[異常時通報連絡の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の
報告について(平成13年9月8日分)
 
13.12.18
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成13年9月8日に発生した設備異常について、原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 

炉内核計装装置シンブル案内管の不具合
(2号機)

13. 9. 8
建設時の原子炉容器据付時期に塩化ビニールテープが混入
        ↓
塩化ビニールテープの放射線分解により塩化水素が発生
        ↓
塩化水素が周辺構造材と反応して塩化鉄等を生成
        ↓
塩化鉄が潮解して液だれ
        ↓
液だれによりシンブル案内管表面に腐食が発生
○シンブル案内管及び塩化ビニールテープ回収部位を清掃するとともに、その影響がないことを確認した。
○今回の事例をワンポイントレッスン集に追加し、工事着手前の作業者全員への教育時に周知徹底する。
○念のため、次回定検時に、テープ回収部位を点検する。
塩化物汚染防止対策として実施中の、ステンレス製品点検時のテープ跡等の確認、定期的な付着塩分量測定、必要に応じた塗装や囲い等に加えて、
・付着塩分量定期測定における測定ポイントの増加
・埃のたまりやすい箇所の測定
を実施する。
○原子炉容器周辺以外の格納容器内、原子炉補助建屋、タービン建屋、屋外について総点検を実施し、異物のないことを確認した。
○機器等内部への異物混入防止だけでなく、機器周辺の狭隘部への異物混入防止を徹底するとともに、工事等完了時には機器周辺狭隘部へ異物混入がないことを確認するよう、内規に反映した。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、四国電力の報告内容及び対策の実施状況等について確認することとしています。

                          原運発 第2901号
                          平成13年12月18日
 
 
   愛 媛 県 知 事
    加 戸 守 行 殿
 
 
 
                         四国電力株式会社
                        取締役社長 大 西  淳
 
 
      伊方発電所第2号機炉内核計装装置シンブル案内管の不具合
      にかかる報告書の提出について
 
 
    平成13年9月8日に発生しました伊方発電所第2号機炉内核計装装置シ
   ンブル案内管の不具合につきまして、その後の調査結果がまとまりました
   ので、安全協定に基づき別添のとおり報告いたします。
    今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご
   指導賜りますようお願い申しあげます。
 
                                 以 上

 
 
 
 
 
 
伊方発電所第2号機
 
炉内核計装装置シンブル案内管の不具合について
 
 
 
 
   
    
   
   
   
    
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成13年12月
 
四国電力株式会社
 
 
 
目  次
 
 
 1.件  名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 
 
 2.事象発生の日時  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 
 
 3.事象発生の電気工作物  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 
 
 4.事象発生時の運転状況  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 
 
 5.事象発生の状況  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 
 
 6.事象発生の時系列 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
 
 
 7.調査結果  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
 
 
 8.推定原因  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
 
 
 9.対策    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
 
 
10.塩化物応力腐食割れ再発防止への取り組み  ・・・・・・・・・・16
 
 
11.機器周辺の狭隘部への異物混入防止への取り組み  ・・・・・・・17

1.件名
  伊方発電所第2号機 炉内核計装装置シンブル案内管の不具合について
 
 
2.事象発生の日時
  平成13年9月8日 14時40分(確認)
 
 
3.事象発生の電気工作物
  計測制御系統設備 炉内核計装装置 シンブル案内管
 
 
4.事象発生時の運転状況
  第15回定期検査中(平成13年9月1日より)
 
 
5.事象発生の状況
伊方発電所第2号機(加圧水型、56万6千kW)は、第15回定期検査中の平成13年9月6日、一次系配管調査(平成12年10月13日に発生した伊方1号機充てん配管耐圧検査中の漏えい事象に係る配管調査)を実施していたところ、炉内核計装装置シンブル案内管36本のうち5本の外表面にさび状の汚れがあることを確認した。
このため、9月8日、当該部の液体浸透探傷検査を実施した結果、うち2本の炉内核計装装置シンブル案内管外表面において有意な指示を確認した。
なお、今回の事象による環境への放射能の影響はなかった。
(添付資料−1,2)
 
6.事象発生の時系列
  平成13年9月 3日 一次系配管調査を開始
       9月 6日 炉内核計装装置シンブル案内管の一部及び同部の周辺
             にさび状の汚れを確認
       9月 8日 液体浸透探傷検査の結果、炉内核計装装置シンブル案             内管2本の外表面に有意な指示を確認
 
7.調査結果
 
 (1)シンブル案内管調査結果
 
   a.外観調査結果
シンブル案内管の外観調査を実施した結果、5本のシンブル案内管(アドレスA−8,B−6,C−3,D−5,G−2)にさび状の汚れが認められ、その位置は原子炉容器とコンクリート壁のすき間の原子炉容器金属保温下端から約2m直下付近の周囲約1mの範囲であった。
                       (添付資料−1,2)
                         
   b.さび状の汚れが認められたシンブル案内管5本の調査結果
当該5本のシンブル案内管外表面の汚れ部について、汚れ部を手入れした後、液体浸透探傷検査を実施した結果、2本(アドレスB−6,C−3)のシンブル案内管サポート付近の長さ約1mの範囲に、微細なものも含め145箇所(B−6:28箇所、C−3:117箇所)の点状及び線状指示が確認された。
そのうち、最大のものは、アドレスB−6で約11mm、アドレスC−3で約16mmの線状指示であった。        (添付資料−3)
その他の3本(アドレスA−8,D−5,G−2)については、有意な指示は認められなかった。                 
 
c.液体浸透探傷検査で指示が認められたシンブル案内管の調査結果
液体浸透探傷検査において認められた、アドレスB−6の最大指示部及びその近傍、並びにアドレスC−3の最大指示部について、スンプ法による表面ミクロ観察を実施した結果、いずれも腐食によるものと思われるピット状の凹みが確認されたが、枝分かれしたひびなどの応力腐食割れの特徴は認められなかった。また、金属組織に異常は認められなかった。  
さらに、これらのピット底部に割れがないことを確認するため、再度表面ミクロ観察を行った結果、ピット状の凹みは表面ミクロ観察のための表面仕上げ過程ですべて消え、ピット底部に割れがないことを確認した。
(添付資料−4)
また、残りの指示部についても表面ミクロ観察を実施するため、シンブル案内管の表面仕上げを行い、表面ミクロ観察を実施する位置を確認するため、液体浸透探傷検査を実施したところ、欠陥指示はすべて消えており、非常に浅いものであった。
 
 
 
 
 
   d.当該5本のシンブル案内管近傍の3本の調査結果
さび状の汚れが認められた当該5本のシンブル案内管近傍のさび状汚れのない3本(アドレスC−8,D−7,E−6)について、外表面代表箇所(サポート付近の長さ約1m)の液体浸透探傷検査を実施した結果、有意な指示は認められなかった。
 
e.残りのシンブル案内管28本等の調査結果
シンブル案内管36本全数について、全長にわたり(上記8本の点検範囲を除く)目視により外観調査を実施した結果、8本の案内管外表面にわずかなさび状の汚れが7箇所、わずかな打ち傷が3箇所及びテープの付着が1箇所認められた。
このため、これらの箇所について、液体浸透探傷検査を実施した結果、有意な指示は認められなかった。               
 
 
 (2)シンブル案内管周辺の状況調査
シンブル案内管に付着していたさび状の汚れの発生源を特定するため、以下の調査を行った。
 
a.シンブル案内管まわりの調査
  シンブル案内管に付着していたさび状の汚れは赤褐色を呈し、案内管サポ ート部が特に汚れており、当該シンブル案内管、直下の床及び周辺コンクリ ートにも、点状に飛び散ったような赤褐色のさび状の汚れが乾いて付着して いた。
また、当該部の上部に位置する原子炉容器金属保温下部の外表面及びそれに対面するコンクリート壁にも、液体が垂れたような赤褐色のさび状の汚れが乾いて付着していた。               (添付資料−2)
 
b.原子炉容器下部周辺の調査結果
 小型TVカメラによりさび状汚れの垂れ跡に沿って上方に向かって確認した結果、原子炉容器金属保温下端から約4.9mの位置で白色を呈した円筒形異物を確認した。
 また、さび状の汚れの垂れ跡は、原子炉容器金属保温及び対面するコンクリート壁のいずれの表面も、この異物まで続いていたが、それより上方には認められなかった。
 なお、本点検中、全体に白色を呈した固形物が落下してきた。
 更に、原子炉容器金属保温とコンクリート壁の隙間を原子炉容器全周に亘って双眼鏡により下方から目視点検した結果、上記以外には異物がないことを確認した。                    (添付資料−5)
 
c.原子炉容器上部周辺の調査結果           
  サンドプラグ全箇所(4箇所)を開放し、一次冷却材管サポート部周辺の目視点検を行った結果、一次冷却材管B入口管サポート近傍の床面にわずかな粒状固形物を確認した。
  なお、上記以外に
・キャビティシールリングの隙間より、下部エリア内部に小型TVカメラ を挿入することによる原子炉容器まわり全周について上方からの点検
   ・炉外中性子束計測孔全箇所(8箇所)についての小型TVカメラによる 点検
 を行った結果、いずれも異常のないことを確認した。  (添付資料−6)
 
 
 (3)シンブル案内管付着物等の調査結果
  a.調査試料
   (a)シンブル案内管付着物
シンブル案内管及び近傍の構造物に付着していたさび状の汚れ
   (b)落下固形物
小型TVカメラによる目視点検時に落下してきた固形物
   (c)円筒形異物及び円筒形異物付着物
原子炉容器金属保温下端から約4.9mの位置で発見した円筒形異物及びその付着物
   (d)原子炉容器上部周辺からの回収固形物
一次冷却材管B入口管サポート近傍の床面で発見した粒状固形物
                       (添付資料−7)
  b.目視観察結果
   (a)シンブル案内管付着物
シンブル案内管及び近傍の構造物に付着していたさび状の汚れは赤褐色を呈し、乾燥状態であった。
   (b)落下固形物
落下固形物は、大きさが約55mm×27mm、重量が約4gであり、全体に白色を呈していたが、一部に黒色が認められた。
   (c)円筒形異物及び円筒形異物付着物
円筒形異物は、外径約70mm、幅約45mm、重さ約160gの1巻のテープであった。
円筒形異物は全体的に黒褐色を呈しており、部分的に白色の付着物が認められ、側面は同心円状の筋が、また中心部は円筒状の空洞があり、その中にも白色の付着物が認められた。また、円筒形異物は硬化しており、切断は糸のこを使用して行った。切断面は、一様に濃い茶褐色で、かすかに筋状のものが認められた。   (添付資料−8)
 
   (d)原子炉容器上部周辺からの回収固形物
回収固形物は、白色と黒褐色の粒状固形物が混在しており、粒径は1〜5mm、総重量は約1gであった。
 
  c.成分分析結果
   (a)電子線マイクロアナライザによる成分分析結果
シンブル案内管付着物及び円筒形異物等に含まれる元素の含有率を電子線マイクロアナライザにより測定した。      (添付資料−9)
     @シンブル案内管付着物             
シンブル案内管(アドレスB−6)、直下の床面、原子炉容器金属保温下部外表面及び近傍の構造物の表面に付着していたさび状の汚れ物質を分析した結果、炭素、窒素、酸素、塩素、鉄等が検出された。
     A落下固形物
落下固形物を黒色部と白色部に分け分析した結果、黒色部では炭素、窒素、酸素、塩素、鉄等の含有率が大きかったが、白色部では鉄の含有率が1%以下と小さく、塩素の含有率が表面の黒色部に比べ大きくなっていた。               
     B円筒形異物及び円筒形異物付着物
円筒形異物の表面及び内部並びに円筒形異物の付着物3箇所を分析した結果、炭素、窒素、酸素、塩素、鉄等が検出された。
     C原子炉容器上部周辺からの回収固形物
回収固形物を分析した結果、黒褐色固形物では炭素、酸素、塩素、鉄等の含有率が大きかったが、白色固形物は窒素、塩素の含有率が黒褐色固形物に比べ大きくなっていた。     
 
   (b)湿式分析による成分分析結果
電子線マイクロアナライザで検出した主要元素である鉄及び塩素がイオン化した塩化物並びに窒素の化合物であるアンモニア、硝酸の含有率を湿式分析により測定した。
また、一次冷却材に含まれているほう素、リチウムの含有率も湿式分析により測定した。              (添付資料−10)
     @シンブル案内管付着物
シンブル案内管付着物を分析した結果、含有率は、鉄が11〜24
      %、塩化物が8〜17%、アンモニアが1.2〜5.8%と大きく、
      硝酸、ほう素は極微量検出されたが、リチウムは検出されなかった。
     A落下固形物
落下固形物を分析した結果、含有率は、鉄が30%、塩化物が44%、アンモニアが19%と大きく、ほう素は極微量検出されたが、硝酸、リチウムは検出されなかった。
 
さらに、固形物を黒色部と白色部に分け、鉄、塩化物、アンモニアの含有率を分析した結果、黒色部は鉄の含有率が52%と大きかったが、塩化物は3%、アンモニアは1%と小さく、白色部は鉄が13%と黒色部に比べ小さく、塩化物が50%、アンモニアが25%と大きかった。               
     B円筒形異物及び円筒形異物付着物
円筒形異物表面及び内部から採取した試料を分析した結果、含有率は鉄、塩化物、アンモニアとも小さく、特に内部の試料の含有率はいずれも1%以下であり、極微量しか検出されなかった。
これに対し、円筒形異物付着物及び円筒内付着物を分析した結果、含有率は鉄が1.9〜23.3%、塩化物が41.2〜46.2%、アンモニアが19.2〜22.6%と大きかった。
なお、ほう素は全ての試料について極微量検出されたが、硝酸、リチウムは検出されなかった。         
     C原子炉容器上部周辺からの回収固形物
回収固形物を分析した結果、黒褐色固形物の含有率は、鉄が   19.8%と大きかったが、塩化物、アンモニアは小さかった。これに対して白色固形物の含有率は、鉄が13.0%と黒褐色固形物に比べ小さく、塩化物が44.4%、アンモニアが22.9%と大きかった。                            
  
   (c)X線回折による分析結果
湿式分析による成分分析の結果、含有率が大きかった塩化物、アンモニア及び鉄がどのような形態で存在しているか確認するため、X線回折による分析を実施した。            (添付資料−11)
     @シンブル案内管付着物
シンブル案内管の付着物を分析した結果、塩化アンモニウムが検出され、湿式分析の結果検出された塩化物とアンモニアが塩化アンモニウムの形態で存在していることを確認した。 
また、オキシ水酸化鉄が検出され、湿式分析結果で含有率が大きかった鉄がオキシ水酸化鉄の形態で存在していることを確認した。  
     A落下固形物
落下固形物を分析した結果、塩化アンモニウムが検出され、含有率が大きい塩化物とアンモニアが塩化アンモニウムの形態で存在していることを確認した。また、オキシ水酸化鉄も検出された。
これらのことから落下固形物は、塩化アンモニウムの結晶に鉄が付着しているものであると推定した。            
 
     B円筒形異物及び円筒形異物付着物
円筒形異物の表面及び内部並びに円筒形異物の付着物3箇所を分析した結果、円筒形異物内部以外で塩化アンモニウムが検出され、含有率の大きかった塩化物とアンモニアが塩化アンモニウムの形態で存在することを確認した。
一方、円筒形異物内部を分析した結果、異物内部に微量含まれていたと推定される鉛、チタンとの化合物である酸化チタンおよび塩化鉛が検出された。           
     C原子炉容器上部周辺からの回収固形物
回収固形物を分析した結果、塩化アンモニウムが検出され、含有率の大きかった塩化物とアンモニアが塩化アンモニウムの形態で存在することを確認した。また、オキシ水酸化鉄も検出された。
これらのことより、原子炉容器上部周辺からの回収固形物は、塩化アンモニウムの結晶に鉄が付着しているものであると推定した。
                          
   (d)赤外分光光度法による分析結果
目視観察及び湿式分析結果から、円筒形異物が塩化ビニールテープであることが推定された。
このため、円筒形異物内部に含まれる有機物の形態を赤外分光光度法により分析し、ポリ塩化ビニルが存在していたことを確認した。                       (添付資料−12)
 
  d.付着物等の調査結果のまとめ
シンブル案内管付着物等を調査した結果、以下のことが明らかとなった。
 
(a)液だれの発生源である円筒形異物は、形状及び成分分析の結果から、
    塩化ビニールテープであることを確認した。
(b)円筒形異物に付着していた固形物、落下固形物、原子炉容器上部周辺からの回収固形物の主成分は、白色の塩化アンモニウムであった。また、落下固形物及び原子炉容器上部周辺からの回収固形物には、オキシ水酸化鉄が含まれていた。
(c)シンブル案内管付着物には、塩化アンモニウム及びオキシ水酸化鉄が
  含まれていた。
(d)成分分析を行った全ての試料で、一次冷却材に含まれるほう素とリチウムの含有量を測定したが、自然界に存在するレベル(平均的な土壌中で0.002〜0.01%)と同程度のほう素は検出されたものの、リチウムは検出されなかったことから、シンブル案内管付着物等は一次冷却材に起因するものではなかった。
 
 (4)塩化ビニールテープの混入時期・経路の調査
 
 回収されたテープは外径約70mm、幅約45mmであるが、原形は規格品として市販されている外径約80mm、幅50mmのテープと推定した。
 この塩化ビニールテープの混入時期・経路を特定するため、建設時及び定期検査時における混入の可能性について調査を行った結果、以下のとおり建設時に当該部位に混入した可能性が高いと考えられる。
 
a.建設時
 原子炉容器まわりの機器の据付工事実績について調査した結果、原子炉容器据付(昭和55年8月)から原子炉容器フランジまわりの後打ちコンクリート施工(昭和56年3月)の間は、原子炉容器金属保温外面とコンクリート壁間に塩化ビニールテープが混入する経路及び必要な間隙が存在する。また、聴き取り調査によるとこの時期に機器等の識別用に塩化ビニールテープが用いられていたことから、この時期に混入した可能性が高い。                        (添付資料−13)
 
b.定期検査時
 原子炉容器まわりに設置されている機器等のうち、定期検査時に開放され異物混入経路となる箇所について、当該経路各部の寸法等の調査を行った結果は以下のとおりであり、何れの部位も今回確認された塩化ビニールテープが混入する可能性はないことがわかった。  (添付資料−14)
(a)キャビティシールリング部
 原子炉キャビティ水張り時に原子炉容器とコンクリート壁間の隙間をシールするためのキャビティシールリングは、定期検査時にパッキン交換のために取り外しを行っており、その際は塩化ビニールテープの混入していた原子炉容器金属保温周囲の空間とつながる開口部となる。
 しかしながら、原子炉容器とコンクリート壁間の開口幅は約45mmであり、当該部に混入する可能性はない。
 
(b)サンドプラグ下部室
 一次冷却材管と原子炉容器の接合部へのアクセス用に設置されているサンドプラグについては、溶接部非破壊検査、サンドプラグパッキン交換等のために3定検に1回程度の割合で取り外しを行うため開口部となる。
 しかしながら、サンドプラグ下部室と塩化ビニールテープの混入していた原子炉容器金属保温周囲の空間はバッフルプレートにより仕切られており、仮に原子炉キャビティからサンドプラグ下部室へ今回確認された塩化ビニールテープが混入したとしても、当該部へ混入する可能性はない。
(c)炉外中性子束計測孔
 炉外中性子束計測孔は、定期検査毎にOリング取替のために計測孔ふたの取り外しを行っており、その際は塩化ビニールテープの混入していた原子炉容器金属保温周囲の空間とつながる開口部となる。
 しかしながら、原子炉容器金属保温周囲の空間と炉外中性子束計測孔の間は、大部分を保護カバーにより仕切られており、開口部寸法は、高さ約40mmであり、仮に計測孔内に今回確認された塩化ビニールテープが混入したとしても、当該部へ混入する可能性はない。          
 
 (5)塩化ビニールテープの影響調査
  a.塩化ビニールテープ回収部位の残留付着物及び液だれ部の健全性確認
   塩化ビニールテープ回収部位及び液だれ部について、原子炉容器金属保 温側並びに対面するコンクリート壁側の残留付着物を除去・清掃した後、 小型TVカメラにより外観点検を行った結果、塩化ビニールテープ回収部 位にわずかな跡形が残っているが、損傷等の異常は認められなかった。
   また、残留付着物の除去・清掃後、当該部の付着塩分量を測定した結果、 最大8mg/mであり、十分低いことを確認した。 (添付資料−15)
 
b.シンブル案内管さび状の汚れ部の健全性確認
シンブル案内管さび状の汚れ部の欠陥指示は、表面ミクロ観察のための表面仕上げの過程ですべて消え、また表面仕上げを行った箇所の肉厚を測定した結果、最小値はアドレスB−6、C−3ともに7.4mm(公称:7.62mm)であり、計算上必要最小厚さ1.85mmを十分に上回っていることを確認した。
さらに、一次冷却系統耐圧・漏えい検査において、シンブル案内管全数に異常のないことを確認した。
 
c.塩化ビニールテープから格納容器内に拡散した塩化物による影響調査
 (a)塩化ビニールテープから拡散した塩化物による影響
原子炉容器金属保温と対面するコンクリート壁の隙間から回収された円筒形異物は、塩化ビニールテープであり、その表面には塩化アンモニウムが付着していた。
当該場所はプラント運転中、原子炉容器まわりのコンクリート冷却用の空気が原子炉容器下部から格納容器上部の空間に向かって約20m/sの風速で流れていることから、塩化アンモニウムの一部がこの気流にのって、格納容器内に拡散したと考えられる。
また、当該場所は高線量の放射線にさらされることから、塩化ビニールテープの構成材である塩化ビニルが放射線分解して塩化水素が発生し、塩化アンモニウムと同様に格納容器内に拡散したと考えられる。
                                               (参考文献−1)
なお、プラント停止時は、放射線量が低下し、塩化水素が発生しなくなること及び原子炉容器冷却ファンが停止し、塩化ビニールテープまわりの空気の流れがなくなることから、塩化アンモニウムと塩化水素は、拡散しなくなる。格納容器内の空気中に残留している塩化アンモニウムと塩化水素は、格納容器換気操作により格納容器外へ放出され、その濃度は、速やかに低下すると考えられる。               格納容器内に拡散した固体状の塩化アンモニウムは、機器・配管に付着し、また、気体状の塩化水素は、機器・配管の構造材に含まれる鉄と反応して、塩化鉄を生成し、付着塩分量を増加させることが考えられる。 このような場合、塩化物応力腐食割れについては、以下のことが知られている。
      @ステンレス鋼で発生する。
      A50℃以上の温度で発生する。(参考文献−2)
      B発銹、孔食を経て、塩化物応力腐食割れに進展する。(参考文献−3)
      Cステンレス鋼は、付着塩分量が100mg/m未満では、発銹せず
       塩化物応力腐食割れに進展することはない。(参考文献−4)
    
  (b)塩化アンモニウムの影響評価
 @塩化アンモニウムの拡散形態
塩化アンモニウムは昇華点が337.8℃と高いことから、格納容器内では、固体状で拡散し機器や配管表面に付着するため、保温内部には侵入しないが、埃のたまりやすい配管支持部等で付着量が大きくなる可能性がある。                 (添付資料−16)
 
 A塩化アンモニウムの影響評価方法
塩化アンモニウムの付着量は、埃のたまりやすい配管支持部等で大きくなる可能性があるため、その影響を評価するための代表点を選定することができない。そこで、格納容器内で、塩化物応力腐食割れを生じる可能性のある、表面の温度が50℃以上のステンレス製機器・配管について目視観察を行い、発銹の有無を確認するとともに、付着塩分量の測定(190箇所)を実施した。なお、固体状の塩化アンモニウムは、保温内部に侵入しないことから、保温が設置されている機器・配管は、調査の対象範囲外とした。  
 
    B塩化アンモニウムの影響評価結果
格納容器内で表面の温度が50℃以上で、保温が設置されていないステンレス製機器・配管には、いずれの場所も発銹はなく、付着塩分量は最大で30mg/m(最大となった場所は配管支持部で、配管表面は6mg/m)であり、100mg/m以上の場所はなかった。                       (添付資料−17)
      なお、念のため当該機器・配管において、埃がたまりやすい、Uボル
     トやクランプを全て取り外し、隙間内部を純水にて洗浄した。
 
    これらのことから、塩化物応力腐食割れに関して、塩化アンモニウムの影
   響はないことを確認した。
 
   (c)塩化水素の影響評価
     @塩化水素の拡散形態
塩化ビニールテープから発生した塩化水素は、気体状であり、原子炉容器まわりのコンクリート冷却用の空気の流れにより拡散してゆくが、その濃度が最も高くなるのは、発生源に近い塩化ビニールテープ周辺の上部である。             (添付資料−18)
塩化水素は、機器・配管の構造材に含まれる鉄と反応して、塩化鉄を生成するが、その量は、空気中の塩化水素濃度に比例して大きくなることから、塩化ビニールテープ周辺の上部の付着塩分量が格納容器内で最大になる。
 
     A塩化水素の影響評価方法
塩化水素の影響は、塩化ビニールテープ周辺上部が最も大きくなることから、その影響を評価するため、当該場所の原子炉容器金属保温表面の目視観察を行い、発銹の有無を確認するとともに、付着塩分量の測定を実施した。また、塩化ビニールテープ上部で直近の配管である安全注入配管及び一次冷却材配管の保温表面の付着塩分量の測定を実施した。
なお、念のため、上記の一次冷却材配管については、保温を取り外し、ステンレス配管表面の付着塩分量も測定した。
 
     B塩化水素の影響評価結果
塩化ビニールテープ周辺上部の原子炉容器金属保温表面に発銹はなく、付着塩分量も最大で15mg/mであり、100mg/m以上の場所はなかった。              (添付資料−19)
安全注入配管(保温表面)、及び一次冷却材配管(保温表面及び内部の配管表面)の付着塩分量は、最大で12mg/mであり、100mg/m以上となる場所はなかった。     (添付資料−20)
したがって、格納容器内で、塩化水素に起因して付着塩分量が  100mg/m 以上となる場所はないと考えられる。
なお、念のため、格納容器内の30箇所(ループ室内19箇所、それ以外11箇所)で、保温を取り外し、保温内部の配管表面の付着塩分量を測定した。その結果、付着塩分量は最大でも1mg/mと低い値であり、塩化ビニールテープ周辺以外における塩化水素による影響は、極わずかであることを確認した。     (添付資料−21)
さらに、格納容器内で圧力が最も高くなる、パーテーションウォール内の格納容器再循環ファン出口近傍にある余熱除去系統の保温内部の配管表面7箇所の付着塩分量を測定した結果、最大でも4mg/mと低い値であり、圧力の上昇による影響は、ほとんどないことを確認した。                       (添付資料−22)
 
     C格納容器内での結露水の発生等に関する調査
塩化水素及び塩化鉄(塩化水素が機器・配管の構造材に含まれる鉄と反応して生成)は、溶解度が大きいことから、機器・配管表面に水分が存在する場所では、その中に溶解・濃縮し、付着塩分量が塩化ビニールテープ周辺上部に比べて大きくなる可能性がある。
また、水蒸気が凝縮してミスト状となり機器・配管表面に付着する場所では、塩化水素がミスト内に溶解・濃縮し、付着塩分量が塩化ビニールテープ周辺上部に比べて大きくなる可能性がある。
   このため、以下の検討を実施し、格納容器内のステンレス製機器・
   配管表面で、塩化水素や塩化鉄が濃縮しないことを確認した。
 
・格納容器内の空気は、EL32.2mに設置されている格納容器再循環ユニットで冷却、除湿した後、格納容器再循環ファン、パーテーションウォールを経由して、格納容器内に吹き出される。空気の温度は、格納容器再循環ユニット下流が最も低くなり、露点温度になるが、それ以降は、格納容器再循環ファンや一次冷却系からの入
熱により温度が上昇する。また、原子炉補機冷却水系統(CCW系統)の配管表面の温度は露点温度以下となる可能性がある。さらに、定期検査中においては湿分の高い空気が格納容器内に供給される可能性がある。
  これらのことから、格納容器内の空気の温度は、格納容器再循環
ユニットの下流、CCW系統及び定期検査中の格納容器給気ファン出口近傍を除いて、露点温度以下とはならないが、念のため、実際の温度を調査した。その結果、格納容器内のステンレス製機器・配管表面の温度は、運転中、定期検査中を通じて露点温度を超えており、結露水が生成することがないこと及び水蒸気が凝縮してミスト状にならないことを確認した。    (添付資料−23、24)
 
・格納容器再循環ユニットの冷却コイルは、材質が銅合金であることから、塩化物応力腐食割れを起こすことはなく、その周囲にステンレス製機器・配管はない。また、CCW系統は、材質が炭素鋼であることから、塩化物応力腐食割れを起こすことはなく、防露保温が設置されていることから、結露水が周辺のステンレス製機器・配管に付着することはない。      (添付資料−25)
念のため格納容器内のCCW系統の真下にあるステンレス製機器・配管表面の目視観察を行い、発銹の有無を確認するとともに、付着塩分量を測定した。その結果、発銹はなく、付着塩分量は最大で12mg/m2 であり、100mg/m以上の場所はなかった。                  (添付資料−26)
また、定期検査中、格納容器給気ファンから給気された空気は、速やかに近傍にある再循環ユニットを経由して格納容器内に吹き出されるため、格納容器給気ファン出口近傍について、ステンレス製機器・配管がないことを確認した。
 
     D塩化鉄の潮解による影響調査
       塩化水素が機器・配管の構造材に含まれる鉄と反応して生成した塩
      化鉄は、潮解性があることから、それが潮解した液体内に塩化水素や
      塩化鉄が溶解・濃縮し、付着塩分量が塩化ビニールテープ周辺上部に
      比べて大きくなる可能性がある。
このため、相対湿度が高い方が、塩化鉄が潮解しやすいことを考慮して、格納容器内のステンレス製機器・配管のある場所で最も相対湿度が高い、パーテーションウォール内の格納容器再循環ファン出口近傍にある余熱除去系統の保温内部の配管表面7箇所で発銹や液だれの有無を確認するとともに、付着塩分量の測定を実施した。
       その結果、発銹や液だれはなく、付着塩分量は、最大でも4mg/
      m と低い値であった。           (添付資料−22)
       また、塩化水素の影響が最も大きくなる、塩化ビニールテープ周辺
      上部の原子炉容器金属保温表面でも、発銹や液だれはなく、塩化鉄の
      潮解による影響は、ほとんどないことを確認した。
 
     これらのことから、塩化物応力腐食割れに関して、塩化水素の影響はな
    いことを確認した。
 
   (d)格納容器内全域の付着塩分量測定結果
念のため、2号機格納容器内で各フロアー毎に設置している構成機器等の表面199箇所、電気計装品外面及び内面74箇所について付着塩分量を測定した。            (添付資料−27)
 
  その結果、埃がたまりやすい格納容器再循環ダクト吹き出し口1箇
  所(塗装面)及びパーテーションウォール内の配管支持部4箇所の合
  計5箇所で付着塩分量が100mg/m2 以上であった。
また、格納容器内の付着塩分量は、パーテーションウォール内及びEL19.95m、EL26.2mの格納容器再循環ダクト吹き出し口付近が大きい傾向にあることがわかった。  (添付資料−28)
  このため、以下の調査を追加して実施した。
     @EL19.95mの格納容器再循環ダクト吹き出し口周辺の付着塩分
      量調査
付着塩分量が100mg/m以上であったEL19.95mの格納容器再循環ダクト吹き出し口周辺に設置されているステンレス配管、及びその支持部等について、目視観察を行い発銹の有無を確認するとともに、付着塩分量の測定を実施した。
その結果、いずれの場所においても発銹はなく、付着塩分量は、最大で4mg/mであり、100mg/m以上の場所はなかった。                        (添付資料−29)
 
     Aパーテーションウォール内の配管支持部の液体浸透探傷検査
       付着塩分量が100mg/m以上であったパーテーションウォール
      内の配管支持部4箇所について、目視観察を行い発銹の有無を確認す
      るとともに、液体浸透探傷検査を実施した。
       その結果、4箇所全てにおいて発銹はなく、液体浸透探傷検査で有
      意な指示は認められなかった。    
 
     B付着塩分量が大きい傾向であった場所周辺の保温内部の付着塩分量調査
定期検査時には、保温を取り外して内部の機器・配管の検査を実施するが、この時、当該場所周辺に付着していた塩分が保温内部に混入し、塩化物応力腐食割れを発生させる可能性がないか確認した。
平成9年以降は、保温を取り外した場所は、純水にて洗浄した後、復旧することとしているが、それ以前は実施していなかった。
このため、付着塩分量が大きい傾向にあったパーテーションウォール内及びEL19.95mの格納容器再循環ダクト吹き出し口2箇所の周辺で、平成9年以前に検査により保温を取り外した9箇所の配管表面を目視観察し、発銹の有無を確認するとともに、付着塩分量を測定した。なお、EL26.2mの格納容器再循環ダクト吹き出し口2箇所の周辺で、平成9年以前に検査により保温を取り外した箇所はなかった。
その結果、いずれの場所も発銹はなく、付着塩分量は最大で14 mg/mであり、100mg/m以上の場所はなかった。                           (添付資料−30)
 
8.推定原因
建設時の原子炉容器据付時期において、原子炉容器金属保温と対面する周辺コンクリート壁(鉄板型枠部)の間に塩化ビニールテープが混入していたため、放射線分解によりこの塩化ビニールテープから塩化水素が発生した。
塩化水素は、格納容器内のアンモニアと反応してテープ周辺に塩化アンモニウムを生成した。塩化アンモニウムは、吸湿性があるため、空気中の水分をテープ周辺に保持するとともに、テープと接触している構造材を腐食し、表面にオキシ水酸化鉄を生成した。
また、塩化水素は、テープ周辺の構造材に含まれる鉄と反応して塩化鉄を生成した。塩化鉄は、空気中の水分を吸収する等により潮解し、オキシ水酸化鉄と塩化アンモニウムを含む液だれとなり、シンブル案内管表面に付着した。
この付着した液だれにより、腐食が発生し、浅いピット状の凹みになったと推定される。   (参考文献−5,6,7)                (添付資料−31)
 
9.対 策
(1)シンブル案内管及び塩化ビニールテープ回収部位の汚れを清掃し、その影響がないことを確認した。
 
(2)トラブル事例の周知用として作成しているワンポイントレッスン集に今回の事例を追加し、定期検査等の工事着手前に実施する作業者全員への教育時に、これを用いて周知徹底を図っていく。
 
(3)念のため、次回定期検査において、原子炉容器金属保温表面の塩化ビニール
  テープ回収部位を目視点検し、異常のないことを確認する。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
10.塩化物応力腐食割れ再発防止への取り組み
 
 (1)塩化物汚染防止に対する取り組み
伊方発電所では、これまでに経験した塩化物応力腐食割れによる不具合事象を教訓として、
 
・ステンレス鋼製品の点検時においては、表面のテープ跡、発銹、付着物等の有無を常に確認し、付着物が認められた場合は、確実に除去し、異常の無いことを確認する
・付着塩分量の管理目標値(50mg/m)を定め、定期的に付着塩分量の測定を実施し、管理目標値を超えた場合には純水拭きを実施する
・必要に応じて、ステンレス鋼製品の表面を塗装したり、設備の囲いを設けるなどにより、塩化物の付着を防止する
・点検や工事に使用する副資材については、一部のものを使用中止とする他、塩化物が残留しないよう洗浄を徹底するなど確実な取り扱いを徹底  する
・確実な作業管理により、作業に伴う塩化物混入を防止する
 
などの対策を実施中である。
 
 これらの対策に加え、今回の事象を教訓に、定期的な付着塩分量の測定においては、当面の間、エリア毎の測定ポイントを増やすとともに、配管サポート部などの埃のたまり易い箇所についても留意して測定することとする。
 
 
(2)伊方2号機格納容器内ステンレス鋼製品の点検
   今回の事象に係る塩化ビニールテープの影響調査により、伊方2号機格納容器内で塩化物応力腐食割れ発生の可能性はないと考えられるが、念のため、今回までに点検・調査を実施した以外のステンレス鋼製品についても、今後、以下のとおり計画的な点検を行うこととする。
 
   ・格納容器内のステンレス鋼製品表面について、外観目視点検を行い、発銹、付着物等の有無を確認する。
   ・発銹、付着物等が認められた場合は、必要に応じて付着塩分量を測定するとともに、液体浸透探傷検査を実施し、異常の有無を確認する。
   ・保温材の復旧を行う前には、ステンレス表面の純水拭きを行う。
 
 
 
 
   ・上記点検は、定期検査時に計画的に行うこととし、以下のとおり5回の定期検査で終了させる。
 
    ・第16回定期検査:一次冷却材管Bループ、加圧器スプレイライン
    ・第17回定期検査:一次冷却材管Aループ、加圧器サージライン
    ・第18回定期検査:EL19.95mエリア
    ・第19回定期検査:EL32.2m及び15.4mエリア
    ・第20回定期検査:EL26.2mエリア
                            (添付資料−32)
 
 
11.機器周辺の狭隘部への異物混入防止への取り組み
 
    今回、原子炉容器周辺の狭隘部に塩化ビニールテープが混入していたことに鑑み、原子炉容器周辺以外の格納容器内、原子炉補助建家、タービン建家、屋外についても、通常では人目に付きにくい機器周辺の狭隘部について総点検を実施し、運転や機器の信頼性に影響を与えるような異物のないことを確認した。
 
    機器・配管等の内部への異物混入防止については、従来より、十分な管理を実施してきているが、今回の事象を教訓に、運転や機器の信頼性に影響を与える異物混入防止の観点から、機器周辺の狭隘部への異物混入防止についてもさらに徹底するとともに、点検や工事が完了した際には機器周辺の狭隘部に異物が混入していないことを確認することとし、その旨を内規に反映した。
 
以  上