[異常時通報連絡の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成13年12月分)
 
14.2.12
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成13年12月に発生した設備の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
  なお、12月26日に発生した復水流量計測用配管元弁からの漏えいについては、現在、原因調査中ですので、原因と対策の報告があった段階で公表します。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 
A※








 
炉内温度測定用熱電対引出管からの漏えい
(2号機)




 
13.12.11








 
熱電対引出管の接続部を組み立てる際に、ナット等の接触部の潤滑剤が不足していたため、クランプの締付け力が不足し、シール機能が不足したことから、漏えいが発生した。

 
○クランプの締付に当たって、従来のトルク値の管理に加えて、隙間寸法の管理を行うこと、及び潤滑剤を適切に塗布することを作業要領書に追記。
○接続部品等を新品に取替え、追記された作業要領書に基づき復旧済。
○今回の事例を示したワンポイントレッスンを作成し、定期検査等の作業者全員に再教育する。



 
復水流量計測用配管元弁からの漏えい
(1号機)
13.12.26


 
現在実施中の定期検査において調査中であり、四国電力鰍ゥら報告があり次第、公表する。
    同    左

 
※国における法律又は通達に基づく報告対象事象の該当の有無の確認に時間を要したため、A区分として公表したが、その後、国への報告対象事象に該当しないことを確認している。
 
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、再発防止対策が適切に実施されていることを確認しています。
 
 

原運発 第2917号
平成14年2月7日
  
愛 媛 県 知 事
加 戸 守 行 殿
  
 
四 国 電 力 株 式 会 社
取締役社長 大 西  淳
 
 
伊方発電所第2号機炉内温度測定用熱電対引出管接続部からの漏えい
にかかる報告書の提出について
  
平成13年12月11日に発生しました伊方発電所第2号機炉内温度測定用熱電対引出管接続部からの漏えいにつきまして、その後の調査結果がまとまりましたので、安全協定第11条第2項に基づき別添のとおり報告いたします。
 
今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご指導賜りますようお願い申しあげます。
 
なお、平成13年12月26日に発生しました伊方発電所第1号機復水流量計測用配管元弁溶接部近傍からの漏えいにつきましては、1号機第20回定期検査において原因調査等を行うこととしており、結果がまとまりましたら報告いたします。
 
以 上

 
 
  
 
伊方発電所第2号機
 
炉内温度測定用熱電対引出管接続部
からの漏えいについて
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
平成14年2月
 
四国電力株式会社
 
 
 
 
添付資料 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

1.件 名
伊方発電所第2号機 炉内温度測定用熱電対引出管接続部からの漏えいについて
 
2.事象発生の日時
平成13年12月11日 13時10分頃(発見)
 
3.事象発生の設備
計測制御系統設備 炉内温度計測装置 炉内温度測定用熱電対引出管接続部
 
4.事象発生前の運転状況
第15回定期検査中
 
5.事象の概要
伊方発電所第2号機は、第15回定期検査において一次冷却系統の耐圧・漏えい検査を実施していたところ、平成13年12月11日13時10分頃、今回定期検査で取り替えた原子炉容器上蓋に設置している炉内温度測定用熱電対引出管3本全数のクランプ接続部(以下、接続部という。)から、一次冷却材が漏えい(1〜1.5滴/秒程度)しているのを保修員が発見した。
このため、一次冷却系統の耐圧・漏えい検査を中止し、同日13時18分より一次冷却系統圧力を検査圧力17.16MPa(約175kg/cm)から降圧開始したところ、14時頃に、一次冷却系統圧力約12.7MPa(約130kg/cm)で3本全数の漏えいは停止した。漏えい量は最大で600cc程度と見積もられ、その場合の放射能量は約2×10Bqと推定された。
なお、一次冷却系統の他の部位については、漏えいがなく、異常は認められなかった。
 
翌12日から、原因調査のため接続部の分解点検を行い、各部の外観目視点検および寸法測定等を実施した結果、クランプの締付けナット等に潤滑剤の塗布不足と肌荒れが認められるとともに、クランプ締付け部の隙間寸法が作業管理上の参考値より大きいことが確認された。
このため、接続部のボルト・ナット等を新品に取り替え、潤滑剤を適切に塗布して復旧し、13日に再度実施した一次冷却系統の耐圧・漏えい検査時に検査圧力17.16MPaの状態で漏えいがなく、異常のないことを確認した。
なお、本事象による周辺環境への放射能の影響はなかった。
6.事象の時系列
12月11日 8時33分   一次冷却系統の耐圧・漏えい検査のため、2.70
               MPa(約28kg/cm)から昇圧開始
      12時30分   一次冷却系統圧力17.16MPa整定
      13時10分頃  漏えいを発見
      13時18分   接続部の点検のため、一次冷却系統の降圧開始
      14時00分頃  一次冷却系統圧力約12.7MPaで
               漏えい停止を確認
12月12日10時35分   一次冷却系統圧力0MPa整定
      13時20分   接続部の分解点検開始
12月13日 3時30分   接続部の復旧完了
       7時59分   一次冷却系統圧力2.75MPa整定
      15時30分   一次冷却系統の耐圧・漏えい検査のため、2.75
               MPaから昇圧開始
      19時08分   一次冷却系統圧力17.16MPa整定
      19時30分   接続部に異常のないことを確認
 
7.調査結果
接続部から漏えいした原因について、以下の調査を実施した。
 
(1)Oリングの調査
 
a.外観
  外観目視点検を行った結果、傷、変形、腐食等の異常は認められなかった。
 
b.材料・寸法
  製作時の検査成績書を確認した結果、設計どおりの材料・寸法で製作されており異常は認められなかった。                                   (添付資料−3)
 
(2)フランジ部の調査
 
a.外観
  おすフランジ、めすフランジの合わせ面、シート面および外面(クランプとの接触部)について外観目視点検を行った結果、傷、変形、異物の噛み込み等の異常は認められなかった。
 
b.嵌合い部寸法
  おすフランジ、めすフランジの嵌合い部の寸法を測定した結果、設計値どおりであり、異常は認められなかった。                                 (添付資料−4)
(3)クランプ部の調査
 
a.外観
  クランプ部を分解し、部品の外観目視点検を行った結果、3個のクランプとも、締付けナット、座金、ピンの接触部に肌荒れが認められるとともに、接触部の滑りをよくする潤滑剤が十分に塗布されていなかったことが確認された。
  クランプ内面(フランジとの接触部)には、傷、変形、異物の噛み込み等の異常は認められなかった。
  また、ボルトねじ部の焼付きは認められなかった。               (添付資料−5)
 
b.使用材料
  使用材料の材質を調査した結果、クランプ部に使用されている部品の材料は、第1種機器に適用可能なものであることを確認した。また、材料は当該クランプの開発時に行った検証試験により十分な強度を有していることが確認されている。
 
c.組立て状況
・組立て手順書等を調査した結果、規定された取付け手順および要領どおりに施工されていたことを確認した。
・クランプ締付け検査記録を確認した結果、締付けボルト・ナットは適切に校正されたトルクレンチにより規定のトルク値で締め付けられていた。また、クランプ締付け部の隙間寸法は18.0〜19.6mmであった。                              (添付資料−6)
・組立て手順書に潤滑剤塗布の記載はされていたが、塗布量に関する記載がなかったことから、潤滑剤が適切に塗布されなかった可能性があることが判明した。
・クランプの締付けはトルク値による管理としており、隙間寸法については、作業管理上の参考値(8〜10mm)が示されていたが、管理値は設定されていなかった。
 
以上より、潤滑剤が適切に塗布されていない場合には、規定のトルク値で締め付けても必要な締付け力が得られない可能性があることが判明した。
 
 
(4)運転状態の調査
一次冷却系統の耐圧・漏えい検査の状況を調査した結果、圧力・温度は計画どおりであることを確認した。
 
(5)設計上の調査
 
a.シール性能
  当該クランプの開発時に行った検証試験により、十分なシール性能を有していることが確認されている。
 
b.構造
  接続部の構造は、先行プラントで使用実績のある標準設計のものであることを確認した。
8.推定原因
接続部を組み立てる際に、クランプ締付けナット等の接触部に潤滑剤が十分塗布されていなかったことから接触部の潤滑性が悪くなり、締付けボルト・ナットを規定のトルク値で締め付けたにもかかわらず、クランプに規定の締付け力がかかる前にトルクレンチの締付けトルクが規定値に達し、クランプの締付け力が不足した。このため、シール機能が不足し、一次冷却系統の圧力上昇により漏えいが発生したものと推定される。
 
9.対 策
 
(1)当該クランプを締め付ける場合は、十分なシール性が得られるように、
・潤滑剤を均一に十分塗布すること
・従来の締付けトルク値による管理に加え、クランプ締付け部の隙間寸法の管理を行うこと
とし、その旨を作業要領書に反映した。
 
(2)接続部のボルト・ナット、座金およびOリングを新品に取り替え、改定された作業要領書に従って、潤滑剤を適切に塗布した後、接続部を復旧した。
 
(3)トラブル事例の周知用として作成しているワンポイントレッスン集に今回の事例を追加し、定期検査等の工事着工前に実施する作業者全員への教育時に、これを用いて周知徹底を図っていく。
 
以 上