[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成22年6月分他)
 
22.8.10
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成22年6月までに発生した4件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 
C 復水脱塩装置塩酸貯槽の変形
(1号機)
22.5.18 復水脱塩装置塩酸貯槽内の水洗作業のため、保修員が当該貯槽上部に上がったところ、貯槽天板が変形していることを確認した。
本事象は、塩酸貯槽液抜き取り後の洗浄用水の水張り時に塩酸貯槽上部まで洗浄用水を水張りしたため、オーバーフローラインからの排水によって、貯槽タンク上部に負圧が生じ、この負圧がオーバーフローラインのスクラバーバイパス弁中心部の堰のような構造と相まって、オーバーフローラインに洗浄用水を滞留させたことで、塩酸貯槽下部から洗浄用水を水抜きした時に、オーバーフローラインから十分な空気が確保できなかったため、貯槽内が負圧になり変形したと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)塩酸貯槽天板の変形は、貯槽内部より力を加えて変形部分を元の形状に復元し、貯槽内面のゴムライニングの割れは、ゴム補修した。
(2)塩酸貯槽に洗浄用水を水張りする場合は、水張り量を流量積算計で管理しオーバーフローさせないよう作業手順書に明記する。
(3)塩酸貯槽の洗浄用水を水抜きする際は、貯槽上部のマンホールをずらし、空気の吸い込み箇所を確実に確保するよう作業手順書に明記する。
(4)今回の事象を関係者に周知し、他号機の操作手順書も同様に改正する。

C エタノールアミン排水処理装置排水冷却器からの水漏れ
(1,2,3号機)
22.6.1 エタノールアミン排水処理装置において、排水冷却器より、1滴/秒程度の水漏れ(放射能を含まない水)が発生していることを運転員が発見した。
調査の結果、排水冷却器プレートのガスケットが減肉していた。
漏えいした排水は約50リットルで、紙ウエスでふき取って回収し、総合排水処理装置で処理した。
本事象は、排水中の電気分解処理により生成される次亜塩素酸ソーダ及び温度との関係により、排水と接液するガスケットの性能が低下して端面が除々に減肉し、ガスケットのシール機能が維持できない状態となるまで減肉が進行したため、漏えいに至ったと推定。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。

(1)当該排水冷却器のガスケットを新品に取り替えた。なお、当該排水冷却器と同型で、同様な使用環境で運転している冷却器は他にはない。
(2)今後2年以内の時期に排水冷却器の分解点検を行い、ガスケットの減肉量を確認したうえで、適切な機器の点検頻度を設定し、定期的に分解点検を行い、ガスケットの取り替えを行う。
C 復水脱塩装置の排水配管からの水漏れ
(1,2号機)
22.6.2 1,2号機復水脱塩装置の排水配管より漏えい(放射能を含まない水)が確認された。
調査の結果、沈殿池受入弁は取替作業中で仮取り付けされた状態であり、2号機復水脱塩装置排水ラインが隔離されていなかったため、ポンプが自動運転した際に、当該弁のフランジ部から、復水脱塩装置の排水が最大で約10m3漏えいした。
漏えいした排水の敷地外への流出はなく、周辺環境への影響はなかった。
本事象は、当該弁の点検前に1号機及び2号機の復水脱塩装置中和槽排水ポンプ出口弁を隔離する必要があるが、1号機の弁の隔離を委託していた関係会社の委託運転員が、2号機の弁も委託されていると思い込んでいたが、1号機の隔離作業しか実施せず、また、四国電力の担当者も2号機の弁の隔離作業があることを確認していなかったため、不十分な隔離で委託運転員から作業許可が出されたため、取替作業で当該弁のフランジ部が緩められていたところに、2号機復水脱塩装置中和槽からの排水が移送され、漏えいしたと推定。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。

(1)委託先に対して、隔離・復旧委託範囲外の点検弁の隔離・復旧操作は、四国電力の所掌であることを周知徹底し、定検前に隔離操作上の基本ルールについて「隔離操作等実施細則」等により再教育を行う。
(2)定期検査前に委託先に対して、運転員が点検機器の隔離を検討する際は関連する系統がすべて表示されている系統図を用いて点検機器と隔離範囲を色塗りするなどにより隔離範囲を確実に検討するよう指導すること、および管理者が作業を許可する際は確実に隔離が行われていることを色塗り系統図により確認したうえで許可することを周知徹底する。
(3)定期検査前に四国電力(系統管理担当)は、保修員より申請された、隔離委託範囲外のすべての点検機器について、定検開始前に隔離内容を確認する。
(4)今回の事象についてワンポイントレッスン資料を作成し、1,2号機復水脱塩装置排水配管は1,2号共通配管であり隔離・復旧の検討に際しては特に注意が必要であることを隔離業務担当箇所に周知徹底する。
B 1,2号機用一次冷却材ポンプ予備インターナル保管容器の水位確認用ホースからの水漏れ
(3号機)
22.6.22 1,2号機用1次冷却材ポンプ予備インターナル点検の準備作業中、予備インターナルを水中保管している容器の水位確認用ホースにより、容器内の保管用水が床に漏えいしていることを保修員が確認した。
調査の結果、漏えい量は約450ℓ(放射能量約5.4×10ベクレル)で、漏えいした水の大半は液体廃棄物処理系統へ回収し、残りを紙ウエス等でふき取った。
本事象は、当該作業の要領書には、水位確認用ホースの固定方法及び水位確認用ホース元弁の管理方法についての記載がなかったため、1次冷却材ポンプ予備インターナルの点検作業において、午前中の作業が終了し現場を離れる際に、水位確認用ホース元弁を「開」の状態のままとし、その後、水位確認用ホースを固定していたテープが粘着力低下により剥がれ、ホース開放端より保管用水が漏えいしたと推定。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。

(1)当該作業に関し、以下の項目について作業要領書に追記する。また、改正内容について作業関係者全員に周知する。
a.落下防止のため、水位確認用ホースは足場パイプに固定し、ホース先端は番線で、元弁との接続部はホースバンドで保管容器に固定する。また、水位確認用ホースの固定方法を示した図面を添付する。
b.作業中、水位を確認する時のみ水位確認用ホース元弁を「開」とする。
c.保管容器の弁開閉状態について、チェックシートで作業責任者が確認する。
(2)1次冷却材ポンプ予備インターナル保管容器壁面に「水位確認時以外は、弁を「閉」にすること」と明記した表示板を取り付け、注意喚起を促す。
※平成22年1月8日に発生した「伊方発電所岸壁クレーン軸受部からの油漏れ」、同年6月7日に発生した「伊方3号機取水ピット水位計の異常」及び同年6月8日に発生した「安全防護系シーケンス盤の制御システム停止に伴う伊方2号機の運転上の制限の逸脱」については、現在調査中ですので、原因と対策の報告後、公表します。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。