[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成19年6月分他)
 
19.8.10
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成19年6月までに発生した5件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 



補助蒸気ドレン配管からの水漏れ
(3号機)



 
19.5.21


漏えいの原因は、配管取替時の溶接施工の際、溶接施工性がやや悪く、配管内面の溶接金属部が部分的に凹状態となっていたため、ドレントラップの動作に伴うドレンが形状変化部で偏流してエロージョン(機械的摩耗)が発生し、徐々に減肉が進行し、貫通に至ったものと推定される。

○当該配管を切断し、耐食性に優れたステンレス配管に取り替えた。
○3号機の補助蒸気系統のドレン配管のうち、ドレントラップ下流の気液二相流の影響が顕著である範囲の炭素鋼製小口径配管(溶接施工性及び配管肉厚を考慮して2インチ以下とする)の突き合せ溶接部を、次回定検でステンレス配管に取り替える。 なお、1・2号機については該当する溶接部はない。
○3号機の補助蒸気系統のドレン配管については、今回の取り替え範囲を含み全体を今後計画的にステンレス配管に取り替える。また、既設の炭素鋼配管およびステンレス配管を切断した際、内面の減肉状態を確認し、その結果を保全計画に反映する。


 
高圧注入ライン流量記録計電源線の損傷
(1号機)

19.6.5


 
作業員が記録計にぶつかり、記録計の電源線が損傷した原因は、次のとおりと推定される。
○作業員は、制御盤内作業時の注意事項について知識は有していたが、作業前にセルフチェックができていなかった。
○作業員が当日の午前中に隔離した回路の復旧であったため、作業場所に慣れており、制御盤内の狭隘部であるということに対して注意力が低下していた。
○高圧注入ライン流量記録計の本体及び電源線部分が制御盤内の通路にはみ出しており、また、電源線部分の処理が不十分(ケーブルが 固定されておらず、剥き出し状態)であった。
○制御盤内作業においては狭隘部であるため、計器への接触、ぶつかりに注意するとともに、死角方向への移動については急激な動きによる、ぶ つかりに注意することを関係者に周知した。
○当該記録計電源ケーブル養生(ポリエステルのスパイラルチューブ)、記録計外箱エッジ部の養生、配線の整備を行い、万一ぶつかった時においても損傷を防ぐよう処置をした。
○中央制御室盤内の通路にはみ出し、体がぶつかる可能性のある計器について、伊方2号第20回定検及び伊方1号第25回定検時において、電源線及び記録計エッジ部の養生、配線の整備を行う。なお、3号機については、記録計配線の整備、養生は実施されている。



 




湿分分離加熱器1A出口フランジ部からの蒸気漏えい
(1号機)

19.6.10



前回の定期検査時に、湿分分離加熱器本体の取替を実施していた。出口フランジ部については、フランジ内径が若干大きかったことから、今回の定期検査時に取替を実施していたが、フランジ取付溶接部の手直し溶接に伴い、フランジシート面が変形し、それにより、規定のトルクで締め付けても、フランジシート面とパッキンには隙間が生じ、そこから蒸気が漏えいしたものと推定される。なお、フランジの溶接作業において、熱変形を防止するため、配管内面に変形防止治具を取り付け、溶接による収縮を考慮した手順で溶接作業を実施したが、フランジシート面まで変形が及ぶことまでは、想定していなかった。 ○当該フランジのシート面を修正加工することにより変形を取り除き、フランジシート面の当たり確認を実施し、シート面の全面に当たりがあることを確認し、ガスケットを新品に取り替えて復旧した。また、湿分分離加熱器1Dのフランジについても同様の対策を行い、復旧した。
○当該フランジラインのフランジ締め付け作業時には、規定トルクでの締め付けに加えて面間測定を実施し、適正なガスケットの圧縮量であることを確認するとともに、フランジシート面とガスケットに隙間が生じていないことを確認することとし、その旨作業要領書に記載する。
○フランジ取り替え作業時は、フランジ組立前に、当たり確認又は隙間測定を実施し、フランジシート面に変形がないことを確認するよう社内マニュアルに追加する。

 





 
タービン建家非常用排水系統配管からの水漏れ
(1号機)

 
19.6.17



 
非常用排水ポンプ出口配管については、ダクタイル鋳鉄管の差込接続部は内面モルタルライニング未実施であり、その箇所にステンレス鋼管の接触による異種金属接触腐食が経年的に発生進展し、貫通に至ったものと推定される。
さらに、ポンプ運転によりこの配管より地中に漏えいした排水が、配管の下にある空調ダクトのコンクリート打継ぎ部の不良箇所から流入し、タービン建家地下1階の空調ダクトから漏水したものと推定される。
なお、昭和55年の配管取替の際には、異種金属接触腐食による検討が不足していたと考えられる。


○当該箇所の配管をダクタイル鋳鉄管(差込接続部を含み内面エポキシ樹脂粉体ライニング)に取替を実施した。なお、内面エポキシ樹脂粉体塗装を実施しているため、異種金属接触による腐食は発生しないと考えられるが、念のため当該箇所についての内面ライニングを計画的に実施する。
○1号機タービン建家常用排水ポンプ出口配管においては、管の湾曲部付近で同様な施工方法の箇所があるがこの部分には、流体の遠心力による管の移動、継手部の離脱を防ぐために、保護コンクリート中に埋設している。そのため、万一腐食が発生し貫通に至ったとしても地中に漏えいすることはないと考えるが、念のため内面ライニングを計画的に実施することとする。また、内面ライニング施工後、耐圧漏えい試験を実施し内面ライニングの健全性を確認する。
○空調ダクトコーナー床および側壁打継部にできた隙間に止水材を充填し補修を実施した。
○当該空調ダクトコンクリート部については、定期的(2回/年)に点検を実施することとする。
○配管の差込接続部について、炭素鋼とステンレス鋼が直接接触すると腐食の進行が早くなる旨を関係者へ周知する。


海水取水口除塵装置洗浄用海水配管からの水漏れ
(2号機)


19.6.29


当該配管は、建設時に耐食性があるメッキ処理を施した炭素鋼配管であったが、除塵装置ハウジング取替時に入口配管については、通常運転時間が短く、異常時に迅速に対応可能な箇所であることからメーカー標準仕様であるメッキ処理を施していない炭素鋼配管に取替えていた。そのため、除塵装置の停止時に、配管水平部下面に海水の溜まりがあり、その溜まり水により徐々に腐食が進行し貫通に至ったものと推定される。

 
○当該配管を耐食性に優れた内面ポリエチレン粉体ライニング配管に取替えを実施した。
○当該配管と同仕様(炭素鋼)である除塵装置2B2洗浄用海水配管について内面ポリエチレン粉体ライニング配管に取替えを実施した。
○1,2号機の洗浄用海水ポンプ出口から除塵装置までの配管のうち、建設時から取替えを実施していない配管(メッキ処理を施した炭素鋼配管)についても念のため、計画的に内面ポリエチレン粉体ライニング配管へ取替える。なお、炭素鋼配管で海水が溜まりやすい構造の配管については、腐食の進行が早くなる旨を関係箇所に周知する。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、再発防止対策が適切に実施されていることを確認しています。