックがございますので、そのS1、S2を用いてチェックして、問題のないことを確認しております。この新指針の対応についてでございますが、高経年化の中でも、高経年化評価が終わって、新指針のSs等が確定した段階で、今、1、2、3号機バックチェックをしておりますが、バックチェック終了後、速やかに高経年化機器についても新指針の地震動で評価することとしております。それから、コンクリート構造物についてでございますけれども、先ほど説明しましたように、アルカリ骨材反応が出ている機器がございますが、これについては、今、タービン発電機架台と脱気器の基礎という部分がございますけれども、これらについては耐震評価をしておりまして、その他の部分については、コア抜き等実施しておりますが、アルカリ骨材反応等が出ておりません。タービン発電機架台について説明させていただきますと、先ほど説明させていただきましたように、耐震評価を実施しておりますが、この機器についてはCクラスという機器になっておりまして、今回の新指針の改訂におきましても、Cクラスのほうは、新たな地震動の変更はございませんので、今回の新指針が適用されても、今行っている高経年化評価による評価に新たに追加するものはないと考えております。以上です。
森委員
今のご説明の中で少し気になったのですが、確か当初のご説明の中では、BCクラスについては当てはまらないのだけれども、BCクラスの損傷によるSクラスへの影響を検討するというふうに説明があったかと思います。その意味は、結局新しい地震動が設定されて、その影響を考慮した場合のBCクラスの破損が及ぼすSクラスへの影響、それを検討するということを意味したのではないのですか。今のご説明ではそうではないようなご説明だったのですけれども。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
先生が今おっしゃいましたとおり、BCクラスの波及的影響をするものでして、今回のバックチェックの対象としてはSクラスの設備となっております。一方、高経年化のほうでは、先ほどのタービン架台等は、アルカリ骨材反応が顕在化しているものがございますので、それについては、その機種のクラスでございますCクラスについて評価しておりますが、それは耐震のバックチェックとは直接は関係しておりません。高経年化のほうのチェックということになっております。
森委員
バックチェックという言葉は、ここの資料で言うどの言葉と同じものになるわけですか。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
経緯のところでございますけれども、資料5の1ページ目の一番最初の10月18日に耐震安全性評価計画書というのを提出しておりますが、すいません、我々、バックチェックと呼んでおります。
森委員
そうすると、この耐震安全性評価のことをバックチェックとおっしゃっているということですか。
四国電力 高木原子力部計画グループリーダー
この計画書で行う作業のことを、我々内部ではバックチェックと呼んでおります。正確には、耐震安全性評価計画書に基づく評価ということが正式です。
吉野内会長
よろしいでしょうか。その他、ご意見等ございませんでしょうか。
それでは、いろいろご質問等も出尽くしたようでございますので、この3件の報告でございますが、いずれも重要な事柄でございます。特にプルサーマル計画につきましては、昨年9月、この委員会でも附帯意見でお願いしておりますとおり、四国電力におかれましては、適切な対応、それから品質保証体制とか、安全管理体制の充実に努めていただきますとともに、その都度その都度、県民への情報公開、そして十分な説明に努めていただくようお願いいたしたいと思います。また、高経年化対策及び耐震設計審査指針の改訂につきましても、適切な対応と対策の実施が重要だと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
それでは、長時間御審議いただきましたけれども、以上をもちまして、この会を終わらせていただきます。どうも長い間ありがとうございました。
 
 
 (閉 会)
 
 

伊方原子力発電所環境安全管理委員会次第
 
日 時  平成19年3月14日(水)13:30〜15:30
場 所  愛媛県庁第一別館11階会議室   
松山市一番町4丁目4−2    
 
1 開 会
 
2 議 題
 
(1) 平成19年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
 
(2) 平成19年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
 
3 報告事項
 
 (1) 伊方3号機プルサーマル計画の状況について
 (2) 伊方1号機高経年化対策について
 (3) 耐震設計審査指針の改訂について
 (4) その他
 
4 閉 会

資 料 目 次
 
 
 
 
 
     [補足説明用スライド
 
     [補足説明用スライド