伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会議事録
 
1 日 時 平成19年11月1日(木)13時00分〜15時52分
 
2 場 所 愛媛県水産会館6階大会議室
 
3 出席者 委員8名(別紙名簿のとおり)
 
4 議 題
  伊方3号機のMOX燃料に係る輸入燃料体検査申請について
 
5 報告事項
  中越沖地震を踏まえた検討状況等について
・柏崎刈羽原発で観測されたデータを基に行う伊方発電所における概略影響検討結果について
・伊方発電所敷地内埋立地のボーリング調査について
・宇和海における調査について
 
6 審議等の内容(全部公開)
  (定刻になり、開会)
事務局
ただいまから伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会を開催いたします。本日は菊池委員さん、三宅委員さん、古賀委員さん、渡邉委員さんは御都合により御欠席されております。岡村委員さんは少し遅れますという連絡がありました。初めに、傍聴者の方に、傍聴に際しての遵守事項を申し上げます。会議の開催中は静粛に傍聴することなどとなっておりますので御協力をよろしくお願いいたします。また、携帯電話をお持ちの方は、マナーモード等に設定いただきますようお願いいたします。それでは、三好県民環境部長から、ごあいさつを申し上げます。
三好県民環境部長
委員の皆様方にはお忙しい中を御出席いただきまして、ありがとうございます。また、日ごろから県の原子力安全行政に対しまして格別の御協力をいただいておりますことを、厚く感謝申し上げます。原子力安全・保安院からは安全審査官の江藤さん、原子力安全専門職の坂本さんをはじめ、国の関係者の皆様にも遠路本日の会議のためにお越しいただいております。心より感謝申し上げます。
今日の議題、審議事項でございますけど、伊方3号機のプルサーマル計画でございまして、昨年10月の安全協定に基づく県の事前了解の後、四国電力さんではMOX燃料製造に向けて準備を進められております。9月10日に燃料加工を開始するための輸入燃料体検査申請書を国へ申請したところでございます。本日はこの申請書につきまして、四国電力から内容について、原子力安全・保安院から審査の状況や今後の方針等の説明を受けたいと思っております。よろしくお願いいたします。
報告事項に関しては、中越沖地震を踏まえました伊方発電所の対応の状況等につきまして、これは9月の当部会でも報告をいたしましたが、その後、四国電力さんのほうでは柏崎刈羽原発の地震データを伊方発電所に当てはめました評価を行っておりまして、その評価結果や現在発電所敷地内でボーリング調査を実施しておりますけど、その調査の内容等について御報告をいただくことにしております。
委員の皆様方には忌憚のない御意見を賜りますようお願いをいたしまして、簡単ではございますけど、あいさつとさせていただきます。本日はよろしくお願いをいたします。
事務局
それでは、濱本部会長さんに、議事進行をよろしくお願いします。
濱本部会長
それでは議事に入ります。この技術専門部会では伊方3号機のプルサーマル計画について、各段階について、安全性について十分に確認・検討を行ってきております。これからも行なう予定としております。今回、四国電力ではMOX燃料製造に関します輸入燃料体検査申請書を9月10日に国に提出したということでございますので、四国電力からその内容について説明を受け、国からはその申請書の評価、今後の審査の方向・方針、そういったものについて御説明いただきたいと思います。それではよろしくお願いいたします。まず、四国電力から説明をお願いします。
四国電力 洲之内常務取締役原子力本部副本部長
四国電力原子力本部副本部長の洲之内でございます。日ごろは伊方発電所の運営に御理解、御指導を賜り誠にありがとうございます。この場をお借りしまして厚くお礼を申し上げます。
さて、当社が2010年までの伊方3号機での導入を目指しまして進めておりますプルサーマル計画につきましては、先ほど県民環境部長からもお話がございましたが、フランスでのMOX燃料製造の準備に取り組んでいるところでございます。今後とも安全確保を最優先にMOX燃料の製造、輸送等の各段階における品質保証活動に万全を期してまいりたいと考えております。また、中越沖地震を踏まえた対応につきましても、所要のスケジュールに沿いまして、適切に対応を進めているところでございます。これら計画や対応につきましては、これまでどおり地域の皆様の御理解をいただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、御指導のほどよろしくお願いをいたします。それでは、伊方3号機のMOX燃料に係る輸入燃料体検査申請の概要につきまして、原子燃料部長から説明をさせていただきます。
四国電力 地紙原子燃料部長
原子燃料部長の地紙でございます。お手元の資料1−1「伊方発電所第3号機ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料に係る輸入燃料体検査申請書の概要について」に沿って説明をさせていただきます。1ページを御覧ください。当社は2010年度までの伊方発電所3号機におけるプルサーマル実施に向け諸準備を進めているところでございますが、平成18年3月28日には原子炉設置変更許可を取得し、同年11月28日にはMOX燃料の製造に係る契約を締結しました。その概要は、元請会社として燃料設計、部材調達を担当する三菱重工業、MOX燃料を製造する下請会社としてメロックス社、製造体数は21体、製造期日は2008年12月末という内容でございます。現在、元請会社及び下請会社に対して、品質保証システム監査を行う等、製造に向けた諸準備を進めているところでございます。先ほどもお話がございましたとおり、MOX燃料加工に当たりましては、その前に輸入燃料体検査申請を行う必要があり、去る9月10日に同申請を行ったところでございます。申請の概要につきまして次ページ以降で説明させていただきます。
まず、MOX燃料の概要でございますが、3ページの表2−1MOX燃料の主要仕様を御覧ください。ペレットは二酸化ウラン粉末と二酸化プルトニウム粉末の混合粉末を圧縮成形、焼結した円筒形の焼結体であり、寸法、形状はステップ1ウラン燃料と同一でございます。表中のとおり、主な違いとしましては、ペレットのプルトニウム含有率、富化度、組成比等でございます。
次のページ4ページの図2−1MOX燃料とステップ1ウラン燃料を御覧ください。燃料棒は約300個のペレットをジルカロイ−4製の燃料被覆管に入れまして、上端及び下端に端栓を溶接した構造でございます。燃料棒の上部に燃焼による核分裂生成物等による燃料棒内圧上昇を低減するために、プレナムという空隙を設けています。プレナムには輸送時及び取扱時にペレットが移動しないよう上部にペレット押さえばねを入れてございます。また、燃料棒内には予めヘリウムを加圧充てんしてございます。次に、燃料集合体は、24本の制御棒案内シンブル及び1本の炉内計装用案内シンブルが、上部ノズル、下部ノズル及び9個の支持格子に結合された骨格と264本の燃料棒で構成されてございます。MOX燃料は、周囲にウラン燃料が配置された場合、熱中性子の流れ込みによってMOX燃料集合体外周部で出力が高くなる傾向があることから、燃料棒ごとの出力を平坦化するために、図の中で正方形断面の燃料棒配置図がございますように、プルトニウム含有率の異なる3種類の燃料棒を適切に配置してございます。
次に5ページの3.MOX燃料の健全性に移らせていただきます。今回採用するMOX燃料につきましては、部材、燃料棒、燃料集合体の健全性について評価し、いずれも問題ないことを確認してございます。
MOX燃料に使用される部材の健全性につきましては、ペレットの材質は、先ほど御説明いたしましたとおり、ウラン燃料と異なりますが、それ以外は基本的にステップ1ウラン燃料と同一でございます。ペレットの物性や照射挙動は様々な実験等を通じて把握されており、MOX燃料の設計に当たりましてはこれらの特性を適切に考慮しております。ペレット以外の部材はウラン燃料で十分に使用実績があるものを使用します。MOX燃料はウラン燃料より高速中性子照射量が若干増加する傾向にありますが、それに伴う機械的強度等への影響について問題ないことも確認してございます。
次にMOX燃料棒の健全性でございますが、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時において、下の1から5、燃料温度、燃料棒内圧、被覆管応力、被覆管歪、被覆管疲労の機械設計基準を満足するような設計としております。MOX燃料棒の基準に対する評価結果を7ページの表3−1、3−2に示しております。なお、評価に用いる基準値は、これらで使用しているモデルの不確定性や製造公差のばらつきを考慮するなど、設計上の余裕を考慮して設計しております。7ページの表3−1は、MOX燃料の燃料中心温度評価結果でございます。評価によりますと、最大で約2,230℃ということで、設計基準、溶融点に余裕を持たせた設計基準を十分に下回る評価となっております。表3−2は、MOX燃料の4つのパラメータについて評価した結果となっておりまして、ここの右側の設計比については、脚注にございますとおり評価した値を設計基準値で割ったもので、これが1未満であれば基準を満足するという意味でございます。燃料棒内圧、被覆管応力、被覆管歪、被覆管疲労の設計比はそれぞれ1を下回っているということで、健全性が確認されました。なお、被覆管の応力評価につきましては、被覆管の内外圧差、被覆管とペレットの接触圧に基づく応力などに加えて地震による応力も含めた評価結果でございます。
次にMOX燃料集合体の健全性につきましては、6ページ上段に示しておりますとおり、考え方といたしましては、輸送時及び取扱時の荷重に対して著しい変形を生じないこと、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時において生じる荷重に対する応力は、原則としてASME Sec.Vに基づいて評価されること。なお、ASME Sec.Vに基づいて評価されることにつきましては、国の原子力安全委員会原子炉安全専門審査会内規「加圧水型原子炉に用いられる17行17列型の燃料集合体について」というものがございますが、これにおいて規定されております。輸送時及び取扱時の荷重に関する評価結果を、7ページの中段、表3−3に示しております。MOX燃料集合体は、輸送中に温度が高くなり材料強度が低下することを考慮し、輸送時及び取扱時の荷重を4Gとして制限してございます。これも続いて評価を実施した結果、表3−3にございますとおり、いずれも基準値を満足してございます。次に、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時の荷重に対する燃料集合体健全性評価結果を表3−4に、また、上部ノズル押さえばねに要求される力に対する上部ノズル押さえばね力の評価結果を8ページの表3−5に示しております。集合体の各構成部品に関する評価値は、いずれも基準値を満足しており問題ないことを確認してございます。最後に、8ページの表3−6には地震時の強度評価結果を示しております。地震時においては、燃料集合体は制御棒の挿入機能を阻害せず、また、崩壊熱除去可能な形状を維持できるよう設計しております。いずれも基準値を満足しており、地震時の燃料集合体の健全性に問題ないことを確認しております。
次に9ページでございますが、4.MOX燃料の製造工程について説明させていただきます。10ページの図4−1はMOX燃料の製造工程概略図でございますが、この図を御覧いただきたいと思います。MOXペレットの製造、MOX燃料棒の組立て、MOX燃料集合体の組立はフランスのメロックス社のメロックス工場で行います。なお、余談でございますが、現在、日本国内には商業用のMOX燃料加工工場はございませんが、六ヶ所において、2012年以降、操業を開始すべく建設準備中でございます。なお、MOXペレット以外の部材、燃料被覆管、支持格子等については、国内の燃料メーカである三菱原子燃料(株)にて製造し、これをメロックス工場に供給することとしております。メロックス工場では、図にございますとおり、二酸化ウラン粉末と二酸化プルトニウム粉末の混合に当たりまして、二段階の混合で所定のプルトニウム含有率のMOX粉末を得る混合法を採用してございます。一次混合では、二酸化ウラン粉末と二酸化プルトニウム粉末を粉砕混合することでプルトニウムの均一性の高い一次混合粉末を製造します。二次混合においては、一次混合粉末を、更に二酸化ウラン粉末で希釈いたしまして、所定のプルトニウム含有率に調整した後、緩やかな混合により均質化混合を行い、最終的な二次混合粉末を製造することとしております。MOX粉末製造後のペレット製造、燃料棒組立て、燃料集合体組立工程は、基本的には国内にございますウラン燃料製造プロセスと同じでございます。
次に11ページの5.MOX燃料の試験検査計画を説明させていただきます。MOXペレット、燃料棒、燃料集合体、その他の部材等の組成、構造、強度等に関する試験検査については、各製品が定められた仕様を満足し、国の「発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令」に適合することを確認するものでございます。12ページに当社が実施する検査項目を整理しております。縦方向にはMOX燃料の各部材・製品ごとの検査項目、横方向には検査方法をウラン燃料との対比で示しております。御覧のとおり、大半の検査は、ウラン燃料と同じでございます。主な違いといたしましては、MOXペレットにおいて、上から3、4番目のプルトニウム含有率と組成、これはMOX燃料特有のものでございまして、メロックス社が抜き取りで分析を行った結果を当社が確認するという方法でございます。それからMOXペレットの一番下の段、プルトニウム均一度、これもやはりMOX燃料特有のものでございます。それから13ページの表の方で燃料棒のわん曲、燃料集合体の燃料棒間隔、これについては、検査を行いますが、MOX燃料については、抜取検査を行っておりません。これは脚注にございますように、メロックス工場が自動検査装置によって全数の検査を行い、これに対して当社は適宜メロックス工場の同検査を確認するとともに検査装置の管理状況を確認することで、ウラン燃料と同等の品質を確保できると考えてございます。一番下の燃料集合体の燃料棒組込位置については、先ほど説明した3種類のMOX燃料棒の配置について管理するために実施するものでございます。
次に14ページをお開きください。6.MOX燃料製造に係る品質保証活動でございます。当社の品質保証活動は、日本電気協会の原子力発電所における安全のための品質保証規程に基づいた当社の品質マネジメントシステム、これで全体を包括しており、当社が検査、製造状況等の確認を行いつつ、メロックス工場の品質保証体制の下で製造を行うこととしています。主な計画としては、品質保証活動内容、これは監査の実施、駐在員による製造状況の確認ということがございまして、監査につきましては、システム監査と工程監査を実施します。まずaとしてシステム監査は、今年7月にMOX燃料製造を実施するメロックス工場に対して当社がシステム監査を実施し、同社が国際標準でありますISO9001に基づいた品質保証体制を構築し、従業員教育やデータのセキュリティ管理等の国の通達で要求されている評価項目について問題ないことを当社として確認いたしました。bの工程監査でございますが、メロックス工場におけるMOX燃料製造において、ペレット、燃料棒、燃料集合体の各工程ごとに工程監査を実施する予定で、中身としては、システム監査等を通じて確認した品質マネジメントシステムが、実際に現場で適切に機能していることを確認するものでございます。次の品質保証活動のAとして、当社駐在社員による製造状況の確認がございます。当社がMOX燃料の製造期間を通じてフランスのメロックス工場に駐在し、製造の工程ごとの検査並びに巡視点検、これを行うことにより、燃料品質並びにメロックス工場の製造状況及び品質保証活動の確認を行うものでございます。また、メロックス工場における当社品質保証活動につきましては、従事するための社内資格を定めており、すなわち、原子燃料の実務経験、品質保証研修の受講あるいはオンザジョブトレーニング(On the Job Training)による検査員、監査員経験、こういったもので、所定の力量を有した社員を派遣・従事させることとしております。なお、当社の品質保証活動が適切に実施されていることにつきましては、第三者監査機関でございますフランスのビューロベリタス社の確認を受けます。このフランスのビューロベリタス社はフランス、パリに本部がございます世界的な第三者検査・認証機関でございまして、1828年に設立されて、現在スタッフは2万6千人を超える状況でございます。原子力分野におきましては、原子力関連設備や原子燃料製造時の技術監査等々、世界中のプロジェクトに参画している機関でございます。
次に不適合発生時の連絡でございます。BNFL製MOX燃料データ問題を踏まえた国の通達に従いまして、当社MOX燃料の品質保証に係る不適合発生時にメロックス工場が、元請会社の三菱重工業へ連絡する方法及び体制を定めていることを確認してございます。また、万一品質保証に係る通常の不適合を超える異常な事態である場合には、元請会社の三菱重工業より当社へ迅速に連絡させるとともに、当社は速やかに規制当局へ連絡する計画でございます。こうした連絡方法の体制を確立することにより、不適合発生時等における情報ルートの一元化を図り、適切な情報をタイムリーに得られるものと考えております。
最後に、当社は今回導入するMOX燃料の健全性について確認するとともに、元請、下請会社に対する品質保証システム監査を行うなど、MOX燃料製造に係る諸準備を現在進めており、この度、輸入燃料体検査申請を、その一環として行ったものでございます。今後とも安全確保を最優先にMOX燃料の製造、輸送等の各段階における品質保証活動を着実に進めるとともに、引き続き地域の皆様との対話や各種広報媒体を活用した理解活動を継続することとしております。説明は以上でございます。
濱本部会長
どうもありがとうございました。引き続いて国の方からこの申請の評価、今後の審査の順序、そういうことについて御説明をお願いします。
原子力安全・保安院 惟高伊方原子力保安検査官事務所長
原子力安全・保安院伊方原子力保安検査官事務所長の惟高と申します。説明に先立ちまして一言ごあいさつを申し上げます。委員の皆様方には平素より原子力安全行政に関しまして格別の御理解と御協力を賜りまして厚く御礼を申し上げます。さて当院では、本年9月10日に四国電力から伊方3号機用のMOX燃料の輸入燃料体検査申請を受理し、これまでに申請書の記載内容の確認を行ってまいりました。今回は主に輸入燃料体検査制度の概要と、これまでの申請内容の確認結果について御説明いたします。詳細は、原子力発電検査課の原子力安全専門職 坂本と原子力発電安全審査課の安全審査官 江藤より説明申し上げます。どうぞよろしくお願いします。
原子力安全・保安院原子力発電検査課 坂本原子力安全専門職
原子力発電検査課の坂本と申します。よろしくお願いいたします。
お手元の資料1−2「四国電力株式会社伊方発電所第3号機の輸入燃料体検査申請について」に基づいて説明したいと思います。この資料ですが2つの大きなパラグラフに分けておりまして、まず2ページから13ページのMOX輸入燃料体検査の概要というところで、制度の概要と品質保証活動の確認について御説明します。続きまして、14ページ以降のMOX輸入燃料体の設計の審査についてというところで、輸入燃料体の設計に関する審査の結果について御説明します。
まず初めに、輸入燃料体検査とは何かということで、その制度について説明したいと思います。輸入燃料体検査の根拠は電気事業法に規定されています。電気事業法第51条第3項でございますが、「輸入した燃料体は、経済産業大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。」また、第51条第4項に、「前項の検査においては、その燃料体が経済産業省令で定める技術基準に適合しているときは、合格とする」という規定がございます。ここで言っております経済産業省令で定める技術基準というのは、次の4ページにございます発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令のことでございます。この技術基準においては、ここに書いてあります図に記載しているとおり、燃料材、燃料被覆材、端栓、支持格子、支持板などの燃料体の各部品と、それらを組み上げた燃料要素、これは燃料棒のことでございますが、それと燃料集合体について、それぞれ満たすべき技術的要件を規定しています。その要件はどのようなものかということについてですが、この後、例を基に説明しますけれども、基本的には部材の材料や寸法などに大きなばらつきがないこと、後は有害な傷や汚れがないことを求めています。
次のスライドをお願いします。続きましてMOX輸入燃料体検査の大まかな流れについて御説明します。まず、MOX燃料の場合は、その燃料材の加工開始の1か月前までに輸入燃料体検査申請書を提出することとされています。これは電気事業法施行規則で定めています。今回のMOX燃料については、ただいま説明しましたが、本年9月10日に四国電力から申請がなされたところです。この申請を受けて当院は、この記載内容に不適切なものや記載漏れがないか等を確認してまいりました。申請書記載内容にどのようなものがあるかについては、後ほど説明いたします。燃料体の製造後、申請書に添付されている試験の計画に関する説明書と、品質保証計画に関する説明書について、製造中に行った試験の結果や工程監査の結果を踏まえてこれらの説明書の補正が行われます。国はこれを受けて、補正された申請書の審査を行うことになりますが、その審査の一環として申請書の記載どおりに品質保証活動が行われているかについて、事業者に規定類や記録等の提示を求めることによって、その信憑性を確認することとしております。また、事業者が確認した試験結果や実際に国の検査官が輸入された燃料体を目視で確認するため、その確認方法を要領書にまとめます。それをまとめた上で、発電所において試験記録や燃料体の現物を、国自らが確認するという流れになっております。以上をもって特に問題がない場合は、輸入燃料体検査合格証の交付という流れになります。
次のスライドをお願いします。続きまして、2の輸入燃料体検査の方法でございますが、輸入燃料体検査とは大きく分けまして、書類審査、これは申請書とその添付書類の審査のことでございますが、それと組み立てられた燃料体の目視確認により行われます。これは電気事業法施行規則で定めています。審査する書類の内容とは申請書の添付書類のことでありまして、ここにあります小さな「・」の6項目までが燃料体の製造開始前に出されますので、これを審査することとなっています。朗読させていただきますが、「燃料体の耐熱性、耐放射線性、耐腐食性その他の性能に関する説明書」「燃料要素の強度計算書」「燃料体の構造図」「加工のフローシート」「燃料材、燃料被覆材その他の部品の組成、構造、強度等に関する試験の計画に関する資料」「品質保証の計画に関する説明書」これらが添付資料として、申請書に添付された形で国に提出されます。また、繰り返しになりますけれども、製造の補正申請を受けまして、試験の結果と品質保証の結果、これは工程監査の結果になりますが、それを確認することになります。また、燃料体の外観検査については、事業者が行う測定そのものに立ち会うとともに、外観で傷や汚れ等がないかを確認することになります。
次のスライドをお願いします。7ページの表にお示ししていますのは、先ほど御紹介しました発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令と、それに該当する検査の項目と方法を簡単に表しております。ここではMOX燃料材の例を挙げております。次のページでは燃料集合体の例を挙げております。これも先に御説明したとおり、輸入燃料体検査では技術基準に適合しているときは合格とすることとされていますが、この表を見ていただけるとお分かりのとおり、技術基準省令そのものは燃料体が適切に設計されているかという観点よりも、むしろその燃料体が設計どおりに正しく作られているか、例えば、製造がその仕様値から大きく外れていないかとか、製品に有害な傷がないかといった観点からの基準になっております。これは、MOX燃料体が安全に使用できるために求められる性能については原子炉設置許可で審査し、その性能を満たす仕様になっているかどうかは、輸入燃料体検査申請書とその添付書類の審査により行うという意味でございまして、この審査の結果については後ほど御説明しますが、その仕様を製品が満たしているかどうかについて、製品に対する検査により確認することとしております。またこの表の右にありますが、8ページの燃料集合体を除きまして、国は事業者の確認の記録を確認するということにしております。8ページ、これは燃料集合体の例でございまして、目視による確認を行う予定でございます。
次のスライドをお願いします。続きまして品質保証体制等に関する確認の観点ということで、これは国から電気事業者への要求事項でもございますが、こういったものを当院の内規として定めております。これは平成11年に関西電力の高浜発電所のMOX燃料に不正が確認されたという事象がありまして、国として調査を行った結果、不正を防止するには品質保証体制の確立が何よりも重要だという結論に至りまして、その結果を電気事業法施行規則の改正により反映させていただきました。具体的には先ほど御説明したとおり、品質保証の説明書を申請書に添付するという改正を行いました。改正前はこの品質保証の説明書の添付はございませんでした。ここに書いてあります内規でございますが、品質保証体制等に関する確認の観点ということで、5点ほど挙げさせていただいております。上から読ませていただきますが、まず最初に、不正発生の未然防止対策について、MOX燃料加工事業者の評価が行われているか、これはMOX燃料加工事業者の従業員教育やデータのセキュリティ管理がきちんと行われているかという観点です。次に、異常事態発生時の規制当局への連絡方法及び体制を定めているか、これは先ほど四国電力から御説明ありましたが、品質保証に係る通常の不適合を超える事象が発生した場合のことでございます。その下、加工の工程ごとにMOX燃料加工工場において適切な検査を実施しているか。また、製造期間を通じてMOX燃料加工工場に社員を派遣し、製造開始後のMOX燃料加工事業者の製造状況及び品質保証活動を確認しているか。その下ですが、規制当局が必要に応じ、元請企業及びMOX燃料加工事業者に立ち入り、調査を行うことができる旨、元請け企業及びMOX燃料加工事業者が定めていることを確認しているか。以上の観点で確認をすることとしております。
その結果でございますが、次の10ページに移りますが、今説明しました5つの観点と、実際に提出された伊方発電所3号機用の輸入燃料体検査申請書の添付書類の記載事項が適切に書かれているかというところを確認した結果でございます。(1)不正発生の未然防止対策について、MOX燃料加工事業者の評価が行われているかについては、その右側にあります4.2.3というのは申請書の添付書類の説明資料の番号になりますが、品質保証監査による確認ということで、その中で@従業員教育について、「メロックスにおいては、業務の遂行に必要な教育・訓練が、その目的、関係者、手段、期間を明確にし、従業員に対して計画的に実行されている。これらは文書化され、結果が評価されている。」また、「教育、訓練には、製品品質、原子力安全、環境等の項目が含まれており、この中で倫理、検査記録の重要性、データセキュリティ等の教育も実施されている。」というような記載がございます。また、その下のAですが、データのセキュリティ管理については、「メロックスにおいてはコンピュータ化された生産監視システムが導入され、適切なセキュリティ管理が行われている。」という確認を四国電力がしております。ここでコメントとして書かせていただいておりますが、実際にどのような生産監視システムか、どのようなセキュリティ管理が行われているかというところについては、企業のノウハウが含まれているため、原文と異なる形で書かせていただいております。
次のスライドをお願いします。確認の観点(2)ですが、異常事態発生時の規制当局への連絡方法及び体制を定めているかについては、「4.3不適合発生時の連絡について」ということで、一番下を見ていただきますと、「当社は日本の規制当局へ連絡する方法及び体制について定めている。」ということが記載されております。
次のスライドをお願いします。(3)加工の工程毎にMOX燃料加工工場において適切な検査を実施しているか。これについては、申請書添付書類の「4.4検査・試験管理について」ということで、「メロックスにおけるMOX燃料の製造にあたっては、製造期間を通じて当社駐在社員により、製造の工程ごとに検査を実施する。なお、当社による検査の実施については、契約図書で明確にしている。更に検査に際しては、当社駐在社員の他、元請企業であるMHI(三菱重工業)の社員も検査を行う。また、部材の検査については、MNF(三菱原子燃料)において実施する。なお、メロックスにおける当社検査が適切に実施されていることについては、第三者機関の確認を受ける。」ということでございまして、これは先ほど四国電力から御説明があったとおりでございます。
次のスライドをお願いします。続きまして確認の観点(4)でございますが、製造期間を通じてMOX燃料加工工場に社員を派遣し、製造開始後のMOX燃料加工事業者の製造状況及び品質保証活動を確認しているかについては、添付書類「4.2.3品質保証監査による確認」ということで、工程監査というところに書かれてありまして、「当社は、メロックスにおけるMOX燃料製造において、製造の工程ごとの初期段階及び製造完了時に工程監査を実施する。なお、工程監査の実施については、契約図書で明確にしている。工程監査では、システム監査等を通じて確認したQMS(品質マネジメントシステム)が、現場で適切に機能していること、製造関係書類に記載された内容が現場で遵守されていることを確認する。なお、工程監査が適切に実施されていることについては、第三者機関の確認を受ける。」としております。また、「4.4検査・試験管理について」にも記載されておりまして、これは先ほど説明したとおりです。その下、確認の観点(5)規制当局が必要に応じ、元請け企業及びMOX燃料加工事業者に立ち入り、調査を行うことができる旨、元請企業及びMOX燃料加工事業者が定めていることを確認しているか、この観点につきましては、「4.6規制当局の立入りについて」とありまして、「当社は日本の規制当局が必要に応じMHI及びメロックスに立ち入り、品質保証活動状況の調査を行うことができる旨を、契約図書にて明確にしている。」ということでございます。
以上をもちまして、輸入燃料体検査申請書の添付書類、品質保証計画の説明資料の記載については、当院の確認の観点から妥当であるということを確認しました。実際にこの記載どおりに品質保証活動が行われているか、又は四国電力自らの品質保証活動が適切であるかどうかについては、今後、工程監査等の結果が出てきた段階で、当院が四国電力に対して帳票類の確認とか規定類の確認を行うことにより、実際に確認してまいります。
続きまして、2のパラグラフについて説明いたします。
原子力安全・保安院原子力発電安全審査課 江藤安全審査官
原子力安全・保安院原子力発電安全審査課の江藤と申します。これから2つ目のMOX輸入燃料体の設計の審査について説明をさせていただきます。
14ページから実際の輸入燃料体検査申請にございますところの設計部分の簡単な説明になってございます。
次のページをお願いします。まず、設計に当たりまして伊方3号機の発電所としての主要な諸元をここに書かさせていただいております。伊方3号機は3ループ、3つの蒸気発生器を持っているプラントでございまして、熱出力が約2,652MW、表の一番下にあります、MOX燃料体と混在するウラン燃料体の最高燃焼度55,000MWd/tというようなものでございます。
次のページをお願いします。この伊方3号機が関係いたします許認可等の状況でございますけれども、これまでも説明がいろいろあってございますけれども、平成16年11月1日に原子炉設置変更許可申請、これMOXに関するところを含んで、この日に申請が行われてございます。平成18年3月28日にこちらの許可がおりてございます。それから本年9月10日に輸入燃料体検査申請が出されたところでございまして、今後輸入燃料体検査や実際に燃料が入る前におきましては、原子炉側の工事計画認可申請などの許認可が待っているといった状況でございます。
次のページお願いします。私どもこちらの輸入燃料体検査申請につきまして、特に設計という面で見ましたところの主な観点というところで書かせていただいておりますけれども、この申請について詳細設計の妥当性ということで、主に次の3つのような観点から確認をしているというところでございます。最初にこちらの設置変更許可、既に得られている段階でございますけど、その基本方針が確かに生かされているのかどうかということを含めて確認をすると。それから発電用核燃料物質に関する技術基準に適合していることを確認すると。それから3つめでございますけれども、今回のMOX燃料につきましては、その外形それから寸法につきまして、従来ステップ1といわれておりますウランの燃料と同じ構造になっているということですので、そこからの違い、それからMOX独自のことはどういうことかということを重点的に設計構造との比較をしたりして安全性を確認するというようなことを行ってございます。この1つ目の設置許可の基本設計とウラン燃料との比較という意味で、次の18ページから24ページまでの燃料の設計仕様の比較という形で示させていただいておりますが、これは先ほど事業者さんの方にも同様の資料がございましたので、簡単な説明で終わらせていただこうと思います。18ページから始まりますが、これを見ていただきますと、まずペレットでございますけど、一番左側に比較する各諸元の項目、それから次に設置変更許可の段階の値、真ん中に今回の輸入燃料体検査申請に係る数値、一番右側に先ほど申し上げましたいわゆるステップ1と呼ばれる17×17のウラン燃料についての数値が入ってございます。一部ちょっと細かい数字につきましては商業機密とありますので、約という書き方をさせていただいているところもございますけれども、大体見ていただきますと、24ページまでありますが、同じような形になっております。もちろんペレットにつきましては、プルトニウムが使われているという部分ではウラン燃料と違いますので、ここは私どもとしてもしっかり見ているところですけど、その他につきまして、構造部材につきましては、大体同じような数値が並んでいるところでございます。例えば次の19ページ、燃料被覆管でございますけど、こちらにつきましては、材料、寸法ともウラン燃料と全く同じでございます。次の20ページでございますけど、これは燃料棒、被覆管で包まれたウランペレットとして、また、栓をされた燃料棒のものでございますが、これは数量、プルトニウムの本数は違いますが、それ以外はほぼ同じとなってございます。次の21ページ、22ページ、燃料集合体、それから各種部材でございますけど、その辺り同じでございます。23ページは制御棒案内シンブルといいまして、燃料体の中に制御棒が入ってまいりますのでその部分を構成する部材でございますけど、この辺りも従来と同じ材料、大きさ等のものを使ってございます。24ページは燃料棒を支持する支持格子、ペレットを押さえるばね、燃料被覆材端栓、これもほぼ同じものでございます。25ページは燃焼率ということで、これも当然ウランと若干違っていますが、MOXの場合は、燃料体としての最高燃焼度は45,000という形のものを使ってございます。
続きまして26ページですが、これは先ほど表で比較させていただきました燃料体の構成要素につきまして、それぞれ燃料体を構成する要素が、適切なものが適切なところに使われているかということを、かたやMOXという燃料を使っているということがございますので、そういった条件等を踏まえて妥当性を確認したものでございます。こちらの26ページと27ページにつきましては、ペレットについてでございますけど、まず、耐熱性、耐放射線性について書いてございます。耐熱性につきましては、MOXの溶融点というのは、従来の二酸化ウランのものに比べましてプルトニウムが添加されますので、溶融点が低下するということで、そういった考慮がなされないといけないんですけれども、MOXの溶融点の特性を考慮した中心温度は、例えば溶融点に対して十分低いということを確認しているものでございます。それから耐放射線性につきましては、MOXを使っているということで、若干高速中性子の量が増えるということですので、その辺りの観点から確認しておりますけれども、まず、焼きしまりやスエリングというものが発生しますが、ペレットの密度変化自体が、ほぼ二酸化ウランのものと同等であろうと。それから照射されますとFPガスといわれるガスが放出されますけど、その影響を確認しましたところ、過去にはプルトニウムを使っているということで、外国のデータではFPガスがたくさん出るというデータもあったんでございますけど、MOX燃料体として均質な混合方法を採ったりして、放出率自体は低下しております。しかしながら、この評価を行う際にはFPガスが多少大きく見積もった形で評価していて、その時に内圧等を確認した結果、基準値と比べて低いというようなことを確認してございます。
次の27ページはペレットについての耐腐食性ということで、ペレットの腐食性は、ペレット自体の腐食性と、ペレットと接する部材の腐食性について確認しておりますけれども、特段MOXであるということが何か耐腐食性に大きく関与することはありませんので、例えばステンレス鋼、あるいは被覆管のジルカロイ−4という部材等につきまして、特に共存性とかに問題はないということを確認しているところでございます。また、仮に被覆管に貫通欠陥が生じた場合に水が入ってきたりしますけど、水との反応を考えますと、酸化反応という意味では二酸化ウランよりはMOXの方が酸化反応が小さいということで、どちらかというと安全側にいくのではないかということで考えてございます。
次の28ページでございますけど、こちらから各部材について、個別に確認しているところを説明しているわけでございますけど、28ページは燃料被覆管に使ってございますジルカロイ−4、冷間加工応力除去焼鈍材といわれる種類の材料でございますけど、こちらについても耐熱性、耐放射線性、それから次のページになりますが耐腐食性、その他性能ということで、記載させていただいておりますけど、特にウラン燃料との違いで高速中性子照射量のことを考えましても特段問題になるものではないということを確認している次第でございます。
続きまして30ページにつきましては、これは同じくジルカロイ−4でございますけれども、再結晶焼鈍材といいまして、これは使われているのは被覆管端栓、制御棒案内シンブル等に使われておりまして、先ほどの冷間加工応力除去焼鈍材と同じでございますけど、二酸化ウラン燃料集合体と同じ材質を使っているというものでございます。こちらの耐熱性、耐放射線性、耐腐食性について検討を行った結果を確認しておりますけれども、こちらも特段問題になるというところはないと思われますし、高速中性子の照射量についても評価したところ問題ないということを、当方としても確認させていただいているところでございます。
続きまして31ページにつきましては、インコネル718という材料、これはニッケル基合金といわれているものの1種類でございまして、例えば支持格子組立体といったところに使われておりまして、こちらもウラン燃料集合体と同じでございます。こちらも耐熱性、耐放射線性、耐腐食性について確認させていただいた結果、特段問題となるようなところはないというふうに判断してございます。最後になりますけど、32ページには構成要素として、オーステナイトステンレス鋼ということで、上部ノズル、下部ノズル、ペレット押さえばね等に使用されておりまして、こちらも二酸化ウラン燃料集合体と同じということで、耐熱性、耐放射線性、耐腐食性についても同様に特段問題になるところはないというような確認をしてございます。以上が構成要素ごとに使われている状況等踏まえてその妥当性を確認した結果でございます。
次の33ページからは強度評価の確認を行っておりまして、先ほども御説明した各部材等の強度評価を確認しております。先ほどは検査の話ではありましたが、検査の際にも確認する項目がございますので、強度がきちんと出ているかどうかということを確認しているものでございます。ただ、こちらにつきましては、先ほど事業者の方も同様な資料で御説明されましたので、それとほぼ同じ値が結果として載っておりますが、これで見ていただくのは、例えば部材が持つ許容値に比べて実際どのくらいの力が発生するのかと、そういったところは設計比で表しているところでございまして、ここから37ページまでございます。次の34ページは燃料集合体の輸送時の強度について御説明しているものでございます。35ページは通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時における強度評価でございます。36ページは燃料集合体の上部ノズル押さえばねの評価を行っているところでございます。37ページは、強度評価の確認でございますけど、地震時の強度評価を行っているということで、制御棒案内シンブル、支持格子変形量を基準地震動S1、S2についてどのような形であるかというのを確認しているところでございます。これは地震時に制御棒の挿入性を阻害する要因になるといけないということで確認しているところでございますけれども、特に問題がない結果であるということを確認してございます。
続きまして38ページでございます。結論でございますけれども、私ども伊方3号機のMOX燃料の輸入燃料体検査申請につきまして、詳細設計部分を確認いたしましたところ、ペレット組成以外につきましてはウラン燃料のものと寸法、材質等はほとんど同じということで、ウランで使われている実績がある形でMOXでも使われているということを、まず確認しています。それからMOX特有の部分は当然ございますので、その部分で問題が発生し得ないのかどうかということを確認をしております。それから設計書に関する強度評価の結果、基準値を満足しているということを最終的に確認いたしまして、今回の申請内容につきましては、詳細設計、仕様について確認した結果、特段問題はないものということで、今後これを実際の検査におきまして確認していくというようなことで、このMOX燃料体の安全性を保安院として確認していきたいと考えているところでございます。以上で私どもの資料の説明を終わらせていただきます。
濱本部会長
どうもありがとうございました。それでは四国電力と国からご説明いただきましたので、この説明に対して委員の皆様方から御意見あるいは御質問賜りたいと思います。
有吉先生、どうぞ。
有吉委員
四国電力の説明資料の表3−2です。MOX燃料の燃料棒健全性評価結果によりますと、安全審査の時には燃料棒内圧0.83という値であったものが、0.91と厳しくなっているんですが、その理由は何でしょうか。
四国電力 地紙原子燃料部長
先生の御指摘の燃料棒内圧について、安全審査段階では基本設計ということの妥当性を安全審査されるわけで、その場合の内圧の前提となります各燃料棒の出力、これはMOX燃料の入った代表的な炉心を想定して、その中で最も内圧を評価するのに厳しい燃料棒の出力を選び出します、これを出力センサスといいますけど、それに基づいて出力が決まってそれに応じた内圧を評価しております。詳細設計段階の今回の輸入燃料体検査においては、従来からウラン燃料の国内での同様の評価と同じでございますが、更にその出力に保守的に上乗せしたような出力を仮想的に設定して評価をしております。したがいまして当然のことながら、出力を若干保守的に上げた分だけ、被覆管の中でのガスの溜まり具合といいますか、そういうものが高くなるということで、結果的には評価基準に対してやや高い評価結果、基準に対して厳しい評価結果が出ていると。いずれにしても1を十分下回るということで安全であるというふうに我々は考えてございます。
濱本部会長
藤川先生、どうぞ。
藤川委員
今の御質問にも関連するんですけど、今までの安全審査では出てこなかったり、あるいは安全審査時と結果的に内容が変わったりしたような、いろんな設計比とか定量的な評価結果はどれなのかということをですね。それと今まで出てこなかったものや変化したものについて、国の方でどのような方式でチェックしていただいたのか。全部計算内容まで立ち入っていただいたのか。委員の方には設計比というだけで、それ以上の情報がないので、その辺りのチェックをどれぐらいしていただいたのかを説明していただきたいです。
四国電力 地紙原子燃料部長
まず、申請者の当社の方から。安全審査というのは基本設計でございますので、設計の成立性ということで評価をしてございます。今回の場合は詳細設計ということで、例えば7、8ページでいいますと、詳細設計で確定するものとしては、燃料集合体に係る強度評価、基本的にはこういったものが詳細設計で評価されるものでございます。それから先ほど有吉先生からも御指摘がありましたように、若干基本設計の段階よりは更に保守的に評価をしている部分もございます。例えば、応力、歪みについてもより保守的に評価をしている部分がございます。端的にいいますと、表3から表5の燃料集合体の強度評価については、この段階で評価をしております。設計比と書かれている相対的な数字ですけど、数字そのものはございます。集合体については、主に有限要素法に基づく決定論的な数字が出てきますが、商業機密等の制約がございますので、1という基準に対して評価結果が具体的な数字があって、それを割ったような形でご確認いただきたいということで、この資料では相対的に書かせていただいております。
原子力安全・保安院原子力発電安全審査課 江藤安全審査官
原子力安全・保安院として、どのようなことを確認をしたのかということで、簡単に御説明申し上げます。私どもとしまして、まず申請の内容につきまして、各構成部材等がどういった環境に置かれている、どういう状況で使用されるというような必要な条件を考慮した上で評価されているということをですね、各詳細な数値は確認させていただいているところでございます。先ほど四国電力さんから言いましたように、一部有限要素法を使った計算によって出てきたものについて、一つ一つ追えないものもあるんですけれども、そういったものも実績のある形で出されたものについて、数値をそれぞれ確認して、今回のものは設計比と同じようになっているということを確認しているところでございます。また、評価の結果について、その手法等についても、なぜ細かくそのような手法を採っているのか、あるいはどのような条件がそこで課されているのかということも十分確認することによって、それの結果の妥当性も審査しているところでございます。またその審査に当たりましては、必要に応じまして専門家の御意見等も聴きながら審査をしているという状況でございます。
辻本委員
先ほどの四国電力の資料の表3−6でございますが、支持格子のところだけが変形量は制御棒挿入性に支障のない範囲であるということで、他は全部設計比で書いておられますが、非常にここが抽象的な書き方ではないかと思いますが、これと関係あるかどうか分かりませんが、新聞報道によりますと柏崎刈羽原発7号で制御棒が1本抜けなくなっていたという報道もございましたが、それとの関連についてもお話いただければと思います。
四国電力 地紙原子燃料部長
表3−6で支持格子について、変形量は制御棒挿入性に支障のない範囲である、制御棒について、これは要するに地震が起きた時に制御棒が炉心に入るということで、それに対する支障がないかどうかという観点でございますけれども、基本的に支持格子が主に地震の場合、水平方向の変位によって変形する方向が決まるわけですけど、どれぐらい変形すれば制御棒が入らないかという、そういうことがある程度、加振試験というか実証的に求められておりまして、おおよそ数ミリ程度、この支持格子というのは正方形でございますけど、これが力を受けて変形することによって、その変形量が大体数ミリ程度変形した場合に制御棒を落としても挿入時間について全く影響がないというのが加振試験データとして得られております。今回の支持格子の変形量については、群振動解析等で詳細に変形量を評価しておりますが、その数ミリに対して今回の地震力に対する変形量が十分小さいということで、定量的にはそういう数字を持っておりますが、停止機能という面で制御棒が所定の時間内に入るということが一つの判定基準ということで、変形量は制御棒挿入性に支障のない範囲であるというのは、そういう意味で書かせていただいております。柏崎の件についてはまだ調査中で、メカニズムとかどういうふうにそういうふうに至ったのかということを十分に分析した上で明らかになると思いますので、今回の場合との関連は、今コメントはできませんが、一応この燃料集合体の耐震強度については伊方発電所において想定される地震波S1、S2というベースで所定の機能、要するに制御棒が所定の時間に入るということ、それから冷却可能な形状を維持するという2つの観点で耐震評価をした結果でございます。
濱本部会長
よろしいでしょうか。
森先生、どうぞ。
森委員
今までの質問と違って2点ほどお聞きしたいと思います。できましたら、国の方に審査の立場についてお伺いしたいんですけど、質問は、四国電力さんの資料の7ページの表3−2の被覆管応力設計比0.98というところと、それから表3−3輸送時及び取扱時のMOX燃料集合体強度評価結果の制御棒案内シンブル設計比0.97というその2つの数字について、今日の審査の前に一旦は事前に説明もお伺いして質疑をして自分なりには理解を深めたところではありますが、改めてお聞きしたいのが、表3−2の被覆管応力0.98という設計比に関してなんですけれども、これは四国電力さんの説明の資料には地震による応力を含むと書いてございます。0.98というのは設計としては、要するに評価基準を一応クリアしていて設計としてはOKだというその御判断は結構かと思うんですが、これが設計比をオーバーした場合の、いわゆる設計余裕といいますか、オーバーした場合の性能についてどのように評価していらっしゃるか。例えば、これは決定論的な設計ですけども、確率論的に言えば、信頼性指標でいって例えばどれくらいに相当するのかだとか、そういう超えた場合のことについてどのように御判断なさっているかということを一つお伺いしたいと思います。それと、2つ目につきましては、表3−3輸送時の制御棒案内シンブル設計比0.97というのがございます。これは設計ですから、ある条件を設定した輸送時の何らかの解析を行っているということであります。ところが、実際輸送の場合には、想定しているものよりも上回る状態が生じることが考えられます。そういう場合に対してどのように国としては評価していくのかという姿勢について、これが2点目の質問です。よろしくお願いします。
原子力安全・保安院原子力発電安全審査課 江藤安全審査官
まず、2点目の御質問について、私ども保安院から御説明をしたいと思います。こちらの制御棒案内シンブルの0.97の結果でございますけれども、まず評価の条件としまして、輸送時若しくは取扱時に4Gの荷重がかかった際に、比較してどのような値が出ているかということを示しておりまして、1に近いものがあると。1を超えたらどうであるかというのも当然考えられるべきことであります。当然4Gというのも、ある程度余裕を見込んだ輸送時なり取扱時にこういう落ち方をしたらどうというのを詳細に場合分けをして検討をしているところでございますけど、当然それを上回ることもあり得ないことではないということで、一応輸送時につきましては、輸送のトレーラーに載せて運ぶ時は加速度計を備えているというふうに聞いております。それで仮に加速度計で4Gを超えるような荷重がかかったということが分かった場合には、それは想定を超えたようなものでございますので、それは評価のやり直しを行うと、詳細にわたって評価をやって、評価結果が思わしくないものであればそれを使わないということの判断を含めて、その後の対応を決定すると、そのように私ども伺っております。ですから、一応そういった想定外のことも配慮して、それは数字の中には出てまいりませんけれども、そういった取扱いとしての考え方はあるというふうに聞いてございます。ですから、そういう事態はそういう対応を取られるという形が分かっていれば、私どもとしても問題ないかなというふうに思ってございます。
1点目の御質問については、四国電力さんの方から詳しく御説明をさせていただいた方がいいのかもしれませんけど、被覆管応力にも1に近いものがあると。こちら地震時の荷重を勘案しているものでございますけど、こちらにつきましても、発生する応力と許容値を比較をさせていただいているところでありまして、許容値に関しましては、この許容値というのは、例えばそれを超えたらすぐ使えないような状況になるのかということで、実際にはかなりの余裕を持ったところで、低いところで許容値が設定されていると。ですから、1に近いから、例えば1にぎりぎりであるからすぐに部材自体が危うい状況になるのかというと、そういうことではないと。とりあえず許容値として設定している値に比べてどうだっていうことは、1以下であることを確認していると。もちろん評価をするに当たっては、若干の不確定な要素を勘案した上で評価をしているというふうにも伺っておりますし、更に許容値自体というのが、全体の実力といいますか、安全率を見込んだところの値としては低いところで許容値を作ってますので、1ぎりぎりだからすぐ部材がだめになるかというと、そういうことでもないというようなことを伺っているところですけれども、何か四国電力さんの方から。
森委員
四国電力さんの御説明を聞く前に、今のお答えに対して、1つ目の方は、設計比1を下回っていることを確認したのみで、上回った場合については特に審査の対象としていないという理解でよろしいでしょうか。それと2つめの方の説明は、これも同じく設計比1を下回っていることを確認するのみで、超えた場合のことについての対応は、四国電力さんの方の対応に信頼できる内容が認められたという御判断をなさったと、そういうことでよろしいでしょうか。
原子力安全・保安院原子力発電安全審査課 江藤安全審査官
はい。
四国電力 地紙原子燃料部長
応力が1に非常に近いということで超えたらという話でございますが、まず、この応力を含めた燃料棒の健全性については、評価コードシステムというのがございまして、そこにはMOX燃料の照射履歴あるいは材料特性を統計的に包絡するようなモデルが組み込まれております。そういう設計コードについても、安全審査の段階で、妥当性が国において認められております。これが一つです。それからこの応力についての考え方は、今回の場合、これは、異常な過渡変化という、非常に稀に起こる事象に対して、最も厳しい出力履歴を持った燃料棒を選び出して、その場合において応力がどのくらいになるかという、ここは決定論的に答えが出てくるわけですけれども、そういう状態を想定して評価しております。その中には、この応力の成分としては、一次応力である内外圧差あるいは水力振動あるいは地震力がございます一方で、二次応力がございます。これは被覆管がクリープダウンしてペレットと接触した後、拡管方向に力を加えるという、これは変位制御型の応力といわれてまして、その強制変位が終了すると応力がなくなるという、今回のジルカロイ−4という延性材料に対して、ここで最も卓越する応力というのは、この二次応力でございます。この二次応力が支配的なファクターでございます。めったに起こらないような事象に対して、設計コードで決定論的に評価して1を超えていないということで安全性を確認する。これがいわゆる設置変更許可の安全審査の段階でのプラクティスでございます。したがいまして、超えたらどうかというところは、確率論的評価という面では審査はしていませんが、ただ、この1という基準は、0.2%永久歪に相当する耐力、すなわち、ほぼ降伏応力に相当します。ところが、二次応力を含めた、応力限界強さというのは引っ張り強さで、本来的には安全性は担保できるという意味では、引っ張り強さと降伏応力の間の裕度というのは相当ございます。そういう面で仮に1を超えたということを想定した場合でも、直ちに燃料評価の健全性が損なわれるというものではございません。ここは後半の部分については、ある想定、仮定の下で私が申し上げたもので、あくまで安全審査とか国の許認可上は先ほどの決定論的な評価でいいということでございます。後半の部分の制御棒案内シンブルの方、輸送時については、1を超えたらということですが、実際には輸送モードあるいは取扱モードで4Gという荷重がかからないようなことは確認できているわけで、これを超えることはないと思いますが、超えた場合は、先ほど国の方から言われたように、再評価をすると。4Gを超えたらすぐにやはり大丈夫か危ないかというと、この制御棒案内シンブルについては評価基準が一次一般膜応力ですので、降伏領域に対して1.5倍の余裕がありますので、そういった面でも、やはり余裕がここにはあるというように考えております。
濱本部会長
どうぞ三島先生。
三島委員
今の件で私の理解するところなんですけども、被覆管応力の0.98というのはかなり厳しいですけれども、今の四国電力の説明にありましたように、評価については異常な過渡変化が最も厳しい条件で、しかも、保守的な結果を与えるような評価をして、それでそこから計算される荷重に、地震が起こった時の荷重を加えて評価しているということで、建前としてはこの値を超えることはないという数値だと、私は理解しています。その判断基準については、許容応力を設定し、それを超えたら規制上は壊れたものとみなす、実際壊れるかどうかは別として、壊れたものとしてみなすというふうに、私は理解しています。地震の応力については、その地震の荷重がどれぐらいになるかということにもよると思うんですけれども、先ほどの御説明だと、地震による荷重というのはそれほど大きな部分ではないというような説明でしたので、地震の影響を考えてもこの0.98を超えることはないのではないかというふうに理解しています。
濱本部会長
どうもありがとうございました。よろしいでしょうか森先生。
森委員
はい。
濱本部会長
そのほかどうでしょうか。
森委員
強度等については以上なんですけれども、品質保証活動について2点ほどお伺いしたいと思いますがよろしいでしょうか。1点はちょうど先ほど御説明の資料1−1の15ページに書いてある内容なんですけれども、15ページの上から3段落目に書いてあります四国電力さんの品質保証活動が適切に実施されていることについては、第三者監査機関であるフランスのビューロベリタス社の確認を受けるというふうに書いてはあるんですけども、メロックス工場そのものの品質保証活動あるいはそれについては第三者機関が就くのかどうかということが一つ。それともう一つ、この品質保証活動は、生産工程においてのみなのか、あるいは運搬工程においても同じく四国電力さんがモニターをするという活動を第三者機関がモニターするのかどうか、その2点について、ちょっとどちらに聞けば適切なのか分かりませんので、適切な方にお答えいただきたいのですが。
四国電力 地紙原子燃料部長
後半の部分について先にお答えしますと、運搬に関して第三者の監査を受けるかということですが、結論から申しますと、今のところ、これは、第三者機関の監査を受けるというのは、国の通達に基づいて海外において燃料を加工する際に当社事業者の品質保証活動が妥当かどうかという観点で客観的な評価を受けるということとされておりますので、そういった面である程度オブリゲーション(obligation:義務、責任)としてやっているところでございます。輸送については、運搬については、当社自身が資料14ページの冒頭にございますとおり、当社の品質マネジメントシステムというのがございまして、これに応じた輸送に関してのマネジメントシステムを適用して、輸送に係る方法、業者の品質保証活動が適切に行われたかどうかは確認することにしております。それから、メロックス工場自身が第三者の監査を受けているかどうかについて。
四国電力 坂井原子燃料部企画・サイクルグループリーダー
引き続き説明します。メロックス工場自身が第三者機関を自分のところの品質保証活動に適応しているかどうかというところにつきましては、四国電力としてそれは今確認はしておりません。すなわち第三者機関を就けるかどうかは、我々自身がメロックス社に対して要求しているものではございませんので、彼らがそれを就けるかどうかという判断はあると思いますが、我々はそれを要求してございません。以上です。
濱本部会長
三島先生どうぞ。
三島委員
品質保証のことでお話が出ましたので、それに関連して質問させていただきたいのですけれども、メーカーについては、従来から、先ほどありましたように、品質管理のための監査を行っておられます。今回四国電力さんが海外から燃料を調達されるのは初めてだということで、国際規格というのがあって、それを共通で使われているということはあるんですけれども、やはり海外のメーカーと国内のメーカーとで随分勝手が違う面があるのではないかなと思います。これまで監査とかやられてきて、システム監査とかいろいろやられたと思うんですけれども、そういうときに気付いた点とか、これから工場監査などをやられると思うんですが、そういうところで注意しなければならない点とか、その辺り何かありましたら、お聞かせ願いたいのですが。
四国電力 地紙原子燃料部長
海外で燃料を調達するということは初めてでございますが、その前に海外へ使用済燃料を搬出した経験は、もう四半世紀ございますので、フランス、イギリスのエンジニアが、あるいは工場のシステムがどういうものなのかと、おおよそは分かっておりました。今回、メロックスという工場で燃料を加工し調達するということに関して、一応国際的なISOのマネジメントシステムが共通でやっているということは基本的には変わらないんですが、それが正しく運用されているかどうかということが問題で、そういった面ではやはりコミュニケーションとか安全文化とか、あるいは我々日本の考え方、日本のおかれた原子力の状況、自分達がやっていることはいかに重要であるかと。そういったことを、我々の検査員、監査員と先方の責任者の間で双方向のコミュニケーションがいかに図れるかと、これが最も重要なことだと思います。そういった面で7月に現地でシステム監査を実施したわけですけど、我々が思っているよりはるかに意識が高く、自信に満ちていたと思います。実際にどういった印象を持ったかだとか、感想とかについては、実際、監査責任者が後ろにおりますので、ちょっと意見を出させたいと思います。
四国電力 坂井原子燃料部企画・サイクルグループリーダー
それでは話をさせていただきたいと思いますが、7月の初めに1週間行ってまいりまして、私もフランスのそういう海外の会社に対する監査は初めて行ったわけでございまして、先入観として日本が要求するような細かい対応をしてくれるのかなというところを心配しておりましたが、その予想とは全然違っておりまして、いろいろな細かく多数の質問にも一つ一つ丁寧に生真面目に答えてくれまして、実際品質管理の中身についても非常にきちんとした品質管理をやっているということが確認できました。そのほかにも、いろいろメロックス工場の幹部の方ともインタビュー行いましたけれども、品質管理に対して非常に高い意識を持っているということを、そういう印象を持って帰ってまいりました。監査のことについては、以上でございます。
濱本部会長
ありがとうございました。
三島先生どうぞ。
三島委員
現時点ではBNFLが不祥事を起こしてちょっと信用をなくしている、そうしましたらこうした燃料を実際上作れるのはメロックス社だけということで、今のお話を聞いてちょっと安心しました。それからメーカーとかメロックス社を含めて十分監査されているということで、しかもメロックス社との契約で、実際、契約書の中に十分データを示すとか検査を受けるとか、そういうことも記載されているということで、以前私がフランスのそういったところに行った時にかなりデータを出し渋るといいますか、なかなかデータを出してくれないような傾向があったのですけれども、今のお話を伺いますと、そういうことも心配なさそうだと少し安心しました。品質保証体制についてはメーカーとかメロックス社、それに対する品質保証の監査を十分にやられているというお話を前から伺っていたのですけれども、それでは、一体四国電力自身の監査というのはどこがやるのかということをちょっと気にしていたのですが、先ほどの話ですと、ビューロベリタスというところ、これはフランスの第三者機関ということで、私も以前訪問したことがありますが、世界的にもしっかりした監査会社ということで、そういうところが第三者機関として四国電力自身を監査されるということを伺いまして、BNFLで不祥事があったことを踏まえて、そういう体制で臨まれたということで安心しました。全然話が変わりますが、質問をさせていただきたいんですけども、今回のMOX燃料の製造体数21体というふうに記載されています。ちょっと少ないような気がするのですが、最初の装荷は、2010年頃に当初装荷されると伺っているんですけれども、最初は何体ぐらい装荷されて、その後はどういう予定かということと、21体ではそれほど多くないので、すぐなくなると思うのですが、その後どうされるのか。それともう一つはMOX加工工場は日本にもできるというようなことがあって、その後もこのフランスでMOX燃料というのを製造されるのか、その辺りのところをお伺いしたいんですけども。
四国電力 地紙原子燃料部長
今回21体は、フランスの再処理工場で回収したプルトニウムに相当した燃料で、1回で製造する予定にしております。21体の使い方については、伊方発電所3号機の運転計画が最終的に定まった段階で、取替え体数をウラン燃料との配置等を考えて最終的に決めたいと思っておりますので、現在最初何体入れるかについては決まっておりません。今後、長期的にプルサーマルを継続していくかどうかについては、我が国の原子力政策を振り返って、六ヶ所で再処理して回収したプルトニウムは継続的に使っていくということでいえば、長期にわたって利用していくということになります。まだイギリスにも回収されたプルトニウムがございますので、どういう順番でどういうふうに使っていくかというのを、これからきちんと詰めていきたいと思っております。フランスで更に今後作るという計画はございません。
濱本部会長
有吉先生どうぞ。
有吉委員
話を戻して恐縮ですが、品質保証の話、先ほど四国電力からの御説明がございましたけど、国の方にお伺いしたいんですが、今まで保安検査等で四国電力の品質保証体制を確認されていると思うんですが、MOX燃料ということに関して、この四国電力の品質保証体制はどのようにお考えですか。問題はないでしょうか。
原子力安全・保安院原子力発電検査課 坂本原子力安全専門職
お答えいたします。保安検査においてもMOX燃料の輸入について、調達管理の観点から確認することは制度上可能なんですが、実際にMOX燃料に特定して確認を行ったかというと行っておりませんで、その点についてはただいま御説明したとおり、輸入燃料体検査において、四国電力それと燃料加工事業者の品質保証の体制と、実際の活動状況を確認する予定でございます。
濱本部会長
森先生どうぞ。
森委員
最後に要望ということを短く申し上げたいと思います。品質保証については専門ではないんですけれども、先ほど三島先生が御指摘なされたBNFL社というところのいわゆるデータ改ざん問題ですか、その会社もおそらくはISO9001を既に取得された、そういう品質保証システムを当然持っているところだと思います。そういうところがそういうことになったと。つまり、私も別のISOで十年来、毎年一週間付き合わせて朝から晩まで会議をやるということをしてきますと、彼らの高級エンジニア、高級技術者というのは非常に意識が高くて素晴らしい人達が多いのですが、下になればなるほど、どんどんレベルが落ちていく可能性があって、特に日本だと、割といわゆるヒエラルキーでいう下の方で働く方の意識は相当高いのにもかかわらず、外国では必ずしもそれが期待できないと。そうなった場合に、つまり品質保証システムとしては今準備されているのが、極めてよく考えられた、とても高度なものだというふうに私自身は評価しているのですが、実際に運用される際に、技術者ではなくて、技術者の更に下にいるテクニシャンだとか技能者だとかそれをどうやって見ていくのか、あるいは、恐らくは実際に現地に行かれるであろう四国電力さんの技術者の方が何か気付かれた時には、別途協議事項ということが多分あると思いますので、そういう協議事項を使われて、書かれたもの以外で、例えばこういうことはどうか、ああいうことはどうかというふうに、突っ込んだことを是非ともやっていただきたいというふうにお願いしたいなと思います。特に書かれたものはきちんとやるということはよくよく分かっているんですけれども、書かれていないことは、意外と書かれていないからやらないで当然というふうな文化がむしろ西洋の文化ですから、日本は書かれていないものでも気持ちの中で分かっているものはやるというところですので、是非とも運用というところで努力をしていただけたらありがたいと思います。以上です。
濱本部会長
そのほかございますか。藤川先生どうぞ。
藤川委員
2点教えていただきたいのですが、まず国の方で、品質保証活動については有吉先生からも質問がありましたので似たようなことなのですが、現地で四国電力がきちんとやっているということをですね、どのようにして確認なさるのか。四国電力さんを疑うわけではないのですが、国としては適正だということをどういうふうにして確認されますかということが第一点です。あと第二点なんですが、MOXペレットの外観以外に、プルトニウムの同位体比とかウラン235の濃度だとか、測定をしなければ保証ができない項目があると思うのですが、この辺りは記録確認というふうに書いていますが、その記録というものは、例えば再処理事業者から出てきた原料の分析書みたいなものを見るだけなのか、あるいはメロックス社がまたそれを、再処理業者のデータを見るだけではなくて、メロックス社がチェックするような方法をお持ちなのか。商業機密があるとすればお答えいただけないのかもしれないのですけれども、できれば教えていただきたいと思います。第二点は、四国電力さんにお願いします。
原子力安全・保安院原子力発電検査課 坂本原子力安全専門職
まず御質問の一点目について回答いたします。国としましては、四国電力さんの方でメロックス社の品質保証体制について確認をする、その結果を国がまた確認するという形を取る予定でございます。それと、例えば国が現地に入って立会いをするということも、一応企業間の契約で可能な状態にしていただいてはいるのですが、不正の防止策としては、まず何よりも品質保証体制そのものの確立が重要であると考えておりまして、今のところは、国として直接現地に入って確認をするということは考えてはおりません。また、新たに不正等が万が一見つかった場合等には、当然今後の規制等にも反映する必要もございますので、国としても調査に入ることもあり得る、という回答とさせていただきたいと思います。
四国電力 大沢原子燃料部品質保証グループリーダー
二点目の御質問に対してお答えいたします。不純物とかその辺り当社が記録確認をして抜取検査をしないということでございますけども、メロックス工場の方といたしましてはサンプルごとに実際に作られたペレットを破壊試験しまして、その不純物、ウラン含有率等を実際測定いたします。その測定した結果につきまして我々は記録確認するということですので、我々がそのペレットを破壊して分析した結果を確認するという抜取検査はやらないという書き方でございます。
濱本部会長
よろしいでしょうか。そのほか。辻本先生どうぞ。
辻本委員
品質保証で三島先生、森先生の質問を聞きましたのでよく分かりましたが、四国電力の資料15ページを見ておりまして、不適合が起こった場合にはメロックス社が三菱重工との連絡を書いておられますが、そこにおられる四国電力さんの現場の人達にはどんな連絡が行くのか分からないのですが。実際、四国電力さんの現地に行かれる人は所定の力量を得たと書いてございますが、もう少し具体的に分かりましたら、何人ぐらいでどういう体制でどういう検査をされるか、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。
四国電力 地紙原子燃料部長
力量に関しては先ほどちょっと触れさせていただきましたけど、例えば伊方発電所で原子燃料の炉心管理とか燃料管理をやったり、それから、成型加工工場で、国内ですけれども、検査、監査の経験がどれくらいあるか、あるいは、BNFLのデータ問題で注目を浴びましたデータの改ざんあるいは統計処理という研修をすることによって、そういうのを見抜ける能力が付くわけですけど、そういった品質保証に係る研修、そういったものを一定の年数と項目に合致する人間を選んで派遣します。今のところ、そういう従事してきた年数が、平均ですけども15年実績の経験のある人間を派遣しようと思っております。人数については、あくまで今は暫定でお答えしますと、検査責任者1名と、監査、検査の担当者1名ずつというようなことで、およそ3名で常駐をするということを今は考えております。それを交替で展開していこうと思っております。
濱本部会長
よろしいでしょうか。そのほかございますでしょうか。
有吉委員
表5−1の検査項目に関して質問したいのですが、まず全般的なことで一つ、それから個別のことで一つか二つ。まず、検査項目の一覧を見ますとウランの場合とMOXの場合と項目的にはほぼ同じです。お聞きしたいのは、検査項目でウラン燃料と比較して重点的に確認するところ、あるいは強化した項目は何かという点。それから個別のことになりますが、先ほど説明がございましたけど、13ページの方の燃料棒のわん曲、それから燃料棒間隔については、ウランの場合は抜取検査するけれども、MOX燃料の場合は自動検査装置で全数検査するから、抜取検査はしないんだということの説明がございましたけど、四国電力としてはこれはしっかりと確認するべきではないかというように思うのですが、この検査体制について国の方は問題ないと考えられているのかどうか。以上の二点です。
四国電力 地紙原子燃料部長
前半の部分をお答えします。MOX燃料だから特にというところは、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、この丸がウラン燃料に付いてないけれども、MOX燃料の方にはついているということで、ペレットの部分は、相当綿密に、含有率・組成・均一度については検査する予定です。それから被覆管の欄の下から4つ目については、製品段階の外観を抜取りでやると。それから、次のページの一番下、これも先ほど触れさせていただきましたが、これもやはりMOX燃料特有の集合体設計の中で富化度の異なる燃料棒を適正に配置されているかどうかといったところ。こういう検査のベースとなっている製品品質については、巡視するとか製造過程でどういうふうに検査しているかというのを我々自身が現場で確認したり、あるいは、第三者機関を使って客観性を高めたり、そういったことをベースに高めているわけです。それからわん曲と燃料棒間隔については、これはレーザーで全数、例えば測定をしたりしているわけで、工学的にかなり精度の高い方法をメロックスは採っておりますので、抜取りしないからレベルが下がるという問題ではなくて、そういったことが正しい管理で検査装置が運用されているとか、彼らの実施した記録が適正であるかとかいう面でチェックすれば、ウラン燃料の検査水準と同等以上確保できると我々は考えております。
原子力安全・保安院原子力発電検査課 坂本原子力安全専門職
今御説明をいただいたとおりでございますが、燃料棒の間隔等、実際にMOXの場合は、被ばく等の観点から、直接の全数確認という意味では困難な場合があり得ると当院は考えております。それで御説明にありましたとおり、検査の方法がきちんと適切に行われているか、先ほどから説明させていただいているような品質保証活動、つまり、その検査が信用できるかどうかという観点で適正なものであれば、国としても問題ないという判断をさせていただくことになると考えております。
濱本部会長
よろしいでしょうか。
森委員
今まで四国電力さんがどういうふうにメロックス社とかかわるかというような御説明については受けているんですけども、元々の元請会社の三菱重工業の方がメロックス社に対して、品質保証だとか、あるいは監査というのをどのように行っているか。それから、四国電力さんがその三菱重工業に対して検査、監査をどのように行うかという点についてお聞かせ願えたらと思います。
四国電力 大沢原子燃料部品質保証グループリーダー
三菱重工業としましてはメロックス工場を下請け先として契約してございますので、その下請け先として三菱重工業がメロックス社を選定する際に十分な技術能力を有しているという点を確認するために、三菱重工がメロックスの方をシステム監査したということを我々は確認しております。我々も三菱重工業をシステム監査しておりまして、その段階において三菱重工業がメロックス社にした監査内容について確認してございます。以上です。
森委員
三菱重工業さんの方はメロックス社の現地の方には行って、いわゆる製造過程における検査などは行わないということでしょうか。つまり、システムだけを事前に、日本なり、あるいは話合いで確認しただけで、現地での工程を実際に確認するのかしないのかという点についての質問ですけど、それはいかがでしょうか。
四国電力 大沢原子燃料部品質保証グループリーダー
失礼いたしました。今回のMOX燃料加工に際しまして、三菱重工業としましては、記録確認という形でシステム監査をやります。それと、製造過程におきまして、実際メロックスの品質保証システム、定められた要領書に従ってメロックスが物を製造するということを、三菱重工業もメロックス工場に行きまして確認を行います。ですから、オフラインとオンラインの両方から三菱重工業もメロックス社の方を確認すると聞いております。
森委員
もうひとつの質問は、その三菱重工業さんに対して四国電力さんはどういう検査あるいは監査という体制をおとりになるのでしょうか。
四国電力 大沢原子燃料部品質保証グループリーダー
今言われたのは、実際燃料を製造している時に、我々は三菱重工業の検査に対してどう立ち会うかと、そういう観点でしょうか。
森委員
そうです。恐らく契約されているのは、四国電力さんは三菱重工業さんと契約をされていて、かつ、それが作られる実際の場所であるメロックス社を下請けへの検査としてやっていらっしゃるわけでしょうから、元請けへの検査、監査はどうなってるかという立場の質問です。
四国電力 大沢原子燃料部品質保証グループリーダー
契約体系でいきますと、我々が三菱重工業と契約しまして、三菱重工業の方はメロックス社を下請け先として契約してございます。検査の流れといたしましては、製造するのがメロックス工場になりますので、メロックス工場の中で内部で検査した結果を三菱重工業が確認しまして、その三菱重工業の確認した結果を我々が更に確認するというのが契約上の流れになります。我々も実際工場に常駐しておりますので、製造の各段階で実際に製造されているスケジュールに従いまして、適切な時期、適切な頻度で三菱重工業、メロックス工場の検査について確認するということを考えております。
森委員
すると、一番最初から御説明聞いてますと、メロックス工場の向うの現地の技術者と話し合ったことなんかをお話になっていましたけれども、今のお話ですと、実際に話し合う相手は、メロックス工場にいる三菱重工業の何人かは別にして、三菱重工業に雇われている方とのデータのやり取りだとか、話合いだとかを経た検査、監査になるということでしょうか。
四国電力 大沢原子燃料部品質保証グループリーダー
すみません。先ほどは契約の流れを申し上げたんですけども、実際としましては、工場で流れている時に、我々と三菱重工業とメロックスの工場の人間で、実際は同時に立ち会い、検査をやるということになりますので、我々と三菱重工業が協議する、我々はメロックスとも協議するということで、三者合意の下に協議を進めていくというのが実際のやり方になると思います。
森委員
了解しました。
濱本部会長
そのほか御意見はございませんか。三島先生、ひとつ最後に。
三島委員
この輸入燃料体検査申請につきましては、設置変更許可申請書に抵触しないかどうかということはもちろんですが、これは保安院の方で確認されているということです。あと、この技術専門部会としては、以前国とか県が開かれました公開討論会等のご意見がいろいろありました。そういったところで指摘された問題点がクリアされているかどうかとか、あと、MOX燃料加工につきましてはBNFLの問題があってそういった経験が適正に反映されているかどうか、そういった観点からいろいろ聞かせていただいたわけですけども、今日お伺いしました限りでは、MOX燃料の設計とか加工時における品質保証計画、これは妥当なものであって、健全性は確保されると私は思いました。その計画とか設計がきちんとやられたとしても、実際に物を作る段階できっちりやられるかどうか、運転まで安全を確保しようとすると、実際に物がきちんと製造されるかどうかということが重要ですけども、これにつきましては、今日ご説明いただいた品質保証計画に従って、きっちりと検査とか監査を実施していただきたい、これは四国電力に対して申し上げたいと思います。それから保安院に対しましては、そういったことがきちんとやられた結果、製品として正しいものが出来ているかどうか、設計どおりの物が出来ているかどうか、国の厳格な検査で確認していただきたいと、そういうふうに申し上げたいと思います。以上です。
濱本部会長
ありがとうございました。総括していただいたわけですが、他にも御意見ないようでしたら、ただいまの先生方からの御意見、あるいはそれに対する答弁を伺って、技術専門部会としては以下のようにまとめて会長の方に報告したいと思います。
伊方3号機のMOX燃料に係る輸入燃料体検査申請については、MOX燃料の設計及び加工時における品質保証計画は妥当であり、健全性は確保されるものと認められる。製造に当っては、四国電力は、確実に検査や監査を実施するとともに、国には、厳格な検査をお願いしたい。それから第二点として、技術専門部会としては、今後国の検査が完了した時点で改めて審議、確認することにしておりますけれども、四国電力からは、製造の状況について適宜報告をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
(異議なし)
ではそのようにさせて頂きます。
これで審議事項は終わるんですけど、引き続き報告事項に入りたいと思います。
地震に関することですが、四国電力は、中越沖地震を踏まえて柏崎刈羽原発への影響の対応として、柏崎刈羽原発で観測された地震動を伊方原発に当てはめて検討すると。そして、安全上重要な施設について耐震性を検討する。それから第二点として、伊方原発の敷地内の埋立地でボーリング調査を行っておられるということ。さらに宇和海側の海底の活断層についても調査することにしておられるようですが、その三点について御説明をお願いしたいと思います。
四国電力 谷川原子力部長
原子力部長の谷川でございます。私から耐震関係に関する御説明をさせていただきます。
まず、資料2−1をお開きください。これが柏崎刈羽原子力発電所で新潟県中越沖地震時に観測されたデータを基に伊方発電所の重要な設備の余裕について見たものでございます。前回の技術専門部会で、こういうことを検討していると概略を報告させていただきましたが、その結果を今回御報告させていただきます。
図にありますように、横軸に周期を取りまして縦軸に応答加速度を標記しております。細い青い線が柏崎の1、4号で実際に観測された波でございます。青の太い線と赤の太い線が、これが伊方1号機の例ですが、伊方1号機の南北方向と東西方向のそれぞれの設計で使用しました波でございます。したがいまして、青ないし赤が、薄い青の上にあれば、柏崎刈羽で揺れた揺れよりも伊方が想定している地震の揺れの方が大きいと、逆の場合は、柏崎刈羽の方が大きいと、こういうふうな見方になります。上側に@からHまで数字を書いて薄い緑の線で下へ縦の線を引いてありますが、これがそれぞれ安全上重要な設備と今回みなして確認いたしましたそれぞれの設備の揺れの固有周期でございます。それぞれのところで柏崎と設計とを比較しまして、まず伊方の設計が大きいかどうかというような観点で評価しました。下の表にございますが、スペクトル比という比でαと書いていますが、これが1以下というふうに原子炉容器等なっておりますが、このスペクトル比というのが、柏崎刈羽原子力発電所で観測された地震動の加速度を分子に、伊方の設計を分母にしたものでございます。ですから、1以下の場合は、伊方の設計の方が大きいということになります。今回の場合、余熱除去ポンプと原子炉建屋のところだけで柏崎の方が大きい波が観測されているということになります。その右側の施設の余裕というのが伊方の設計値の許容値と応答値の比です。許容値を分子に、応答値を分母に取っています。従ってこの数字が設計の余裕に当たります。したがいましてαとβを比べてβが大きい場合は設計余裕の中に入っているというようなことがお分かりいただけるかと思います。これが伊方1号機の例でございます。具体的には資料を開けていただきまして、添付−2の1/3から3/3までに伊方1、2、3号それぞれの揺れの比較図、それから、添付−3の1/3から3/3にそれぞれ今1号を例に挙げて説明した同様の評価結果を表記してございますが、すべて判定は問題ないというような形になっております。
次に資料2−2に移らせていただきます。ボーリング調査についての御報告です。新潟県中越沖地震時に、柏崎刈羽原子力発電所で不等沈下と思われますが、一部の施設において埋戻箇所の地盤が大きく沈下して、その影響によって施設にいろんな影響が出ているというようなことが分かっております。したがいまして、当社の安全上主要な設備は非常に頑丈な地盤に建ててございますが、その他の埋立地を中心にボーリング調査を実施して、従来のデータを拡充して、いわゆる埋立地の堅さや締まり具合を確認しようとするものです。したがいまして一般の建屋や構築物の地震時の余裕を検討するためのデータを拡充するために調査しようと考えているものでございます。ボーリングの計画は次のページを開けていただきますと、工程を書いてございますが、もう既に始めておりまして、本年中にはボーリングは終わるというふうに考えております。ボーリングの対象箇所は、埋立地を中心に確認したいと思っております。これはボーリングのデータを取りまして、その後このデータに基づいて各施設の余裕を評価していきたいと、こういうように考えております。
次に資料2−3でございます。宇和海における海底の活断層調査を実施するということで考えております。右の表の、上の右側に概略の調査手法の概念図を書いてございますが、船から発信機で音波を出して海面下の深いところで跳ね返ってくる波の状況を見まして、岩盤の状態、岩盤上に表れる変異、割れ、そういうものを見て断層評価をしようとするものでございます。下の図にあります、緑で囲んでございますが、伊方発電所の北側、伊予灘側には、よく何回も御報告させていただきましたが、中央構造線関連の断層群がございまして、これについては、今までずっと調査やそれに基づく評価を続けてきております。今回は南側の宇和海、30kmくらいの正方形の範囲に当たると考えておりますが、ここが、3号機の建設時に調査はいたしましたが、その後、原子力発電所としての影響評価としては、敷地前面の中央構造線断層群が支配的でございますので、これを超えるような断層は見当たらないということは確かなので、そこからずっと調査は続けておりませんでした。北側はずっと最新の技術に基づく調査をやって評価の精度を高めてまいりましたが、南側は3号建設時点の調査で終わっていました。今回、この地点について、最新の技術を用いて調査しようと考えているものでございます。調査は左側の概要に戻りますが、実施期間としては11月の上旬から1月の下旬までというふうに書いてございますが、来週から調査開始したいというふうに考えております。場所は今ほどお話させていただいたようなところです。調査の内容は、測線数でいうと約50本、全体の総長さでいいますと約1,000kmくらいに当たるというふうに考えております。調査手法は、最新の調査機器を用いてデータを取ります。データは、19年度中に揃えて、その後20年度で解析するということでございます。20年度は、国の方に耐震の評価ということで、当社から評価結果を出すことにしておりますが、その評価結果については、敷地前面の中央構造線関連断層群に従う評価を使えば十分だと、南側はそれを補足するものと考えておりますので、時期としては少しまだ先になってございますが、最新の手法で出た結果を把握して皆さんに御安心していただきたいというふうに考えております。以上でございます。
濱本部会長
どうもありがとうございました。ただいまの御説明について御質問、御意見ございましょうか。
有吉委員
最初の柏崎刈羽原発での観測データを使って評価した結果が、安全上重要な機能を有する主要な施設の安全機能は保たれるという御説明ですが、実際は過去の地震とか活断層の状況とかを見て個別の原子力発電所で評価すべきものだと思いますし、新指針に従う評価もそうだと理解しているのですが、今回このようなことを評価をなさった理由とか意義とかいうのはどういうところにあるのでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
御指摘のように個別の地点の状況に応じてするというのが正規でございますので、私どもバックチェックはきっちりやって、また御報告したいと考えておりますが、一方でそれには時間がかかりますので、地域の皆様に少しでも御安心いただくということで、同じ揺れが起こったらどうなるんだということに答えてもらったほうが分かりやすいという声もございまして、国の方もそういう考え方も示されましたので、したがいまして今回同じ揺れがあった場合の影響を一つ定量的に評価したものでございます。したがいまして個別地点ごとの評価はきちんと実施して報告したいと考えております。
有吉委員
解析に関して、先日の新聞によりますと、四国電力が断層モデルで敷地前面海域活断層の評価の際に、要素地震としているのはスラブ内地震のデータだと。実際の活断層地震は計算よりも強い揺れではないかという指摘が、可能性があるという指摘がございましたけども、その要素地震として、スラブ内地震のデータを使ったとして、それは問題ないのかどうかということについてよろしいですか。
四国電力 谷川原子力部長
評価の場合にその評価対象の地震のデータの観測値があれば、一番正確というか、正しいというか、理想的ではございますが、中央構造線関連断層の地震は最近起こってませんので、データは取れておりません。したがいまして、他の方法で推定するということになりますが、その場合に、伊方で観測されました地震を使ってやっております。したがいましてそれはスラブ内地震だということでございます。それのスラブ内地震と今回の私どもの評価の場合は、それをそのまま用いずに、当然ですけれども、各種パラメータの推定に当たっては適切な補正を実施しておりまして、国や学識経験者に対しても、そのパラメータについては指導を得て使っております。したがいまして、我々としては、その評価としては妥当なものだと考えております。
濱本部会長
森先生、どうぞ。
森委員
この資料2−1の柏崎刈羽原子力発電所の建屋の基礎版で取れた地震動を用いた床応答スペクトルによる検討というのは、柏崎刈羽についても当時は十分な活断層調査をして考えられる限りの地震動を想定して設計された原子力発電所ですから、それでもこういうことが起きてしまったと。したがって、今最新のものを用いても、また30年後には、やっぱり当時は分からなかったということになり得るかもしれないと、そういう観点に立てばこういう実際に起きてしまった地震動に対しても、もつのかどうかというのを確認するのが正しい姿であろうという、そういう考えの下で国が各原子力事業者に指導して行ったものであるというふうに理解しておりますし、また、各電力さんもそのような理解の下になさっていると思っています。実際にこうやって取られたものと比較して、簡単に安全性をチェックすることができるという点においては、この検討はこの検討で、意義あるものと思っております。ただ、最も重要なことは、これまでの安全審査においても常々四国電力さんのおっしゃっているように、伊方原子力発電所は、国の原子力発電所の中でも極めて新鮮度の高い良い岩の上に建っておりますね。一方、この柏崎刈羽原子力発電所というのは軟質な地盤の中にあると。そうしますと、この記録というのは、そういう軟質であるという柏崎刈羽の表層地盤の影響、そして、柏崎刈羽の建屋の影響、それらの二つの大きな影響を踏まえた特性を持ったものであります。例えば、このスペクトルを見ますと、いわゆるこの山の高いところが伊方の方では0.1から0.3秒辺りに大きな山があるのに対して、柏崎刈羽の方は0.6〜0.7秒というようなところ、つまり周期が長いところに山があるわけです。これが、本来柏崎刈羽原子力発電所の岩盤でどういう波が生じたかということを考えますと、これ以上に短周期側に、つまり高振動数側に振動振幅の大きい成分がたくさん入っているということが十分考えられますし、その可能性が極めて高いと思われます。したがいまして、そういう、実際には岩盤で観測するのを失敗されてはいますが、理論的にはその岩盤での観測地震動を十分高い精度で推定することができると思いますので、その推定される岩盤での地震動記録を伊方の発電所の岩盤に入れて、それから伊方の建屋の基礎版上での床応答スペクトルを推定して、それと伊方の設計で使われた床応答スペクトルの比較をするということをもってしてでないと、これはかなり過小評価をすることに、現在のものは結果的にはなっているということを指摘させていただくと同時に、そのことについて四国電力さんは今後どういう解析を、その観点からされる予定があるのかをお聞かせ願いたいと思います。
四国電力 谷川原子力部長
先生御指摘の柏崎の状況はそのとおりだと思います。開放基盤ではこの波とは違った波になっているというふうなことで、そこがポイントだろうと思っておりますが、今学会とか国の調査とかいろんなところで柏崎のあの事象をどう一般化してとらえるか、地震そのものをどう考えるかという検討が進んでおります。東京電力でもいろいろやっておりますが、一般の学会などでもその辺りの検討が進んでおりますので、その辺りの評価を踏まえて我々の原子力サイトとしてどう考えるかと、一般化されたものとしてどう考えるかと、こういう辺りはよく考えていって、原子力の安全性と皆さんの安心を確保するように進めていきたいと考えております。
森委員
分かりました。この資料2−1の検討結果のところに書いてある2行のコメントですけれども、これを、例えばいわゆる専門家ではない、例えばマスコミの方が、あるいはこういうところの審査会が何も知らない一般の人に対して、この2行だけで発信されたとすると、大きな問題が含まれていると。つまり、発電所で観測された地震動によっても伊方は安全機能は維持されると考えるというふうに書いてありますけれども、これが今のような仮定に仮定を含んだものであると大変条件付きなものですので、これでもって柏崎刈羽で起きた地震が例え伊方の下で起きても安全であるということには決してならないということを、ここで確認したいと思いますが、その点についていかがでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
それは同じ認識でございます。
三島委員
今の点に関連して、私もこの柏崎刈羽原子力発電所で起こった地震動を使って、解析したらどうなるかというのは、その地盤とかその土地の活断層の様子とかによって随分変わりますので、こういうことをやること自体については、学問的には根拠は薄いと思っています。しかし、先ほど森先生がおっしゃったような意味で意義があるとするならば、やることの意味があるかなと思います。ただ、ここで示された方法というのは、やはり実際に揺すって解析したということではなくて、便宜的な方法だということで、この結果については、先ほど森先生が御指摘されたとおりに、慎重に考えるべきではないかなと思います。ここで示されていますのは、検討対象施設の固有周期で柏崎刈羽原発の方が大きくなったものについて、そのスペクトルの比と、許容値と応答値の比を比較して、許容値と応答値の比の方が大きいから大丈夫だというふうに説明されていますけど、この二つの比の値に何か相関があってそういう説明をされたのでしょうか。その辺りをお伺いしたいのですが。
四国電力 谷川原子力部長
特に先生のおっしゃるように、技術的に非常に詰めた検討ではございませんで、一定の時間の中で早急にやるとした場合に、概略検討するということでこういう方法を採ったわけです。したがいまして相関ということじゃなくて、こういう方法で示したら、一つには安全余裕の一定程度の定量的な評価もできると、間違いではないというぐらいの意味合いだと考えていただいたらよろしいかと思います。
三島委員
最終的にはやはり実際に解析をやられて、その結果を示されるということになるのでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
それは伊方の状況を踏まえて、伊方で起こる波を、今最新の知見によるとどういう波が妥当かというのを検討しておりますので、その結果をベースに評価をいたしまして、国の評価を受けるという、こういうようなことを考えております。
三島委員
その評価の結果というのは、この技術専門部会でも聞かせていただけるわけですね。
四国電力 谷川原子力部長
当然、そうなろうかと思います。
濱本部会長
藤川先生、どうぞ。
藤川委員
2点、四国電力さんにお伺いしたいのですけれども、一つは、資料2−1の2の検討結果という下にある2行の文章で、これは要約ですので、地元の方々に説明されるときにも使われるかどうか分からないのですが、もし使われるとすると、柏崎刈羽で観測された地震動によっても大丈夫というのではなくて、柏崎刈羽で観測された床応答スペクトルでも大丈夫だというふうに表現していただく方が分かりやすいというか、誤解がないなとちょっと思ったんですが、その点はどういう御予定なのか伺いたいというのと、第二点は、資料2−2のように、これは自主的な調査をなさったのか、国からそういう指示があったのか、ちょっと存じ上げないんですけれども、もしこういう調査をされたんでしたら、その結果を、施設を、つまりSクラスではない、安全余裕の低い、安全についてそれほど重視されていない施設にも反映して、何か評価するとか改修するとかですね、そういうことが考えられるのかどうなのか。また、国の方はこういう結果を見て何か対応されたりしないんでしょうかとういうことを伺いたいんですけど。
四国電力 谷川原子力部長
まず、資料2−1の御指摘は、誤解を受けないように表記を考えていきたいと思います。資料2−2のボーリング調査ですが、これは、国の指示ではなくて、当社が埋立地の余裕を見たいということで自主的にやっているものでございます。今ある施設の原子力安全に直接かかわりのない施設についても、火災の防護だとか危険物の管理とか、いろんな意味合いでですね、施設の重要度がありますので、我々はそういう観点を総合的に考えて評価をして、建物、構築物に補強等が必要であれば、これは適切にやっていきたいと考えております。したがってその結果については、関係御当局の指導も当然受けていくということになろうかと思います。
原子力安全・保安院原子力発電安全審査課 江藤安全審査官
ただいまの御指摘いただきました点でございますけど、今回中越沖地震に関しましては、確かに先生おっしゃるようにいろんな施設に影響が出たと。それも耐震上余り重要でない施設で、例えば変圧器の部分で傾きが起きて、結果こういう火災になったんではないかと言われている事象もございますけど、これまで経験し得なかった部分、それから消火設備が破損して、消火、防火、防災の観点から問題があったのではないかというような御指摘も各種いただいておりますので、必ずしも耐震上重要でないものについてどうするのかというような、今まさにそういったところを考えなければいけないということもございますので、こちらにつきましては皆さんご存じのとおり中越沖地震における原子力施設に関する調査対策委員会というのが、私どもの方で今立ち上げさせていただいて、何度も会合を重ねてございますので、その中で若しくはその下に、例えば、こちらの防火面でもワーキングを開催したりしておりますので、あるいは耐震の小委員会等でですね、各種の議論いただいているところの検討結果なりを受けまして、我々としては対応していかなければいけないなと、そういうふうに考えております。
濱本部会長
そのほか。どうぞ、岡村先生。
岡村委員
今の藤川先生の御質問の後半及び資料2−2に関することについてコメントさせていただきたいのですけれども、四電さんの御説明も、国の方の説明も、S2だけではなくて、他の関連施設の火災だとか危険物の管理だとかに対して各施設の余裕を確認するというような内容の御発言だと思うんですけども、危険を回避するというのも当然ですけど、電力供給をしているという社会的責任からも、例えば柏崎で起きたようなSクラスの施設以外の、例えばクレーンだとか他の物だとかいうものの損害によって、非常に長期間にわたって電力供給が止まるというような状況を、これは容易に伊方でも起こり得る可能性があると思います。その時に、当然四国電力だけの話ではないのかもしれませんけれども、社会的な影響を考えて、それを防ぐという観点から、被害の想定というのをするという意味では、この軟弱地盤の部分の調査というのは、非常に意味があると思うのですが、これをどうも聞いてると単発のように聞こえてですね、こういう調査、いろんな観点の調査があると思うんですけども、BCP(business continuity plan:事業継続計画)というかですね、電力供給を短期間のうちに回復するという観点から、必要な施設を全部もう一回、Sクラスだけでなく洗い出して系統的に調査をするというような計画、それから調査結果の今後の使い方、開示の方法について、もしお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
四国電力 谷川原子力部長
先生御指摘のとおりでございますが、ボーリング調査に関しては、我々埋め立てたときのデータは持っております。それから3号機を作るときに一部データを取ったのですが、最新のデータを持っておりませんので、このボーリング調査をするということでございます。建屋構築物については設計データを持っておりますので、この設計データに基づいて、施設のいろんな余裕は検討して、必要な補強というようなものを考えていきたいというふうに思っております。したがいまして、その結果、先ほども言いましたように、適切な時期にその結果は皆様を始め一般の方にも御説明できるんじゃないかなというふうには考えております。
濱本部会長
森先生どうぞ。
森委員
今の岡村委員の質問とそれに対する回答について補足して私もお聞きたいのですが、いわゆる付帯設備というのは、重要構造物であるところの一番大事な安全性という設計規範に対して、この周りの設備は機能性ですね、いわゆるセーフティに対するサービサビリティという意味で重要だと思います。変圧器の火災の例を出すまでもなく。そうした場合に、いわゆる安全性についてみれば、目の前の活断層が動いてどれぐらいの地震動が生じるのかということが、我々にはなりますけども、そういうサービサビリティということを考えますと、いつ来るかも分からないと言われている南海地震が来た場合のことについて考えることですね。特にこの周りの埋立地盤の沈下だとか、あるいはそれに伴ういわゆる一時的に重要ではない施設の炎上なんかによる社会不安だとか、それに伴う機能停止だとかといったような問題がやはり重要になってくるんじゃないのかというのが、今回の柏崎刈羽で提起された問題の一つだと思います。そういう意味からして、このボーリング調査というだけで何を目的に、つまり何を確かめるために何を調査するのかという説明がほとんどなかったかと思いますので、これは一体何を調査して最終的にというか、とりあえず今の目標はどんなレポートを出すための調査なのかという御説明をちょっといただけないでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
説明します。ちょっと誤解しました。我々、施設ないしいろんな構築物、国の規格を始めいろんな学会の規格に基づいて作っておりますので、そういう意味では余裕は持っていると考えております。先生が御指摘の南海地震が伊方に及ぼす影響は既に評価しておりまして、これはそういう設計基準の中に入っていると、超えないものだと考えております。これは南海地震が想定されたとおりに来ますと、伊方ではほとんど何も起こらないということになろうかと。我々が今考えておりますのは、それを超えるような大きな地震、それをどこまで考えるかという問題が確かにございまして、それはまだ、どこまで考えるかということについては我々自身も答えを持っていないわけですが、それを考えるに当たっても地盤の性状のデータを持ってないとどの程度余裕があるか分からないということで、基礎データということで、時間もかかることだし、取り始めるということが、今回のこのボーリング調査の目的でございます。このあと柏崎で起こった事象だとか、東電さんの評価だとか、それに基づく学会等の評価、この辺りを勉強しましてですね、どれくらいの余裕を持つ方が適切かということを検討して、設備の補強が必要であれば補強していきたいと、こういうような考え方で進めていきたいと思っております。
森委員
具体的には、この調査の結果のデータを使って、今回の柏崎刈羽の地震動であるとか、あるいは伊方で想定される地震動であるとかの揺れに対して、どういう沈下が起こるのかといったようなことを検討なさるということでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
それも検討の一つになろうかと思います。
濱本部会長
よろしいでしょうか。他にありますでしょうか。
辻本委員
今のお話でよく分かったのですけど、埋立地に物を建てるときには、もう十分ボーリングをし、締まり具合を見て、安全だと思ってから建てられると思います。だからそのデータは全部持っておられると思いますが、それに補足して、前のデータでも十分だが足してやろうというお考えなんですね。埋立てのときに何もやってないというわけではないのですね。
四国電力 谷川原子力部長
埋立てのときに、原子力発電所の埋立てですので、埋立てに使うものはいわゆる岩ずりと称したものを使っておりまして、これを使うと、非常に地盤は安定するということは確認しておりますが、しかし、原子力級のようにきっちりした埋立てはやっておりません、さっき言いましたように一般の建築基準法、土木の規格、この辺りに基づいて十分な品質管理でやっておりますので、そこの施工後、そのものが持ってるその余裕、それに若干上回った余裕しか今は有していないということでございますので、それに更に余裕が必要かどうかということも含めて検討するためにはデータが欲しいと、こういうように考えております。
濱本部会長
よろしいでしょうか。どうぞ岡村先生。
岡村委員
ちょっとだけ今のことについて教えてください。この埋立地が埋め立てられたのはもう40年近く前だと思うのですけれども、そうすると、40年前というとほぼ新潟地震のころ、直後か直前か分かりませんけど、そうすると、世の中で液状化とか地震による地盤の変状という認識が極めて低い時代だと。一方、その今御説明の中で、前半、埋立の原子力の云々の基準によってされた部分と、一般のそうでない部分とがあるという御説明だったのでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
すいません、原子力の場合は、基礎を岩盤を掘ってですね、直接岩盤を出した上に作ると、こういう考え方でございます。その他、周辺の施設については、通常の埋立てを気を付けてやった上で建てるということです。ただ、柏崎で起こったような火災の原因となる変圧器は、うちの場合は、きちんと基礎を岩盤の上に建てて、その上へ載せておりますので、個別としてはいろいろ工夫はしております。
岡村委員
埋め立てられた時代からしても、それほど非常に素晴らしい埋立地盤ということは多分あり得ないと思うんで、是非結果を公表して、どんな施設があってどんな影響が出るのかという影響の評価を、是非この場、あるいは公表していただきたいと思います。
四国電力 谷川原子力部長
分かりました。
濱本部会長
そのほか、ございませんでしょうか。どうぞ。
森委員
資料2−3について一つ教えていただきたいのですけれども、いわゆる船による活断層調査なんですが、50本1000kmという調査測線ですけれども、海岸線に最も近い側線は海岸線からどれくらい離れているかという点をお伺いしたいのですが。
四国電力 大野土木建築部地盤耐震グループ副リーダー
調査機器として、今回4種類を考えてございます。比較的小さな船を使って調査できるものとしまして、機種名でソノプローブといった機種、あるいはジオパルスといった機種、更にはウォーターガン。中型船を使う調査としてエアガン、そういった4機種を考えておりまして、なかなか中型船は岸まで寄れないのですけれども、小型船を使ったソノプローブ等はですね、もちろん船の底をするわけにはいきませんが、可能な限り寄る調査を考えております。
森委員
もう一つ、ついでに確認させていただきたいのですけれども、既に調査が終わっている半島の北側についても同様の調査をなさった結果であると考えてよろしいのでしょうか。ポイントとしては伊方発電所の直近の海底の下、想定としては柏崎刈羽を想定して、自分の足下だけは余りしていなかったということではなくて、足下も十分されているというふうに認識してよろしいでしょうか。
四国電力 大野土木建築部地盤耐震グループ副リーダー
はい。先ほどの4種類に、更に3号炉の調査当時に使っておりましたスパーカを加えまして5つの機種で行っております。そういう意味で先ほどの宇和海も3号の時にはスパーカを使っておりますので、トータルで5種類ということにはなろうかと思います。伊予灘につきましても同じように5種類を使ってやっておりまして、可能な限り寄れるところは寄っております。あとご存じのように佐田岬半島はリアス式で、結構でこぼこになっておりますので、東北等でいわれてる海岸線が一直線にあって空白域があるといったような状況にはございませんので、可能な限り寄っているというふうに御理解いただけたらと思います。
森委員
ありがとうございました。
濱本部会長
よろしいでしょうか。三島先生、どうぞ。
三島委員
先ほどの話に戻して申し訳ないのですが、埋立てに関してですが、柏崎の方で一部埋め立てたところが地すべりを起こしたという話を聞いているのですが、一応指針などでは地すべりによって重要な機器が影響を受けないということになっていると思うのですけれども、このサイトで、そういった埋め戻しているところで地すべりなどを起こしそうなところはないのでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
地すべりについては、安全上問題になるようなものはないということは確認しております。ただ、一般の施設についてはそこまで確認しておりませんので、いわゆる山の法面(のりめん)についての安定性を調べるためのデータも一部取ろうとしております。
濱本部会長
よろしいでしょうか。辻本先生、どうぞ。
辻本委員
感じたことでございますが、このボーリングにしましても、新指針の耐震設計にしましても、対応がゆっくりしているのではないかなと思うのですが、いろいろな事情があって、いろいろなこともしないといけないので大変だと思いますが、できるだけ早く、即対応していく方が一般の人たちも安心してもらえるのではないかと。だから、対応に関して、ボーリングにしましても新指針にしましても、いろいろ事情はあると思いますが、できるだけ早く進めていただけたらと思っております。
四国電力 谷川原子力部長
承知いたしました。
濱本部会長
よろしいでしょうか。
それでは、御意見も出尽くしたようですが、四国電力においては、耐震安全性の再評価ということを進めるに当たって、今日皆さんから出てきた御意見を十分含んで進めていただくようにお願いしたいと思います。技術専門部会としては、今後とも基準地震動の策定とか、そういった大きな進展があった場合、その度ごとに、確認、チェックをしていきたいと思っておりますので、四国電力あるいは国におかれましては、迅速、適確に耐震安全性の再評価というものをしていかれるようお願いしたいと思います。こういうことでよろしいでしょうか。
 
(異議なし)
 
では、大変時間を超過しまして、委員の先生方熱心に討論していただきまして実りある専門部会であったかと思います。どうもご苦労さまでした。国、それから四国電力の方達も適確に御答弁いただきましてご苦労さまでした。では、これで終わります。
 
 
(閉 会)
 

伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会次第
 
日 時  平成19年11月1日(木)13:00〜  
場 所  愛媛県水産会館6階大会議室   
 
 
 
1 開 会
 
2 議 題
   伊方3号機のMOX燃料に係る輸入燃料体検査申請について
 
3 報告事項
   中越沖地震を踏まえた検討状況等について
   ・柏崎刈羽原発で観測されたデータを基に行う伊方発電所における概略影響検討結果について
   ・伊方発電所敷地内埋立地のボーリング調査について
   ・宇和海における調査について
 
4 閉 会

資 料 目 次
 
 
 
                        (経済産業省原子力安全・保安院)