[異常時通報連絡の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の
報告等について(平成13年10月分)
 
13.12.10
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成13年10月に発生した設備異常について、原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 








 
脱塩水タンク配管からの水の漏えい
(1,2号機共用)





 
13.10. 1







 
当該配管据付後パッキン取替を実施していなかったことから、経年劣化に伴う割れが発生し、内外周を貫通したため、漏水した。


 
○当該パッキンを新品に取替え、復旧済。
○作業上取り外した他のパッキン2枚も、漏えいに至る割れはなかったが、新品に取替済。
○当該配管は、運転への直接影響がなく、隔離や補修作業が容易であることから、今後とも定期的な目視点検を実施し、必要に応じて補修する。








 
格納容器排気筒高レンジガスモニタの故障
(1号機)




 
13.10.18







 
検出器に電源を供給している基板上のコンデンサ1個に、電歪現象※によるひび割れが発生したため、導通状態となり、コンデンサ機能が損なわれたことから、高圧電源電圧が低下し、モニタの指示が低下した。 ○当該基板を予備品と取替え、復旧済。
○使用した予備品を補充。





 
※電歪現象:セラミックコンデンサの内部に使用されている磁器が、電圧を加えた方向に伸び、垂直な方向に縮む現象のこと。磁器は、小さい結晶の集まりであるため、このような性質がある。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、当該部の復旧状況の確認など、四国電力の対策が確実に実施されていることを確認しています。

                          原運発 第2895号
                          平成13年12月6日
 
 
   愛 媛 県 知 事
    加 戸 守 行 殿
 
 
 
                             四国電力株式会社
                            取締役社長 大 西  淳
 
 
       伊方発電所第1,2号機脱塩水タンク出口配管からの漏水
         他1件にかかる報告書の提出について
 
 
    平成13年10月1日に発生しました伊方発電所第1,2号機脱塩水タンク出口
   配管からの漏水他1件につきまして、その後の調査結果がまとまりました
   ので、安全協定第11条第2項に基づき別添のとおり報告いたします。
    今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご
   指導賜りますようお願い申しあげます。
 
                                 以 上

 
 
 
 
 
 
 
 
伊方発電所第1号機
 
格納容器排気筒高レンジガスモニタの不具合について
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成13年12月
 
四国電力株式会社
 
 

1.件 名
   伊方発電所第1号機 格納容器排気筒高レンジガスモニタの不具合について
 
2.事象発生の日時
   平成13年10月18日 2時58分(警報発信)
 
3.事象発生の装置
   放射線監視装置
 
4.事象発生前の運転状況
   定格出力(566MW)運転中
 
5.事象の概要
伊方発電所第1号機は、定格出力(566MW)にて運転中のところ、平成13年10月18日2時58分、中央制御室に「プロセスモニタ故障」警報が発信した。
放射線監視盤で確認したところ、格納容器排気筒高レンジガスモニタの「チャンネル故障」表示灯が点灯し、指示値が通常約70cpmに対し約33cpmに低下していた。なお、他の格納容器排気筒関係モニタに異常はなく、放射線監視は正常に行われており、測定値にも異常はなかった。
放射線監視盤にて、当該モニタの調査を行ったところ、検出器(GM管)に電源を供給している検出器入出力カード(以下、カードという)上の高圧電源の電圧(直流)が約420V(設定値:900V)まで低下していたため、カードを予備品に取り替え、6時41分、正常状態に復帰した。
   なお、本事象による環境への放射能の影響はなかった。
(添付資料−1)
 
 
6.事象の時系列
   平成13年10月18日
     2時58分 1号機中央制御室に「プロセスモニタ故障」警報発信
           放射線監視盤にて格納容器排気筒高レンジガスモニタの「チャン
           ネル故障」表示灯の点灯および高圧電源電圧が約490Vに低下
           し、さらに低下傾向にあることを確認。
     4時28分 当該モニタ調査開始
     4時28分 カードの高圧電源電圧確認 420V
     4時32分 ディスクリミネータ電圧確認 1.03V(設定値:1.00V)
     5時03分 カード取替え開始
     6時06分 カード取替えおよび調整終了
 6時41分 当該モニタを正常状態に復旧
 
 
 
 
 
7.調査結果
(1)現地調査結果
  a.カード点検
(a)高圧電源電圧を測定した結果、420Vで許容範囲(設定値:900V、許容誤差:±20V)を逸脱していることを確認した。
  (b)ディスクリミネータ電圧確認   
ディスクリミネータ電圧を測定した結果、1.03V(設定値:1.00V、
許容誤差:±0.05V)で正常であることを確認した。
    
b.カード取替えによる調査
  (a)カードを予備品に取り替えた結果、「チャンネル故障」が消灯した。
  (b)高圧電源電圧を900Vに調整し、変化のないことを確認した。
  (c)ディスクリミネータ電圧を1.00Vに調整した。
(d)カードにテスト信号発生回路から模擬信号を入力した結果、ディスプレイユニット及びプラント計算機での指示値が許容範囲を満足しており、カードの入出力信号伝送回路が正常であることを確認した。
・ディスプレイユニット指示値 9.97×10cpm
・プラント計算機指示値    1.00×10cpm
・基準値           1.00×10cpm  
   (許容範囲:5.75×10〜1.74×10cpm )
(e)チェック線源を使用して検出器の作動確認を実施した結果、ディスプレイユニットでの指示値が基準値を満足しており、検出器が正常であることを確認した。
   ・指示値 5.62×10cpm
   ・基準値 3.17×10cpm以上          
 
以上より、検出器へ供給している高圧電源電圧が低下し、検出器が正常に作動しなくなったため、モニタの指示が低下したことが判明した。
                                (添付資料−2)
 
(2)工場調査結果
a.不適合部品の特定
(a)カードの高圧電源電圧を測定した結果、410V(設定値:900V)となり、不具合事象が再現した。
 
(b)高圧電源回路を調査した結果、コンデンサ(C51)の電極間抵抗値が、約
500kΩ(通常値:無限大)に低下して導通状態となっていることが判明した。また、他の部品については、異常が認められなかった。
なお、当該コンデンサを新品に取り替えた後に高圧電源電圧を測定した結果、設定通り900Vであることを確認した。
 
b.回路設計上の確認
当該コンデンサの導通状態を想定した場合、高圧電源電圧は設定の1/2に低下することが回路設計上確認された。           
(添付資料−3)
c.当該コンデンサ(積層型セラミックコンデンサ)調査
(a)外観検査
リード線部およびパッケージ部の変色、腐食、異物付着について目視検査を実施した結果、異常は認められなかった。
(b)絶縁抵抗測定
絶縁抵抗を測定した結果、約400kΩ(規格値:100GΩ以上)であり、絶縁抵抗が低下していることが確認された。
(c)静電容量測定 
   静電容量を測定した結果、37.2nF(許容範囲:39nF±10%)であり、異常は認められなかった。
(d)内部検査 
当該コンデンサの外装樹脂を取り除いた状態で、顕微鏡で観察した結果、コンデンサのセラミック誘電体中で電極箔方向にひび割れが発生していることが確認された。この状況は、セラミックコンデンサに見られる電歪現象により、極く稀に発生するひび割れ事象とよく一致していた。
(電歪現象:コンデンサの誘電体に使用されているチタン酸バリウム磁器は、多結晶体であり、微結晶の集まりで構成されているため、電界を印可した方向にわずかに伸びるとともに、電界に垂直な方向には縮む性質がある。) 
(添付資料−4、5)
 
(3)保守状況の調査
カードは、第17回定期点検時(平成10年3月)に放射線監視盤取替えで新設して以来、毎定期点検で詳細点検を実施し、異常が無いことを確認している。また、運転中には、定期的に高圧電源電圧値や警報設定値等の点検を実施しており、至近の点検(平成13年9月25日実施)でも、異常は認められなかった。
カード上の有寿命部品であるヒューズについては、計画的な取替えとしているが、他は有寿命部品では無いため、点検で不具合等が確認されれば、カード単位で予備品と取り替えることとしている。
 
8.推定原因
カードの高圧電源回路の当該コンデンサに電歪現象によるひび割れが偶発的に発生し、当該コンデンサが導通状態となった結果、検出器に供給している高圧電源電圧が低下し、検出器が正常に作動しなくなりモニタの指示が低下したものと推定される。
 
9.対 策
  カードを予備品と取り替え、健全性を確認のうえ復旧した。
   また、使用した予備品については補充を実施した。
 
以 上