[異常時通報連絡の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の
報告について(平成13年7月分他)
 
13.9.10
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成13年7月に発生した設備異常及び6月に発生した電解揚水ポンプの自動停止について、原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 









 
電解揚水ポンプの自動停止
(1、2号機)







 
13. 6.28








 
次亜塩素酸ナトリウムによりカーボン軸受に微細なクラックが発生し、ポンプの軸と軸受の間隙が狭くなったことにより、抵抗が増大してポンプが自動停止した。
この軸受は、平成12年11月に外部注入・ゴム軸受から、カーボン軸受へ変更されたものであった。
次亜塩素酸ナトリウムによる影響の恐れのないテフロン製軸受に取替え、復旧済。
取替予定の電解揚水ポンプB号機についても、テフ ロン製を採用する。
・材質変更に伴う注意事項について、ワンポイントレッスンを作成し、周知済。

 









 
発電機窒素ガス封入装置からの窒素ガス漏えい
(3号機)






 
13. 7. 2








 
窒素ガス供給装置の窒素ボンベ90本のうち1本の安全弁銅板が、湿分により腐食、強度が低下し、安全弁の設定圧力以下で破損した。



 
・破損ボンベを含む90本のボンベを新規充てんボンベに取替え、復旧済。
・充てん後長期間使用、保管する窒素ボンベについては、次回定期検査時に湿分の影響を受けにくい可溶合金併用式安全弁に取り替える。また、
確実に取替るよう作業要領書を改定済。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、四国電力の対策が確実に実施されていることを確認しています。

                          原運発 第2833号
                            平成13年9月6日
 
 
   愛 媛 県 知 事
    加 戸 守 行 殿
 
 
 
                         四国電力株式会社
                        取締役社長 大 西  淳
 
 
  伊方発電所第1,2号機海水電解装置電解揚水ポンプA号機の自動停止
     他1件にかかる報告書の提出について
 
 
    平成13年6月28日に発生しました伊方発電所第1,2号機海水電解装置電
   解揚水ポンプA号機の自動停止及び平成13年7月2日に発生しました伊方
   発電所第3号機発電機窒素封入装置の不具合につきまして、その後の調査
   結果がまとまりましたので、安全協定第11条第2項に基づき別添のとおり
   報告いたします。
     今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご
   指導賜りますようお願い申しあげます。
 
                                 以 上

 
 
 
 
 
 
 
 
 
伊方発電所第1,2号機
 
 
海水電解装置 電解揚水ポンプA号機の
 
自動停止について
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成13年9月
 
四国電力株式会社

1.件 名
   伊方発電所第1、2号機 海水電解装置 電解揚水ポンプA号機の自動停止につい  て
 
2.事象発生の日時
   平成13年6月28日 14時45分頃
 
3.事象発生の設備
   海水電解装置 電解揚水ポンプA号機
 
4.事象発生前の運転状況
   定格出力(566MW)運転中
 
5.事象発生の状況
   伊方発電所第1、2号機は、定格出力(566MW)にて運転中のところ、平成   13年6月28日14時45分頃、配管取替工事のため停止していた海水電解装置の  電解揚水ポンプA号機を起動したところ、当該ポンプが自動停止した。
   このため、保修員がポンプの軸を手動で回転(ハンドターニング)させたところ滑  らかに回転せず、ポンプ内部に何らかの異常があると考えられたため、ポンプの分解  点検を実施した。
   なお、当該ポンプには予備機が設置されているため、海水電解装置の運転には影響  がなかった。
   また、当該設備には放射能は含まれていないため、本事象による周辺環境への放射  能の影響はなかった。
(添付資料−1、2)
 
6.事象発生の時系列
  6月28日
   14時45分頃:電解揚水ポンプA号機起動、自動停止
   16時00分 :軸継手切り離し開始
   16時05分 :ハンドターニング実施
  6月29日
    9時30分 :モータ解線、吊り出し開始
   11時00分 :ポンプ軸封部、上部軸受部点検開始
  7月2日
   10時40分 :ポンプ吊り出し開始
   11時00分 :ポンプ分解点検開始
 
7.調査結果
   電解揚水ポンプA号機自動停止の原因について、以下の調査を実施した。
 
 (1)ハンドターニング
     モータとポンプの軸継手を切り離し、ハンドターニングを実施したところ、     モータ側は異常なかったが、ポンプ側は滑らかに回転しなかった。
 
 (2)ポンプ軸封部点検
     グランドパッキンは仕様通りのものが装着されており、外観目視点検の結果、    異常は認められなかった。
 
 (3)上部軸受(転がり軸受)点検
     外観目視点検の結果、異常は認められなかった。
     また、潤滑油(グリス)の変色および水分混入についても異常は認められな     かった。
 
 (4)中間軸受(カーボン軸受:7個)点検
     分解時、主軸から滑らかに抜けず、内径を計測したところ49.95〜50.    20mmであり、7個とも設計値(50.15〜50.18mm)に対し減少し    ていた。                        (添付資料−3)
     また、工場にて以下の調査を実施した。
     a.物理特性調査
        かさ密度、硬さ、曲げ強さは規格値内にあった。  (添付資料−3)
     b.断面組織
        電子顕微鏡(SEM)による組織観察の結果、軸受内面の表層に1〜2       mmの厚みで微細なクラックの発生が認められた。  (添付資料−4)
 
     このため、軸受内径の減少および内面表層部の微細なクラックの発生要因につ    いて調査を実施した。
     その結果、カーボン軸受の黒鉛粒子を結合しているバインダーは、海水中に注    入している海水電解液中の次亜塩素酸ナトリウムにより酸化され、その結果、結    合力が低下し、表層部に非常に微細なクラックが発生・進展することにより、黒    鉛層に隙間ができ、内径が減少したものと推定された。   (添付資料−5)
 
 (5)下部軸受(ゴム軸受:2個)点検
     分解時、主軸から滑らかに抜くことができ、外観目視点検の結果、異常は認め    られなかった。
     また、内径計測したところ、間隙は許容値内であり、問題なかった。
                                (添付資料−3)
 
 (6)ポンプケーシングおよび羽根車点検
 外観目視点検の結果、回転部と静止部が接触した形跡はなく、異常は認められなかった。
 
 
 (7)保守状況調査
     電解揚水ポンプA号機は、1号機第19回定検時(平成12年11月)に新製    取替を実施するとともに、軸受部の潤滑方式および軸受材質を従来の外部注水方    式・ゴム軸受から系統・構造がコンパクトな外部無注水方式・カーボン軸受(中    間軸受部)に変更した。
     また、工場組み立て時の記録を確認したところ、中間軸受・下部軸受と主軸の    間隙は設計値内であり、問題なかった。          (添付資料−3)
 
 
8.推定原因
   海水中の次亜塩素酸ナトリウムにより、1号機第19回定検時に材質を変更した軸  受の黒鉛に微細なクラックが発生・進展し、カーボン軸受の内径寸法が減少した結果、  軸受部分での摺動抵抗が増大してポンプが自動停止したものと考えられる。
 
 
9.対 策
   中間軸受を、次亜塩素酸ナトリウムによる内径減少の恐れのないテフロン製の軸受  に変更して復旧後、8月31日に試運転を実施し、異常ないことを確認した。
   また、今年度外部無注水化を計画しているB号機についても同様にテフロン製軸受  を採用する。
   なお、材質変更に伴う注意事項についてワンポイントレッスンを作成し、周知した。
 
以 上