[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成20年4月分他)
 
20.6.10
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成20年4月までに発生した3件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
  なお、3月16日に発生した伊方2号機充てんラインベント配管からの蒸気漏えい、4月7日に発生した伊方2号機格納容器外周コンクリート壁の主給水配管貫通部の配管支持構造物を冷却する装置からの水漏れ及び4月8日に発生した雑固体焼却設備の排ガスブロア軸受部の損傷については現在、原因調査中ですので、原因と対策の報告があった段階で公表します。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 


湿分分離加熱器ドレンタンクB水面計のガラス損傷
(1号機)

 
20.3.6

 
水面計の分解点検、異常発生時の状況調査等から、最初、マイカガスケットの表面が劣化して、水面計気相部側面より微量な蒸気漏れがあり、この点検のための隔離操作において、最初に上部元弁を閉としたため、水面計水位が上昇し、水面計内部が満水状態になり、気相部漏れ箇所からの漏えい蒸気が増加し、その後、増加した漏えい蒸気によりシーリングガスケットも損傷し、水面計からの漏えい蒸気量がさらに増加し、高温・高圧水の漏えい量増加に伴う衝撃により、水面計ゲージガラスに亀裂が発生し、続いてゲージガラス正面の中央部に穴が開き、高温、高圧水が蒸気となって漏えいに至ったものと推定される。
 
(1)当該水面計および湿分分離加熱器ドレンタンクAの水面計については、今回の定検時に、ガラス式水面計から安全性に優れたマグネット式水面計に取替える。
(2)1〜3号機の高温、高圧(0.5MPa以上、 150℃以上)の水面計については、計画的にガラス式水面計から安全性に優れたマグネット式水面計に取替える。なお、取替までの間は、他の計器によりレベル監視が可能な水面計は、通常運転中、元弁を閉する運用とする。
(3)水面計の隔離手順について、下部元弁から閉するよう運転連絡書にて周知する。



 
余熱除去系統B系統の異常
(2号機)

20.3.21

系統を隔離して調査した結果、余熱除去系統B系統の圧力上昇は、同系統入口ラインの隔離弁のシートリークによる1次冷却系統からの漏れ込みによるものと判明。
プラント起動時の1次冷却系統昇圧・昇温の際、弁上下流の差圧や温度変化等により弁体・弁座の当たり状態が僅かに変化したことからシートリークが発生したものと考えられる。なお、漏れ込み箇所の特定に時間を要したのは、余熱除去系統入口ラインの隔離弁のシートリークを容易に検知できなかったためである。

 
(1)次回定検にて、当該弁本体の分解点検を実施し、シート面の状態を確認するとともに、弁駆動部の点検を実施する。
(2)1〜3号機について、今後、プラント起動時には、余熱除去系統入口ラインの隔離弁間のドレン弁に仮設圧力計を設置し、隔離弁のシートリークによる圧力上昇がないことを確認する。なお、今回と同様な弁体・弁座の当たりの変化に起因したシートリークにより圧力上昇があった場合には、弁の増し締めや弁間の圧抜きなどによるシート機能の回復処置を行う。これらについては、定検の工程表に反映させるとともに、作業要領書を作成する。


湿分分離加熱器1Aの蒸気噴出口の割れ
(1号機)

 
20.4.30

 
湿分分離加熱器1A、1B及び1Cの蒸気入口から3番目の蒸気噴出口の割れの原因は、
○内側側板と天板の溶接部に溶込み不足が発生し、応力集中が生じる形状で、十分なのど厚が確保されなかったこと
○運転中の天板には、蒸気の流れによる高サイクルの流体加振力が作用すること
の条件が重畳したことにより、3番目の蒸気噴出口の内側側板と天板との溶接部に疲労限を上回る高サイクルの振動が生じ、疲労が累積して割れが発生し、蒸気上流側から次々と蒸気下流側の格子板間に割れが伝わるとともに、格子板本体に割れが進展していったものと推定される。
また、湿分分離加熱器1Aの4番目の蒸気噴出口の割れについては、まず3番目の蒸気噴出口の溶接部に割れが発生し、その後3番目の下流側にある4番目の蒸気噴出口の割れが発生したものと推定される。
当該溶接部に溶込み不足が発生した要因としては、溶接作業性の悪い狭隘な箇所の溶接部に、十分な溶込みが得られにくい溶接方法を採用したためと推定される。
 
(1)割れのあった蒸気噴出口も含め3、4番目(16個)を新品に取り替える。取替の際には、取替予定の1、2、10番目の蒸気噴出口(24個)も含めて、溶込み不足を解消するために十分な溶込みが得られるティグ溶接を行うとともに、補強等を行う。
 残りの蒸気噴出口(40個)は、運転中の流体加振力による疲労に対し十分な強度が確保できるよう、溶接部の補修をティグ溶接で行い、さらに補強等を実施する。
(2)運転中に割れの発生が考えられる流体加振力が作用する範囲において、浸透探傷検査が可能な全ての溶接部を検査し割れ等の異常がないことを確認した。なお、流体加振力が作用する範囲で十分な溶込みが得られにくい溶接方法を用いている溶接部のうち浸透探傷検査が出来ない4基で8部位については、強度に余裕を持たせる観点から補強を実施する。
 また、2号機の天板割れの対応として、天板16箇所の取替と総点検を実施し、溶接部の健全性を確認するとともに、念のため4基で20部位の補強を実施する。
(3)今後、溶接作業性の悪い狭隘箇所に溶接を施工する場合は、溶込み不足が発生しないような実施方法を選定するよう、発注仕様書で要求する。
(4)伊方2号機については、1号機と同様の構造で同様な溶接施工のため、2号機としては新たにアコースティックエミッションを設置するとともに、音響監視装置等による監視強化を行い、次回定期検査において、1号機と同様な対策を実施する。
(5)伊方3号機については、構造が1、2号機と異なり、同様な蒸気噴出口がないこと等から、対策は不要。
(6)今後の対応として、伊方1、2号機の湿分分離加熱器については、全台を新たに製作しなおし、平成22年度から23年度にかけて取り替えることで、今後検討を行う。また、新たな製作に当たっては、社員を工場に駐在させる等品質管理に万全を期す。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、再発防止対策が適切に実施されていることを確認しています。