[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成22年1月分他)
 
22.3.10
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成22年1月までに発生した6件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 

低圧給水加熱器加熱用抽気の温度計の異常
(3号機)
20.12.24
調査の結果、当該温度計の温度測定素子が破断していた。温度測定素子が破断した原因は、前回定検での取り外し・取り付け時の固定用袋ナットの脱着等で温度測定素子の固定用袋ナット付近の外表面に微小な傷が生じ、さらに、温度測定素子を、低圧給水加熱器本体との間にわずかな隙間ができる寸法・形状の固定金具で取り付けてあったことから、プラント運転中の振動により、この傷を起点とし破断に至ったものと推定。 (1)当該温度計を新品に取り替えるとともに、固定金具を隙間のない寸法・形状のものに取り替えた。 また、類似箇所の温度計(3箇所)についても念のため固定金具を含め新品に取り替えた。
(2)復水器内部の温度計を取り外しした場合は、温度計を新品に交換するとともに、固定金具については、隙間のできない形状とするように作業要領書に記載する。

復水器への海水の混入
(3号機)

21. 9.25
当該管の金属調査等の結果、細管損傷の原因は、細管外面からのドロップレットエロージョンであり、細管外面からの小さな点状の減肉が徐々に進行し、貫通に至ったものと推定。
当該箇所近傍は蒸気流速の速いエリアであること、また、当該部は上部にダンプスプレイのノズルがあり、ノズルからの水がドレン配管のサポート板をつたわって当該管に衝突する可能性があることから、当該管に高速の蒸気とともに水滴が衝突して、ドロップレットエロージョンが発生したと推定。

※ドロップレットエロージョン:
タービン排気蒸気等の水滴や凝縮水が、高速な気体とともに細管等に衝突することにより、細管表面を浸食する現象。
(1)復水器3B水室の漏えい細管特定時(平成21年10月)に、漏えい管1本及び渦流探傷検査の結果から微小な指示が認められた細管とその周囲の細管など20本の合計21本について、施栓を実施した。
漏えい管以外で施栓をした20本のうち、2本については、定期検査時に外観目視点検および類似細管の抜管調査を行った結果、凹み等の異常は認められなかったため、施栓を取り外し、施栓細管は合計18本となった。
(2)復水器水室3A、3C、3Dの細管のうち、漏えい管と同じ位置でかつ流速の早い復水器壁側の細管およびその周辺の細管(既施栓分以外)合計17本について、施栓を実施した。なお、今回の施栓による運転への影響はない。
(3)流速の早い復水器壁側で施栓を実施した細管の周りの細管については、当面は毎定検、外観目視点検を実施する。また、外周細管の高感度ECTについては、今回の漏えい箇所と同様な波形の有無を確認することとし、同様な波形が認められた箇所については、目視点検を実施する旨、作業要領書に記載した。

アスファルト固化装置補助蒸気供給配管からの蒸気漏れ
(2号機)
21.11.12
当該箇所は垂直配管の溶接部近傍であり、初期には溶接裏波形状の影響により、また途中からは厚い酸化皮膜が生成している部位と減肉部位の段差により、蒸気の乱流が発生したこと、並びに当該補助蒸気系統はアンモニアを注入しておらず、プラントの2次系系統に比べ鉄が溶出しやすい水質環境にあることが重畳し、減肉が進展して貫通に至ったものと推定。
なお、水平配管内ではドレンは配管底部を流れており、酸化皮膜も垂直配管ほど厚く生成しないことが確認されている。

※溶接裏波:表側からのみ行う溶接において、裏側に形成された溶接金属の余盛の部分。
(1)当該箇所の配管を新品(炭素鋼製配管)に取り替えた。
(2)次回定検時に、当該配管のうち垂直配管を耐食性に優れたステンレス製配管に取り替える。
(3)補助蒸気供給配管のうち材質が炭素鋼である垂直配管の直管溶接部周辺についても、肉厚測定を実施することとし、点検計画に反映する。
 なお、著しい減肉傾向が認められた箇所についてはステンレス製配管に取り替える。

海水淡水化装置塩酸注入系統からの塩酸の漏えい
(3号機)
22. 1. 3
漏えいのあった弁のゴム製ダイヤフラムが塩酸により割れおよび膨れを伴う変形を起こしたことから、弁本体とゴム製ダイヤフラムの間に僅かな隙間が生じ、弁本体にボンネットを取り付ける4本のボルトのうちの1本の取り付け穴部から塩酸が漏えいしたものと推定される。
また、点検周期を延長したため、ゴム製ダイヤフラムの変形の兆候が点検により確認できなかった。

(1)3号機の海水淡水化装置は2基あり、当該弁(B号機)及びA号機の同じ箇所に設置されている弁のゴム製ダイヤフラム及び取り付けボルト全数について、新品に取り替えた。
(2)当該弁及びA号機の弁のゴム製ダイヤフラムについては、EPDM製からより耐酸性に優れたテフロン製ダイヤフラムへの取替を、次回の海水化淡水化装置点検時(平成22年8月予定)に実施する。
(3)当該弁と同じゴム製ダイヤフラムを使用している3号機復水脱塩装置の弁については、今後2定検で計画的にテフロン製ダイヤフラムに取り替える。
(4)今回の事象を踏まえて、塩酸系統のダイヤフラム弁の点検周期を延長する場合にはダイヤフラムの材質を確認するよう、関係者に周知する。

ほう酸濃縮液ポンプのドレン配管接続部からの水漏れ
(3号機)
22. 1.10
当該フランジ部から漏えいが発生した原因は、フランジ部の片締めにより漏れが生じやすい状態(フランジとポンプケーシングの合わせ面に最大0.25mmの隙間を確認)となっていたことから、ポンプ運転、停止に伴う圧力変動の影響に伴い締付圧力が徐々に低下し漏えいに至ったものと推定。
(1)当該フランジのガスケットを新品に取り替えるとともに、合わせ面の隙間が均等になるよう復旧し、漏えいのないことを確認した。
(2)同型ポンプのフランジの締め付けにおいては、トルク管理を行うとともに合わせ面の隙間が均等であることを確認するよう、作業要領書に記載する。

低圧タービンの内部部品の固定ボルト廻り止めピンの欠損
(3号機)
22. 1.13
前回定期検査時の割りピン取り付け作業において、割りピンの取り付けが不十分であったことから、割りピンの長手方向のガタが通常よりも大きい状態となった。このため、運転中の蒸気流による流体振動等の影響により、割りピンが長手方向および周方向に微少振動するとともに、ナットが回転方向にも微少振動することにより、ナットの割りピン挿入穴端部とボルト・ナット境界部のピン穴との摺動により割りピンが摩耗減肉して、割りピンの損傷に至ったものと推定。 (1)未回収の割りピン欠損品の状態については、回収品の状況から、回収できなかった欠損品(総重量3g程度)は、0.1g以下の微細な粒状または粉状の状態になっていると考えられ、そのほとんどは定期検査時の系統水のブロー等によって、系統外に排出されたと考えられる。
 このため、欠損品は下流機器に影響を与えることはないものと考えられるが、欠損品が流れていく経路にあり、狭い隙間のある回転機器(復水ポンプ等)及び静的機器のうち比較的薄肉である熱交換器(復水器等)の伝熱管について、振動調査や衝突解析等により、異常のないことを確認した。
(2)割りピンによる廻り止めから、取り付け方によるガタが生じることのないテーパーピン(ナット付)による廻り止めに変更した。
なお、テーパーピンの抜け止めとして、テーパーピンにナットを取り付けて溶接を行った。
(3)念のため、毎定期検査時にテーパーピンにゆるみ等の異常のないことを確認する。
 
※平成21年8月16日に発生した「伊方1号機2次系補機冷却用海水配管からの海水漏えい」及び同年11月20日に発生した「伊方1号機蒸気発生器熱出力の変動による運転上の制限の逸脱」については、次回定期検査時に詳細を調査することとしています。
 平成22年1月8日に発生した「伊方発電所岸壁クレーン軸受部からの油漏れ」については、現在調査中ですので、原因と対策の報告後、公表します。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。