[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について
(平成14年6月分他)
 
14. 8.12
環境政策課
(内線2443)
 
1 四国電力鰍ゥら、伊方発電所で平成14年6月に発生した設備異常及び平成14年5月31日に発生した低圧給水加熱器伝熱管の損傷について、原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 







 
低圧給水加熱器伝熱管の損傷
(3号機)




 
14. 5.31






 
製造工程において、伝熱管外面に変形を生じたことによる残留応力と、プラント起動時の高酸素濃度等の腐食環境により、変形部分を起点に応力腐食割れが発生したものと推定される。 ○漏えいの認められた伝熱管1本の施栓を実施済。
なお、施栓本数は合計2本となるが、許容施栓本数(約150本)に対して十分小さい。



 








 
格納容器排気筒ガスモニタの故障
(2号機)





 
14. 6.20







 
定期的なフィルタ取替周期の末期にあり、ある程度目詰まり傾向にあったところに、降雨等、環境の変化による影響が重なったため、吸引空気流量が低下し、ポンプが自動停止したものと推定される。 ○入口フィルタを新品に交換し復旧済。
○フィルタの取替頻度を1回/月から2回/月に変更することとし、作業要領書を改訂。



 






 
海水電解液注入配管からの漏えい
(1号機)



 
14. 6.28





 
長期にわたる運転に伴い、配管内面の塩ビライニングの一部が損傷し、そこから浸入した海水電解液により炭素鋼管が腐食し貫通したものと推定される。 ○漏えいのあった配管を新品に交換し復旧済。
○本年12月に計画している海水電解装置の定検時に、未取替部の配管取替を実施する。


 
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、当該部の復旧状況の確認など、四国電力の対策が確実に実施されていることを確認しています。





                           原子力発 第02034号
                            平成14年8月7日
 
 
   愛 媛 県 知 事
    加 戸 守 行 殿
 
 
 
                         四国電力株式会社
                        取締役社長 大 西  淳
 
 
 
伊方発電所第2号機格納容器排気筒ガスモニタのフィルタ目詰まり 
他2件にかかる報告書の提出について              
 
 
  平成14年6月20日に発生しました伊方発電所第2号機格納容器排気筒ガスモニタのフィルタ目詰まり他1件及び平成14年5月31日に発見されました伊方発電所第3号機第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の不具合につきまして、その後の調査結果がまとまりましたので、安全協定第10条第4項及び第11条第2項に基づき、別添のとおり報告いたします。
 
  今後とも伊方発電所の安全・安定運転に取り組んでまいりますので、ご指導賜りますようお願い申しあげます。
 
以 上





 
 
 
 
 
 
 
 
伊方発電所第3号機
 
第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の不具合について
 










 
 
 
 
 
平成14年8月
四国電力株式会社




 
1.件 名
   伊方発電所第3号機 第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の不具合について
 
2.事象発生の日時
   平成14年 5月31日(発見)  
 
3.事象発生の設備
   蒸気タービン設備 第1低圧給水加熱器
 
4.事象発生時の運転状況
   3号機第6回定期検査中
   (平成14年5月24日開始)
 
5.事象の概要
 伊方発電所第3号機は、平成14年5月24日より第6回定期検査を実施中であり、5月24日プラント停止時に復水系統の水圧による漏えい確認を実施したところ、第1低圧給水加熱器A号機の胴側のブロー量が他の低圧給水加熱器(第1低圧給水加熱器B号機、第2低圧給水加熱器A,B号機、第3低圧給水加熱器A,B号機、第4低圧給水加熱器A,B号機)に比べて若干多かったことから、伝熱管漏えいの疑いがあることが認められた。
 そこで、5月30日、31日、第1低圧給水加熱器A号機伝熱管全数の真空リークテストを実施したところ、伝熱管1本に漏えいが認められたため、真空発泡テスト、渦流探傷検査(ECT)等の詳細点検による調査を行うこととした。
 なお、当該設備には放射能は含まれないため、本事象による周辺環境への放射能の影響はなかった。       
 
6.事象の時系列
   平成14年5月24日
      0時20分     伊方3号機解列
     22時00分頃    復水系統の水圧による漏えい確認開始
     23時30分頃    第1低圧給水加熱器A号機の胴側のブロー量が若干多いことを確認
   平成14年5月25日〜26日 系統隔離、水抜き
   平成14年5月27日〜29日 マンホール開放、内部清掃等
   平成14年5月30日〜31日 伝熱管全数の真空リークテスト(1本に漏えいを確認)
   平成14年6月1日    真空発泡テスト
   平成14年6月3日〜   胴側水張りテスト、渦流探傷検査(ECT)、内面調査等

7.第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の調査結果
 
(1)現地調査
 
 真空リークテストで漏えいが認められた伝熱管1本(43列6番)について、以下の調査を実施した。
 
  a.伝熱管渦流探傷検査(ECT)
 直管部及びU字管部のECTを実施した結果、有意な指示は認められなかった。
 
 なお、管板部は熱交換を行う部位ではなく伝熱管損傷の可能性が低いこと、また、管板部では管板に起因するノイズが顕著であり信頼性の高い検査が困難であることから検査範囲外としている。
 
  b.胴側水張りテストによる漏えい位置の調査
 胴側に水を張り、CCDカメラを伝熱管に挿入し、漏えい位置を調査した。 
 伝熱管の出口側管板部の管端から約75mmの位置で伝熱管の下部(地側)から水が出ていることを確認した。    
 
  c.伝熱管内面の調査
 CCDカメラにより漏えい箇所の状況を調査したところ、周方向の開口が認めらた。                         
 
  d.内径計測
 当該管の内径を計測した結果、漏えい箇所は水平方向に比べ上下方向が小さくなっており、部分的に変形を生じていた。 
 
  e.その他の伝熱管
 第1低圧給水加熱器A号機の胴側水張りテスト及び真空発泡テストを実施した結果、伝熱管・管板及び伝熱管拡管部からの漏えいは、上記の1本(43列6番)以外には認められなかった。
 
 なお、伝熱管全数のECTを実施した結果、伝熱管1本(28列6番)について、直管部において有意な信号が認められたため、念のため予防施栓を実施した。
 
 
 
(2)割れ発生原因の調査
 
 伝熱管(43列6番)に割れを生じた原因について以下の調査を実施した。
 
  a.抜管調査
 
 当該部を抜管し、民間研究機関において以下の詳細調査を実施した。
 
  (a)外観調査
 割れは伝熱管の下部(地側)で周方向に発生しており、伝熱管外面では、割れ長さ約11mm、開口部の長さ約2mm、開口最大幅約0.1
mmであり、内面では、割れ長さ約7mm、開口部の長さ約1.3mm、開口最大幅約0.2mmであった。
 また、上部(天側)外面には抜管作業時に管板と接触したことによると思われる金属光沢部を生じており、伝熱管はこの金属光沢部を頂点として極わずかな変形を生じていた。        
 
  (b)破面観察
 破面には茶褐色のスケールが付着しており、付着幅は外面側が長く、内面側が短いことから、割れは外面から生じて内面側へ進展したと考えられる。                    
 
  (c)破面の走査型電子顕微鏡(SEM)による拡大観察結果
 割れの開口部付近は破面が滑らかであり、噴出水によりエロージョンを受けたものと考えられる。また、割れの周辺部は破面が滑らかでなく、エロージョンをあまり受けていないものと考えられる。
  (d)付着物分析
 伝熱管外面付着物の元素分析を実施したところ、腐食性のものは認められなかった。
 
  (e)断面ミクロ観察
 割れは外面から生じ、粒界に沿って進展しており、枝分かれを伴っていた。                    
  (f)引張試験
     JIS規格値内であり、異常は認められなかった。
  (g)化学成分分析
     JIS規格値内であり、異常は認められなかった。
  b.運転状況調査
 伝熱管外側の蒸気中には水質(pH)調整用に添加しているアンモニアが含まれ、また、プラント起動時は、伝熱管外面の酸素濃度が高く腐食環境にある。
 
  c.低圧給水加熱器についての過去の同様事例調査
 低圧給水加熱器の伝熱管については、Uベンド部における凹みにおいて残留応力が発生し、腐食環境と相まって応力腐食割れの発生する事例が過去に経験されている。
 
 以上の調査結果より、
 
・漏えい部には、変形に起因する残留応力が生じていたと推定されること
・割れは粒界に沿って、枝分かれを伴い進展していたこと
・アンモニアが存在する腐食環境下で使用されること
 
から、伝熱管(43列6番)の割れは、伝熱管外面の変形に起因する残留応力と、プラント起動時の酸素濃度が高く、アンモニアが存在する腐食環境の下で伝熱管外面に応力腐食割れが発生し、進展して貫通に至ったものと考えられる。
 
 
(3)漏えい箇所の変形発生原因調査
 
 伝熱管に変形が発生した原因について調査を実施した。
 
  a.工場製作時
 伝熱管は伝熱管製作メーカにて直管の段階でECT検査を実施し、異常のないことを確認後、U字管に曲げ加工していた。その後、給水加熱器製作メーカに搬入し、組み立てを行っていた。
 
  b.現地据付後
 変形は管板内のほぼ中央部の拡管されていない部位に生じており、構造上、工場での組立以降は、伝熱管外面に何かが接触する可能性はなく、また外面に流体が直接当たる部位ではない。
 また、伝熱管外面に有意なスケールの堆積は見られず、管板にも変形の原因となるような腐食は見られなかった。
 従って、現地据付後に変形の生じた可能性は低いと考えられる。
 
 以上のことから、伝熱管の変形は、伝熱管製作メーカでのU字管への加工時または給水加熱器製作メーカでの伝熱管取り扱い時に変形を生じたものと考えられる。
 
8.推定原因
 給水加熱器製造工程において、伝熱管外面に変形を生じたことによる残留応力と、プラント起動時の腐食環境により変形部分を起点に応力腐食割れが発生し、貫通に至ったと推定される。
 
9.対 策
 漏えいの認められた伝熱管1本(43列6番)について施栓を実施した。
 
 なお、第1低圧給水加熱器A号機の伝熱管の施栓本数は、本定検において実施した予防施栓管1本と本対策による1本を合わせて合計2本となるが、許容施栓本数(約150本)に対して十分小さい値であり、機能上問題はない。 
 
                                  以 上
 
 
 
 
 
添 付 資 料