伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会議事録
 
1 日 時 平成14年3月19日(火)13時30分〜15時40分
2 場 所 愛媛県庁第一別館11階大会議室
3 出席者 委員10名(別紙名簿のとおり)
4 議 題
(1) 平成14年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成14年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
(3) 伊方発電所の高燃焼度燃料の採用計画等について
 
5 報告事項
(1) 伊方発電所の定格熱出力一定運転の導入について
 
6 審議等の内容(全部公開)
   定刻になり、開会
事務局
それでは武智県民環境部長から、ご挨拶を申し上げます。
武智県民環境部長
(挨拶)
事務局
濱本部会長さんに、議事の進行をお願いいたします。
濱本部会長
それでは、議事に入らせていただきます。まず、議題の1、2でございますが、平成14年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について、平成14年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画についてのこの2つでございますが、これはあらかじめ資料が事務局の方からお手元へ届けられているかと思いますが、まず事務局の方から、この2つの件についてご説明願いたいと思います。
事務局
それでは、平成14年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画につきまして、ご説明を申し上げます。
(【資料1】により環境政策課長が説明)
続きまして、平成14年度の温排水影響調査計画につきまして、ご説明をさせていただきます。
(【資料2】により水産課技術課長補佐が説明)
濱本部会長
ありがとうございました。両計画とも今年度の計画と同様な内容となっていますけれども、この2つについて、何かご意見はございましょうか。
武岡委員
温排水の方なんですけれども、資料2の温排水の最初のページの四国電力の水質及び水温のところの項目に塩素量というのがあるんですが、詳しくは7ページに、調査内容のA塩素量で、サリノメーターにより測定、ただし2箇所云々、とあるんですが、塩素量というのは非常に古くて、もともと塩分を測るために、昔の方法では塩分を全部測るのは非常に難しいものですから、塩分とそれから構成元素の、例えばナトリウムであるとかマグネシウムであるとか、塩素ですねそういったものの構成比が極めて海水中では一定であることを利用して、塩素量を測ることによって後で塩分に換算する、といったように、これは塩素量をここにあるように硝酸銀で滴定して測ってたんですね。これは非常に古い方法でして、今塩素量という数字を海洋学で使う人はほとんどいないんですが、これはもともと塩素量を測るのが目的ではなくて塩分を測るのに手段として塩素量を測ってた。今ではこれは逆にサリノメーターで測るというのは、先に塩分を測っているんですけど、塩分を直接測っているのではなく電気伝導度から測っているんですけど、それからまず塩分が、機械の表示としてはまず塩分が表示されるんですけど、それをまたわざわざ塩素量に戻してるんですね。非常に古いことをしてると思うので、こういうのは、ぼちぼち見直してもいいんではないかという気がするんですが、これはちょっと細かい話なんですけど、調査全体を見渡してみてもかなり長期間続けておられて、すでに役割を終えていると思われるものとかですね、手法として非常に古いもの、最近観測技術も発達していますので、もっと労力が少なくて、しかも大量の情報が得られて、役に立つような方法もどんどん出てきてるわけでございますので、ですから、これが次年度すぐにどうこうということではございませんが、そろそろ全体の計画を見直すようなですね作業に入ってもいいんではないかと私は、まあ私は最初からこの委員会に加わっているわけではないんですが、ここ数年この委員会に出るようになりまして、まあその間の印象ですけども、私も愛媛大学の方の調査にも関わっているのですが、これもやはり調査としては、もう非常に、研究者としてはやるのがつらいような調査もありまして、その辺ちょっと次年度直ちにということではなくて、何らかの見直しということを、どこかでお考えいただいてもいいんではないかと思います。
濱本部会長
ありがとうございました。ただいまの武岡先生のお話について、事務局の方から何かございましょうか。
事務局
塩素量は古い手法でございますが、従来から取ってきたデータとの整合性もございますので、今後検討させていただきたいと思います。
濱本部会長
ありがとうございました。別に水産課が主体となっている委員会がございますよね。そういうところとの整合性なんかも事務局の方として今後検討していただくようお願いします。
そのほか、何かございませんでしょうか。
岡野委員
環境放射線の調査計画が13年度と同様ということで14年度も引き続き行うということでございますけれども、13年度からJCO事故を踏まえまして、調査内容が非常に多岐に渡り多くなって大変強化されたような形になってそれを引き続き平成14年度も行うわけでございますけど、まあ測定地点数も増えたし、測定の内容も非常に多岐に渡って行われるようになりましたが、それにともなって人的な資源、要するに作業する人に負担が大きくなるということが当然考えられますけども、そういうことに対して、何らかの対応を考えないといけないと思いますけど、そのあたりはどうでしょうか。
 
事務局
JCOの事故を踏まえまして、モニタリングの見直しをさせていただいたのですが、その中には、岡野先生からもいろいろ御指導いただきましたが、例えば、全ベータの見直し削減なども行いまして、全体としては少し増えたことになりますが、今の体制で十分できていると考えております。
濱本部会長
よろしいでしょうか。そういう人的なこともありますので、事務局の方で先ほどの武岡先生のお話も含めてご検討いただいたらと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、14年度の調査計画は、13年度に実施したものと同じ内容であるということで、計画は適切であるということでとりまとめさせていただいてよろしいでしょうか。
(委員一同賛同)
どうもありがとうございました。
次に第3番目の伊方発電所の高燃焼度燃料の採用計画について、ご審議いただきますけれども、原子力発電所では、使用済燃料の発生と、ウラン資源の有効利用、そういうことを図るために、高燃焼度燃料の採用を進めてきておりますけれども今回ステップ2の高燃焼度燃料が実用化されたということで、四国電力でもその導入を図るということになっております。この点についてご審議いただきたいと思いますが、まず最初に、経済産業省原子力安全・保安院の方からご説明いただきたいと思います。
経済産業省原子力安全・保安院
原子力安全・保安院は昨年の省庁再編によりまして設立されたものでございます。従来は資源エネルギー庁のなかで原子力の安全規制もやっていたわけですが、そこから離れる形で、さらに従来の発電以外の、核燃料サイクルの施設も一緒に規制するという形で設立されたものでございます。それで、そのなかに、総合資源エネルギー調査会というのがあるわけでございますが、その下に原子力安全・保安部会を設置して、原子力の安全に関します様々な諸問題を検討することを昨年からやってきたわけでございますが、その中のひとつのテーマとして、燃料の高燃焼度化について、検討を行ってきたものでございます。本日その結果をご報告させていただきたいと思っております。
(【資料3−1】に基づき説明。)
濱本部会長
どうもありがとうございました。引き続きまして、四国電力の方から、伊方発電所で進められております高燃焼度燃料の採用計画等についてご説明をお願いします。
四国電力
(【資料3−2】に基づき説明。)
以上ご説明いたしましたが、これらの実施につきましては、安全性の確保を最優先に進めて参りたいと考えております。
濱本部会長
どうもありがとうございました。ただいまの国及び四国電力の説明について、委員の先生方、ご質問あるいはコメントがございましたらお願いします。
 
菊池委員
あらかじめいただいた資料を勉強させていただいて、ステップ2の燃料でウランの濃縮度を上げておけば、最高燃焼度が上がるというところは、十分理解できるのですが、最高燃焼度をあげるということが目的ではなくて、むしろ長い間運転をして、燃料取替を減らすという方に本当は主眼があるわけですよね。話としては、放射性廃棄物を減らすというふうに、そうしますとこれはどちらに伺ったらいいかわからないんですが、現在、今の燃料で、3年間で燃料取替とおっしゃるときに、最初に入れたウラニウム235のうち何パーセントぐらいが実際燃えたところでだめになるのでしょうか。それから、つまりステップ2にしたときには、4年で取り替えるということですが、4年後に、ウランが実際は何パーセントくらい燃えてしまっているかというそういう数値がお分かりでしょうか。その数値で言っていただくほうが、本当は非常に話が分かりやすいんで、最高燃焼度で言われても実際これで運転するわけではないんで、ちょっと理解がしにくいという点があるのですが。
四国電力
いわゆる燃焼度というのはちょっと特殊な定義になっているのは確かでございます。ウランは大体、取り出しで濃縮度が残存1パーセント弱くらいで、ステップ1燃料でもそれぐらいになっておりますし、ステップ2においても最初に4.8パーセントで入れているものが、大体1パーセント弱ぐらいのウランが残ってございます。したがいまして私どもはそれを再処理することによって、残ったウランは再度取り出しまして、回収ウランと称しますが、再利用していくということにしています。
濱本部会長
よろしいでしょうか。そのほか何かございましょうか。
三宅委員
海外、我が国の中でも、もうすでに沸騰水型のBWRでは、今回伊方で導入されようとしておりますような燃焼度の燃料が使用されている訳でございますが、その場合に燃料被覆管にピンホールが生じるというふうな心配はございませんか。
四国電力
海外及び国内での実績につきましては、資料3−2の12ページを見ていただければと思います。12ページに、上の表でございますが、海外のPWRにおける高燃焼度燃料の使用実績を示しております。海外では既に欧米及びアジアでは韓国台湾等で既に92基のプラントで48,000(MWd/t)を超える燃料の使用実績がございます。燃料集合体にしますと約3,500体相当でございます。下の表に国内BWRにおけます使用実績を示しておりますが、平成13年度末現在で4,200体が使用中でございます。これらの高燃焼度燃料の使用におきまして、燃料の健全性でございますけれども、高燃焼度化に伴います燃料被覆管の著しい腐食や、燃料リークのトラブルが発生したという報告は受けておりません。
経済産業省原子力安全・保安院
今、四国電力が報告したとおりでございまして、高燃焼度化に伴って発生したと見られる損傷というのは今のところ我々としても確認してはございません。ただ、先ほど説明しましたBWRの9×9燃料というのを高燃焼度化に伴って採用しているわけでございますが、その9×9燃料でリークが発生した事実はございますけれども、それは偶発的なものでございまして、高燃焼度化に伴って出たというふうに我々は認識しているものではございません。
菊池委員
先ほどのご説明で、燃料の高燃焼度化に係る安全研究の現状と今後の課題というところで、今後これを実施する主体のことですが、電気事業者とか、原子力発電技術機構とか、日本原子力研究所云々と書いてあるのですが、こういうところでは、これから実際にどういう研究を、本当に高燃焼、つまりウランの含有量の大きい燃料を燃やすことをおやりになるわけですか。実際におやりになるんでしょうか、例えば、原子力発電技術機構とか、日本原子力研究所などですが。
経済産業省原子力安全・保安院
当然事業者は、自分たちの計画の安全性を説明するために必要なデータを取るわけですが、我々国としてもそういったデータを取っていかなければいけないという認識でございます。また、現在、日本原子力研究所の方では、今海外で燃やしている燃料について、それを更に燃焼度を上げるために試験炉に入れて、今計画している燃焼度に相当する燃料を日本に持ってきて、そこで必要な試験を行う計画でございます。それから、原子力発電技術機構につきましても、これからこういうステップ2燃料が採用されていくわけでございますから、そういった燃料のデータを分析しながら、更なる高燃焼度化についてのデータを取得していくと、こういうような計画で今考えているところでございます。
菊池委員
本来ならば、例えば日本の各電力会社がこういうものを採用するのに先立って国の機関でしかるべき基礎研究が行われてですね、海外のデータを参考にすることもさることながら、国内で本当にそういう試験が行われたうえ、安全だという話になって、各電力がやるというのが筋だという気がするんですが、なかなかそうはならないですか。
経済産業省原子力安全・保安院
それぞれ役割分担が基本的にあると思っていまして、先ほどもちょっと説明しましたように、事業者も当然自分たちが採用する燃料について安全性を確認したうえで申請しなければならないというのは当然なわけでございますし、国の方も当然それに見合うものについてのデータを持っていかないといけないということでございまして、どちらがやればいいということよりも、両者がやはりデータというものをそれぞれの観点から集めていくというのが大事なのではないかと考えております。そういった意味で、国も事業者がとろうとしているデータに遅れることなく、計画を持って、その研究を進めていかなくてはいけないという問題意識も持っているところでございますし、さらにそういったデータを、今、海外で照射して日本に持って来るという現状についても、これを日本でできるような方向で持っていくべきではないかとこういったことが検討会で出た意見でございます。
辻本委員
現在の原子炉の当初の設計段階におきまして、どのくらいの燃焼度で設計されているのか、設計段階での燃焼度の数値を教えていただきたいのですが。
四国電力
伊方発電所におけます当初の設計におきましては、当時実用化されておりました濃縮度3.4パーセント、最高燃焼度にしますと39,000の燃料を採用することを前提といたしましてプラントの安全確認を行っております。その後、使用済燃料の発生量の低減等を目的といたしまして、ステップ1燃料、4.1パーセント、48,000の高燃焼度燃料が開発されましたので、それを前提に安全確認を行ったうえで、平成4年より採用しております。これまで良好な実績をあげております。今回採用を計画しておりますステップ2燃料についても、これまで同様、安全性に問題のないことを確認しており、このことは、今後、安全審査を通じて国によっても確認される予定でございます。なお1、2号機では、先ほどご説明いたしましたように、安全解析上の余裕を確保する観点から、制御棒の予備設備を活用することとしています。
経済産業省原子力安全・保安院
 辻本先生の趣旨は、燃料の最高燃焼度と設計の関係でございますが、燃料の健全性を評価するうえで、その燃焼度というのは重要なファクターであるわけでございますけれども、そのいわゆる燃料の燃焼度を変更しても、プラントの出力だとか、運転方法を変えるものではない訳でございまして、そういった意味で、燃焼度が原子炉の基本的な設計に影響を与えるものではないとこういうことでございます。したがいまして、当初は当然燃焼度39,000の燃焼度でやってございますが、それを燃料の高燃焼度化というニーズに従って事業者がやってるわけでございまして、基本的に設計というものと燃焼度というものはリンクしないと私どもは考えております。
辻本委員
そうしますと、今の原子炉で燃焼度をもっと上げていってどれだけでも使える可能性、例えば高濃縮ウランでやれるわけじゃございませんでしょうね。だから、どれだけでもあげられるという訳じゃないでしょうね。
代谷委員
今、保安院さんの答えられたとおりだと思いますね。原子炉設計するときにもちろんどこまで燃焼するかというのを考えるわけですが、その場合は、燃料の健全性の評価の方で考えるのであって、原子炉そのものとしては、臨界性が保てて、ある出力が出せればですね、どこまででもいわば運転できるとそういう代物だと思っております。ですが、現実の問題として、じゃあ燃料どこまで燃やすんでしょう、ということになると、燃料の濃縮度に関係してきますし、もちろんその燃料を保持してる被覆管とか、燃料そのものペレットもそうですが、その辺の健全性が保てる範囲内でないと困る。ですからそれは技術によっては、現在言われているようにどんどん上がってきてるわけですけど、今後も上がる可能性はあるのではないかと考えています。
恵委員
これはお願いなんですが、燃料が今までは3年に1回替えられた。けれども、これからは4年に1回ということになりますと、そこに溜まっております核分裂生成物の量は、中、長半減期の量は少し増えると思うんです。それで、もし事故が起こったときは、今までよりもさらにひどい事故になる可能性があると思いますので、さらに保安については十分なお願いをしたいと思います。
経済産業省原子力安全・保安院
まず事故を起こさないようにするということが大前提でございます。それを大前提としたうえで、我々としては、先生がおっしゃったようにFPガスの蓄積量が増えるといったことも含めて、いろんな事故の解析を行ってそれでも安全かどうかということの確認を行うことにしています。したがって、まず事故を起こさないということは当然でございますが、仮に起きたとしても周辺に影響を及ぼさないような設計となっているかどうか、これを安全審査の中で確認していきたいというふうに考えております。
四国電力
ひとつだけ補足だけしておきます。資料3−2の32ページに放射能量、先ほどご指摘がありました、32ページの下の方にフローで書いてございますが、放射能量の概括的な評価をしてます。原子炉出力一定で運転していますので、単位時間当たりの核分裂数は一定、従いまして、単位時間当たりの放射性核分裂生成物FPの生成量は一定となります。放射能の大半を占めます短半減期のFPは、燃焼初期に生成量と崩壊量がバランスし飽和します。少量の中長半減期のFPは、燃焼期間に応じて、先ほども先生がご指摘されましたように、生成、蓄積します。これをそれぞれの部位で見ますと、原子炉内は、ステップ2燃料の放射能量はステップ1とほぼ同等となります。使用済燃料ピットで見ました場合は、ステップ2燃料1体あたりの放射能量は、当然燃料1体あたりでは大きくなりますが、1取替あたりで見ますと、使用済燃料発生量が2割減るために、取り出しとしましては若干少なくなる。こういった感じであります。ご指摘のありました点については、事故時の評価をしまして、安全審査をきちんと受けるという形をとりたいと思います。
有吉委員
四国電力にお伺いしたいんですが、予定としては16年の中頃ということになりますが、もしそういう状態でありますと、ステップ1燃料とステップ2燃料が混在した形になりますよね。それを安全運転という意味からいきますと、運転方法は大体同じだとしても、ほう酸水の濃度が違うとか、タンクがハード的に違っているとかという意味で、運転操作を預かる所員の方々が困らないような、教育についてしっかりやってほしいと思うのですが、それについての計画は何かございますでしょうか。
四国電力
燃料の違ったものを入れた場合の過渡期の取扱ですが、実は我々、初装荷といいますか、一番最初に燃料を入れたときも濃縮度の違った3種類の燃料を入れてございます。また、4.1パーセントのステップ1の燃料を入れたときも過渡的に、前の燃料の3.4と4.1パーセントが混在しています。今回またご指摘の4.1と4.8が混在するということで、一番きちんと押さえるべきは、まず炉心の構成につきまして、先ほどから話がありましたガドリニアとかそういったものできちっと炉心設計をしまして、これを私どもきちっとやりますので、チェックして国の確認を受けていくということがまずワンステップとなります。あといろんな意味での構造的なものは、ほとんどまったく変わりませんので、燃料装荷、取り出し、そういった操作するものにつきましても変わりません。あと運転操作は常日頃ボロン濃度に関しましても、運転に従ってボロン濃度が下がってくるということでございますので、我々はそういった意味では現状の形の運転とほとんど変わらないんではないかと、ただし私ども、いつもやっているんですが、その炉心炉心といいますか、定期検査の都度、そういったどういう炉心構成でどういう特性を持った原子炉であるかいうものを必ず運転、当直とそういう技術班でデータをあらかじめ見ます。さらにご指摘の部分の特性につきましては、炉物理試験というのがありまして、立ち上げのときにそういう試験をしまして、こういったボロン濃度にしなさいといった管理で定めています。そういった意味で全体的に現状の延長を、さらにご指摘の形で徹底するという形でやっていきたいと思っております。
代谷委員
ちょっとお伺いしたいんですが、今回ガドリニア入りの燃料を使われるということですが、諸外国の今までの実績も同じようにガドリニア入りの燃料を使われているんでしょうか。
 
四国電力
私が承知しているところでは、フランスとかヨーロッパを中心にガドリニアを使っていると聞いています。フランスとかベルギーでございまして、10パーセントガドリニアもたしかベルギーのケアンジュという発電所であったかと思いますが、そこで10パーセントのガドリニアを使ったという実績があると聞いております。
四国電力
あとアメリカでございますが、WABAというバーナブルポイズンに近いものも使いながらやっているようです。
代谷委員
私、外国の方は、バーナブルポイズンを使っているのかと思っていました。
それに、四国電力さんは十分に検討されて出しておられると思うのですが、ガドリニアの燃料を使って、高燃焼に対応できるように、しかも燃料を入れたときの集合体全体としては出力が平坦化されるようにと考えておられると思うんですが、この集合体の中で見ますと、ピンの濃縮度がそれぞれ上がって、そこに反対に吸収量の大きいガドリニアの濃縮度を上げてというような形で使われてて、その燃料集合体の中の出力分布に、ピン出力の分布ですけど、その辺につきましては、全然問題はないのでしょうか。
四国電力
ガドリニアの本数と濃度を色々と変えて、集合体の中で逆に平坦化するような形のものをあらかじめ核設計で出し、その中で最適なものを選んだ結果でございます。
代谷委員
ピン出力のところまで考えて選ばれたということですね。
四国電力
燃料棒1本あたりのところまでということでございます。
濱本部会長
その他、ございますでしょうか。
それでは、意見も出尽くしたと思われますが、みなさんのご意見は、基本的にはステップ2の高燃焼度燃料使用については問題ないというご認識ご見解であったかと思いますが、この専門部会として、伊方原子力発電所における高燃焼度燃料の採用については、使用済燃料の減少や、ウラン資源の節約につながるものであり、原子炉安全小委員会において安全性に基本的な問題がないとの報告がなされていることから、国の安全審査を受けることは妥当であるというような意見をとりまとめさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。
(各委員賛同)
じゃあそのようにさせていただきます。
これでご審議いただく議題は終わりましたが、次は報告事項でございます。伊方発電所の定格熱出力一定運転の導入について、ご検討いただきたいのですが、まず経済産業省の方から安全性につきまして、それから四国電力の方から、その健全性についての検討をなさった結果についてご説明いただきたいと思います。
経済産業省原子力安全・保安院
(【資料4−1】に基づいて説明)
四国電力
(【資料4−2】に基づいて説明)
濱本部会長
ありがとうございました。ただいまの国及び四国電力のご説明で、原子炉の設備及び運転方法を変えるわけではないので、安全性は保てるという説明でありました。発電設備の余裕度の範囲内のことであるというようなご説明でもありましたけれども、マスコミあたりに載っている話としては安全の余裕度を少なくする方向なんだから採用すべきではないという意見も出たりしておりますので、この点について、まず最初に、代谷先生からご説明いただき、また同時に健全性についてもご意見賜りたいと思います。
代谷委員
よくそういうご心配が出てくるというのは、私も聞いたことがございますし、直面したこともございます。原子炉側の方から申しますと、原子炉そのものの安全性については、定格熱出力一定運転によって安全裕度はいささかも変更がないというところだと思います。その機械的な部分、発電の部分、そこについての裕度の話なのかなと思うんですが、一番ご心配は、安全の部分についても裕度が下がっているのではないかという話ではないかと思うんですが、私、安全裕度が大きければ安全で、小さければ危険だということはないんだと思います。安全裕度があれば安全だと思っていただくのがいいんだと思うんです。安全裕度がなくなれば、そこのところはやはり注意信号なのかなと思いますけど、安全裕度があるかぎりにおいては、まあ設計の、これはおそらくですね、最初に物を作るときには、わからない部分が若干ありますから、安全裕度というのは非常に大きくとる。ところが技術とかが進歩していきますと、この安全裕度というのは段々段々減っていき、丁度いいところになる。それで安全性が無くなったのかというと、そういうことではない。しかし、そういうときでも安全裕度は残ってる。それが、私のような工学をやっている人間からすると、安全裕度をいかにぎりぎりのところまで技術を高められるかということがむしろ課題だと思いますし、安全裕度が減ったから危険にすぐになるということは、私はないと思います。今回のお話は、少なくとも原子炉の安全性については、安全裕度はまったく変わっていないと思っています。
濱本部会長
そういう意味では伊方発電所の健全性については問題ないと。
代谷委員
これは、健全性を保つというのは、安全裕度というものとは、また別だと思います。これはある施設を作ったときに、それが健全な状態に維持できるかというのは、例えば我々が健康診断を適当に受けてですね、それで必要なところは補修していくというような、そういう作業をすることと同じようなことだと思いますので、健全性については、もちろん事業者さんそれからそれを監視するところの、例えば県とか国とかがきっちり見ていくことで健全性は担保されるものと思っています。
濱本部会長
ありがとうございました。最初に代谷先生から、そういうご意見をいただきましたが、委員の先生方、何か質問、ご意見はございますでしょうか。
辻本委員
運転マニュアルのところに、定格電気出力とありますが、定格は残るんですね。
 
四国電力
はい、そういう言葉は残ります。
辻本委員
運転操作というのは、熱出力の方が運転しやすいというか、運転員さんにとって簡単になったと言えるのでしょうか。操作上ですね、電気出力で運転すると大変だが、今度は熱出力で運転するだけですから、運転員さんにとって負担が軽くなったといいますか、楽になるのかなと思いますがその辺いかがでしょうか。
四国電力
操作の問題としては、現状の運転では、電気出力を一定にするということで、海水温度に応じて蒸気タービンに入る蒸気量を調整するという作業が現在は必要となっていますが、定格熱出力一定運転をしますと、そこの部分の操作は不必要になるかと思います。そういう意味では、おっしゃられるようにひとつの操作はなくなるということでございますが、定格熱出力一定運転では、逆に原子炉熱出力がより制限に近くなっているということで、この監視という点がより注目するような状況となっています。したがいまして先ほども説明させていただきましたが、この監視の方法を保安規定できっちり確認を受ける情報として今後も管理をしていくし、設備についてもこれを見やすいような設備を設けるということで対応したいと考えております。
岡野委員
ちょっと教えていただきたいんですけど、熱出力を一定にする監視というのはどこでやってるんですかということと、一定にしたときに、例えば海水の温度が極端に冷えて電気出力がある程度規定を超えてしまうようなことはないかということと、それの監視をどこでやって、どこでコントロールしているかということを教えていただきたいのですが。
四国電力
監視は全て中央制御室で、運転員が常駐してデータ等を管理しています中央制御室で、全てのデータがわかるという状況にしています。先ほどの原子炉熱出力の表示器も、従来も監視していたわけですが、より注目すべき点だとして、中央制御室に分かりやすい表示器を設けてすぐわかるという状況にいたしました。
岡野委員
熱出力を一定にするというのは、出力の状態を見てマニュアルにコントロールするのか、オートマティックにコントロールするのか教えてください。
四国電力
マニュアルといいますか、触らなければそのままの状態で原子炉はずっと一定運転を続けて参ります。
三宅委員
定格熱出力一定の運転になりますと、今もお話がございましたが、熱出力を一定にするその監視と、それ以外にもうひとつ熱から電気にするときの監視と、倍になるというか、そちらの方も監視しないといけないことになるのでしょうか。
四国電力
原子炉の熱出力側を監視しておりますと、電気出力側は自動的に決まって参りまして、先ほどご説明させていただきましたように、全て設備の余裕の中で運転を行えますので、特段注意深い監視がいるというような状況にならないと考えています。
三宅委員
素人の目で見てますと、裕度というのがそちらの場合は小さいと思うんですが、そちらの方はこれだけの裕度で安心であるというふうに理解していればよろしいのでしょうか。
四国電力
先ほど説明が十分にできなかったのですが、資料4−2の1ページに原子力発電所の概要ということで、書いてございますが、ここにあります蒸気加減弁という弁が、全て開いて最大の蒸気量が流れる状態で設備が余裕を持つことを確認できましたので、従いましてこれ以上のものは設備構造上そういう状態にならないということでありまして、先ほどの裕度を超えるようなことにはならないと考えています。
恵委員
国の方でもいろいろ項目をあげて良く検討されておりまして、それに対しましても四国電力も良く対応されているようですが、経年変化対策は、四国電力の方で、これから高経年化対策も含めて取り組んでいくということでございますが、電気出力としましては、年間に換算すると今までよりも上がる訳でありますから、県の環境の方の観測の体制にしましてもさらに迅速にできるように、項目とかは十分に設けられていると思いますが、さらに迅速にできるように測定器を購入するとか、人を増やすとかそういうことはお考えでしょうか。
事務局
ご説明にもありましたように、原子炉側の安全は保てるというご説明であり、伊方発電所の周りには8局の連続測定局を備えておりますし、さらに可搬型のモニタリングポスト等も持っていますし、平成11年度のJCOの事故を受けまして、平成12年13年度で緊急時の対応ができていますので、今の体制で、定格熱出力一定運転を行って、そういうような事態が万が一あっても、きちんとした対応がとれると考えています。
有吉委員
先ほど温排水の影響について、環境影響評価は変わらないというお話は理解できますが、今までと違う点は、冬季の最大電気出力時に従来よりも排熱が4パーセント増えるという意味では従来と違っているわけですが、そういう意味でこの周辺の海域に及ぼす影響について、調べる必要があると思うのですが、その点に関して何かお考えがあればお話いただければと思います。
四国電力
実際の影響の調査につきましては、現在行っています年4回の温排水影響調査の中で確認できるものと考えています。冬季につきまして、来年の冬でございますが、2号機が定検中でございます。1、3号機について従来との比較評価が行えるものと考えています。
事務局
県の方としましても、温排水の影響調査について、現場での影響については、現在の影響調査の中で補足できると考えています。
濱本部会長
その他ございますでしょうか。
古賀委員
熱出力一定運転ということと、最初の高燃焼度燃料の導入ということで、平成8年度からの液体廃棄物の放出実績というようなものを出していらっしゃるんですけども、このステップ1が平成4年度からと伺っておりますが、その辺からの変動というのはどういうふうになっているのでしょうか。
四国電力
特に環境に対しては、従来のステップ1を含めて、今後もステップ2の運転に対しても影響がないというふうに考えています。具体的に平常時の運転時に放出される放射性物質の量及びその影響評価につきましては、国の安全審査の中で詳細な確認を受けるということを考えておりますが、私どもが、やりまして既に終わっています私どもの評価といたしましては、従来とほとんど変わらないというふうに考えております。
濱本部会長
その他ございますでしょうか。
意見も出尽くしたかと思いますが、定格熱出力一定運転ということにつきまして、その安全性ということについては問題がないと結論づけてもいいんではないかと思いますがそういう方向でよろしゅうございましょうか。
(委員一同賛同)
この技術専門部会としまして、第一に、定格熱出力一定運転は原子炉の安全性に関係するものではなく、蒸気タービンや電気設備の健全性については国において確認されていることから、安全性には問題はない。第二として、温排水の影響については、従来の評価の範囲内であるが、来年度の調査計画において、最大電気出力時の調査を実施し、周辺環境への影響を確認することが望ましい。
という判断とさせていただきたいですが、それでよろしいでしょうか。
(委員一同賛同)
これで、今日審議していただく事項は全て終了しましたが、長時間にわたりまして熱心なご審議、大変ありがとうございました。
 
 
 



 
[部会事務局]
県民環境部環境局環境政策課原子力安全係
電 話 089-941-2111(内線2443)
FAX 089-931-0888

伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会次第
 
              日 時  平成14年3月19日(火)13:30〜
              場 所  県庁第一別館11階大会議室
 
 
1 開 会
 
2 議 題
 
(1) 平成14年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
 
(2) 平成14年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について
 
  (3) 伊方発電所の高燃焼度燃料の採用計画等について
 
3 報告事項
 
 (1) 伊方発電所の定格熱出力一定運転の導入について
 
4 閉 会

資 料 目 次