[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成20年3月分他)
 
20.5.12
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成20年3月までに発生した4件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
  なお、3月6日に発生した伊方1号機湿分分離加熱器ドレンタンクB水面計のガラス損傷、3月16日に発生した伊方2号機充てんラインベント配管からの蒸気漏えい及び3月21日に発生した伊方2号機余熱除去系統B系統の異常については、現在、原因調査中ですので、原因と対策の報告があった段階で公表します。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 






 
原子炉補機冷却水ポンプ2B入口手動弁の駆動部カバーの割れ
(2号機)


 
20.2.14




弁駆動部の分解調査等から、駆動部の内部構成部品に異常はなく、破面は脆性的な破壊の様相を呈しており、弁操作時に応力が集中するカバー本体とハンドル軸のベアリング穴との交差部より割れが発生していた。また、作業状況の聞き取り調査結果から、弁閉止操作および増し締めを2名で実施したことが確認された。
これらのことから、2名による弁閉操作時に過大なスラスト力(回転体の軸方向にかかる力)が作用し、応力集中部となるカバー本体とハンドル軸のベアリング穴との交差部を起点として駆動部カバーにひび割れが生じたものと推定される。
(1)駆動部を新品に取替えた。
(2)1,2,3号機の同型弁駆動部を目視点検し、問題ないことを確認した。
(3)弁閉止操作のスラスト力の測定結果から、1名による最大の閉操作スラスト力は約60kNであり、メーカ仕様許容値約100kNを十分下回っていることから、今回の原因となった2名による最終締め付けを行わないようにするとともに、同型弁操作後には駆動部全体を確認する。また、その旨の注意銘板を1,2,3号機の同型弁に取り付け  る。



 
非常用ディーゼル発電機1Aシリンダ注油器の指示計の不具合
(1号機)


 
20.2.29


 
シリンダ注油器の指示計の不具合の原因は、当該シリンダ注油器ポンプエレメントの逆止弁を構成している吐出口鋼球と吐出口シート面との接触面が、長期間の摩擦運動の繰り返しにより摩耗し細かい傷が発生することにより、逆止弁としてのシール性能が劣化したため、シリンダ油サービスタンクとの位置差による油の流れが生じ、インジケータ内の鋼球が上昇したものと推定される。

 
(1)当該シリンダ注油器ポンプエレメント一式を予備品と取替えた。
(2)1,2,3号機について、毎定検時に全シリンダ注油器ポンプエレメント逆止弁部の液圧漏えい試験を新たに実施するとともに、シリンダ注油器ポンプエレメントの計画的な分解点検時にはインジケータ部も分解点検することとし、それらの結果をもとにインジケータ部の取替えの要否を判断する。また、 その旨を作業要領書に反映する。


 
制御用空気圧縮機1Aの異常
(1号機)


 
20.3.20

現地調査の結果、制御用空気圧縮機本体及び配管系統に異常はなく、制御回路に設置している電磁弁の動作不良と判明した。
当該電磁弁は約2年前の取替以降の繰り返し作動によってホルダ脚部にわずかな摺動傷が発生し、負荷運転への電磁弁切替時にその傷がボディの挿入穴に引っかかり中間位置となったため、空気だめ、排気口側、シリンダ吸入弁用ダイヤフラム側の3つの経路が開状態で保持された。このため、吸入弁からの空気の逃げ道ができ、空気圧縮機が正常に空気を圧縮できなくなったことから、制御用空気の圧力低警報が発信するとともに予備機が自動起動したものと推定される。
なお、制御用空気圧縮機1A停止中は、1B(予備機)が自動起動したため、制御弁等への制御用空気供給に問題はなかった。
(1)当該電磁弁を新品に取り替えた。
(2)当該電磁弁の取替周期を2定検毎から毎定検に変更する。
(3)1,2,3号機の至近の定検において、当該電磁弁を二重化し、動作不良時には予備側の電磁弁に手動で切替できるよう改造する。
(4)今後とも電磁弁を予備品として常備する。

 


エタノールアミン排水処理装置ガス吸収塔ベント配管からの水漏れ
(1、2、3号機共用設備)

20.3.26

ガス吸収塔内のシャワーリング水(排ガスを洗浄する水)の湿分が排気とともに当該排気管に運ばれ、水平配管部に水が溜まる可能性があり、当該排気管の水平配管部には、溜まり水を抜くためのドレン弁が設置されているが、運転中は「閉」運用となっており、また、定期的にドレン弁を「開」として、溜まり水を抜く運用とはなっていなかった。
そのため、ガス吸収塔内のシャワーリング水の湿分が、排気とともに当該排気管に運ばれ、運転時間の経過とともに水平配管内に水が溜まり、その溜まり水の重量と、下流側の垂直配管の重量が水平配管の当該部に局部的に加わったことから、当該部に変形(へこみ)及び割れが生じ、漏えいに至ったものと推定される。
(1)当該排気管(塩ビ配管)の割れ部について、溶接補修(塩ビ溶接)を実施した。また、溶接補修部及び変形(へこみ)部に荷重が加わらないよう、水平配管を約100°回転させて復旧した。
(2)下流側の垂直配管の重量が、水平配管に加わることを軽減するよう、 垂直配管に垂直方向の荷重を支持するサポートを1箇所追設した。 また、当該水平配管の下流側サポート支持部については、局部的な荷重が加わらないよう補強板を追設した。
(3)当該排気管の水平配管内に水が溜まらないよう、排気管ドレンラインにUシール部を設け、排気管ドレン弁を常時「開」運用とした。
  
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、再発防止対策が適切に実施されていることを確認しています。