伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会
 
1 日 時 平成20年5月2日(金)14時00分〜17時20分
 
2 場 所 愛媛県議会議事堂4階農林水産・建設委員会室
 
3 出席者 委員10名(別紙名簿のとおり)
 
4 議 題
  (1)伊方発電所の耐震安全性評価にかかわる中間報告について
  
5 審議等の内容(全部公開)
  (開会、傍聴者への遵守事項の説明)
長野県民環境部長
 この4月に県民環境部長を拝命いたしました長野でございます。どうかよろしくお願いいたします。
 伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会の開会にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には大変お忙しい中、ご出席をいただきましてまことにありがとうございます。また、日頃から県の原子力安全行政に対しまして格別のご協力をいただいておりますことに対しましても厚くお礼を申し上げます。
 本日は、原子力安全・保安院の名倉安全審査官、ご多忙の中をお越し願っております。心から感謝を申し上げます。また、県から要望をしておりましたが、調整をいただきまして、現在、国自らが伊方発電所の伊予灘側の海上音波調査を実施していただいております。あわせて厚くお礼を申し上げます。
 本日の議題は伊方発電所の耐震安全性評価にかかわる中間報告でございます。四国電力では、平成18年9月に改訂されました耐震設計審査指針に基づき、伊方発電所の耐震再評価を実施し、3月28日に3号機を中心とした中間報告が提出されました。伊方発電所の耐震安全性につきましては、この耐震設計審査指針の改訂という大きな変革があり、さらに昨年7月には、中越沖地震が柏崎刈羽原発に大きな影響を与えたということで県民の関心も非常に高くなっており、県といたしましても重要な問題として認識しているところでございます。今回の四国電力の中間報告につきましては、まずはこの技術専門部会にご説明をし、専門の立場からの検討を開始していただきたいというふうに考えております。
 このあと、国から四国電力の中間報告の審査方針等につきまして、ご説明をいただくとともに、四国電力からは詳細に中間報告の内容についてご説明を受けることとしております。どうか委員の皆様方には忌憚の無いご意見をいただき活発な部会としていただきますようお願いを申し上げましてご挨拶といたします。本日はよろしくお願いします。
事務局
 それでは、濱本部会長さんに議事進行をお願いいたします。
濱本部会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 去る平成18年9月に改訂されました「耐震設計審査指針」に基づいて、四国電力が、伊方発電所の耐震安全性評価にかかわる中間報告を3月28日に国に報告書を提出しております。
 この内容は、第1番目は、新しい基準地震動を伊方について設定したこと。それから第2番目に、その基準地震動に基づいて伊方の3号機の主要構造物、安全上重要な設備、そういったものの耐震評価をしたということでございます。
 国におかれましては、独自に伊予灘の海上音波探査を行われると同時に、専門の委員会で厳正に審査していただくことになっております。
今日は、原子力安全・保安院からこの審査の方針や見通し等についてご説明いただくとともに、四国電力からは、この中間報告の内容についてご説明をいただくようになっております。どうぞよろしくご審議のほどをお願いいたします。
 それではまず、原子力安全・保安院のほうからご説明いただけますでしょうか。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 それでは、本日は新耐震指針および新潟県中越沖地震をふまえた原子力安全・保安院の対応について説明させていただきます。
 次のページ、1ページをお願いします。
 本日のご説明内容でございますけれども、まず、「新耐震設計審査指針の概要とそれを踏まえた対応」について説明させていただきます。
 こちらの項目につきましては、これまで何度か説明されたというふうに聞いておりますので、簡単に説明させていただきます。
 それから、2番目が「新潟県中越沖地震を踏まえた原子力発電所等の耐震安全性の確認」についてです。こちらにつきましては、現在、新潟県中越沖地震に関しまして保安院でいろいろと検討しておりますけれども、まだ、その地震動の分析とか、施設の健全性評価に関しましては、まだ検討中でございますけれども、新耐震指針を踏まえたバックチェックにおきましていろいろと反映していただく項目等、中間とりまとめというかたちで出しておりますので、そういったことも含めてこちらの2番目の項目におきましては、耐震バックチェックにかかわる対応ということで説明させていただきます。
 それでは、1番の新耐震設計審査指針の概要とそれをふまえた対応について説明させていただきます。3ページをお開きください。
 耐震指針、これは正式名称で申しますと、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」でございます。この指針につきましては、発電用原子炉施設の設置または設置変更許可にかかる安全審査におきまして、耐震性にかかる基本設計ないしは基本的設計方針の妥当性を判断するために原子力安全委員会が定めたものであります。
 この指針につきましては、原子力安全・保安院におきましても、安全審査の審査基準として活用させていただいております。この指針につきましては、ここに書いてございませんけれども、昭和53年に原子力委員会が策定したものでございます。そのあと昭和56年に原子力安全委員会が改訂しております。この改訂につきましては、建築基準法の改正に伴います一部改訂ということでございます。そのあと、平成7年、兵庫県南部地震が起こりまして、そのあと、地震学、それから耐震設計に関わる設計技術、そういったもののめざましい進歩がございました。そういった進歩の蓄積状況を勘案いたしまして原子力安全委員会が、平成13年に検討をはじめまして、そのあと、5年間という長い期間でありましたけれども検討いたしまして、平成18年9月に決定をしております。
 この指針の改訂の目的は、最近の地震学や耐震工学の成果など最新の知見を取り入れて、発電用原子炉施設の耐震安全性及びその信頼性等のより一層の向上を目指すものです。
 次のページをお願いします。
 この新耐震設計指針のポイントということでございますけれども、ここではキーワードとして、より厳しい水準、より入念な調査、それから、より高度な手法ということで、この指針改訂の要素としてあげられる項目をあげております。右側のほうに新耐震指針の内容を記載しております。
 今回、この新指針が大きくかわったところと申しますのは、基準地震動の策定の方法につきまして、従来のものに比べると大分変わっているということが、まず、大きなポイントであると思います。旧指針におきましては、設計用最強地震による地震動ということで、基準地震動S1。それから、設計用限界地震による地震動ということで、基準地震動S2を策定しておりました。今回はこのS1、S2の策定方針を統合いたしまして、基準地震動Ssを定めることとしております。ただし、基本的には、このSsというものは従来のS2に相当するものでございます。
 ここのポイントにあげている項目につきましては、これまでこの場でも説明されていることであると思いますので、内容については少し省略させていただきます。7ページをお開きください。
 新旧比較の中であげていなかった項目をちょっと説明させていただきますと、7ページ目により厳しい水準として、耐震重要度の分類を格上げしたということがございます。こちらにつきましては、Aクラスでありました安全注入系等事故時に必要な冷却機能ですが、こちらにつきましては、今回の指針ではAsクラスへ基本的に格上げいたしましてSクラスと呼称変更をしております。
 それから、11ページ目をお開きください。11ページ目に地震随伴事象として、「施設の周辺斜面の崩壊等による安全機能への影響」ということ。それから、12ページ目に、「津波による施設の安全機能への影響」ということで、今回の指針では、こういったことも規定されているということでございます。従来の指針では規定されておりませんでしたけれども、旧指針を基にしたその審査の中で実質的にはやっていたことでございます。この審査の実績を考慮いたしまして、今回、この新指針の中で規定することになったというものでございます。
 13ページをお願いいたします。この新耐震設計審査指針につきましては基本的に、新設もしくは増設の発電用原子炉施設に適応するものでございます。この指針が平成18年9月19日に決定されましたけれども、その当時審査中でありました案件につきましては、即時適応ということになっております。
 この新耐震指針は、法令上は既設の発電用原子炉施設には遡及適応されるということは要求されておりません。しかしながら、この新指針につきましては、最新の地震学や耐震工学の成果に立脚していて、一層の耐震安全性の向上を目指すものというふうに位置づけられておりますので、新耐震指針に照らした耐震安全性評価、これはバックチェックと私ども申しておりますけれども、このバックチェックが非常に重要であるというふうに考えております。
 私ども原子力安全・保安院におきましては、このバックチェックの標準的な手法と、それから確認するための基準、こういったものを半年かけて検討いたしまして策定しております。このバックチェック手法・確認基準を明示するとともに、事業者に対してバックチェックを指示しております。これが指針策定の翌日であります。
 新潟県中越沖地震を踏まえて、原子力安全・保安院から事業者に早期にバックチェックの結果を提出するよう要請いたしまして、その結果として、事業者のほうでは若干計画を早めたりしておりまして、その中で事業者の評価結果、中間報告というものを平成20年3月までに行うということになっておりました。それから、事業者の評価結果の最終報告につきましては、平成21年12月までに報告されます。原子力安全・保安院といたしましては、この結果を厳正に確認していくということにしております。
 次の14ページをお願いします。バックチェックの全体の流れということでここに記載しておりますけれども、基本的にバックチェックは、基準地震動Ssを策定して、そのあと、施設等の耐震安全性の評価を実施いたします。安全上重要なSクラスの施設に対して、基準地震動Ssによる地震力に対して安全機能が保持されるということを確認するということが、このバックチェックの基本的な方針となっております。バックチェックのルールにつきましては、このフローに記載された項目につきまして、全て網羅するかたちで策定されております。
 15ページをお願いいたします。ここから、新潟県中越沖地震を踏まえた原子力発電所等の耐震安全性の確認にかかわる項目でございます。
 16ページをお願いいたします。まず、最初に中越沖地震と同様の地震を想定した安全性の確認ということで、柏崎刈羽原子力発電所におきまして観測された地震と同様の地震を想定した影響評価を、事業者のほうで実施し、平成19年9月20日に報告されております。
 この結果につきましては、ここに、伊方発電所1号機の例を示しておりますけれども、全ての原子力発電所等におきまして、原子炉を「止める」「冷やす」それから、放射性物質を「閉じ込める」といった安全機能が維持されることを確認しております。四国電力の伊方発電所につきましては、1号機から3号機について確認しております。こちらにつきましても、以前この場で紹介されているというふうに認識しておりますので、詳細につきましては省略させていただきます。
 17ページをお願いします。こちらにつきましては、この影響評価の中で評価の対象としていた設備であります。
 18ページをお願いします。原子力安全・保安院におきましては、新耐震指針に基づくバックチェックにつきまして、確実かつ迅速な実施とその確認ということを考えております。事業者の対応ということでありますけれども、まず、新潟県中越沖地震を踏まえた詳細な地質調査。それから、新たな基準地震動の策定。それから、施設の安全性評価を行いまして、バックチェックをしていただくと。その中で、平成19年末までに各発電所一プラントにつきまして安全性の評価を実施し、中間報告書を提出していただいております。これは報告済みであります。
それから、平成20年度から21年度にかけまして最終報告書を提出していただきます。浜岡3、4号機、六ヶ所再処理施設、もんじゅにつきましては、最終報告書を提出済みでありまして、ただ今、審議中であります。
 これに対しまして、保安院の対応ですけれども、専門家の審議による厳正な確認。それに加えまして原子力安全基盤機構(JNES)によるクロスチェックを考えております。それから、今回の地震から得られる知見を今、整理しておりますけれども、柏崎刈羽原子力発電所以外の原子力発電所に反映すべき事項について検討しておりまして、この結果を事業者に周知して、バックチェックに反映させるということを考えております。それから、先ほどお話がありましたとおり、伊方海域におきましても海上音波探査を実施しております。それから、保安院による確認結果を原子力安全委員会へ報告いたします。
 次の19ページをお願いします。バックチェックに反映すべき事項の中間とりまとめにつきましては、平成20年3月のバックチェック中間報告に対しまして、中越沖地震の知見を反映させるために、活断層の評価を含め、昨年末の時点におきまして反映すべき事項を中間的にとりまとめまして、昨年12月27日に事業者に周知しております。この内容につきましては、下のほうの耐震バックチェックに反映すべき主な事項ということで記載しております。地震・地震動の評価と、地質・地質構造の評価と、それからB、その地震動評価の応答解析に関するところということで3項目記載しております。
 特に@の中で3番目のところで、孤立した短い活断層については少なくともマグニチュード6.8相当の地震規模を想定するということで、地表に短いものでも活断層等が認識された場合につきましては、その地下には地震発生層にひろがるような、その地震の震源があるというふうに想定いたしまして、マグニチュード6.8程度を想定するということにしております。
 それから、Aの地質・地質構造の評価におきましては、2番目と3番目の項目にありますとおり、これは、地表面付近での断層、もしくは褶曲構造の性状をおさえまして、その下の地下の構造についても出来る限り推定して評価に反映していくということを意味しております。
 それから、3番目の項目でありますけれども、解放基盤表面が深い場合、地質構造、増幅特性に留意して適切に応答解析を実施するということを記載しております。
 次のページ、お願いいたします。私どものバックチェックの審議体制でございますけれども、耐震構造設計小委員会という委員会を設置しておりまして、ここで確認結果のとりまとめをいたします。この委員会には、関連する分野の専門家が40人ほどいらっしゃいます。
 この小委員会の下にワーキンググループを設置いたしまして、現在の構成は、地震・津波と地質・地盤に関する審議事項を総括的に審議するということで合同ワーキング、それから、施設の安全性評価の詳細について審議するということで構造ワーキングを設置しております。この下にさらにサブグループというものを設置いたしまして、伊方の発電所につきましては、双方ともAサブグループが担当のサブグループであります。
 次のページをお願いいたします。このサブグループにつきましては、バックチェックの中間報告の対象施設が合計18サイトと多数ということで、この検討を円滑に進めるためにこのサブグループを設置しております。このサブグループでの検討にあたりましては、事業者が実施いたしました中間報告等の内容につきまして、耐震安全評価に重要となるポイントを抽出いたしまして、これについて集中的な検討を行いまして、半年程度をめどに評価結果をとりまとめ、上位のワーキンググループに報告し、小委員会のほうにも報告するということになります。
現時点におきまして、伊方発電所につきましては、合同ワーキングAサブグループが開催されておりまして、ここで審議を1回されたんですけれども、地質、地盤、地震および地震動に関する審議上のポイントを抽出しております。施設の評価に関するものにつきましては、構造ワーキンググループのAサブグループにおいて検討予定であります。
 この審議のポイントでありますけれども、地質・地質構造につきましては、敷地前面海域の断層群(中央構造線断層帯)の活動性とセグメント区分、これについて重点的に検討してまいります。これは、海域のみならず陸域、東方の連続性についても検討してまいりたいと思います。
 それから、Aということで、これらの地質・地質構造の評価に基づきまして、基準地震動Ssの策定ということで、地震動評価におきましては、震源のモデル化を含む解析手法、パラメータの設定や不確かさの考慮について検討してまいります。
 すみません。次のページをお願いいたします。こういった審議をしていくわけですけれども、当院におきましては、伊方発電所の前面海域におきましても海上音波探査を実施することとしておりまして、現在実施中でございます。この音波探査につきましては、敷地前面海域で全部で8本ほどの測線で探査するということにしております。主に前面海域に存在する断層構造形態の把握ということで、敷地前面で2本。それから、伊予セグメントの止めの位置の妥当性を検討するためということで引張性ジョグの西端、東端、中央部、こういったところで音波探査を実施するということにしております。
 24ページをお願いいたします。私どもで確認した結果でございますけれども、その結果につきましては原子力安全委員会に報告いたします。原子力安全委員会におきましては、新潟県中越沖地震を踏まえまして、耐震安全性についての審議体制を強化しております。この耐震安全性評価特別委員会につきましては、保安院の審議会とは異なるメンバーで審議をするということです。
 次のページをお願いいたします。以上、まとめさせていただきますけれども、四国電力から提出されました中間報告。これは地質構造と、それからこれに基づく基準地震動の策定と、3号機の主要設備を対象とした安全性評価について、でございますけれども、この中間報告や、それから、今後提出されます1号機から3号機の最終報告の結果の妥当性につきまして、当院が自ら実施する調査結果も踏まえまして、厳正に確認してまいります。
 それから、中越沖地震により得られた知見、または、今後得られる知見の内、伊方発電所においても反映すべき事項につきましては、四国電力に周知するとともに適切に反映されているということを厳正に確認してまいります。以上でございます。
濱本部会長
 どうもありがとうございました。
 続いて四国電力のほうからご説明お願いします。
四国電力 石ア原子力本部長
 当社からの説明に先立ちまして一言ご挨拶させていただきます。
 皆様方には日頃から伊方発電所の運営につきましてご指導ご理解いただきまして、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
 伊方発電所の現在の状況ですけども、2号と3号機につきましては、順調に運転を続けております。1号機につきましては、4月26日から定検に入っておりますが、新聞でもありましたように、湿分分離加熱器につきましては、蒸気整流板の溶接部で割れがあったということで、当該部の溶接方法の改善等対策を講じたところですけども、2号機の前回点検で仕切板の溶接部で割れが確認されたということから、不具合部のみでなく、湿分分離加熱器の溶接部全てを対象に点検を実施しました。今回、1号機につきましても、2号機と同様、湿分分離加熱器の全ての溶接部の点検を実施しておりまして、その中で前回の仕切板とは別の場所であります蒸気噴出口の溶接部に割れが確認されました。
 今後、詳細な調査を行って、対策を確実に実施する考えであります。関係者や地元の皆様に再びご心配におかけすることになりまして、誠に申し訳ありません。今後とも信頼される伊方発電所を目指しまして、安全・安定運転の継続と情報の公開の徹底に全力をあげて取り組んでまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 それでは、耐震設計審査指針の改訂に伴う伊方発電所の耐震安全性評価につきまして、3月28日に中間報告しました内容を土木建築部の地盤耐震グループの大野他から順次説明させていただきます。よろしくお願いします。
四国電力 大野地盤耐震グループ上席副リーダー
 本日、お手元にですね、資料2−1というA4の中間報告書の概要版。それとパワーポイント用ということで、資料2−2という資料、2種類用意させていただいております。資料2−2のほうにつきましては、資料2−1の中にある図表等を整理してパワーポイント用に整理したものでございます。
 それでは、『伊方発電所「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う耐震安全性評価結果 中間報告書の概要』について、ご報告させていただきます。
 まず、先ほど原子力安全・保安院さんのほうからも説明ございましたので、一部重複するところもあろうかと思いますけれども、平成18年9月28日に原子力安全・保安院より改訂された「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」に照らした耐震安全性の評価を実施するよう求める文書が発出されました。続きまして、平成19年7月20日、経済産業大臣より新潟県中越沖地震から得られる知見を適切に反映し早期に耐震安全性評価を完了する旨の指示が出されました。平成19年12月27日には保安院さんより新潟県中越沖地震を踏まえた耐震安全性評価に反映すべき事項(中間とりまとめ)の通知がございました。
 これらを受けまして、平成20年3月28日に地質調査結果、基準地震動Ssの策定結果、伊方3号機における主要施設の評価結果等、これまでに実施してきました耐震安全性評価に関する中間報告をとりまとめ、国に提出させていただきました。
 これは中間報告のポイントを3つ整理させていただいております。
 これまで実施してきました各種地質調査によるデータの再整理および拡充を行うとともに、新潟県中越沖地震で得られた知見も含め、新耐震指針に照らして評価した結果、新たに考慮すべき大規模な断層はございませんでした。
 2番目といたしまして、新耐震指針に照らして、不確かさを考慮し、安全側に地震動評価を行って策定した結果、基準地震動の最大加速度は570ガルとなりました。この基準地震動に最も影響がある地震は、これまでと同様、敷地前面海域の断層群による地震でございます。
 3番目といたしまして、新しい基準地震動により、安全上重要な機能を有する耐震Sクラスの主要な設備や原子炉建屋等の耐震解析を実施し、耐震安全性が確保されていることを確認いたしました。
 新耐震指針に照らした耐震安全性評価の流れでございます。先ほどの保安院さんの中にも同様の図がございましたが、まず大きくAといたしまして、地質調査の実施・活断層の評価を行っております。
Bといたしまして、活断層評価に基づく基準地震動Ssの策定を行っております。これは大きく2つに分かれてございまして、敷地ごとに震源を特定して策定する地震動、それともうひとつ、震源を特定せず策定する地震動、両方からなってございます。敷地ごとに震源を特定して策定する地震動につきましては、まず、検討用地震を選定いたしまして、応答スペクトルに基づく地震動評価、さらには断層モデルを用いた手法による地震動評価、両方を行っております。これらに震源を特定せず策定する地震動も加えて包絡するように基準地震動Ssを設定いたしました。
 Cといたしまして、策定しました基準地震動Ssに基づく施設等の耐震安全性評価を行っております。今回は、安全上重要な建物、構築物の耐震安全性評価、さらには安全上重要な機器・配管系の耐震安全性評価を行っております。
 以後の説明は、このAとBにつきましては、私、大野のほうから、Cのほうにつきましては、原子力部の高木からご説明をさせていただきます。
 まず、地質調査の概要でございます。ちょっと見にくくございますけれども、ここが佐田岬半島でございまして、その付け根、伊予灘側に伊方発電所はございます。発電所を中心といたしまして、まず@、ブルーで囲っておりますけれども、これが半径30kmの円になります。この半径30kmの範囲の中の陸域につきまして、変動地形学的な観点に基づく空中写真判読を行っております。
 次に緑のA、地表地質調査でございますけれども、敷地を中心に半径5kmにつきまして、より詳しく陸域の詳細な地質、地質構造を調査してございます。
 次にB、この30kmをカバーするような、黄色で見えている範囲でございます。この範囲につきまして、音響測深、あるいは海上音波探査等を行っております。新たに、探査深度の異なる各種音源を用いて地下浅部から地下深部に至る地質構造を調査いたしております。当社保有の既存のデータ、さらには他機関がお持ちのデータを併せた膨大な音波探査記録の再解析を行いました。それと、海域の詳細な海底地形。左のほうにちょっと絵を示してございますけれども、これは、海底地形をもとに一部、高さ方向を強調し、さらに斜めから光をあてて作った陰影図でございます。このように地形を把握してございます。それと、右側にありますのは、これも音波探査記録の一例でございますけれども、音波探査におきまして、このような反射断面を得てございます。
 4番目といたしまして、地球物理学的調査として、屈折法の地震探査を行っております。これは発電所の伊予灘側、図のCと書いております4測線でもって調査を行っております。地下深部の速度構造を調査してございます。
 5番目といたしまして、地球物理学的調査。これはこの薄いブルーの範囲について行っております。これは、ここに写真が載っておりますけども、ヘリコプターを使い重力測定を行いまして、地下深部の密度構造を調査してございます。
 半径30kmの外側にはなりますけれども、松山市の南側にあります中央構造線断層帯が連続いたしますので、当社は常々3号以降も調査研究を行ってきておりました。そのひとつの一例がこれでございますけれども、陸域の中央構造線断層帯を対象とする調査といたしまして、地球物理学的調査。具体的には反射法地震探査、あるいは重力測定。それから地表地質調査といたしまして、ボーリング調査、さらにはトレンチ調査、こういった項目を過去に行ってきております。
 続きまして、活断層の評価に移らさせていただきます。
新耐震指針に照らした耐震安全性評価における活断層評価の考え方のポイントでございます。 活断層評価にあたりましては、「新耐震指針」や「中越沖地震を踏まえ反映すべき事項」における活断層評価の考え方や趣旨を踏まえ、変動地形学的観点からの地形判読などを行い、また、伊方3号炉許可以降の文献も考慮しながら安全側に評価を実施いたしました。
 下にありますのが、「活断層評価が変更となった考え方のポイント」でございます。大きく4つございます。a.といたしまして、活断層評価対象期間が、従来の旧指針による5万年から12〜13万年前に変更になったことによるもの。b.といたしまして、複数のセグメント間における破壊の伝播を考慮したもの。c.といたしまして、変動地形学的調査等の新耐震指針で明示的に追加された調査手法によるもの。d.といたしまして、不確かさを考慮した安全側の評価でございます。
 10ページでございますけれども、新耐震指針に照らした活断層評価のまとめでございます。発電所は中央にございまして、この点線の破線が半径30km。実線の円で囲っておりますのが、半径100kmにあたります。
 左の下に凡例を示してございますけれども、青の実線で書いてございますのが、3号炉設置許可時の評価でございまして、敷地前面海域の断層群ということで、中央構造線活断層系自身は、3号炉当時からも陸上にもつながっているという知見は当然ございましたけれども、発電所に影響を及ぼす、地震動を評価するうえでのひとつのセグメントとして、46kmというものを評価してございます。
 青の破線で示しておりますのが、平成15年、推本、地震調査研究推進本部でございますけれども、推本の評価を踏まえた耐震安全性確認でございます。平成15年には、地震調査研究推進本部から中央構造線断層帯地震は、紀伊半島から伊方、四国の西部まで、全部で360kmの長さとの報告がございます。これらの範囲につきまして、大きく5つの区間に分けられ、それらの5つの区間が個別に活動する可能性、あるいは隣のセグメントと連続する可能性、あるいは、全てが活動する可能性。さらには、それらとは違った範囲が活動する可能性。これらが否定できないという評価が出されました。そういった評価を踏まえまして、平成15年には当社におきましても、130km、さらには360kmといった長さの地震動評価を行っても耐震安全性に問題ないということを評価し、平成15年のこの技術専門部会あるいは環境管理委員会等でも報告させていただいた内容でございます。
 赤の破線で示しておりますのが、今回の新耐震指針に基づく評価でございます。敷地前面海域の断層群でございます。この部分でございます。3号炉以降、伊予灘海域におきましては、各種機関で調査が行われております。それらのデータ、さらには産業技術総合研究所活断層センター等が独自の調査を行いまして、それらの結果が論文として公表されております。それが平成15年の2月に公表されております。その中でひとつ、このセグメントとして42kmというものが示されてございます。この論文につきましては、これも同じく平成15年3月の技術専門部会、さらには環境管理委員会で報告させていただいたものでございます。当社といたしましては、その後独自に伊予灘海域の中央構造線断層帯につきまして調査を行い、それらの結果も踏まえて地震動評価上、発電所に最も近い断層の長さとして基本的な長さを42kmと設定してございます。
 その他、赤の実線で書いてございますのが、ここの、ちょっと見にくいですけれども五反田断層。それとF−21断層。これらを耐震安全性評価において考慮する断層と設定いたしました。これらの詳細につきましては、また、次の表で説明させていただきます。
 これが、今の図で示した断層等につきまして整理したものでございます。表の一番左側には断層名を示してございます。表の右側には旧耐震指針における評価。これは3号炉評価でございます。左側に新耐震指針における評価を示してございます。3号炉の評価におきましては、ここにありますように、敷地前面海域の断層群を46kmの区間を設定いたしまして、その中で断層モデルを用いまして各種ケース検討を行っております。当時、断層モデルを用いて評価しておりましたので、そのパラメータとして、直接マグニチュードは使っておりませんけれども、およそ7程度という評価でございました。
 これにつきまして、今回、敷地前面海域の断層群としましては、先ほど言いました42kmのもの、さらには隣のセグメントとの連動を考えるということで、130km、あるいは360kmのものを評価してございます。
 地震動評価上の規模でございますけれども、マグニチュードは7.6、あるいは130km、360kmにつきましては、マグニチュード8もしくはそれ以上ということになっています。この地震動のマグニチュードの求め方につきましては、また後ほど説明させていただきます。
 次に、五反田断層でございますけれども、断層の長さ2km。ここに※2を付けてございますけれども、浸食地形と推定されるものの変動地形学の観点から後期更新世以降、12〜13万年前以降の活動を確実には否定できないといったこともあって、安全評価上考慮することとしまして、地震動評価上は20kmの長さを設定しております。地震規模のマグニチュード6.8でございますけれども、これにつきましては、先ほど保安院さんからもご説明ありましたように、「中越沖地震を踏まえ反映すべき事項」に基づき、マグニチュード6.8相当の地震規模を設定いたしました。
 BのF−21断層でございますけれども、これは3号炉の時にも断層は確認してございましたが、※5に記載させていただいておりますように、断層の長さは8.9kmですけれども、当時の指針でいう5万年前以降の活動がないということから、耐震設計上考慮すべき活断層でないと評価してございました。今回、宇和海につきましては、現場の調査が終わって、その膨大なデータを解析中ではございますけれども、基準地震動Ss中間報告において、基準地震動Ssの妥当性を示すうえでは地震動評価も大事であろうということで、ここにあります長さを8.9kmと書いてございます。なお、地震動評価上は※3にありますように、長さ20kmと設定してございます。それによってマグニチュードは6.8となってございます。
 表の一番右に変更理由を書いてございますけれども、これは先ほど説明しました変更理由a、b、c、dに相当するものでございます。
 地震規模に関連しますので若干、参考1ということで、「地震調査研究推進本部による中央構造線断層帯の長期評価」について説明させていただきます。
 まず、先ほどもちょっと説明いたしました活動区間でございますが、中央構造線断層帯を5つの区間に分け、これらの区間が個別に活動する可能性。複数の区間が同時に活動する可能性、さらには、これらの区間とは異なった区間が活動する可能性が否定できないというふうに評価されてございます。
 地震の規模については、四国全域や断層帯全域が同時に活動する可能性も考慮すると、その長さは松田(1975)による経験式の適用範囲外と考え、松田(1975)が、これらの経験式を求める際に用いた最大長さ(80km)でございますけれども、最大長さとその時のマグニチュード(8.0)をもとに「マグニチュード8.0程度もしくはそれ以上」というふうに評価されてございます。
 松田(1975)による経験式といいますものは、下に示しているものでございまして、日本の内陸で発生した地震のうち、対応する活断層長さと地震規模(マグニチュード)について、1891年から1970年までに発生した地震のデータを基にして両者の関係を下にあるような式として求めたものでございます。
 13ページでございますが、参考の2ということで、地震規模算定法の比較でございます。まず、上にありますのが、今ご説明させていただきました断層長さからマグニチュードを求める松田(1975)の式を示したものでございます。これはパラメータといたしまして、断層長さを入れることによって、マグニチュードが求まってまいります。下のほうに表記してございますのが、当社の耐震安全性評価での算定手法でございます。これは、同じく地震調査研究推進本部から出されております「震源断層を特定した地震の強震動予測手法」に基づいてございます。先ほどの松田式は断層長さから設定してございますが、こちらの算定手法は、断層の面積から設定してございます。
 まず、左の端の震源断層の面積でございますけれども、長さと幅を掛けることによって面積Sが求まります。面積Sとモーメントにつきましては、経験式、入倉・三宅(2001)の経験式というのがございますので、こういったものを使ってモーメントを求めてございます。断層モデル等におきましては、このモーメントをパラメータとして入れているというものでございます。
 今回、マグニチュードを表記するということで、武村(1998)には、モーメントとマグニチュードの関係に関する経験式がございますので、この式に入れてマグニチュードを表記してございます。これが先ほどの11ページのマグニチュード7.6、あるいはマグニチュード8もしくはそれ以上といったものの求め方でございます。
 続きまして、「B.基準地震動Ssの策定」について説明させていただきます。
まず、最初に地震のメカニズムについて全体像、概要を説明させていただきます。左の図にありますように地震は大きく分けて、海洋型地震と内陸地殻内地震に分けられます。さらに、海洋型地震は2つに分けられ、プレートの境界面で発生するプレート境界地震、プレート間地震とも呼んだりしますけれども、四国周辺ですと南海地震のようなもの。それと、沈み込む海洋プレート内部で発生する地震、四国ですと数年前にありました芸予地震のようなタイプのものが、これに相当いたします。これをスラブ内地震というふうにも呼んだりしております。
 それと、もうひとつ内陸で起こる内陸地殻内地震。これは、プレートのぶつかりあいで陸側のプレートの内部の岩盤が壊れ、ずれることで生じる地震を言っております。四国、西日本ですと主に横ずれ、こういったタイプのメカニズムで活断層が存在しております。
 16ページに示しましたのが、『敷地に特に大きな影響を及ぼす「検討用地震」の選定について』でございます。敷地周辺の活断層調査結果、さらには他機関による活断層評価を踏まえまして、過去の地震発生状況を考慮し、地震発生様式毎に検討用地震を選定いたしました。まず、結論を先に説明させていただきますと、先ほどの3つのタイプ毎に分けてございます。
 内陸の地殻内地震といたしましては、敷地前面海域の断層群による地震を選定いたしました。
 プレート間地震としましては、想定南海地震。これは中央防災会議による想定南海地震、マグニチュード8.6を設定いたしました。
 それともうひとつ、海洋プレート内地震といたしまして、想定敷地下方のスラブ内地震、マグニチュード7.0というものを設定いたしまた。
 17ページでございますが、内陸地殻内地震の@でございますけれども、敷地前面海域の断層群を含む中央構造線断層帯による地震が、周辺にあります五反田断層やF−21断層による地震等、他の敷地周辺の断層による地震と比較して、敷地により大きな影響を与えることをまず確認いたしました。この図は、横軸が周期を示しております。縦軸が加速度を示しております。図によっては縦軸が速度で表記しているものもございますが、皆さん、ご存知のように速度と加速度は微分積分の関係ですので、ここでは加速度表示で示させて頂いております。
 先ほど説明いたしました五反田断層による地震動を青で示してございます。宇和海のF−21断層による地震動をオレンジで示してございます。その他半径30kmよりも遠方にはなってございますけれども、伊予断層、それから、九州側の別府湾―日出生断層帯というものがございますので、それらについても地震動評価を行っております。伊予断層の結果が黒で示したものでございます。別府湾―日出生断層帯を示したものが緑で示したものでございます。赤が敷地前面海域の断層群による地震動、応答スペクトルでございます。このように、敷地前面海域の断層群による地震動が一番大きいということで、検討用地震として選定いたしました。
 次に、内陸地殻内地震のAといたしまして、先ほど地震調査研究推進本部による中央構造線断層帯の評価を説明させていただきましたけれども、平成15年にも一度評価してございますが、断層長さ130km、それと360kmのケースにつきまして、断層モデルを用いて地震動を評価いたしました。これは先ほどの図と同じく横軸が周期、縦軸が加速度でございます。
 青で示しておりますのが、42kmの地震動。断層モデルで評価してございますので、2成分、南北方向のNS方向と、東西方向のEW方向を示してございます。太い青で示しておりますのが、NS方向。細いほうがEW方向になります。同様にオレンジで示していますのが、130kmのNS、EW方向。それと、薄いグレーで示しておりますのが、360kmのNS、EW方向でございます。これらはほとんど重なってございますので、違いがちょっと分かりにくいのですけれども、若干こういった部分に違いが認められます。
 このように断層長さが長くなっても敷地への影響が変わらないということを今回も確認いたしました。これは、敷地での地震動は、比較的敷地に近いところでの地震動によって決まっているというものを表したものだと考えております。
 次に、プレート間地震、あるいは海洋プレート内地震について説明させていただきます。過去に発生いたしました南海トラフ沿い、日向灘のプレート間地震、および他機関で評価している当該地域のプレート間地震について地震動評価を実施いたしました。その結果、最も大きいものとして想定南海地震、これは中央防災会議で設定されたものでございますが、それを選定いたしました。
 3つ目の海洋プレート内地震につきましては、過去に安芸灘〜伊予灘〜豊後水道海域にて発生したと考えられる海洋プレート内地震について評価を実施いたしました。ただし、敷地下方の海洋プレート内で地震が発生する可能性を完全に否定できないといったことから、地震の発生位置につきましては、敷地直下のプレート内、規模といたしましては、歴史内で最大のマグニチュード7.0を想定敷地下方のスラブ内地震として選定いたしました。
 数年前に起こりました芸予地震タイプの地震といいますのは、過去をみますと、芸予地域で比較的大きな地震が起こっており、発電所の下付近であまり大きなものは起こってないということもあるのですけれども、ここでは安全側に敷地の真下に想定敷地下方のスラブ内地震というものを選定いたしました。
 20ページでございます。これは、「検討用地震」の選定結果でございます。内陸地殻内地震としましては、敷地前面海域の断層群による地震、あるいはそれらの連動を考えております。プレート間地震としましては、想定南海地震、マグニチュード8.6(中央防災会議による想定南海地震)でございます。それと、海洋プレート内地震、敷地下方のスラブ内地震。それぞれこういった位置関係になります。
 21ページでございます。震源を特定して策定する地震動。最初に、「応答スペクトルに基づく地震動評価」の結果についてご説明させていただきます。これは、先ほどと同じく横軸が周期、縦軸が加速度を示してございます。応答スペクトルの下のほうから順次説明してまいりますが、ブルーで示しておりますのが、プレート間地震。想定の南海地震による応答スペクトルでございます。緑で示しておりますのが、海洋プレート内地震。芸予地震タイプのものでございます。内陸地殻内地震としましては、オレンジの破線と実線、2つ設定してございます。この破線のものと実線のものでございます。この実線のものは不確かさを考慮した結果でございます。
 23ページに移らせていただいて、不確かさについて補足させていただきます。23ページに示してございますのが、「応答スペクトルに基づく地震動評価」におきまして考慮した不確かさでございます。一般に、中央構造線断層帯のような、いわゆる右横ずれ長大断層につきましては、基本ケースにございますように、断層の傾斜は90°と考えられております。しかしながら、当社の調査、最初のほうに説明いたしましたように、伊予灘海域での音波探査、さらには屈折法地震探査、さらには、航空重力探査、そういった結果を総合的に調査解析しました結果、中央構造線、すなわち中央構造線の南側にあります三波川結晶片岩類と北側に存在します領家帯の花崗岩類、いわゆる物質境界、地質境界としての中央構造線は北に30°ぐらい傾いている可能性があるということがわかりました。そういったことも考慮しまして、基本的には、一般的に言われています中央構造線の横ずれ断層を90°の設定を基本ケースといたしましたけれども、不確かさを考慮するということで、このような30°の断層面を設定いたしました。90°の場合には、マグニチュード7.1。この設定はですね、地震調査研究推進本部等でも、この地域での地震発生層の深さが、地表から大体15kmと言われておりますので、伊予灘での堆積層の存在等々を基に上位2kmを除きまして13kmと設定してございます。不確かさの考慮で用いましたのは、傾斜角を30°といたしましたので、13kmに対しまして長さが26kmということで、この断層の面積は倍になります。そうしますと関係式からモーメントは4倍になりますので、マグニチュードが7.6と大きく設定してございます。
 これが、先ほどの21ページにオレンジ色の実線と破線で示しましたものです。破線のものが基本ケースです。実線のものが不確かを考慮したものでございます。この図には基準地震動S2もあわせて表記してございます。
 続きまして、22ページに断層モデルを用いた手法による地震動評価結果を示してございます。この図は、先ほどと同じく横軸が周期、縦軸が加速度でございます。凡例の色は先ほど同じ色を使ってございます。小さいものから順次説明させていただきます。まず、青で示しておりますのが、プレート間地震。想定南海地震でございます。断層モデルですので、NS成分とEW成分、2成分ございます。次に、緑で示しておりますのが、海洋プレート内地震(想定敷地下方のスラブ内地震)、芸予地震タイプのものでございます。それのNS成分とEW成分を示してございます。赤で示しておりますのが、内陸地殻内地震。そのNS成分とEW成分でございます。ここには、同じく基準地震動S2も表記してございます。
 24ページに移りますが、断層モデル手法を用いた手法におきましても、不確かさの考慮を行っております。
基本モデルは、先ほど応答スペクトル手法で説明したのと同じように断層の傾斜角を90°といたしまして、アスペリティの深さを中央としたもの、これを基本としております。破壊開始点につきましては、両サイドあるいは真ん中ということで3箇所設定してございます。
 不確かさの考慮@といたしまして、断層傾斜角あるいは破壊開始点3箇所は同じでございますけれども、アスペリティの深さを上端に、敷地に近い側に設定いたしました。これを不確かさの考慮@と設定しております。左の下の、不確かさの考慮Aとして設定いたしましたのが、断層の傾斜角を30°、アスペリティの深さは基本と同じように真ん中。破壊開始点を3箇所と設定したものです。不確かさの考慮Bといたしまして、アスペリティ深さを上端に持ち上げたもの。これらのケースにつきまして不確かさを考慮いたしました。先ほどのこの図に載せてありますのが、これらのうちの一番大きなものでございます。
 25ページに移らせていただきます。「震源を特定せず策定する地震動」でございますけれども、敷地周辺における震源を事前に特定できない地震の最大規模は、加藤ほか(2004)が「震源を事前に特定できない地震による水平動の地震動レベル」を提案する際に基づいた地震規模マグニチュード6.8と同程度以下と推定されるため、敷地の地盤物性を考慮し、加藤ほか(2004)が提案した地震基盤における地震動レベルを、震源を特定せず策定する地震動として設定いたしました。
 これは、先ほどの推本の中で、地震発生層の深さを15kmというのをご紹介させていただきましたけれども、地震発生層と同じ断層の長さを設定して、断層の面積を求め、それを地震動のマグニチュードになおしますとマグニチュード6.5ぐらいになります。そういったこと等も踏まえまして、加藤ほか(2004)で設定している6.8と同程度以下になるだろうということで、それを採用してございます。それがこのスペクトルでございます。
 26ページでございます。これら震源を特定する地震、あるいは特定せず策定する地震動を基に、さらには旧耐震指針に基づく基準地震動S2も包絡した基準地震動Ss−1Hを設定いたしました。ここにはたくさん表記してございますが、これまでと同じく横軸は周期、縦軸は加速度でございます。これまでと同様、同じ色で表示してございます。小さいほうからいきますと、水色で表記していますプレート間地震、応答スペクトルに基づくものと断層モデルに基づく2方向のもの。緑色で示しております海洋プレート内地震による応答スペクトルがこのようになってまいります。内陸地殻内地震による応答スペクトルがこれにあたります。それと断層モデルによって用いたものがこのギザギザしたものになってまいります。それと、紫色で表記しています震源を特定せず策定する地震動。灰色で示しておりますのが、基準地震動S2でございます。
 これらの地震動を包絡させるように今回、黒で表記してございますが、基準地震動のSs−1Hを設定いたしました。その設定におきましては、応答スペクトル手法におけますスペクトル形状、例えば、内陸地殻内地震のスペクトル形状は、このような形状になってまいりますけれども、基本的にはこのような形状を使って、各々求まった、断層モデル等で求まっている応答スペクトルを包絡するように、まずスペクトル形状を設定いたしました。
 そうしますと、一部ここが飛び出しますので、その部分についても包絡するように、このようなかたちでまず決めて、さらには基準地震動S2のほうが上にありますので、それを上回るようにということで、今言いました、こういったスペクトル形状を上に持ち上げて設定したのが、この基準地震動Ss−1Hでございます。この最大加速度は570ガルということで、従来のS2、473ガルに比べまして約2割のアップでございます。
 27ページが同じく基準地震動Ssでございますけれども、Ssとしましては、Ss−1Hに加えまして、施設に与える影響の観点から地震動の周波数特性・位相特性等を考慮いたしまして、断層モデルを用いた手法によって基準地震動のSs−2NSと2EWの2つを設定いたしました。これが青と緑で示しているものでございます。結局、今回はSsといたしまして、この赤の1H、それと緑のSs−2NS、青のSs−2EW、この3つのものを設定いたしました。
 28ページに示しておりますのが、これらの地震波形でございます。地震波につきましては、基準地震動Ss−1Hに適合させた設計用模擬地震波を策定いたしました。それを基準地震動としました。また、断層モデルにより策定した基準地震動Ss−2NSとSs−2EWにつきましては、断層モデル評価による時刻歴波形そのものを基準地震動として設定いたしました。これがそれらの波形でございます。570ガルというのは、Ss−1Hで、こういった波形になってまいります。ちなみに右側に示しておりますのが、従来の基準地震動S2でございます。
 「施設等の耐震安全性評価」につきまして、高木のほうと代わらせていただきます。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 では、パワーポイントに基づきましてご説明させていただきます。
 「C.施設等の耐震安全性評価について」でございます。
 まず、安全上重要な建物・構築物の耐震安全性評価について、でございます。耐震Sクラスの施設を内包する伊方3号機の原子炉建屋および原子炉補助建屋について、地震応答解析モデルを策定しまして、先ほど大野が説明いたしました基準地震動Ssによる地震応答解析を実施しております。
 耐震安全性評価にあたっては、建屋全体の健全性を確認する観点から、地震応答解析の結果による耐震壁のせん断ひずみを評価しております。
 今回、中間報告にあたりましては、伊方3号機について評価しておりまして、下の建屋のモデル化も伊方3号機の建屋のモデル化を示したものでございます。左側が原子炉建屋、右側が原子炉補助建屋で、細い線が実際の構造物の概略形状を表したものでして、あと、太い線で縦棒に黒い丸が付いておりますが、これがモデル化を示したものでございます。黒い丸が、各々位置に相当します質量を表すものでございまして、その間をコンクリート構造物の部材が繋いでいるのをこういうモデルで表現いたしております。
 原子炉建屋のほうは外周コンクリート壁、それから、格納容器等の内部コンクリート、いろいろな構造物がございますので、こういうモデル化についてもいくつかの棒と黒丸で表現されております。
 それから、原子炉補助建屋につきましては、構造が原子炉建屋に比べて構造が単純ということで、2本棒で表現されていまして、左側の棒、それから右側のほうに1本ありますけども、これはディーゼル発電機の支持架台というのを表しておりまして、その間は剛体の棒でつないでいるというモデル化をしております。
 次のページを、お願いします。今のモデルを使いまして、先ほどの基準地震動Ssを入力した結果についてここで示しております。安全上重要な建物・構築物の耐震安全性評価でございますが、結果といたしましては、ここにも書いてありますように、耐震壁の最大せん断ひずみは評価基準値を満足しており、耐震安全性が確保されていることを確認したということです。左側のカーブが原子炉建屋、特にこれは、外部遮蔽コンクリート壁について書いております。それから、右側のグラフが原子炉補助建屋についてでございます。
 前のページに戻りますと、このモデルの中で外周コンクリート壁(O/S)と書いてあるところに、四角の中に数字を書いておりますが、これは各部材を表す数字でございます。あと、原子炉補助建屋につきましても、右のほうのモデルでございますが、1番から5、6、7と数字を書いておりますが、これが各部材に対する番号を示しておりまして、ここの解析結果を次のこのページの評価で書いております。グラフは、横軸がせん断ひずみ、縦軸がそれに対するせん断力を示しておりまして、鉄筋コンクリート構造物ですので、こういうせん断ひずみが増えていくと2回折れ点が生じるというようなカーブになっております。
 このグラフの中に番号が書いておりますけれども、左側の番号が先ほどの外周コンクリート壁の評価結果について番号で示したものでございまして、先ほどのモデルの中で1番から6番もございましたが、この1番から6番につきましては、ちょうどトップドームの部分のコンクリート構造物になりまして、これは耐震壁扱いしていない部材でございますので、この応答結果については示しておりません。ですから、7番以降について示しておりますが、この中で最大せん断ひずみは、0.63×10−3という結果が得られております。2.0×10−3というのが評価基準値でございますので、先ほど申し上げましたように評価基準値を満足しているという結果が得られております。それから、同じく右側の補助建屋のほうですけれども、これについても先ほどの、モデルの部材の番号に相当するもののグラフを書いておりますが、この計算結果については、NS方向の応答結果を示しておりまして、部材6について記載しておりませんが、部材6についてはNS方向に対して耐震壁扱いしていない、NS方向については耐震壁としての機能がないということで、6番についてはこの評価結果の中には入っておりません。この結果の中で一番大きなもののせん断ひずみが、0.84×10−3でして、評価基準値は先ほどと同じく2.0×10−3でございますので、これも基準値を満足しているということが確認できました。
 以上が建屋についてでございますが、ここからが「耐震安全上重要な機器・配管系の耐震安全性評価」についてでございます。
 評価対象としては、伊方3号機について評価しております。対象機器としては、原子炉を「止める」、「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」といった安全上重要な機能を有する耐震Sクラスの主要設備でございまして、@番からG番まで書いてございますが、@番とA番が止める機能があります炉内構造物、制御棒。これについては、挿入性について評価しております。それから、冷やす機能ですとB番からE番でございますが、B番の蒸気発生器、一次冷却材管、それから余熱除去ポンプ、余熱除去設備配管についてでございます。それから、閉じ込めるにつきましては、F番、G番でございますが、原子炉容器、原子炉格納容器について、評価いたしております。
 33ページでございますけれども、評価内容および評価方法でございますが、基準地震動Ssによる応答解析を行い、その結果求められた発生値、制御棒につきましては、挿入時間でございますけれども、これを評価基準値と比較することによって、構造強度評価、それから動的機能維持評価を実施しております。評価基準値とは、構造強度評価の場合は材料毎に定められた許容応力等、それから動的機能維持評価につきましては、これは制御棒の挿入性でございますが、安全評価の解析条件等を踏まえて設定された規定時間のことをいっております。
 34ページに結果を示しております。結果を一番上に書いておりますが、発生値は、評価基準値を満足しており、耐震安全性が確保されていることを確認しております。
 表が、上の構造強度評価結果と、下の動的機能維持評価結果の2つに分けておりますが、まず上の構造強度評価結果から説明させていただきます。評価対象設備として@番、炉内構造物等について記載しておりまして、その右のほうに発生値というのがございますが、この発生値につきましては、応答評価をした結果、出てきた値でございまして、この値の中には当然、通常運転中に受けます自重ですね、自分の重さ、それから、中に高圧の水等を内包しておりますので、それによる圧力等も含め、それに加えて地震力が加わった時の発生値についてまとめたものでございます。
 まず、炉内構造物@でございますが、評価部位といたしましては、燃料を収納しています炉心槽について評価しておりまして、発生値が88N/mmで基準値が391ということで、小さいということです。同じく蒸気発生器につきましては、支持構造物でございますが、発生値は55、基準値は79でございます。それから一次冷却材管は、本体ということで、発生値が116、基準値が348。それから、余熱除去ポンプが、基礎ボルトで、これは発生値1、非常に小そうございます。それに対して基準値が210ということになっております。それから、余熱除去設備配管については、発生値が168、基準値が343になっております。あと、原子炉容器につきましては、これは支持構造物でございますが、発生値270に対しまして、基準値は465ということになっております。それから、格納容器でございます。これも本体でございますが、発生値60に対しまして、基準値が351ということで、いずれの値も基準値を満足しているということが確認できました。
 それから、下の表が、動的機能維持評価結果でございまして、これは制御棒の挿入性についてでございます。制御棒は、制御棒の落下信号が入りましてから炉底に達するまで2.5秒というのが評価基準値として定められておりますが、これは、地震時に落下する時間を評価した結果、落下時間としては2.03秒という結果が得られております。ということで、評価基準値の2.5秒よりも短い時間で入るということが確認できました。以上が伊方3号機の安全重要な機器・配管系の耐震安全性評価の結果についてでございます。
 最後のページになりますけれども、今後の予定でございます。平成20年の7月には、伊方3号機の耐震安全性評価報告を、また、来年の2月には伊方1、2号機の耐震安全性評価報告を行っていくこととしております。現在、新耐震指針の主旨を踏まえ、耐震安全性に関する信頼性を一層向上させるとの観点から、既に自主的に開始している耐震性向上工事を、今後とも、進めていく所存でございます。当社からの説明は以上でございます。
濱本部会長
 どうもありがとうございました。
 では、ただいまの国と四国電力からのご説明に対して、委員の皆様方、ご意見あるいは質問等がありましたらどうぞ。
 三島先生、どうぞ。
三島委員
 今、四国電力から評価の内容をご説明されましたが、断層モデルの評価方法で評価する時には、破壊がどこから始まるかとか、それがどういうふうに進展するかとか、いろいろなケースが考えられると思うのですが、今回の解析でどういったケースを考えられて、その結果、先ほど示された結果が、いろいろ考えられるケースのうちの最大のものと考えていいのかどうか、その点についてお伺いしたいのですが。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 断層モデル解析におきましては、先生おっしゃられますように、断層破壊の伝播方向の影響がすごく影響があると思います。これに関しまして、破壊開始点を複数設定するケースを検討してございます。
 敷地前面海域の断層群は、横ずれ断層で42kmという長い断層でございますので、その42kmの断層面は、ちょうど敷地が、その断層面のちょうど真ん中あたりにございます。断層に面しますと左手方向に20km、右手方向に20km、断層が広がっているような感じですけども、どっちの方向から断層が破壊してくるかが、かなり影響ございますので、大局的に東のほうと真ん中、正面と、西のほうと、その3つのケースを設定いたしまして、断層面の一番下、深いところに破壊開始点を設定するケース、まず3ケース設けております。
 それでもって、先ほど基本ケースとしては、42kmの鉛直の断面というのを基本ケースとすると言いましたけども、それで、アスペリティの深さというのを真ん中においておりますが、そのアスペリティが浅くなってくると、敷地に近づいてきますので、地震動がやはり大きくなります。そういう不確かさで考慮しようということで、鉛直の断層面だけどアスペリティが近いケース。あとさらに、基本ケースは断層面が鉛直と申しましたけども、地質調査の結果から断層面が30°傾いているという結果もございますので、それも不確かさの考慮をすると先ほど説明いたしましたけれども、それで断層面を傾けたケース。さらに、断層面を傾けても、アスペリティを真ん中に置くか浅く置くかでまた違ってきますので、その断層面の置き方とアスペリティの位置関係で4ケースほど、断層面の傾き方、アスペリティの位置とかのケースを4ケース設けました。それで、破壊開始点が3ケース、断層面の傾き、アスペリティの位置関係で4ケース、都合12ケース、42kmの長さの中でまわしております。
 さらに、先ほども説明いたしましたけれども、断層の長さが長くなればという観点から、130kmとか360kmという推本の知見もございますので、こういうようなケースもまわしております。都合14ケース、断層モデル解析をまわしまして、その中で一番厳しい地震動を採用しておりますので、考えられるパラメータ類は一応網羅して、断層モデル解析をやったつもりでおります。
三島委員
 今のご説明で、不確かさを考慮するために、横ずれ断層だけれども30°傾けて解析したということですが、横ずれ断層というのは、普通は90°で、30°も傾くというのはちょっと考えにくいかなとは思うのですけども、30°傾いているその面がどちらに傾いているかによって随分変わってくるんじゃないかと思うのですが、どちらに傾いているという仮定で解析されたのでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 北向きに傾いています。パワーポイントで説明した資料の24ページを見ていただければ、不確かさの考慮のAとかB、北側のほうから敷地を見ておりますので、北から南のほうみたいになっておりますが、こういうような傾き方をしております。
三島委員
これは、南側に傾くということは考えられないのでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 音波探査とか屈折法の地質、そのような調査結果からですね、北側しか考えられないと判断しております。
濱本部会長
 どうぞ。森先生。
森委員
 せっかくですから、今の質疑に関連して質問させていただきたいのですが、大雑把な質問としては、まず、その14ケースを考えることが十分だという根拠は何でしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 断層パラメータの設定、いろんなパラメータを変えるわけです。変数として、どういうものが考えられるかと言いますと、例えば長さだとか、傾きだとか、あとアスペリティの位置、そういうものが主だったもので、そういうものを考慮しており、この程度で十分だと考えておりますけども。
森委員
 アスペリティの配置だとか、それから2つ設けているというようなことが、確定的に取り扱われていて、不確かさが全く考慮されていないように思いますけど、その点についてはいかがですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 アスペリティの位置に関しましては、地質調査の結果で、その海底の活断層のトレースの位置というのがわかっております。
森委員
 もう少し具体的に言えば、アスペリティをここに設定するということが地質調査によって確定されますか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 平面的にはですね、トレースの位置によって設定することはできます。産総研の杉山先生が書かれている論文があるのですけれど、地表のトレースから、ジョグと呼ばれている区間があり、そういうのと本体の位置とを分析して、そのジョグの端辺りにアスペリティがあるという論文がございますので、そういうのに基づいて、アスペリティを平面的には設定しております。深さ方向はそれでは設定できないので、深さ方向を我々は不確かさと考えて、先ほど申しましたように、浅くするケース、中位にするケースを解析しています。
森委員
 つまり、今のは、ジョグというところに設定するという根拠を述べられたわけですけれども、そういう例というのは、あくまで研究例として数が少なくあるだけで、本来、アスペリティというのは、どこにあるのかというのはよくわかっていないのではないんですか。
 もし、よくわかっていないのであれば、やはり安全側のところに設定するということをしておかないと、適切ではないのではないかという、そういう観点での質問だったんですけれど。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 すみません。私の説明がちょっと誤解を与えたようです。ジョグには置かないようになっていまして、ジョグに置くのではなくてジョグ以外の本体のところに置くのですけども。
森委員
 ジョグというのは分かれているところだから、そこには置かないと。そういうことですね。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 はい、そういうことです。そのジョグに移る直前の辺りが一番その変位量が大きいと。
森委員
 ただ、ジョグっていうのは、地盤の表面に表れているところですよね。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 はい。
森委員
 でも、地盤の表面から2kmの間というのは、地震波を出さないということが、一方では言われているわけですよね。つまり、ジョグっていうところに置かないという正しさの根拠というのは、別に世界中で認められたわけではなく、ある一人の考えが示されただけですから、そこに置くっていうことが合理的だという根拠には決してならないのではないかと思います。
 そうすると、今、発電所の前にはアスペリティが置かれていませんが、発電所の前にアスペリティがあったほうが最も安全側といいますか、つまり、地震動が大きくなる側になるのではないかというのが質問の主旨なのですけど。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 仮に発電所の前に置いて、敷地との距離が近くなれば大きくなるとは思いますけども、多分それだけでは地震動は決まらないので。
森委員
 はい。もちろん。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 やはり、破壊の伝播方向等もありますので、敷地の目の前においても、アスペリティからの破壊が敷地のほうに向かって来るような方向じゃないと大きくならないと思います。
 例えば、先ほどの24ページをご覧いただければ、基本モデルでご説明したいと思うのですけれども。基本モデル、確かにアスペリティ2個置いています。アスペリティを2個置くというのは、入倉先生のレシピとか地震調査研究推進本部のレシピで、標準的に定められているものですので、1個か2個というふうに言われているのですけれど、このように42kmと長い断層ですので、これに1個置くというのはちょっと不自然かなと思いますので、我々は2個配置しております。
 この面積も地震調査研究推進本部とか入倉レシピで断層の面積の22%を設定すると。これは過去の統計解析の結果から、サマビルさんの論文で定められているものなのですけど。レシピで定められていますので、その比率に基づいて第1アスペリティに16%、第2アスペリティに6%の面積を割り当てています。
 それで、敷地の位置が、目の前が一番厳しいのではないかとおっしゃられるご指摘なのですけれども、アスペリティからの破壊が向かって来るほうが一番厳しくなるのではないかと思います。この基本モデルで第一アスペリティの破壊が向かって来る方向というのは、下に破壊開始点3つ書いていますけれども、白の星マークのもの、これ、西のほうから破壊が開始したもののほうが向かって来る結果になると思いますので、このケースが厳し目の設定になっていると考えております。
森委員
 前段のご指摘の設定の方法ですね。アスペリティが1つか2つか。あるいはその比率がいくらかというのは、わかったうえでの質問だったのです。
 例えば、2つ置くにしても、これをます目をひとつずつずれるとかいう可能性は、十分不確定性を考慮すべき範囲だというふうに考えています。
 それで、もうひとつは、仮定で、向かって来る方向、ディレクティビティ効果のことをおっしゃっているわけですけども、それも、ある仮定であって、そうであるということを確認するのが、こういう安全審査のもともとの主旨ではないんですか。という意味です。なぜそれらを検討したうえで最大であるということを示されなかったのかというのが、私の質問の主旨ですけれども。
 今後、例えば、そういう検討をする必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 すみません、部会長。今は、要望はだめで質問だけですか。
濱本部会長
 いやいや。これは最終報告とか、それから原子力安全・保安院のほうでも中間報告を審査していただく時に、必要なことはご考慮いただけると思いますから、どうぞ。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 今回、アスペリティの配置については、確かに先生がおっしゃるように目の前に置いてはいないのですけれど。以前、平成15年に推本の360kmとか130kmを検討したケースでは、あの時は、ちょっと今回とは考え方が変わっていまして、目の前にアスペリティを置いたモデルでご報告させていただいておりますので、全く検討をやっていないわけではございません。我々、3号増設当時から断層モデル、もう20年以上、いろいろまわしていまして、色んなケースをやっており、そういう知見も踏まえてやっておりますので、全然その、目の前にアスペリティを置くケースを考慮していないわけではございません。また、今後しないのかとか、そういう話につきましては、これは保安院に提出させていただいたわけですので、今後、安全審査の過程の中で、またそういう必要があれば、検討をしていくことになるかと思います。
四国電力 大野地盤耐震グループ上席副リーダー
 少し補足させていただきます。今回の結果の中で、実は一番厳しいケースが、24ページの不確かさの考慮B、右下にありますこのモデルになってございます。その中で、この図でいう右下、東西南北で言うと、南北ひっくりかえっていますけど、西側ですね。ここから破壊が起こって、サイトに向かって来るケース、これが最大の地震動でございます。
 そういったこと、さらには、先ほど松崎が申しましたように、平成15年、推本の評価が出た時には、推本の評価どおりにやって地震動を評価したらどうなるか。なおかつ、目の前に置いたらどうなるかというのをやらせていただきました。その時にも従来の基準地震動S2に十分おさまるということも我々は承知したうえで、今回の570ガルに十分おさまるだろうということを考えてございます。その、何と言いましょうか、説明の仕方についてはまたいろいろと考えていきたいと思っております。
森委員
 よろしくお願いします。今のことは、地震動のことを少し勉強しますと、よく理解できることではあるのですが、安全であるということを確認するというのは、専門家が確認することは最も重要ですけれども、それ以外にも一般の方が、そういうことが正しく安全確認されたということを知ることが重要ですから。そうすると、目の前にある時はどうなるんだという非常に単純な疑問に対して、それをあわせて示すことによって、今、四国電力さんのおやりになっていることが、確かに最大であることが示せるのではないかという、そういう主旨も含めて、私、指摘させていただきました。ありがとうございます。
濱本部会長
 よろしゅうございますか。
 有吉先生。
有吉委員
 応答スペクトルに基づく評価について、ちょっとお訊きしたいんですが。先ほど、18ページでしたかね。断層モデルでの評価で、中央構造線の断層長さ、130km、360km、それから42kmですか、これらについての説明をされまして、42kmがほとんど満足できるような結果が出ているということですが、応答スペクトル法の場合は、42kmでしかチェックされていない。他のその130kmとか360kmとかに対しての応答スペクトル法でのチェックはどうなのか。それの報告はあるのですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 確かに、360kmと130kmに関しましては、応答スペクトルでは評価してございません。それは何故かと申しますと、応答スペクトル法の適用範囲外と考えるからです。
 伊方発電所の場合は、その敷地の前面8kmのところに前面海域の断層群がございますので、そういうような敷地と近い場合は、先ほど申しましたけども、断層の破壊方向による影響ですとか、あと、断層の破壊で、ある小領域から破壊が敷地に到達する時間差などを考慮しないといけないですけれども、そういう点は応答スペクトル法では考慮できないのです。そういうことから断層モデル解析が、伊方発電所においては、重要視されるべきものだと思っています。
 改訂された耐震指針の解説にも、震源が敷地に近く破壊過程が地震動評価に大きな影響を与える場合というのは、断層モデル解析を重要視しなさいというふうな規定がございますので、それに基づきまして我々は断層モデル解析を重要視しているわけです。
 応答スペクトル法も、確かに130kmとか360kmに適用できないことはございません。ですけれども、例えば、長さ130kmとか360kmで目の前8kmにあるような断層というのは、データベースにございません。応答スペクトル法というのも結局、距離減衰式ですので、地震動のマグニチュードと敷地からの距離でもって地震動を推定する手法でございますので、そういう長いものに適用するというのは、外挿になって、精度が低くなると我々考えておりますので、断層長さが長いケースには今回は使ってございません。
有吉委員
 断層モデルでの結果が非常に重要だということになっているということでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 はい。そのように考えています。
有吉委員
 そうですか。はい。
森委員
 今、ちょうど、断層モデルが重要だということをこの場で確認していただきましたので、もう一度この断層モデルについてお訊きしたいんですけど。要するに安全側に考えたいという時に、このアスペリティと呼ばれる、つまり地震動の強い揺れを主に出すところ、これが例えば、22%ということをおっしゃいました。だけど、22%というのは、今までの過去の例の平均値であって、ばらつきがある。それから、このぐらいの大きさだったら2つだろうという設定ですけども、これを1つにした場合、小さなメッシュで、12個と4個のがあるのですけども、これをあわせた場合、16個があわさった場合には、さらに強いディレクティビティと破壊で、地震動が強くなるということが十分に考えられます。
 それからあと、もともと設定していらっしゃるであろうストレスドロップとかいうものについても、これまでの平均値というのはレシピというかたちで、特に原子力施設を考えたものではない。つまり何にでも適用のできる、いわゆる強震動レシピという入倉先生のご提案のものですけども、それはあくまで平均値であって、今回の耐震性評価の指針が変わった大きなものの中に不確かさを考慮しなさいということがありますから、もう一度繰り返しますけれども、アスペリティの広さに関するばらつき、それから、分布が1つか2つかに分かれるのであれば、当然1つにした場合のことの考慮、そして、そこから出る強さに関しても平均値を使うだけではなく、安全側ということであれば、いわゆる過去のデータに基づいてでしかやれないから、上側のことを考慮しているのかどうか。もしやっていなければ、今後の取り組みについてお伺いできればと思います。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 まず、ストレスドロップの不確かさに関しましては、例えば、今回、断層面の傾きを変えておりますけども、この90°のケースと30°のケース、若干変えております。具体的に細かな数値を申し上げますと、基本モデルは10メガパスカルを設定しているんですけども、30°のほうでは15メガパスカル程度を設定しておりますので、そういう意味では不確かさを考慮しております。
 あと、アスペリティの広さ、今、22%設定したと言いましたけど、その広さに関しましては、今、このレシピが準拠している、Das & Kstrovの関係式があるんですけども、アスペリティ全体から出る短周期レベルは一定というようなしばりを設けて、その中でいろいろな不確かさをやっていますので、アスペリティの面積を広くすると、逆にアスペリティのストレスドロップは落ちるような関係です。そこを崩してしまうと、入倉レシピというレシピが崩れてしまうので、そういう検討まではできないと思っています。アスペリティの面積を広くするような検討をもしすれば、応力降下量が下がりますので、結果的には、それほど地震動には大きな影響はないんじゃないかと考えております。
 あと、分布に関しまして、先ほどご指摘があったとおりで、我々過去にもやっておりますので、そういうのも踏まえて皆様に対する理論立った説明の仕方を考えたいと思っています。
森委員
 他に関して、単純な質問ですけれども、22ページには応答スペクトルだとか、あるいは断層モデルを用いた結果としてのスペクトルが書いてあるわけですけれども、ここで、不確かさを考慮したもののうちの最大というご説明があったのですけれども、最大という意味は、どういう意味でしょうか。つまり、スペクトルが10個あったら、10個のうちのあるところに着目をした10個のうちの1つを示しているのか、それとも、あらゆる固有周期に相当する点で10個のうちの最大、つまり包絡のスペクトルを示しているか、どちらでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 包絡ではございません。12ケースをまわした、その中の一番最大のものなんですけども、どこに着目したかと言いますと、原子力の施設、短周期の地震動が重要になりますので、短周期の地震動レベルが一番大きなものを選択しております。
森委員
 もともとですね、応答スペクトルの簡単な線というのは、多くのものの包絡というかたちで、確か設定されていると思いますから、そういう観点で考えますと、今回、おやりになったケースの全ての包絡形がどうなっているかということをお示しになるのは必要なことじゃないかというふうに思いますが、それはいかがでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 それは、Ss−1Hというかたちで包絡して、基準地震動設定をしておりますので、先生のおっしゃるようなことは、もう既に考慮済みと考えております。42kmの中央構造線を評価した地震動の包絡形状というものではありませんけども、それ以外のスラブ内だとか南海地震も踏まえた、全部検討したものの包絡形ということでSs−1のかたちが包絡形でございます。
森委員
 では、それに関連して、もうひとつ質問してよろしいでしょうか。
 波形を計算しているのが28ページにあります。この地震動波形なんですけれども、これが実際には応答計算に使われている波形です。波形を決めるのには、応答スペクトルという振幅を決める要素と、それから位相を決める、つまり地震が壊れていっている様子を反映した情報である、位相情報というのを決めなければいけないはずなのですけれども、これはおそらく波形から見ると、ランダム位相をお使いになっているのではないかと思いますが、それでよろしいですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 そのとおりです。
森委員
 はい。そうした場合に、最初のご説明で、ここの断層破壊過程を考慮した断層モデルというのが、最も進んだやり方であると信じて、それを中心に考えているというご説明がありましたけども、この実際の地震波形を計算する際に、ランダム位相ではなくて、もともとのこの断層モデルによる破壊を検討した際の位相情報を、この応答スペクトルに適用した計算というのはおやりになっていますか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 位相は我々も重要だと思っていますので、それは、位相を考慮する意味で基準地震動モデルのSs−2というので、断層モデル解析の結果をそのまま採用してございます。
森委員
 私の質問はSs−1での質問です。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 Ss−1は、先ほど申しましたようにランダム位相ですので、断層モデル解析の結果の個別の位相というのは考慮できてございません。
森委員
 考慮する必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 そもそも、このSs−1の570ガルという模擬地震波、加速度波形につきましては、Ss−1というターゲットスペクトル、これは全ての包絡スペクトルですけども、それをターゲットに作ったものですので、そういう断層モデル解析の結果の、位相特性を包絡するようなスペクトルだと思いますので・・・。
森委員
 私の質問は、位相、つまり断層がつぶれていっている様子、そのサイトに最も影響のあるディレクティビティ効果というのは、断層のすべっていく方向が発電所に向かうというのが最も厳しいというご説明がありましたが、そういう断層のずれていく方向が最も厳しいということがわかっているのであれば、このスペクトルに対して、そういうすべっていっている方向性を加味するような位相情報を使うのが、安全側の考えだと思いますけど、いかがでしょうかということです。
 それで、そういうのが主旨なので、もともとの、応答スペクトル法でいう振幅だけで見たものをともかく大きくしておけばいいというふうにした考えは応答スペクトルのほうの考えですし、こちらの断層モデルのほうは、実際の破壊伝播を考えようと。ただ、この振幅については、いろいろな不確定要素があるので、それを包絡するようにまとめましたということであれば、振幅については包絡したものをまとめたものでいいんですけれども、破壊という、断層がすべっていくという様子は、応答スペクトルというか、過去の例からではわかりません。だから、ここでせっかく検討していたものを位相情報として使うのが、最も合理的でかつ安全側になるのではないかというふうに考えますけれども。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
両方のものをダブルカウントする必要はないのかなというのが、僕の個人的な考えですが。
森委員
それがダブルカウントだという根拠というのはあるんですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
ですから、先生のおっしゃるようなディレクティビティ効果とか破壊が向かって来るような位相特性とか、そういうのは、基準地震動Ss−2でみますよと。振幅の全体を包絡するような、とにかく大きく包絡するように安全側にやるという考え方はSs−1でカバーします。
森委員
 今、27ページのことをおっしゃっているわけですよね。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 はい。
森委員
 27ページでも同じく、位相情報はランダム位相をお使いになったのではないですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 27ページのSs−1で、570ガルというのをつくる時はランダムですが、Ss−2に関しては、波そのもの、断層モデル解析そのものなので、向かって来る位相特性は、考慮できています。
森委員
 もともと、応答スペクトル法で設定しているのは、いろいろな地震波を包絡するように設定しているわけですね。
ですから、その時にランダム位相を使う妥当性というのは、これまでの研究でそれほどきちんとは検討されていないと思います。ただ、伝統的にそうやって使われているだけだと思いますけども、どうなんでしょうか。
 断層モデルは、本来の地震の様子をきちんと評価しようというモデルであるから、それを持って来るというのは重要で、かつ振幅に関しては、いくらその断層モデルが考え方としては正しいとはいうものの、多くのものに対して適用していないから、だから、不安があるというようなことではないのですか、大きさに対して。だから、包絡するように設けようということではないでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 確かに、そのような手法で設定したのがSs−1です。
森委員
 最初の質問に戻りますけれども、実際ここで、断層モデルでお使いになったその波形の位相情報を使うのか。もしくは、その波形を、もう少し振幅を上げることによって応答解析に使うのか、いずれかだと思うのですけれども。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 すみません。私がちょっと理解できてなくて申し訳ないんですけども。
濱本部会長
 今の問題は、少し時間をおいて。
森委員
 もちろんです。ご検討いただけないかなということで。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 はい。
濱本部会長
 のちほど、また、ご相談というとおかしいですけど、整理していただいて、また次の会議で、ご回答いただけるものは回答していただくということで。少し先にこの問題は延ばしましょうか。
原子力安全・保安院の方へのご質問、どなたかございませんでしょうか。
三島委員
 27ページの話が出ましたので、ちょっと単純な質問なんですけども。スペクトルを見ますと、NSとEWで、ピークのところの周期が随分違うような気がしますが、これはどういう理由でしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 用いている解析手法が波形合成法となっていますけども、経験的グリーン関数法というのを使っておりまして、要素地震に実際に観測された波を使っています。観測された波の特性が出ておりますので、それでNSとEWが違って、ピークが違っております。
三島委員
 実際に観測されたので間違いないと思いますが、実際にどうして、こういうふうな同じようなところで振動した波形でこんなにピークの位置がずれるのかな、と思います。何かそういう地盤とか地質とかそういうことが関係しているのでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 地盤の影響なのか、あるいは震源の影響なのか、分離した解析はちょっとしておりませんので、この場ではすみませんが即答できかねます。
岡村委員
 地盤という話が出たのですけど、このサイトの特性というのは、どういう地盤特性なのでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 特性といいますと、堅さでよろしいですか。
岡村委員
 結構です。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 三波川の変成岩の、緑色片岩、塩基性片岩という岩ですけども、堅さはVsでいいますと2.6km/sという堅さでございます。
岡村委員
 もうひとつ。先ほどのスペクトルを設定した時に、短周期側に重きをおいた包絡線にしたというようなお話をされていましたけども、具体的に周期というと、どこなんですか。短周期側って、どこからどこは包絡されていて、どのへんは包絡されていないのですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 すみません、包絡するようにというのは。
岡村委員
 十数ケースの、先ほど森先生のご回答の中で・・・。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 包絡ではなくって、短周期側の地震動、一番簡単に言うと、0.02秒の値が一番大きな波を選んだというわけで。
岡村委員
 0.02秒ですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 はい。
岡村委員
 一番左側なんですね。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 一番左側、はい。
岡村委員
 それは、そうすると全部並べて、全部、十数ケースのスペクトルを並べてみると、それよりも右側の部分、右側というと全部ですね、この部分は飛び出している部分は所々あると。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 それはございます。はい。そういった長周期側は主要な施設ございませんので。
岡村委員
 原子力安全・保安院の16ページの資料を見ると、このスペクトルで各施設の、多分これ固有周期が緑で書かれているんじゃないかなと思うんですけども、0.02秒で左側に一個も施設はないんじゃないですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 0.02秒だけではなくて、0.02から、例えば保安院さんの16ページで言いますと、緑の線のCとか、そのへんの辺りが全体的に一番上がっているやつを選んでおります。
岡村委員
 さっきのは嘘だったんですか。どういうご説明なのかよくわからない。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 短周期側は、割と地震動のレベルがほぼ一定になるといいますか、断層モデル解析が、ばらつきがあまり出ないので、そのへんのが全体的に一番大きなやつを選んだということです。
岡村委員
 納得しがたいところがありまして、9番って言うのはこれは制御棒なんですかね。これ重要な施設なのかどうかあれですけども、これ0.5秒に近いですよね。こういうところをかなりこのスペクトルがガッと落ちて、このサイトの特性が2.6km/sの硬い岩盤だからこれ落ちているのかとも思いますけども。この辺、あるいは包絡してないからこんなスペクトルがこの辺り小さくなっているのか、というようなことが情報がないと、今は何とも申し上げられませんけど、ちょっとそこは、もう一回きちんと情報を示した上でご説明いただきたいと思います。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 はい、了解いたしました。
四国電力 大野地盤耐震グループ上席副リーダー
 今のご質問に若干補足しておきますと、先ほどの27ページに示しておりますのは、緑と青は断層モデルによる結果、それについて先ほど松崎が答えましたのは、施設の固有周期を考えて、これをチョイスしたということでございます。
 で、一方、先ほど保安院さんの16ページにありますように、主要周期帯というのは16ページの言うところの1番から9番、この辺にございます。
 そういったところをカバーするためには、Ss−1H、すなわち全周期帯をカバーした地震動を設定してございます。断層モデル解析を12ケースの中で選んだのは、このブルーと緑でございます。それはSs−2として設定してございます。で、Ss−2、断層モデルによる結果だけでなくて、施設への影響を見るという観点からは、断層モデルの結果と応答スペクトルの結果を全て包絡する形状としてSs−1Hを設定している。それによって全周期をカバーしているというふうにご理解いただければと思います。
 ただ、それに関して、先ほど森先生から、この中に位相特性をどこまで考慮するのかというご指摘だと思いますけれども、従来と言いましょうか、前の指針もそうですけれども、基本的には今まで、位相特性というものは考慮せずに、ターゲットスペクトルに対してランダム波形でもって、全位相が入っている波でもって、施設の動的解析は行っておりました。
 ただ、今回の指針改訂の中で、そういったものもより重要であろうということで、Ss−2のようなものを設定すべきということが提示されました。それに従って、あるそういったルールに則って今回、このように設定はしておりますけれども、先ほどありましたように、森先生のご指摘のところについてはちょっと考えてみたいと思っております。
 それと岡村先生のお話については、おっしゃるように断層モデルですので、周期によってデコボコしてきます。ある12波あればここはこっちが出る、こっちがへこむということはもちろんございます。その中で、どれを一番選ぶべきなのか、なかなか正直言って難しい問題ではございます。そんな中で、我々は施設の周期を考えてこういうものを選んだ、ということでございます。
 答えになってございますか。
岡村委員
 今度、12ケース全てを書いたようなスペクトルを見せていただいて、その中でここを選んだんだというのを示していただくのが、多分、一番分かりやすいとおもいます。口で言ってもらっても、わかりにくいので。
四国電力 大野地盤耐震グループ上席副リーダー
 はい、口頭でもあれなんで、次の機会にお見せすることを考えたいと思います。
森委員
 よろしいですか。今、そういうふうに落ち着きましたから、先ほど私のほうで要望したのはやっていただけると思います。今、いずれにしても、この27ページ、例えば2つしか使わないということであれば、保安院の資料の16ページにありますように、ここで、それぞれの固有周期が書いてありますね。そうすると、0.13だとか0.24だとかというところに、先ほどの検討にあった原子力の建屋が出てきています。ところが、このスペクトルを見ると、0.11秒辺りにものすごく大きなピークがあるにも関わらず、0.13秒では半分以下になっていると。ところが、私達が見ていないもう一つ青と緑の間に、仮に紫のものが一つあったとしたら、そこがものすごく大きくなっているかもしれない。そしたら、その機器に対してはその波形を使わないといけないんじゃないかと。そうすると、たくさんの波形を使うのか、もしくはこの応答スペクトルの振幅成分をもう少し変わるように、つまり、包絡するような格好に例えば波形を補正するというふうなことをしないと、一波だけで全部に対して十分安全だということが言えないんじゃないのかというのが、先ほどの私のほうからの質問というか、要望の趣旨ではあったんですけども。
四国電力 大野地盤耐震グループ上席副リーダー
 先ほどのご説明と同じ答えになって恐縮かもわかりませんけれども、設計体系として考える時に、そういった山、谷が出てくるのは当然断層モデルございますので、そういったへこんだところの漏れがないようにということで、全てを包絡してランダム位相で全位相をやっているというふうに、設計体系としては考えてございます。
森委員
 では、いろんなところ、つまり、例えばこの、@からHまでの周期は書いてあるわけですから、そこに重要視しているものがあると、そうすると、この@からHまでで最も大きな波形を示すものが、その@からHまでの部材なりに厳しいわけですよね。だから、それぞれの部材に厳しいものを使うべきではないかというのが、別の言い方をすれば、そういうことなんですけれども。一波だけを選んでいるということは、あるものには最も厳しいかもしれないけれども、他の8つの○の部材に対しては最も厳しいわけではないと言うことではないですか。
四国電力 大野地盤耐震グループ上席副リーダー
 ご質問の趣旨を、のちほどじっくり考えたいと思います。
四国電力 石ア原子力本部長
 端的に言いますと、おっしゃるとおり青や緑で評価しますけれども、過小評価になるのを防ぐために、Ss−1Hというのを作るわけです。これは、そういう包絡したものですから、断層モデルのときの位相とは違って、完全にランダムな位相にしようと。それで全体をカバーする、こういうわからないところでも使えるようにしようと。そういうやり方でずっときています。
 一つの位相を使うのがいいのかどうかというのは、また難しいところで、いいとこ取りをすると、現実的でなくなる。
森委員
 この件については、これを最後の発言にしますけれども、今おっしゃられたのは、あくまでスペクトルの大きさについてはそうなんですけれども。先ほど松崎さんがお答えになられたように、位相というのはとても大きな要素だと、破壊力と言う意味では。ですから、実際の断層モデルの持つ位相を重視すると、振幅だけではない、別の要素が入ってくるので、そういう観点から見た安全性を検討していく必要があるんじゃないのかというのが私の質問の趣旨でしたし、それから全部のものについて、そういう位相を使うと、あまりにも過大なことをし過ぎる可能性があるということで、ダブルカウントというふうに先ほどおっしゃったと思うので、そういう意味で適切な検討をしていただきたいなと思ったわけです。
四国電力 石ア原子力本部長
 機器の設計するときは、位相がどうなるか関係なくて、加速度でやります。だから、あまり効いてこない。波を作るときは、応答加速度がいくらかというのは決めます。だから、波を作るときには位相が効いてくるかしれません。作ってしまえば、後は機器サイドでは位相がどうあろうが関係なしにやります。あんまり断層モデルの位相をそのまま使うのがいいのかどうかというのはまた別の問題で、多分、それはここの基準地震動の1Hというのは包絡を結んだ断層モデルでもなんでもない、全てをカバーするように強引に作ったものですから、それに合う人工地震波を作るときは、今まではランダム波を使っていると。何か一つ別のものを使おうと思ったら、その理由がまたいるわけですね、本当にそれでいいのかと。だから一つのことに特定しないで、ランダム波でやろうと、ランダム位相でやろうというのが今までで。そこら辺りをまたちょっと今後、ディスカッションしたいと思います。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 ちょっと補足ですけれども、確かに機器の主要周期帯で外れているところ、急に低くなっているようなところがあれば、機器については厳しくない評価になるのではないかということに関しましては、先ほど求めましたような地震動ですね、地震動スペクトル自体を建屋に与えまして、各フロアにおける床応答線図というのを出します。横軸が周期帯で縦軸が加速度になるのですけれども、その時に、当然そういう不確実性も含みますので、機器の評価に当たりましては、周期帯、周期方向にプラスマイナス10%の拡幅というものを、波形について与えておりますので、実際ピークが立つようなところでもプラスマイナス10%拡幅を与えられますと、そのピークはプラスマイナス10%左右に広がることになりますので、床応答スペクトル線図自体がかなり裕度を含んだものになります。機器の評価に当たっては、そういうところの不確実性もそこでカバーされると考えております。
渡邊委員
 少しコメントしたいんですけども、34ページの表を見ますと、電力会社の説明にもありましたように、例えば、原子炉容器270というふうに書かれていますよね。これはもちろん自重とか内圧によるものを含んでいるわけでして、それをやっぱりきちんと書いてもらわないと、これを見るとあたかも全部が地震でもって発生した応力のような印象を与えますよね。非常にこれ、分かり難い表記ですよね。これをやっぱり直してもらって、この270のうちで、地震によって発生するものは何十%だと、20%、30%であるときちんと書いてもらいたい。そういうふうにしないと、例えばこの1000ガルというのがやってきたと仮定したときに、これだともう完全に越えてしまいますよね。そういうふうな誤った印象を与えるので、これは非常に分かり難いというか、誤解を招く表記ですので、これちょっとやめてもらいたいですよね。
四国電力 石ア原子力本部長
 今まで地元向けにこれを説明するときには分けて書くこともありましたが、このような計算は、計算機で一気にやりますから、それをまた分割してわかりやすくするのに、ちょっと時間かかります。しかし、工夫したいと思います。
渡邊委員
 分割して分かりやすくしてもらわないと、非常に悪い印象を与えると思います。
濱本部会長
 はい、どうぞ。
有吉委員
 先ほど基準地震動Ss−1Hを決定する際には、その他を包絡するように決めると、一部、ピークであっているところですか、S2のトップと赤いところを合わせたというお話がございましたが、この裕度の決め方というのは、どういう考えで決められているのかというのをお聞きしたい。
四国電力 大野地盤耐震グループ上席副リーダー
 種地震と言いましょうか、検討用地震それぞれにつきまして、応答スペクトル手法と断層モデル手法で、それぞれの応答スペクトルを描きました。基本的にそれらを包絡するときに、例えばこういうふうにやりなさいというルールめいたものは実は特にはございません。それらをいわば上回るようにということではございますけれども、我々は3号炉のときも断層モデルによる地震動を包絡するときに、当時の大崎スペクトル、今で言う応答スペクトル手法でございますけれども、その形状を使いながら、なおかつ、例えば長周期側をフラットにするというようなかたちでS2を決めてまいりました。今回も大崎スペクトルに代わるようなこの応答スペクトル手法の形状を用いて、今回求めた応答スペクトルそれぞれのスペクトルなり、断層モデルの結果を上回るように、さらには基準地震動S2として今まで使っていたものも下回らないように、というかたちで設定したのがこの赤のスペクトル形状ということになります。
 設定した結果、結果的に見ると、コンマ02秒のところの473ガルに対して570ガルということで、約2割上がったというふうに我々は認識しております。
有吉委員
 はい、わかりました。
濱本部会長
 古賀先生。
古賀委員
 また元へ戻ってしまうかもわからないんですけども、地震動の選定に関しまして応答スペクトルというものとその評価というものと、それから今の断層モデルを用いた手法による地震動の評価、これらで評価されているという説明を今お伺いしたんですけども、その評価法の決定的な相違点というふうなものを教えていただくということと、それから、断層の長さであるとか、マグニチュードというふうなものがどういうふうになるのか確認させていただきたいと思います。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 今回の地震動評価においては、応答スペクトルに基づく手法と断層モデルに基づく手法と2つ使っておりますけども、双方それぞれ利点とか特徴がありますので、それぞれ補うような意味で使っております。
 応答スペクトル法というのは、先ほども申し上げましたけども、いろいろな地域で得られた過去の地震記録を統計解析して、マグニチュードはこれぐらいで距離がこのぐらいのところだったら、このぐらいの地震動だよというのを求める手法で、比較的簡便に地震動を求めることができるという特徴がございます。ですので、使い勝手がいいので、よく使われております。
 ただし、その応答スペクトル法は先ほども言いましたけども、断層の破壊方向とかを考慮できないので、今回、伊方の目の前にあるようなああいう8kmと近いような場合はちょっと適用がどうかな、というところがございます。
 一方、断層モデル解析、波形合成法というのは、応答スペクトルで考慮できないようなそういう破壊の伝播方向とかも考慮できますので、精度よく地震動を求める事ができると。最近では兵庫県南部地震だとか鳥取県西部地震などでもシミュレーション解析で精度よく再現できているという評価が出ております。
 そのように精度よく、断層近傍の地震動を精度よく評価できるのですけども、いろいろなパラメータを設定してコンピュータで計算しなきゃいけないので、結構時間がかかり、そのパラメータの設定の仕方を間違えばへんてこな値を出しちゃうようなこともあるわけです。
そういうので、実際、その断層モデル解析をやった結果というのが妥当かどうかをチェックする意味でも応答スペクトル法というのが使われます。そういうような相補的に使われるものでございます。
 それで、今回どの程度の地震の規模を想定したかといいますのは、42kmの断層モデルの場合、基本とする90°の場合は鉛直断面と考えて断層幅13kmとしてますので、42km×13kmの断層面積から求まるマグニチュードの規模というのが7.1、傾けた不確かさのケースで42km×幅が26kmになりますので、その断層面の場合はマグニチュード7.6というのを設定して、応答スペクトル法と断層モデルで解析をやってございます。
古賀委員
 はい、ありがとうございます。
濱本部会長
 はい、どうぞ。
森委員
 耐震安全性の評価についてご質問したいんですけれども、31ページには耐震壁のせん断ひずみでもって評価基準値を満足しているというような結果が出ています。それに対して34ページでは、応力で評価がなされていますけれども、この辺、どちらで評価するのかというのがよく分からないものですから、基本的な質問ですけど教えていただけませんでしょうか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 建屋はですね、鉄筋コンクリートということで、こういうふうに二重折れ点もありますけども、ある程度ひずみが増えてくれば一部塑性域にも入るということで、評価の物差しとしてはせん断ひずみというものを使うように規定のほうでも決められておりまして、その基準が2×10−3ということになっています。
 それから機器のほうは、これは工事計画認可でも使われていますように、応力評価ということ、こちらはひずみではなくて応力で使っていますが、機器のほうはひずみ応力線図の中でこの辺まで応力が出ますよというのを出すことができますね。ちょっとうまい説明になってませんが。
例えばですね、建屋の方でいきますと、部材の方の縦軸はせん断力になってますけれども、これは耐震壁の大きさによってせん断力というのは違ってきますので、整理するのはひずみのほうが都合が良いということでひずみで整理しています。それから機器というのは、ステンレスとか炭素綱で出来ているんですけれども、これについてはひずみが決まれば応力も決まってくるということで、一義的に決まりますので、解析は応力で整理しているところで、機器については応力でやるのが昔からのやり方ということです。
森委員
 そうすると、34ページの支持構造物の応力というのは参考値であるというふうに解釈してよろしいでしょうか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 参考値といいますと?
森委員
 つまり構造物はひずみで検討すると今おっしゃいましたよね。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 ただ、この支持構造物はですね、金属支持構造物です。
森委員
 そうですか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 例えば、蒸気発生器の支持構造物は、蒸気発生器を横方向に伝えておるブラケットという円柱の筒の金属構造物ですので。
森委員
 なるほど。よく分かりました。
 31ページのこの折れ点ですけれども、先ほどの説明でちょっとよく分からなかったのが、波形と言いながら波形は使ってないとかというようなご発言があったんですけども、これは先ほどの強震波形を30ページのモデルに入れて動的応答解析をしていると理解してよろしいんですよね。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 はい。
森委員
 その動的応答解析をする際のせん断壁のモデルに関しては、31ページに書いてあるような非線形で行っていると解釈してよろしいんですね。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 はい、そうです。
森委員
 そうすると、最初の立った傾きだけが固有周期を表しているわけですけども、もともとの応答スペクトクルに書くべきところ。ところが、これだけたくさんの振幅があれば、一旦ひずみが大きくなってきたときには、強い揺れを受けて、この折れ点に入った後でもさらに揺れているわけですから、いわゆる揺れ中の固有周期は変わりますから。そういう理解をしてよろしいんですよね。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 そうですね。ですから、そういう耐震壁が大変形を受けるというのが概ね4×10−3ということが言われておりまして、基準値はその半分の2×10−3という値を基準値にしておりますので、確かに第2折れ点を過ぎると、鉄筋が降伏してしまいますので、その振動特性は変わるかもしれませんけれども、地震の継続時間の中では建屋自体が崩壊したり、そういうことはないという十分な安全なレベルであるということは言えると思います。
森委員
 はい。
三島委員
 今のことに関連して質問をしたいのですが。この評価基準値を数値で示されていますが、先ほどのご説明では、これは運転状態でかかる荷重を考慮して決められた数値プラス地震荷重で決められた数値ということなんですけども、例えばコンクリートとかそういう材料は、年が経つとだんだん劣化するという面があって、その辺は考慮されているのでしょうか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 今回の評価では設計値を使っておりますので、概ね実際のコンクリート構造物というのは、設計値に比べてもさらに裕度を持っておる物性値を持っておると考えられますので、その辺は十分実機に裕度を持った結果を持っておると考えております。
三島委員
 圧力容器なんかも、そうですか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 圧力容器も設計値を使っておりますけども、例えば、一次系のこういう重要構造物の材料物性というのは、実際に値を取っておりまして、応力ひずみ線図等もありますが、実際に設計に使っている値よりはずっと良好な数字を示したものばかりと言っていいと思うのですけれど、実際のものは設計値よりも良いものを使ってますので、この評価結果自体にも実際のものに対してさらに裕度を持った結果と考えております。
三島委員
ということは、実際に監視していて、それのデータは反映されていると考えてよろしいわけですか。材料の強度といいますか、そういうことに関して。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 実力という意味ですか。
三島委員
 はい。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 実際の解析に使っている物性値自体が実力よりも低い値でやってますので、今のところこれ以上の評価を考えておりませんが、ただ一つ言えるのは、高経年化評価の中で、例えば炭素綱配管なんかが内面が減肉するというような事象がございますけれども、それについては国のほうから、そういう評価も耐震でしなさいといわれていますので、今回、最終報告書を出した後、直ちにそういう評価にも入りまして、減肉があった場合にどういう応力値が出るのかということについても評価することにしております。
濱本部会長
 はい、よろしいでしょうか。
 藤川先生。
藤川委員
 2点お伺いしたいんですが、一つは先ほど来、伊方で、結局影響のある新しい断層というのは見つかってない。そして、現在の断層を基にして考えているにも関わらず、結局モデルとか、そのモデル化の過程で何割かこの数字が変わってきているわけですね、地震の。そのことについて、結局、そのモデルの中でどんなパラメータを使っていて、そのパラメータの組み合わせをどう選ぶかでどんな結果でも出るのかな、という印象が若干出てきてしまうという面がありますので。私は地震は専門じゃないんですが、モデルをいじったことはありますので、そのパラメータやら仮定のおき方をどのようにしていて、それがどれぐらい適切なのかということを、やはりうまく説明していただく必要があるなと思います。
 今日のお話を聞いていると、これはまだ愛媛県の県民の皆様が納得できるような雰囲気ではない。私もこれ不確実性とおっしゃってますけど、どうも不確実性じゃなくて、どこまで安全側にあるのかという議論になっているような気がするんですね。どこまでも安全側にすればいいのか、というのも若干問題があると思いますので、整理していただきたいというのが第1点です。
 第2点が、今度、570ガルに上がりましたよということですので、実際に今のこのSクラスじゃないものも、あるいはその付属部品についても、耐震補強をしていただいているのかということと、もし補強しておられるとすれば、それはどういうもので、実際、470が570になれば危ないようなものなのかを教えていただきたいです。
四国電力 谷川原子力部長
 いわゆる説明責任は、私どもにあると思いますので、今日のご意見を踏まえて、十分ご説明できるような形で県当局のご指導も得ながら進めてまいりたいと思います。もちろん国のほうのご指導もあると思いますが、できるだけ我々として説明するようにしていきたいと思っております。
 それから、今の原子炉の安全性と補強との関連ですけど、前回ご説明したように、耐震的には、機械装置、設備としては耐震に大きな余裕を持っておりますので、現実の設備そのものはかなり大きな余裕を保有していると考えております。今日の国のご説明の中で新潟県中越沖地震の評価について16ページに出ております。これ既に、前回のときに具体的に持っている余裕も含めてご説明させていただいたと思いますが、余裕を持っており、そこのところは我々としては、まだ余裕を有しているというふうに考えております。
 ただ、今回は、保安院さんの資料の7ページにございますように、従来旧指針では厳密に言うと、4つのクラスに分けて設計している安全上重要な設備Asクラスと、安全に関連するクラスのAを一つにまとめて、新しい指針ではSクラスということで、より大きな耐震の余裕を持つように、大きな地震に対しても安全であるようにというような指定がなされました。このAクラスの機器について、大きな余裕を持ってないような機器については、既に、評価が終わる前に上げておこうということで、順次工事を進めております。定期検査のたびに順次工事を進めているというような状況で作業をさせていただいております。
 今後についても、新しい地震動が出来ましたので、3号に対して、機器の持っている具体的な安全余裕の定量的評価を進めておりますが、その過程で、余裕の少なくなったもの等については、順次、実質上の余裕があるということとは別に、余裕を回復するような工事も含めて実施したいというふうに考えております。
濱本部会長
 はい、どうぞ。
森委員
 国の方に基本的な質問をしたいんですけれども、資料19ページに耐震バックチェックに反映すべき主な事項というご説明がございました。そこで、孤立した短い活断層については少なくともM6.8相当の地震規模を想定というようなご説明がありました。兵庫県南部地震も見直す機会の1つであったというご説明がありましたけれども、その後の2000年、鳥取県西部地震というのが起きまして、それは地表には活断層が出ていないところで起きた。孤立した短い活断層すらなくても、実際にマグニチュードで7.2だったか3だったかの地震が実際に発生したと。そのことに関して、どういう議論があって、どういうふうにM6.8に落ち着いたのかということを、長くはなくていいんですけれども、経緯についてちょっと教えていただきたいんですけれども。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 今、ご質問の件、少し話を分離しないといけないところがございまして、それは、中越沖地震を踏まえてM6.8としたことと、それからその指針策定の中でいろいろ検討がなされて、当然その鳥取県西部地震のことも一緒に踏まえて議論をされたわけですけれども、その仕分けをしなければなりません。
 まず今回、M6.8としたことにつきましては、中越沖地震もM6.8だったということはございますけれども、南東側の傾斜ということで、海側に地表トレースの主要部分が出ていた。で、それに関連する断層関連しゅう曲が少しそこでは認識されていたということもありまして、少なくとも地表上にトレースが少しでも痕跡があればM6.8ということで、その中越沖地震とからんでM6.8ということと。
 それから大体日本全国で平均的に言って、地震発生層の幅が15km、これに対して日本の全国の断層の何割か、大部分は逆断層形式と、そのときに標準的な傾斜をどこに置くかということなんですけども、まず高角と置いた場合は60°ということで、15kmの60°ということで、16.何kmということで、M6.8、6.9相当になるということ、そういうことも踏まえてM6.8程度と。
 ただ、これを絶対的なものとしてるわけではないですし、ただ、少なくともということでありますので、地域によってはこういうことではないかもしれないと。例えば、鳥取県西部地震が起こったようなそういうふうな断層が成熟していないとか、成熟しにくいとか、不明瞭な地域、そういったものもございますので、そういったものについては必ずしもM6.8でいいということではないと思います。ただ、それとは逆のところもあると。地震発生層が薄くて、逆に飽和して、要は硬質岩盤サイトで出やすいとかそういうことがあったら、もっと小さいものを想定すればいいということもあるかも知れない。今回、そういったことを踏まえましてこのM6.8程度ということを規定しています。
 鳥取県西部地震が特定できなかった、要は起こる前には文献断層としては文献に示されていなかった、だから鳥取県西部地震については、特定されていないところで起こったものだというふうな意見、最初地震が起こったときにはそういう意見もありました。いろいろな研究機関、これは電力中央研究所とか、産総研とか、いろいろな国の研究機関が鳥取県西部地震の震源域でいろいろな調査をしました。その時に最新のいろいろな技術も使って、半分ぐらいはある程度よく調べれば出ますと、もう半分はちょっと期待は難しいかもしれないと。一部でも詳細な調査をやれば認識できる可能性があるということを、それを耐震指針検討分科会の中で議論がなされて、確か、鳥取県西部地震でそういう、近くのダムで観測された記録もございましたけれども、より近いところであれば、よりいろいろな特性、それは周波数特性も位相特性もあると思いますが、そういった特性も出やすい。あのような地震については特定できるものとして扱って、しかもそういったものが、サイトの近くにもし万一あれば、そういうものについては断層モデルで評価した結果をより重視する形にしましょうということで指針が決まっております。
 ですから、鳥取県西部地震については、指針の検討分科会の中で特定できるものとして扱って、特定できるものの中で施設に影響をどういうふうに与えるかということをちゃんと検討していきましょうということで指針が決められています。
 これで多分答えになっているかと思うんですけども、よろしいでしょうか。
森委員
 そうすると、今回の四国電力さんが検討されている地震がどれに相当するかといえば、五反田断層というのがそれに相当するんだという理解でよろしいのでしょうか。それが特定の地震で断層モデルで検討しましたよと、そういう理解でいいのでしょうか。
 そうすると、当時、鳥取県西部の直後にこれは大変なことだと問題になっていたんだけれども、その問題はある程度解決されて、しかもここにそういう研究成果を踏まえたのが、この僅か数kmしか表れてないけど20kmとして評価した今回の断層モデルによるスペクトルだと、こういう理解でいいのですね。わかりました。ありがとうございました。
濱本部会長
 はい、三島先生。
三島委員
 保安院にちょっとお聞きしたいのですが。今回のこの耐震の報告は3号機が対象になっているということで、1、2号機の報告はまだこれからやられるということ、それから、新しい指針では地すべりとか津波の影響について評価しなさいということになっているが、それもまだやられてない。そういった状況で運転するということについて、一般の方々には不安に感じる方もおられるんじゃないかと思います。それから数値につきましても、旧指針では473ガル、新しい指針に従うと570ガルということで、受け止め方によっては旧指針に従った数値が間違っていたんじゃないかというように思われる方もおられると思いますけれども、この辺についての国の見解、どういうふうにお考えかお聞きしたい。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 まず今回の新耐震指針ですけれども、これは、最近の地震学とか科学技術的な進歩を反映して、耐震安全性のより一層の向上、それからそういった耐震安全性に対しての信頼性の向上という観点で決められたものであります。
 これまで私どもの安全審査におきましては、これは指針への適合性ということだけではなくて、いろいろな知見が得られていく中で、それに対しての対応も行ってきたということもあります。
 それから、当初の設計の時に、基準地震動といったものは耐震設計のひとつの条件ということでありまして、これを基に詳細設計をいたしますけれども、その時に、先ほどの四国電力さんからのお話にありましたようなスペクトルの拡幅とか、そういった材料定数とかの設定とかもそうですけど、設計値を用いるとか、そういったことである程度、設計体系として余裕を持ったものを採用していると。許容限界に関しましても、機械系につきましては、弾性範囲を少し超えたぐらいしか実は使ってないとか、基準地震動のS2とかSsに対してですね、そういうこともありまして、余裕のある設計をしていたということもございますので、私どもといたしましては、基本的に旧指針下において許可がなされて、詳細設計がなされて、運転されているものにつきましては、現段階においても、指針が新しい知見として出たといたしましても、耐震安全性については十分確保されているというふうに考えております。
 ただ、やっぱり世間一般の方への説明性とか、こういった規制とか、事業者の行いに対しての説明性、信頼性ということにおきましては、耐震安全性をちゃんと確認しておくと、新しい知見が得られたらそれに対して真摯に対応して、示すということが重要であるというふうに考えており、バックチェックをしていただいているということでございます。
従いまして、私どもといたしましては、現段階において耐震安全性についてはある程度確保されているというふうに考えております。
三島委員
 今のお話で、実際にできている発電所についてもこの新しい指針に則っても大丈夫だということは、国のほうでも確認は可能だということでしょうか。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 もう一度、お願いします。
三島委員
 例えば実際に原子炉を作る場合ですね、後段規制でその耐震設計がきちっとできているということは確認されると思いますけども、既設のものに関しても、国によるそういう確認がなされるということでしょうか。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 バックチェックということの中で、事業者に、バックチェック中間報告もそうですけども、最終報告として耐震安全上重要なSクラスにつきましては、全て中身を出していただくということを考えておりまして、その結果に関して私どもでも、原子力安全基盤機構(JNES)に、その結果に対しての確認を指示し、実際に計算をして結果が合うかどうかということも検証することになっておりますので、事業者の結果について国でも確認をするというふうなことを考えております。
三島委員
 事業者さんの解析以外の第三者というか、JNESのほうで独立した解析をやられる、クロスチェックをやられるということですね。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 はい、そういったことになります。
濱本部会長
 どうぞ。
岡村委員
 今回から、地震随伴事象の検討というのが入っていると思いますけれども、これはどういう考え方で事象を選ぶんでしょうか。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 耐震設計審査指針は原子力安全委員会の所掌ですけれども、この指針の要求としては、地震随伴事象に対してはここに書いてあることしか、実は記載しておりません。それでは、実際の安全審査においてどうしていたかということでありますけれども、原子炉建屋からの離隔距離ですね、こういったものを少し目安にしておりました。法面高さの1.4倍、50メーターとかそういったようなことを民間規格のほうで記載しておりまして、そういったものも参考にしつつ、周辺斜面として対象になるようなものがあるかどうか、ある場合については、その評価を実施していたということになります。今回もそういったことになるかと思います。
岡村委員
 事象としては、この施設に対するある耐震の要求性能があって、それを侵食する可能性のある事象を選ぶ、そういう考え方とは思うんですけども、それがこの2つしかないというお考えでよろしいですか。
 何も要求性能がなくて、例えば仮に、この裏山が崩れて、建屋のほうに土砂が多少来ても、建屋自体が頑丈だったら何ら影響はしないというようなことでこれはチェックするのか、それとも、ある何かの要求性能があって、それを守らなきゃいけない場合にどういうチェックをするという、そういう考え方は指針の中では述べられてないのでしょうか。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 指針の中ではそこまで述べられておりませんで、ここに書いてある範囲なのですけれども。実際にどうしたことをやるかということなんですけれども、これは滑りに対しての安定性ということで、これまでは滑り安全率でどれぐらいであればいいかということで判断をしてまいりました。ですから、表面が剥落して少し落ちるとか、そういったことはあり得るかもしれない。ただ、大規模に崩落、崩れ去って、それが施設に影響を及ぼさないということを確認することになります。
岡村委員
 こういう機能を守るべきだという、そういう理念みたいなのは書いてなくて、単純な、こんなことしか書いてないということですか。私は、それは奇異に思うのですけども。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 今の耐震指針の記載におきましては、「施設の周辺斜面で地震時に想定しうる崩壊等によっても、施設の安全機能が重大な影響を受ける恐れがないこと」ということでありますので、ここに書いてある程度のことで要求しているということであります。
岡村委員
 全機能という意味では、例えば、次のページに書いてあるこのポンプ、これは水位がこれ以上下がると水が抜けてしまって、ポンプが回らなくなるという、そういう意味でしょうか。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 津波の場合の水位低下ということであれば、まず一つの目安としてポンプの呑み口もしくは設計の最低水位、ここまでだったら確実に水の飲み込みができるというレベルを下回るか下回らないかということで確認します。
 それから、あと水位上昇側については、敷地の高さとそれから、こういったここに書いてある例でいきますと、地下の水路を通ってますので、その水路の応答特性、水の津波の満ち引きによる応答特性も考慮して、ポンプの、要は押し側に対して大丈夫かどうかということも見ていくことになります。
岡村委員
 地震の後もこのポンプが健全に動くということを担保したいわけでしょう。それの一言がなくて、何か水位だけチェックしなさいというのは非常に私、奇異に感じます。例えば、よくある揚水機の排水異常なんていうのは、コンクリート構造物のポンプの建屋のせん断壁はセーフでも、機械維持力の要求性能、軸の変位の許容変位がオーダーが違うんですね。そこがやられてポンプが駄目になるとか、そういう例はいくらでもあります。その理念が書いてないで、何か水位だけチェックしなさいっていうのは、非常に私、奇異に感じるのですよね。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 指針のほうに書いてあることについては、当然、津波に対して施設の安全機能が影響ないこと、というのが指針に規定してありまして。ちょっとここで書いてあることについては、一般の方に見ていただくための非常に簡易的なイメージで書いているものでありますので。
 実際にどういったことを確認するかということですが、今ちょうど、浜岡のバックチェックの確認の中でやっているんですが、浜岡は津波については、想定東海地震もありますので、起こりやすいということもございますので、実際の審議の中でもいろいろコメントをもらってやっているような状況です。ですから、実際にどういったことを津波に対して施設の安全性として確認するかということについては、どこまで確認するかということについては、今、実際にやりながらいろいろ検討しているところもあります。
岡村委員
 津波のというよりも、地震の最中だろうが、その後の津波だろうが、一連の現象が終わった後にこの給排水の設備が健全であるべきだと、そういう理念が書いてあるべきで、それを基に四国電力は危ないところをチェックする、そういう手順になるわけですね。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 重要なのは地震時のシナリオですね。ですから、地震が起こってその随伴事象で津波が起きるのですけれども、その前に地震によってどういう状況になっているか、地震でそこにあるポンプが健全かどうか、それは地震時だけではなくて、地震後の機能も要求される。その機能が維持された上で津波に対してもちゃんと機能が維持できるか。ですから、原子炉が止まった場合に、その後の崩壊熱というか、熱を放出するときに、その熱放出源を確保しておかなければいけないということがありますので、そういう意味でこのポンプの機能については非常に重要だと、継続的にある程度の時間、機能できることが重要ですので、そういったことを確認をするということになります。
辻本委員
 専門じゃありませんので、地震のことはよく分かりませんが。先ほど岩盤が非常に硬いとおっしゃられましたが、緑色片岩は固いですけど脆くて、叩けばボロボロっとバラバラになってしまうようなものだと思います。そういう脆い層状になったものでございますから、その基盤の上に建っているのですけれど、その岩盤に対する地震の評価というのがされる必要がないのか。岩盤の上だから大丈夫だというのではなくて、岩盤自身もちょっとそういう地震のときにボロボロっとなってしまわないかということをちょっと心配したので質問させていただきました。
 それから、保安院さんには、一部を除いて各電力会社からバックチェックの中間報告が来てるわけでございます。まだこれから最終報告書が来ることになって、そこで妥当性を評価されると思うのですが、それらを見て、今の時点の感想を聞かせていただければと思います。
 それから、国も伊予灘の伊方の敷地前面の断層を調査していただいており、また四国電力も宇和海側のほうで断層の調査データをまとめているところですが、それら、あらゆるデータは公開していただいているとは思うのですが、できるだけ透明性のあるように公開していただきたい。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 まずバックチェックの中間報告の結果が出てきて、その全体を眺めた場合の感想ということなんですけれども、一人が全てを見ているわけではないので、細かいところまでチェックしているわけではございませんが、まず、全体を眺められるところでは、例えば基準地震動のレベルとか、スペクトルの形状とかでございますけど、一概に、基準地震動の最大加速度振幅ということでは論ぜられないかと思うのですが、最大加速度振幅の値を見る限りは、傾向として全国大体2割、数割以上レベルを上げてきていると。そういうことからすると、耐震指針では、耐震安全性のより一層の向上ということが目的として挙げられておりますので、その趣旨とは整合的になっているのかなと思います。ただ、実際に建物とか機械とかの施設に対してどういう影響を及ぼすかということについては、それぞれのサイトの特徴が出るのでまたわからないのですけれども、今、感じているところではそういったところでございます。いずれにしても、基準地震動Ssにつきましては、私ども新耐震指針に基づいて妥当性が確保されているかどうかということを確認していくということを考えています。
 海上音波探査のデータの公開につきましては、当然、この海域で実施した音波探査の結果を私どもの審議をしております耐震構造設計小委員会、もしくはその下のワーキンググループ等でその結果を紹介しながら審議をしていくということを考えておりますので、そういった審議のプロセスの透明性、公正性というものを確保するためにも、データについてはなるべく公開していくということにさせていただきたいと思います。
四国電力 大野耐震グループ上席副リーダー
 先ほどの岩盤関連について、説明させていただきます。
 ご指摘のように緑色片岩、塩基性片岩でございますけれども、結晶片岩ということで異方性、方向性を持った岩盤であるということは当然ながら認識しております。従いまして、伊方の建設に際しましては、ボーリングによる岩石試験、あるいは試掘坑を掘っての実際の岩盤試験等々を行って、そのような異方性を考慮しての物性値の評価を行っております。そういったデータの中で方向性を考慮して基礎地盤の安定性について検討を行っております。具体的には、支持力、沈下、それから滑りといったことの検討を行っております。
 今回の中間報告の中には、その基礎地盤の安定性までは含んでおりませんけれども、最終報告の中におきましては、新たな地震動でもっての評価結果もお示しするということになろうかと思っています。
四国電力 谷川原子力部長
 調査データ等の公開についてですが、従来から色々調査してきたものは、ある程度私共の考えをまとめて学会等へ発表するということで、ずっとやってきております。今回は国に報告書を出すということと、先ほど言いましたように、いろいろなワーキンググループで検討をされると聞いておりますので、そこにはご要求のあった全てのデータとか、私どもの考え方を出すつもりでございます。出したものは公開するということでやっていきたいと思いますが、ただ、調査データの原本、生データについては非常に膨大になりますし、いろいろ取り扱い上もそのデータが持っている限界等もありますので、これについては、もし国、監督官庁さんが必要であれば当然提出いたしますし、この委員会でご検討ということであれば、我々としてはご提出させていただきますが、その他の研究グループの方については、お申し出があれば、その調査の目的に応じていろいろな注意事項なども付して、その上で公開というような形で進めたいと思いますので、私どものほうにお申し出ていただくような形で考えていただけたらと思っております。インターネットなんかに自動的に全て出すということも一部言われておりますが、非常に膨大なものですから、そういう形で取り扱いさせていただきたいと考えております。
濱本部会長
 藤川先生。
藤川委員
 国に伺いたいのですけども、柏崎の結果の最終的な報告というのはまだ出てこないようなのですが、伊方の3号機の最終報告は7月と先ほど言われまして、要は、3号の最終報告と柏崎の取りまとめ、その時期が整合しない場合ですね、最終報告が出た後に柏崎のとりまとめが出たときなどは、どういうふうになるのでしょうかというのを教えていただきたい。
 あと、国がさらに審査されるんだと思うのですけれども、保安院と原子力安全委員会と両方でしていただけるのか。その最終的な検討結果はいつ頃に提示していただけるのかも教えていただきたいです。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 まず、柏崎刈羽の最終報告というか、他サイトへの反映事項が最終的にフィックスしたものが3号機の評価までに出るかどうかという趣旨だと思います。そのことにつきましては、柏崎刈羽の件につきまして、今、東京電力もそれから私どものJNESのほうでも解析作業をしておりまして、その双方で鋭意やっていただいているんですけれども、まだ分析結果が詳細には出ていない状況であります。従いまして、7月に間に合うか間に合わないかということについては、現在、はっきりしたことが申し上げられない状況であります。
 もし、先に3号機の報告書が出たら、ということなんですけれども、これは3号機の報告書がまず先に出された場合については、その後にこちらのほうから反映事項が当然出るわけですけれども、その出た反映事項については、ちゃんとその審議の中で対応していただくと。最終的にはそういった反映した結果として、保安院のほうでは確認するということを考えております。
 安全委員会のほうで検討していただけるという話を、先ほど説明の中で申しましたけれども、それはあくまでも、原子力安全・保安院が評価した結果を原子力安全委員会に報告いたしますので、基本的には原子力安全委員会では、行政庁が評価した結果について審議をするということになると考えておりますが、その時期につきましては、評価の対象になっているものの評価の内容とか、それからその時にどれぐらいの案件があるかとか、そういった状況にもよってどれぐらい期間がかかるかということは変わりますので、原子力安全委員会も含めての期間がどれぐらいかということについて、申し訳ございませんが、ちょっと今お答えすることはできない状況です。
濱本部会長
 古賀先生。
古賀委員
 この原子力発電所の耐震指針というのが25年ぶりに出てということなんで、今のご説明の中にも、現在の調査技術の発展であるとか、研究の進展であるとか、そういうものに合わせて見直しが必要になってくるということは、非常によく分かるんですけども、その間にいろいろな事業所でその時々に問題点を見直すということも実施されてはいると思うのですけども、もう少し早い、国としての対応というのもしていただけるのか、どういうふうに考えておられるかなという質問です。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 許認可に用いる審査基準がまず改正され、その上でバックチェックの要請とか、指示をしたというケースは、今回が多分初めてではないかというふうに思っております。こういったプロセスにつきましては、今後も取られるようなかたちでやっていきたいというふうに考えているのですけれども、指針改訂ということにつきましては、原子力安全委員会の策定している指針ですので、そういう意味ではちょっと私、答えにくいのですけれども、必要に応じて迅速にということであれば、やはり改訂の時期というものが、例えば研究の成果とか技術開発の蓄積状況とかを踏まえて適切な時期に改訂をやるということが私ども重要だというふうに考えております。
 ですから、それが短いかどうかというよりは、そのタイミングを適切に判断するということが重要かと思います。
濱本部会長
 よろしいでしょうか。
 渡邉先生。
渡邉委員
 高経年化に関してですけども、先ほどの話ですと、いわゆる高経年化した部材の評価は、高経年化の技術評価の時にやられるということですか。
四国電力 谷川原子力部長
 地震に関しては、今やっているやつが終わった直後です。高経年化のデータも入れて、弱くなるようなところをやり直すということです。
渡邉委員
 それは高経年化した、例えば原子力圧力容器ですと、脆化した材料に対して評価するという考えでよろしいのでしょうか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 高経年化によって、例えば配管減肉とかですね、先ほどの脆化もそうですけど、そういう劣化事象が認められるものについて、やるということです。
渡邉委員
 ところがその劣化している材料で、実際その評価している値というのは、今から例えば10年前の値でしかまだ出てきてないわけですよね。それは、10年前の値でもって再評価するという意味ですか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 評価に当たっては設計値を使うのがメインになると思いますけれども・・・。
渡邉委員
 設計値は変わりようがないですよね。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 はい。
渡邉委員
 ところが今、脆化しているわけですから、脆化している試験結果というのは10年前のデータしか出てきていないのではないですか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 特に脆化については劣化傾向は明らかに認められておりますので、それについては予測式に基づいた劣化のデータを使って、計算いたします。
渡邉委員
 予測式から評価するのですか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 そうです。当然、予測式というのは実機から取り出した試験片のデータを基に作られるものですから、そういう意味では実機特有のデータです。
渡邉委員
 それは、30年ごとの評価を終えた原発に関してはそれが公表されていますが、そうでない例えば、伊方2号なり3号なりのデータというのは公表されていませんよね。それはどういうふうに評価するのですか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 今あるデータで、例えば60年運転した時のデータを予測しまして、そのデータを用いてやるということです。
渡邉委員
 それが正しいと言う根拠はあるんですか。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 今、現在の最新の知見で判断するということになりますので、その予測式等がもし変わるようであれば、それを使って評価いたします。
渡邉委員
 だから、それが今、変わろうとしているわけですよね。
四国電力 高木耐震設計グループリーダー
 その評価時点で最新のものを使うというのが、高経年化評価の基本ですから、その評価式自体が変われば、それを使って再評価するということになります。
渡邉委員
 分かりました。
有吉委員
 先ほど地震規模マグニチュード6.8というお話がございました。その震源を特定しない地震、いわゆる直下地震について、四国電力に1点と、国に2点お聞きしたんですが、四国電力には、旧指針ですと一律にマグニチュードが6.5というのだったのですが、新しい指針では発電所毎に決めるということですが、先ほどのご説明で伊方の場合は6.8というお話でした。その根拠になっているところ、ちょっとはっきりわからないんですが、断層の深さですか、13kmという。それで、幅も13kmという、なぜそうなっているのかというのがよく分からないんで、その考え方を教えてほしいというのが、四国電力に対する質問です。
 それから国には、他の原発もM6.8にしているというふうに聞いているんですが、その辺りの国の見解はどうなのかということをお聞きしたいのと、もう1点は、先ほど中越沖地震の反映の件がございましたけれども、この直下型地震に対する影響がどうかということが知見として議論されているのかどうかということをお聞きしたい。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 直下地震、震源を特定せず策定する地震動の断層の幅、長さが13km、13kmで同じ長さを設定するのは何故かということですけれども、まず地震発生層の厚さが伊方発電所の場合は13kmですけども、断層の破壊面が小さい場合、その13kmよりも小さい場合というのは、その地震発生層の中で破壊が終わりますので、地表面に割れ出てこないわけですので、そういう地震というのは見つけられない可能性が高いだろうということですが、地震発生層の厚さまで達するようなものは見つけられるだろうといういことで、鉛直方向に13km割れるけれども、横方向が例えば1kmとか、そんなふうな割れ方ってちょっと不自然でございますので、正方形の幅と同じ長さ分、断層の長さも割れるだろうということで、鉛直方向と幅方向の長さが同じような断層面を仮定しております。そういうふうな仮定の仕方です。
有吉委員
 M6.8というのは、13km×13kmの断層の地震ですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 13×13ですと、M6.8になりません。それにいろいろ不確かさを考慮しまして、例えば伊方の場合は横ずれ断層が卓越する地域ですので、鉛直の90°の断層だと考えられますけども、不確かさの一環で高角の60°ぐらいまで傾けてみようと。そうした場合には地震発生層の深さ方向が13kmですので、斜めに傾けますと15kmになります。15×15の断層を設定すると、マグニチュードが6.5とか6.6ぐらいになります。そういうようなところからそれを上回るような規模の6.8を設定しております。
原子力安全・保安院 名倉安全審査官
 震源を特定せずでマグニチュード6.8を考慮しているという話で、多分M6.8という数字が出てきていると思うのですけれども、そもそも今回の地震改訂では従来の直下地震マグニチュード6.5という地震規模で決めていたものを改めて、震源を特定せず策定する地震動としての考え方を規定していて、地震動として決めましょうというふうに言っていることがまずあります。従いまして、私ども、最終的にスペクトルを決める上で考慮しているものがM6.8ということで、そういうふうなM6.8という数字を言われているかもしれないんですけれども、私どもとしては指針に規定されている考えに基づいて、と申しますのは、詳細かつ総合的な地質調査を基に、それをもってしても震源として特定できないような、地下の震源と地表の活断層等との関係が関連付けができないような地震が過去にあって、そういったものの観測記録がもしあればそういったものを集めて、地震動として設定しなさいという、こういった指針の考え方に適合するかどうかということで、今後、震源を特定せず策定する地震動については厳格に確認してまいりたいというふうに考えております。
 それから、中越沖地震に関わる保安院の検討の中で、震源を特定せず策定する地震動に関わる議論がなされているかというご質問だったと思うんですけれども、中越沖地震の際に、原子炉建屋の基礎版上の観測記録が設計応答値を上回ったことの要因分析とか、そういった検討を今、耐震構造設計小委員会で実施しておりまして、その中では震源に関連しているというふうに言われております海域のしゅう曲構造、そういったものを震源を特定して策定する地震動の震源の一つとして考えた場合に、どのように地震を想定して地震動を評価したらいいかという観点で検討をしております。従いまして、そういう意味では中越沖地震の様々な検討につきましては、基本的に特定するほうで地震動評価をしていきましょうという方向で検討がなされております。
濱本部会長
 よろしゅうございますか。
 森先生。
森委員
 少しお聞きしたいんですけれども、断層モデルで計算されている際に、一つのメッシュ、3km×3kmぐらいの大きさですね、これ。3×2.6ですか。3×2.6の断層が一つだけだとマグニチュードでどれぐらいの大きさになるんでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 すいません。すぐには計算できないのですが。要素地震で使っているのが、マグニチュード5クラスのものを使っているのですけども、それの断層面積が大体1.6km×1.6kmです。
森委員
 種地震にはどんな地震をお使いなんですか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 芸予地震の余震の記録を使っております。
森委員
 この分厚い資料に地震観測の結果などが載っているので、お聞きしますけれども、160mの深さまで行ってる、いわゆるアレイ観測をなさっていますけども、お聞きしたい第一点は、アレイ観測をしていて、いわゆる非常にいい岩盤だという説明を今まで聞いてきていますけれども、150mの中でどういう増幅特性を示すのでしょうか。専門的でなくてもいいのですけれども、お聞きしたい点は短周期が増幅しているのか、そうでないのかという点です。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 それほど大きな増幅特性でなかったことを記憶しております。
森委員
 つまり、増幅はしていると。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 全くないとは申し上げません。
森委員
 そうすると、いわゆる地震学、断層モデルなんかの地震学でやっているいい岩盤が地表までずっと続いているという仮定よりは、増幅するというふうに考えてよろしいでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 それが増幅というのか、周期ごとにどこかが持ち上がったり、下がったりしますので、地盤の増幅特性といいますか、それとのからみ合いだと思いますけども。
森委員
 この資料で、いわゆる伊方の発電所のほんのすぐそばで1991年の地震というのが観測されていて、マグニチュードが書いていませんけれども、○の大きさ、震央分布の○の大きさから見るとM5からM5.5ぐらいの大きさに相当するので、そうすると、これを種地震として使うというのが、いわゆる現地で観測された地震動特性を反映するというのに最も適したような方法ではないかなと思ったんですけども、その点についていかがでしょうか。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 確かに目の前で起きてはおりますけども、それも深い地震でございますので、やはり芸予地震なんかと同じフィリピン海プレートの中の地震でございます。
 それで、なぜそれを使わなかったか、あえて遠い芸予地震の余震記録を使ったかと申しますと、長周期側の信頼性の限界がございまして、従来、基準地震動S2というのは長周期側2秒までしか定めておりませんでしたけれども、今回、指針改訂で5秒まで設定するようになりました。それで断層モデル解析でも5秒まで精度よく再現できることが必要になりますので、要素地震にも5秒までノイズが乗らずにSN比のいい地震記録を使わなければなりません。そうした観点で見た場合、91年の地震では2秒以上にちょっとノイズがございましたので、芸予地震のものを使いました。
森委員
 今の観点でのお答えは、いわゆる相手を考えない一般的な地震動の復元だとか想定という観点ですけども、実際には、先ほど来の構造物の評価というお話では、長周期のものは一切関係ないよというのはもうよく分かっているわけで、0.3秒以下の短周期地震動が問題になっているわけですから、スラブ内であろうが2秒辺りに信頼度がなかったとしても、逆に短周期のほうの信頼度という意味では、芸予みたいな遠いところよりも、目の前の地震のほうがはるかに信頼度というか、いわゆるサイトの特徴を最も現したものに恐らくは近いんだろうという想定ができるように思うのですが、その点いかがでしょう。
四国電力 松崎地盤耐震グループ副リーダー
 確かに平面的に見ると芸予は遠く見えますけども、91年の地震も結局、フィリピン海プレート内部ですので、震源深さになるとちょっと憶えてませんけども、50kmとかです。芸予の余震も遠いですけど、震源距離で見ると、そんなに変わらなかった、70kmぐらいじゃなかったかと思います。通ってくるところが柔らかいところを通ってくるわけではないので、硬いスラブ内を通ってきて下からも入ってきますので、短周期の地震動のシャープさといいますか、それは大差ないという認識です。
濱本部会長
 よろしいですか。
森委員
 いただいてるスペクトルから見ると、目の前のM5コンマいくつかのほうが、短周期が多かったので、今のような指摘をさせていただきました。
濱本部会長
よろしゅうございますか。
渡邊委員
 簡単な質問ですが、この報告書を見ると、非常にたくさんの方が関係してやっていると思うんですけども、こういう方の公平中立性ということをお聞きしたいんですけども、例えば四国電力の社員の方もおりましょうし、専門家もおりましょうし、その関連するメーカー、製作したメーカーの方も携わっていると思うのですけども、そういう方がどういうふうに携わって、公平中立性というのを保った報告書にしているのですか。
 先ほど聞いていると、この式は何とかの式というのがいろいろと出てきます。そういう、用いられている式が例えば学会なんかできちんとした標準化された式であるとか、そういうことが非常に分かりにくいです。本当に公平な目で見て正しいかという基準というのは誰がやっているのでしょうか。
四国電力 石ア原子力本部長
 こういう評価の仕方について、技術基準であるとか、それから民間基準ですとJEAGの4601、要するに耐震設計に関する民間基準です。それから学会の報告書、そういうのを寄せ集めて、そのベースでやっています。それ以外の純個人的な意見というのは原則入ってないと思っています。そういうことで公平性を保っています。
渡邊委員
 誰がやっても公平性を保てるように標準化した方法がないのでしょうか。
四国電力 谷川原子力部長
 それは、公平、オープンになっている文献とか専門書とか、それから論文、それらからピックアップして、それを本当に公平かどうかというのを審査していただくということになるわけです。我々はそれでちゃんとした公平性のあるものだというふうな認識の下にやっているわけですけども。
 あとメーカー、そのメーカーたくさんあるわけじゃないですから、多分、我々だけじゃなく他の会社もやっているでしょうから、そこらは今までの設計でのやり方、それからその方法で工事計画認可をやっている、安全審査をしている、それとクロスチェックも受ける、そういうことで公平性が保たれるよう今までもなっているし、これからもなるだろうしというふうに考えています。
濱本部会長
 よろしいでしょうか。大体、議論は、今のところ出尽くしたように思います。
 長時間にわたるご審議ありがとうございました。
 今後、国の審査結果を踏まえて、再度この技術専門部会を開いて、その際、ご足労ですが国のほうからもご出席いただいて、審査結果を説明していただき、この報告について改めて検討して、審議していきたいと思っております。そういうことですので、委員の先生方も今後とも資料を検討していただいて、もし問題点のようなものが指摘されるようであれば、事務局の方へどうぞご連絡いただけたらと思います。
 それから、国におかれましては、中間報告の審査に際して今日の議論を、四国電力は最終報告に向けて本日の審議の内容を参考にして取り組んでいただけたらと思います。
 他にございますでしょうか。
長時間にわたって、ご出席の皆さん、大変ご苦労様でした。ありがとうございました。
 
  (閉会)
 

 
伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会次第
 
日 時  平成20年5月2日(金)14:00〜
場 所  愛媛県議会議事堂4階    
農林水産・建設委員会室  
 
1 開 会

2 議 題
   伊方発電所の耐震安全性評価にかかわる中間報告について

3 閉 会


伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会
資 料 目 次