[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成14年3月分他)
 
14. 5.10
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成14年2月に発生した高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の低下及び主給水制御弁の制御装置の故障並びに平成14年3月に発生した湿分分離加熱器伝熱管の損傷について、原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
なお、2月に発生した脱気器水面計配管からの漏えい及び3月に発生した復水器細管洗浄装置ボール循環ポンプの自動停止については、原因調査中等のため、原因と対策の報告があった段階で公表します。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 









 
高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の低下
(2号機)




 
14. 2.11








 
加熱蒸気圧力制御弁の開度調整器の部品に微細な金属屑が混入し、制御用空気の流れに影響を及ぼしたため、弁開度の制御に不調をきたし、圧力低下に至ったものと推定される。

 
○当該開度調整器の部品を新品に取替え復旧済。
○当該部品製造メーカーに、出荷前にエアブローによる金属屑除去を実施するよう指示することとし、購入仕様書に明記。
○本体組み込みに当たっても再度エアブローを行うこととし、作業要領書を改訂。
 





 
主給水制御弁の制御装置の故障
(3号機)


 
14. 2.13




 
制御出力カード(基板)の出力信号監視用回路に使用しているICの偶発的故障と推定される。
 
○当該カードを予備カードに取替え、健全性を確認のうえ復旧済。
○これまでと同様に、定期検査時にカードの特性試験により健全性を確認するとともに、予備カードを常備。






 
湿分分離加熱器伝熱管の損傷
(1号機)


 
14. 3.14





 
伝熱管が管支持板部で拘束され、プラントの起動・停止に伴い、当該部に熱膨張による繰り返し応力が集中して貫通穴に至ったと推定される。 ○漏えいの認められた伝熱管1本の施栓を実施。
○漏えいのあった伝熱管周辺の4本について予防施栓を実施。


 
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、当該部の復旧状況の確認など、四国電力の対策が確実に実施されていることを確認しています。





                          原運発 第2946号
                            平成14年5月9日
 
 
   愛 媛 県 知 事
    加 戸 守 行 殿
 
 
 
                         四国電力株式会社
                        取締役社長 大 西  淳
 
 
 
伊方発電所第1号機湿分分離加熱器A号機加熱管の不具合
他2件にかかる報告書の提出について          
 
 
  平成14年3月14日に発生しました伊方発電所第1号機湿分分離加熱器A号機加熱 管の不具合及び平成14年2月11日に発生しました伊方発電所第2号機高圧タービン エンドウォール加熱蒸気圧力の低下他1件につきまして、その後の調査結果がまと まりましたので、安全協定第10条第4項及び第11条第2項に基づき、別添のとおり 報告いたします。
 
  今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご指導賜り ますようお願い申しあげます。
 
  なお、伊方発電所第3号機復水器ボール洗浄装置ボール循環ポンプBの不具合  (平成14年3月31日発生)につきましては、現在、原因調査等を行っており、結果が まとまりましたら報告いたします。
 
以 上





 
 
 
 
 
 
 
 
 
伊方発電所第2号機
 
高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の
低下について
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成14年5月
四国電力株式会社




1.件 名
 伊方発電所第2号機 高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の低下について
 
2.事象発生の日時
   平成14年2月11日(月) 18時20分頃(発見)
 
3.事象発生の設備
   高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力制御弁
 
4.事象発生時の運転状況
   定格出力(566MW)運転中
 
5.事象の概要
 伊方発電所第2号機は、定格出力(566MW)にて運転中のところ、平成14年2月11日18時20分頃、高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力指示(高圧タービン出口圧力との圧力差)が、通常0.034MPaのところ、約0.025MPaに低下しているのを中央制御室にて監視中の運転員が発見した。
 現地調査の結果、当該蒸気圧力を制御するための高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力制御弁(空気作動)の制御不調により圧力低下に至っていることを確認した。
 このため、バイパスラインによる加熱蒸気供給に切替えるとともに、当該制御弁についての点検を実施した結果、開度調整器の一時的な動作不良と判断されたため、本事象の要因となりうる構成部品の取替を行い、翌12日1時00分、通常状態に復旧し、取り外した構成部品の詳細調査を実施することとした。
 なお、本事象によるプラント運転への影響および環境への放射能の影響はなかった。
                    (添付資料−1

6.事象の時系列
平成14年2月11日
18時20分頃  運転員が、高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力が
           低下していることを発見
21時36分  バイパスラインによる加熱蒸気供給に切替
22時25分  開度調整器内の部品取替開始
23時30分  開度調整器内の部品取替完了
23時33分  当該弁の単体試験開始
23時58分  当該弁の単体試験完了
平成14年2月12日
1時00分  高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力が通常値
        0.034MPaに制御されていることを確認

7.調査結果
 
(1)現地調査結果
 高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力制御弁の制御不調要因について以下の調査を実施した。
 
  a.制御系の調査
 当該制御弁制御系の制御状態等について以下の調査を実施した。
 
  (a)制御盤制御信号の調査結果
 加熱蒸気系統の圧力(高圧タービン出口圧力との圧力差)が0.025MPaと、高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力制御弁の設定値(0.034MPa)より低い状態で、制御盤からは当該弁全開のための制御信号が発信されており異常は認められなかった。
 
  (b)電空変換器の調査結果
 制御盤からの制御信号を電気信号から空気信号へ変換する電空変換器の出力信号について調査した結果、電気信号に応じた空気信号が正常に出力されており異常は認められなかった。
 
  (c)開度調整器の調査結果
 当該制御弁の駆動装置供給空気圧力を調整する開度調整器について調査した結果、当該弁全開のための制御信号入力時の駆動装置供給空気圧力約140kPaに対し、約78kPaと低くなっていた。
 
  (d)制御用空気系統の調査結果
 外観触手点検の結果、制御用空気配管、継ぎ手部等からの漏えいは認められなかった。
 
  b.当該制御弁の調査
 高圧タービンエンドウォールへの加熱蒸気供給をバイパスラインによる供給に切り替えた後、当該制御弁について以下の調査を実施した。
 
  (a)単体動作試験
 仮設配管により当該制御弁駆動装置に駆動用空気を供給し、開閉試験を実施した結果、動作状況は良好であり、当該制御弁及び当該制御弁駆動装置に異常は認められなかった。
 
  (b)開度調整器動作試験
 開度調整器に模擬信号を入力し、当該制御弁の開閉試験を実施した結果、動作状況は良好であり、開度調整器の動作不良は再現されなかった。
  (c)開度調整器構成部品の外観点検
 開度調整器の構成部品について外観点検を行った結果、変形、割れ等の損傷は認められなかった。
 
 以上のことから、高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力制御弁の開度調整器が一時的に動作不良となり、制御不調に至ったと判断し、開度調整器の構成部品のうち出力信号が低下する要因となる可能性がある部品(パイロットリレー、フラッパー)の取替を行った。
 
(2)工場調査結果
 取替を行った部品(パイロットリレー、フラッパー)を工場に持ち込み詳細調査を実施した。             
 
a.フラッパー
 新品と当該品を比較した結果、変形や異物付着等の異常は認められなかった。
 
b.パイロットリレー
(a)外観目視点検
 ノズルの吹き出し口およびパイロットリレー排気口付近に極微量の付着物が認められた。
                               (添付資料−3

(b)分解点検
 分解点検の結果、外観目視点検で認められた付着物以外、変形や付着物等の異常は認められなかった。
 
(c)付着物の調査
 ノズルの吹き出し口およびパイロットリレー排気口付近で認められた付着物を、EPMA(電子線マイクロアナライザー)により成分分析を行った結果、付着物はアルミニウムを主成分とする0.2mm程度の金属屑であることが分かった。
(3)異物混入経路の検討
a.製作メーカー製造時混入の可能性
 開度調整器本体及びパイロットリレーはアルミニウム製であり、製作メーカでの製造時に金属屑が混入した可能性がある。なお、当該パイロットリレーは、前回の定期検査中(平成13年9月)に新品への取替を行っている。
b.現地点検作業時混入の可能性
 現地での点検作業時、開度調整器に仮設の制御用空気配管を接続する。このとき、アルミニウム製である開度調整器の本体が削れ、金属屑として混入した可能性がある。
 
c.プラント運転中混入の可能性
 パイロットリレーに流入する制御用空気の供給配管にはフィルターが設置されており、運転中に金属屑が開度調整器に混入する可能性はない。
 
 以上より、製作メーカ製造時あるいは現地点検作業時に金属屑が混入したものと推定される。
 
8.推定原因
 今回の高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力低下事象は、加熱蒸気圧力を制御している制御弁の開度調整器内のパイロットリレーに微細な金属屑が混入し、制御用空気入口からノズルへ向かう流路を阻害することによりノズルの背圧が低下したか、あるいは、金属屑がパイロットプラグと排気ポートの間に付着し、制御用空気がパイロットリレー排気口から流出したことにより、当該制御弁の開動作に必要な制御用空気が供給されず、制御不調をきたし、圧力低下に至ったものと推定される。
 
9.対 策
(1)
 当該開度調整器のフラッパー、パイロットリレーを新品に取り替えた。 
 
(2)
 今後、同型の開度調整器を分解点検する際に取替えとなるパイロットリレーを購入する際には、出荷前の検査項目としてエアーブローによるパイロットリレー内の金属屑除去を実施するよう製造メーカに指示することとし、その旨を購入仕様書に明記する。さらに、パイロットリレーを開度調整器本体に組み込む際には、再度パイロットリレーを含めてエアーブローを行うこととし、その旨を開度調整器分解点検作業要領書に反映する。
 
                                    以 上
 

 


添 付 資 料
 
 
 
 
               制御系統概略図
 
               開度調整器調査結果