[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成22年5月分他)
 
22.7.12
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成22年5月までに発生した3件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 
C 2次補機冷却用海水配管からの海水漏れ
(1号機)
21.8.16 湧水ピットの水位が上昇傾向であったため、運転員が調査したところ、海水系統配管本体から鉛筆1本程度の漏えいを確認した。
調査の結果、2次系補機冷却系統の冷却用海水供給配管から、約1.6m3/hの漏えいがあることが判明した。
本事象は、配管内面に塗装しているタールエポキシ樹脂の補修塗装の劣化・剥離あるいは海水の流れによる海生物等の衝突に伴う塗装面の損傷により、海水と炭素鋼配管内表面が接液し、母材(炭素鋼)内面から外面に向かって腐食が進行して貫通に至ったと推定。
また、当該配管は、第11回定検以降、異常がなく、代表箇所の点検結果に基づき劣化傾向が把握できると判断し、第18回定検以降は、内部目視点検を毎定検から12定検毎に変更しており、これが異常の兆候を早期に発見できなかった原因と推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)当該配管を耐食耐磨耗性に優れた内面ポリエチレンライニング配管に取り替えた。
(2)1号機の当該配管以外のタールエポキシ樹脂塗装箇所については、今定検から計画的にポリエチレンライニング配管に全て取り替えるとともに、取替までは毎定検内面点検を実施する。
 2号機についても、次回定検時にポリエチレンライニング配管に全て取り替える。
 3号機は、タールエポキシ樹脂塗装配管は使用していない。
(3)ポリエチレンライニング配管への取り替え後は、点検頻度を12定検毎から6定検毎に変更し、ライニング全面について内部目視点検を実施する。
B 蒸気発生器熱出力の変動による運転上の制限の逸脱
(1号機)
21.11.20 運転員が操作をしていない状態で、タービン蒸気加減弁第3弁及び第4弁が開方向に変動し、発電機出力が上昇した。
発電機出力の上昇に伴い、蒸気発生器熱出力にも上昇傾向が見られたため、加減弁開度を手動で調整したが、蒸気発生器熱出力が保安規定で定める運転上の制限を、3分間、逸脱した。
調査の結果、負荷制限器油圧の上昇により加減弁開度が変動しており、当該負荷制限器油圧の上昇は、タービン油圧制御系統を循環するクノーフィルターでは捕捉できないような微細な油カス等がオートストップ油系統のマルティプルオリフィス内などに堆積し、それが運転中に剥がれて負荷制限器へ流れ、カップ弁及びピストン部への噛み込みにより、負荷制限器油圧が上昇したものと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)負荷制限器へ給油するオートストップ油系統のマルティプルオリフィス等の分解点検を行い、内部付着物の点検清掃を行った。
(2)次回定検まで、試験的に静電浄油装置を使用し、クノーフィルターでは除去できない0.1μm程度までの微細な油カス等の除去を行い、タービン油系統の清浄度を向上させる。
 また、次回定検時に、マルティプルオリフィスの分解点検及びオートストップ油圧リリーフ弁、エアーパイトッロ弁、負荷制限器の取り外しによりオートストップ油系統を点検し、内部付着物等の確認を行って、静電浄油装置の効果を評価し、今後の静電浄油装置の使用について検討するとともに、適切な機器の点検頻度を設定する。
B ほう酸濃縮液ポンプ(1,2号機共用)のドレン配管接続部からの水漏れ
(2号機)
22.5.5 ほう酸濃縮液タンク室内において、少量の液体が漏えい(約1リットル)しているのを運転員が発見し、微量の放射性物質(約61ベクレル)を含んだ液体であることを確認した。
調査の結果、ほう酸濃縮液ポンプに接続しているドレン配管のフランジ部からの漏えいを確認した。
本事象は、ほう酸水による弱酸環境及びヒートトレースによる高温環境との組合せにより、フランジ部のアスベスト製ガスケットのゴムバインダーの劣化が促進され、復元力が低下したことから、シート機能が失われ漏えいに至ったものと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)当該フランジのガスケットを耐薬品性に優れたノンアスベストガスケットに取り替えし、漏えいのないことを確認した。
(2)当該ポンプと同型のポンプのうち、使用環境(内包流体、温度)が等しいポンプは、3号機ほう酸濃縮液ポンプ1台のみで、ノンアスベストガスケットに取り替え済みである。
(3)当該ポンプと同型のポンプのうち、使用温度が常温であるが、内包流体がほう酸水であるポンプ4台は、念のため、次回定検時にノンアスベストガスケットに取り替える。
※平成22年1月8日に発生した「伊方発電所岸壁クレーン軸受部からの油漏れ」及び同年5月18日に発生した「伊方1号機復水脱塩装置塩酸貯槽の変形について」は、については、現在調査中ですので、原因と対策の報告後、公表します。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。