[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成14年2月分他)
 
14. 4.10
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成14年2月に発生した設備異常3件及び平成13年12月26日に発生した復水流量計測用配管元弁からの漏えいについて、原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
なお、2月に発生した高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の低下、主給水制御弁の制御装置の故障、脱気器水面計配管からの漏えいについては、原因調査中等のため、原因と対策の報告があった段階で公表します。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 









 
復水流量計測用配管元弁からの漏えい
(1号機)





 
13.12.26








 
当該部が海岸近くの屋外に設置されていること、破面観察結果、運転中に塩化物応力腐食割れ発生温度である50℃を超えること等から、海塩粒子の混入による塩化物応力腐食割れと推定される。
 
○当該部及び前後の弁・配管の取替え、外表面の塗装を実施し復旧する。
○屋外のステンレス製弁・配管のうち、50℃を超えるもの全てについて、今定期検査中に点検を行うとともに、純水拭きのうえ塗装を実施する。
○1号機脱気器周りに今年度中を目途に囲いを設置する。






 
給水ポンプのミニマムフロー弁駆動用空気配管からの空気漏えい
(2号機)

 
14. 2. 4





 
ミニマムフロー弁駆動部の振動が当該空気配管に伝播し、残留応力の大きい配管継ぎ手の拡管部を起点に疲労破壊したものと推定される。 ○当該空気配管を新品に取替え、復旧済。
○次回定期検査において、配管取付位置を振動の影響の少ない場所へ変更するとともに、空気作動弁の配管継ぎ手を拡管部の無い型式に取替える。






 
低圧給水加熱器伝熱管の損傷
(1号機)


 
14. 2.14





 
製造工程での伝熱管挿入作業において、伝熱管外面に打痕(へこみ)が生じ、そこを起点に応力腐食割れが発生したものと推定される。 ○漏えいのあった伝熱管1本の施栓を実施済。
○伝熱管全数の渦流探傷検査の結果、施栓基準を超えた伝熱管9本について予防施栓を実施。

 







 
エタノールアミン排水処理装置の自動停止
(1,2,3号機共用)


 
14. 2.22






 
電解槽の電極板めっき層の厚さが運転に伴い減少したため、電圧が徐々に上昇し、自動停止電圧に達したものと推定される。

 
○電圧高信号が発信したA系電解槽の全ての電極板を取替え、復旧済。
○電極板の取替について、従来の累積運転時間による管理に加え、電圧値による管理を行うこととし、巡視点検チェックシートに追加する。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、当該部の復旧状況の確認など、四国電力の対策が確実に実施されていることを確認しています。



                          原運発 第2933号
                            平成14年4月9日
 
 
   愛 媛 県 知 事
    加 戸 守 行 殿
 
 
 
                             四国電力株式会社
                            取締役社長 大 西  淳
 
 
 
伊方発電所第2号機主給水ポンプ2Aミニマムフロー弁駆動用空気
配管からの漏えい他3件にかかる報告書の提出について   
 
 
  平成14年2月4日に発生しました伊方発電所第2号機主給水ポンプ2Aミニマムフ ロー弁駆動用空気配管からの漏えい他2件及び昨年12月26日に発生しました伊方発 電所第1号機復水流量計測用配管元弁溶接部近傍からの漏えいにつきまして、その 後の調査結果がまとまりましたので、安全協定第10条第4項及び第11条第2項に基 づき別添のとおり報告いたします。
 
  今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご指導賜り ますようお願い申しあげます。
 
  なお、伊方発電所第2号機高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力制御弁の不具合(平成14年2月11日発生)及び伊方発電所第3号機原子炉制御系計器ラックの不具合(平成14年2月13日発生)につきましては、現在、原因調査等を行っており、また、伊方発電所第2号機脱気器水面計配管からの漏えい(平成14年2月14日発生)につきましては、2号機第16回定期検査において原因調査等を行うこととしており、結果がまとまりましたら報告いたします。
 
以 上



 
 
 
 
 
 
 
 
 
伊方発電所第1号機
 
復水流量計測用配管元弁溶接部近傍からの
漏えいについて
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成14年4月
四国電力株式会社
 


1.件 名
 伊方発電所第1号機 復水流量計測用配管元弁溶接部近傍からの漏えいについて
 
2.事象発生の日時
平成13年12月26日 15時10分頃(発見)
 
3.事象発生の設備
復水流量計測用配管
 
4.事象発生時の運転状況
定格出力(566MW)にて運転中
 
5.事象の概要
 伊方発電所第1号機は、定格出力(566MW)にて運転中のところ、平成13年12月26日15時10分頃、パトロール中の保修員が脱気器エリアの床面に水溜まり(直径約20cm)のあることを発見した。漏えい箇所を特定するため上方を点検した結果、復水流量計測用配管元弁(1CW−257B)の保温材下部に水滴が認められたことから、直ちに保温を取り外したところ、復水流量計測用配管元弁の溶接部近傍からの漏えい(約1滴/秒)を確認した。
 当該部を詳細に外観目視点検した結果、復水流量計測用配管元弁の溶接部近傍に微小な傷(周方向に長さ約2mm)が認められた。
 漏えいは、運転パラメータに変化を与えない極くわずかなものであり、プラント運転継続に支障となるものではなかったこと及び傷が微小なものであったことから、充てん材による補修を実施し、12月27日9時30分、漏えいが停止したことを確認した。
 なお、本事象による周辺環境への放射能の影響はなかった。
                                  (添付資料12(1)2(2)
 
6.事象の時系列
平成13年12月26日
    15時10分頃  パトロール中の保修員が脱気器エリアの床面に水溜まりがあ               ることを発見
               漏えい箇所特定のために保温材を取り外し、復水流量計測用               配管元弁の溶接部近傍からの漏えいであることを確認
平成13年12月27日
 2時50分   充てん材による補修を開始
    9時30分   充てん材による補修により、漏えいが停止したことを確認
7.調査結果
 平成14年2月8日から開始した第20回定期検査において、充てん補修材を除去し、当該部の調査を行った。
 
(1)現地調査
 現地での調査結果を以下に示す。
 
a.外観目視点検結果
 外表面の外観目視点検を実施した結果、腐食等の異常は認められず、割れ等の開口部は肉眼では確認出来なかった。
 
b.液体浸透探傷検査結果
 外表面の液体浸透探傷検査を実施した結果、指示は認められなかった。
                           
c.振動測定結果
 第20回定期検査にてプラントが停止する前(14年1月30日)に、当該部周辺の振動を測定した結果、異常な振動は認められなかった。
                           
d.サポートの取付状況調査結果
 当該部周辺の配管を支持しているサポートの取付・作動状況について調査した結果、サポートは健全であり、サポートの異常による拘束は認められなかった。                  
 
e.過去の点検実績調査
 当該部は、建設時には炭素鋼であったが、第14回定期検査(平成6年3月〜6月)時に、復水管をステンレス配管に取り替えた際、当該部廻りの弁・配管・継手類を含めてステンレス製に取り替えた。
 
(a)第15回定期検査時(平成7年4月〜8月)
 振動による予防保全対策として、当該溶接部の液体浸透探傷検査(小口径配管を1回/6定検の頻度で計画的に点検)を実施した結果、異常は認められなかった。
 
(b)第19回定期検査時(平成12年9月〜平成13年2月)
「湿分分離加熱器逃がし弁母管ドレンライン元弁からの蒸気漏れ」事象の水平展開として以下の点検を実施した。
・復水流量計測用配管元弁の分解・点検及び弁箱内の液体浸透探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。  
・復水流量計測用配管元弁外表面の塩化物付着量を測定した結果、48.5mg/mであった。
・復水流量計測用配管元弁及び弁取付溶接部の外観目視点検を実施した結果、弁に保温屑の付着が認められたため、保温屑付着部の液体浸透探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。
・保温を取り外した箇所のステンレス表面を純水拭きし、保温材及び保温外装板を取り替え、復旧した。
 
f.当該部の環境調査
(a)塩化物付着量
 当該部は海岸近くの屋外(1号機脱気器周り)に設置されており、また、第19回定期検査時の塩化物付着量の測定結果でも当該部近傍で塩化物が付着しており、これらのことから、当該部に海塩粒子が混入する可能性が考えられる。
 
(b)温度
 定格出力運転中は復水管内部流体温度は約116℃あるが、当該部は水が滞留しているため復水管内部流体ほどの温度はなく、本漏えい事象発生時に漏えいしていた水滴は蒸発していなかったことから、当該部は、中性雰囲気での塩化物応力腐食割れが発生すると言われている50℃〜100℃の温度域であったと考えられる。                         
 g.当該部の塩化物付着防止対策の実施状況調査
(a)1号機脱気器周り
 当該部が設置されている1号機脱気器周りは、海側からの風を直接受ける位置にあること等から海塩粒子による塩化物付着量が高く、平成13年4月に取りまとめた塩化物汚染要因に関する報告書では以下の対策を実施することとしている。
 
・塗装をしていないステンレス鋼製の機器・配管を対象に、計画的に塗装を実施する。
・脱気器周りに囲いを設置する。
・囲い設置または塗装実施までは、当面の間、保温も塗装もしていない物は3ヶ月に1回、保温をしている物については定期検査時に塩化物付着量の測定を行い、塩化物付着量が管理目標値50
mg/mを超えた場合には、純水拭きを実施する。
 
  (b)当該部
     当該部は、保温をしていることから、純水拭き等の対策は未実施であった。今    後、塗装を実施し、囲いを設置することとしていた。
 
 
(2)民間研究所における調査結果
 詳細調査のため、当該部を切り出して、民間研究所において以下の調査を実施した。
 
a.外観目視点検結果
 外表面については、現地調査で異常が認められなかったことから、切り出し部を軸方向に切断し、内表面の外観目視点検を実施した結果、レジューサの弁側溶接部近傍に、周方向に長さ約3mmと約2mmのひびが認められた。
 また、レジューサの溶接部の内表面側に母材のふくれが認められた。
 なお、エロージョン等による肌荒れ、減肉は認められなかった。                                            (添付資料−4)
b.液体浸透探傷検査
 内表面について液体浸透探傷検査を実施した結果、レジューサの弁側溶接部近傍に、周方向の長さ約3mmと約2mmの線状指示が認められた。                                      (添付資料−4)
 
c.破面の外観観察結果
 内表面の液体浸透探傷検査で長さ約3mmと約2mmの線状指示が認められた部分の破面を拡大観察した結果、ひびは貫通しており、破面の色調は褐色であり、外表面側には黒色の充てん補修材が付着していた。                                            (添付資料−5)
 
d.破面の成分分析結果
 破面の電子線マイクロアナライザ(EPMA)による分析の結果、塩素、マグネシウムの付着が認められた。                  (添付資料−6)
    
e.破面の走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大観察結果
 破面をSEM観察した結果、ひびの外周部及び内周部ともに羽毛状破面が認められた。
 また、疲労破面に見られるストライエーションは観察されなかった。                                          (添付資料−7)
 
f.断面ミクロ観察結果
 切断面について、断面ミクロ観察した結果、ひびの形態は粒内貫通型であり、樹枝状の微小な分岐が認められた。
 ひびは、外表面の方が内表面より太く、内表面に向かって樹枝状の分岐が認められることから、ひびは外表面から発生したものと推定される。                                          (添付資料−8)
 
 
g.硬さ測定結果
 硬さをビッカース硬さで測定した結果、溶接部近傍では最大241、最小178、平均約207、母材部(健全部)では約193、JISでは200以下であり、特に異常な硬化部は認められなかった。
                           
h.鋭敏化度測定結果
 溶接部近傍の鋭敏化度を電気化学再活性化率測定法(EPR法)で測定した結果、再活性化電気量は最大27C/cmGBAで、ステンレス鋼を溶接した場合に一般的に認められる程度の値であり、粒界腐食が起こりやすくなる50C/cmGBAを十分下回っていた。
 
i.化学成分分析結果
 母材の化学成分を分析を行った結果、規格値を満足していた。
 
 以上の調査結果から、今回のひびは、
 
 ・塩化物応力腐食割れの特徴である樹枝状の粒内貫通型のひびが認められたこと
 ・塩化物応力腐食割れの特徴である羽毛状破面が認められたこと
 ・破面に塩素の付着が認められたこと
 
から、配管外表面からの塩化物応力腐食割れであると推定される。
 
 また、塩素の発生源については、
 
 ・当該部は海岸近くの屋外(1号機脱気器周り)に設置されていること
 ・保温は設置されているが、過去の塩化物付着量測定の結果、当該部近傍で48.5
  mg/m2 であったこと
 
から、海塩粒子の混入によるものであると推定される。
 
8.推定原因
 当該部は、海岸近くの屋外に設置されていること及び運転中は塩化物応力腐食割れが発生すると言われている温度域であることから、海塩粒子の混入による塩化物応力腐食割れであると推定される。
 
9.対 策
 (1)当該レジューサ及び前後の弁・配管の取替を行い、外表面の塗装を実施し、復旧した   。
 
 (2)当該部と同様な屋外のステンレス製弁・配管のうち、中性雰囲気での塩化物応力腐 
   食割れ発生温度である50℃を超える弁・配管表面について、本定期検査中に以下の
   点検を実施する。
 
・弁については、前後配管を含めて外観目視点検及び外表面の液体浸透探傷検査を実施し、液体浸透探傷検査の結果、有意な指示が認められた場合は、手入れまたは取替を実施する。
・配管については、全ラインの外観目視点検並びに溶接部、サポート部、及び外観目視点検により発錆等異常が認められた箇所外表面の液体浸透探傷検査を実施し、液体浸透探傷検査の結果、有意な指示が認られた場合は、手入れまたは取替を実施する。
・弁・配管とも、純水拭き後、外表面の塗装を実施し、ステンレス表面への塩化物の付着を防止する。
 
 (3)1号機脱気器周りについては、本年度中を目途に囲いを設けることとし、これにより海
    塩粒子の混入を極力防止する。
 
 (4)2、3号機の屋外のステンレス製弁・配管については、塩化物付着量調査の結果、1
   号機側より十分低かったことから引き続き計画的に塗装を実施する。なお、塗装実施
   までは、定期検査時に塩化物付着量の測定を行い、塩分付着量が管理目標値50m
   g/mを超えた場合には、純水拭きを実施する。
 
以 上
 
 
 
 
 
 
添 付 資 料
 
 
 
 
 
 添付資料−5  破面の外観観察結果           
                                   
 添付資料−6  破面の成分分析結果                              

                                   
 添付資料−8  断面ミクロ観察結果