[異常時通報連絡の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の
報告について(平成13年4月分)
 
13.6.11
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成13年4月に発生した2件の設備の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生
年月日
 
推定原因等

 
対     策

 







 
伊方3号機格納容器内燃料取替クレーン水中テレビリール制御盤からの発煙


 
13. 4. 5






 
 ブレーキコイルへの供給電圧を高めに設定していたため、絶縁劣化が早まったことにより短絡し、変圧器に過電流が流れ、過熱、発煙した。
 燃料取替は、仮設テレビを準備して実施した。
・ブレーキコイル回路機器を 新品に取替済。
・変圧器を調整して、ブレー キコイルへの供給電圧を低 減済。
・燃料取替前後のブレーキコ イル抵抗測定の実施を作業 要領書に明記。











 
四国電力モニタリングステーションのベータ線モニタの故障。







 
13. 4.22










 
 ベータ線検出器からの電気信号を調整する幅選別送信器の可変抵抗器が、製造時の原因と推定される腐食の進行により断線し、測定値が低下したため、ベータ線の測定ができなくなった。
 モニタリングステーションの他の測定器に異常はなかった。修理期間中、仮設のベータ線モニタで測定を実施した。
・可変抵抗器を新品に取替
 済。
・予備の幅選別送信器を保有 する。








 
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、再発防止対策が適切に実施されていることを確認しています。

                          原運発 第2799号
                          平成13年6月8日
 
 
   愛 媛 県 知 事
    加 戸 守 行 殿
 
 
                         四国電力株式会社
                        取締役社長 大 西  淳
 
 
     伊方発電所第3号機燃料取替クレーン水中テレビリール制御盤の
     不具合他1件にかかる報告書の提出について
 
 
    平成13年4月5日に発生しました伊方発電所第3号機燃料取替クレーン
   水中テレビリール制御盤の不具合他1件につきまして、その後の調査結果
   がまとまりましたので、安全協定第11条第2項に基づき別添のとおり報
   告いたします。
 
    今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご
   指導賜りますようお願い申しあげます。
 
                                 以 上

 
 
 
 
 
 
 
 
             伊方発電所第3号機
 
 
燃料取替クレーン水中テレビリール制御盤の
不具合について
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成13年 6月
 
 
四国電力株式会社

1.件名
   伊方発電所第3号機 燃料取替クレーン水中テレビリール制御盤
   の不具合について
 
2.事象発生の日時
   平成13年4月5日(木) 4時57分頃
 
3.事象発生の設備
   燃料取替クレーン水中テレビリール制御盤
 
4.事象発生時の運転状況
   第5回定期検査中(平成13年4月2日より)
 
5.事象発生の状況
   伊方発電所第3号機(定格電気出力890MW)は、第5回定期検査中のところ、
  4月5日4時57分頃、燃料取替クレーン点検作業員が「燃料取替クレーン水中テ
  レビリール制御盤」(以下「制御盤」という。)より発煙していることを発見した。
  直ちに制御盤の扉を開けて状況を確認したところ、新たな発煙は発生しておらず、
  発煙が停止していることを確認した。
   その後の調査の結果、原子炉格納容器内の燃料取替クレーンに設置している水中
  テレビ用ケーブル巻き取りリールのブレーキコイルの電気抵抗値が低下しているこ
  と、この回路に電源を供給している変圧器(制御盤内に設置)の表面にこげた跡が
  あることを確認した。また、盤内にある主回路電源スイッチが自動しゃ断している
  ことを確認した。                 (添付資料−1,2,3)
 
   なお、当該水中テレビは、燃料取替時にクレーンによる燃料の保持状況を必要に
  応じて確認するための設備であるが、仮設の水中テレビにより確認が可能であるこ
  とから、燃料取替作業は、仮設の水中テレビを準備して実施し、問題なく終了した。
  (1,2号機については、従来から仮設の水中テレビで対応している。)
                                       
   また、本事象による外部への放射能の影響はなかった。           
 
6.時系列                                
  4月3日                                 
    10時頃     燃料取替クレーンの事前点検を開始
  4月4日                                
    16時頃     制御盤および水中テレビケーブル巻き取りリール装置の点検
             のため主回路電源スイッチを投入    
    21時30分頃  制御盤および同装置の外観点検、電源電圧の測定を実施
  4月5日                                
     1時30分頃  ブレーキの動作確認を実施
     4時57分頃  制御盤より発煙していることを作業員が発見  
             作業員が制御盤の扉を開けて確認したところ、新たな発煙は
             発生しておらず発煙が停止していることを確認
             制御盤内の主回路電源スイッチが自動しゃ断していることを
             確認
 
7.調査結果                                 
 
 (1)現地における調査結果                          
 
  a.制御盤内の点検結果                           
    制御盤内を目視にて点検した結果、変圧器の表面に焦げた跡のあることを確認
   した。なお、その他の盤内機器の取付状態、端子台の状況を目視および触診にて
   点検し、異常のないことを確認した。            (添付資料−3)
  b.絶縁抵抗測定結果                        
    水中テレビ用ケーブル巻き取りリールモータ(以下「モータ」という)、変圧
   器、ブレーキコイル、整流器、その他の回路の絶縁抵抗値に異常のないことを確
   認した。
  c.巻線抵抗測定結果                     
    ・モータの巻線抵抗値に異常のないことを確認した。
    ・変圧器の巻線抵抗値が低下していることを確認した。
    ・ブレーキコイルの巻線抵抗値は、ほぼ短絡状態であることを確認した。
 
  d.整流器の特性試験結果
    整流器の入力に定格電圧を加えたが、出力の発生が認められず不良であること
   を確認した。
 
  e.モータの通電試験結果
    モータを通電作動させ、電源電圧、電流を測定した結果、異常のないことを確
   認した。
 
 (2)工場調査結果
 
  a.モータ分解点検結果  
    モータを分解し内部を点検した結果、異常のないことを確認した。
 
  b.ブレーキ部分解点検結果                 (添付資料−4)
    ブレーキ部を分解点検した結果、以下を確認した。
    ・固定子のコイル部を覆っている樹脂が全周にわたってほぼ一様に膨れていた。
    ・固定子に吸引され接触する可動鉄心(アマチュア)側の表面にコイル部を覆
     っている樹脂の一部が付着していた。
    ・コイル部を覆っている一部の樹脂を剥離させ、コイルの素線(エナメル線)
     を確認した結果、エナメル被覆がなくなっており、広範囲にわたってコイル
     素線の接触が認められた。                
 
  c.変圧器点検結果
    変圧器のコイル部の表面には、全体的に焦げて炭化しているが、炭化は内部ま
   で及んでいないことを確認した。     
 
 
 
  d.整流器点検結果
    整流器主回路の半導体素子が故障していることを確認した。
 
  現地および工場調査の結果、当該回路のブレーキコイルの短絡と整流器の半導体素
 子の故障が確認されたことから、ブレーキコイルの短絡による過電流により、整流器
 の半導体素子が故障したため、過電流により変圧器の表面が焦げたものと推定される。
  このため、ブレーキコイル部短絡の原因について調査した。
 
 (3)ブレーキコイル部短絡原因の調査         
 
  a.設計調査
    当該ブレーキは、通電状態でブレーキを開放させ、非通電状態でブレーキを動
   作させる設計であり、電源投入後は、常時ブレーキコイルへ通電される状態にな
   る。
    ブレーキコイルの回路は、制御盤に供給される電圧(440V±10%)を変
   圧器により電圧を下げた後、整流器により直流に整流した電圧をコイルに印加す
   る設計としている。
    ブレーキコイルは、半ブレーキ状態とさせないため、制御盤に供給される電圧
   の設計下限値である約400Vにおいても、確実なブレーキの開放動作に必要な
   コイル印加電圧(直流電圧90V以上)を確保する設計としている。
                               (添付資料−2)
 
  b.制御盤に供給される電圧の調査
    制御盤に供給される電圧は当該制御盤のみならず、所内電源としてモータなど
   の機器へも電源を供給しており、440V±10%の設計としている。
    また、機器の運転による電圧低下を考慮しても、定格電圧(440V)を確保
   できるよう、約460Vを中心とした高めの電圧運用としており、過去の運転記
   録からも設計電圧範囲内に収まっている。この場合、ブレーキコイルには直流電
   圧で約103Vが印加される。
 
  c.ブレーキコイルの過去の点検結果
    事象発生後、過去の定検におけるブレーキコイル抵抗測定記録を確認した結果、
   初回定検から第4回定検までは工場製作時の規格値を満足していたが、今回定検
   の事象発生前の測定では、規格値をやや下回っていた。
    作業要領書においては、短絡や断線がないことを確認するために抵抗測定を実
   施しており、工場製作時の規格値を満足しているかどうかの確認は実施していな
   かった。
 
  d.工場調査からの推定
    コイルを覆っている樹脂が全体的に一様に膨れていることから、コイル全体が
   長期間に渡って過熱され、それにより、エナメル線のエナメル被覆の劣化が進み、
   コイル素線の接触となり短絡したものと推定される。
  
  以上のことから、制御盤への供給電圧は設計電圧範囲内にあるものの、高めの電圧
 運用としていることから、常時、印加しているブレーキコイル電圧が高めで、電流が
 多く流れる状態となり、コイルの温度が高くなっていたため、コイル絶縁の劣化が早
 まり短絡したものと推定される。
8.推定原因
  
  ブレーキコイルは、燃料取替クレーン使用中は、常時待機状態で通電されて温度が
 高い状態であったため、コイル絶縁の劣化が早まり短絡した。このため、整流器の半
 導体が故障したことから、変圧器が過電流となり過熱したため、発煙したものと推定
 される。
 
9.対策
                    
 (1)設備対策
  a.ブレーキ回路機器の取替                  
     以下の機器を新品と取替えた。                
     ・電磁ブレーキ部(ブレーキコイル等)一式          
     ・変圧器                          
     ・整流器                    
 
  b.ブレーキコイル回路の改善
    制御盤へ供給される電圧の運用を考慮し、変圧器の電圧設定変更(タップ変 
   更)により、確実なブレーキ開放動作に必要な印加電圧を確保する範囲内で、ブ
   レーキコイルの印加電圧を約103Vから約94Vに低減させた。また、念のた
   め、ブレーキ回路に変圧器保護用のヒューズを設置した。          
                                (添付資料−5)
 
    上記対策を実施した後、水中テレビケーブルの巻取り、巻戻しの動作試験を行
   い、正常に動作することを確認した。
 
 (2)作業要領書の改訂
    コイルの絶縁劣化状況は、コイルの抵抗値変化により判断可能であることから
   燃料取替前後にブレーキコイルの抵抗測定を実施し、工場製作時の規格値を判定
   基準として管理するよう作業要領書を改訂した。
 
 
 
 
                                 以  上