[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成22年8月分他)
22.10.12
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成22年8月他に発生した5件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 



燃料移送装置の変形
(2号機)


 
22.7.17

通常運転中の伊方2号機において、燃料移送装置の部品取替作業のため、リフティングフレームを操作中にリフティングフレーム下端と燃料コンテナが接触した。
調査の結果、当該コンテナのほか、コンベアカー、リフティングフレームの軸受構成部品の一部などにも接触による変形が確認された

当該作業については、請負会社における作業要領書作成時には、作業責任者が作成後、上位職がチェックする体制となっていたが、要領書の作成・審査時に使用している作業要領書作成手引きに、リフティングフレームと燃料コンテナの干渉確認に係る具体的な記載がなく、干渉確認が不十分であったこと、また、四国電力の作業要領書の承認においては、装置の動作確認や機能の健全性を主に確認しており、干渉について確認していなかったことから、十分な干渉確認がなされないまま作業要領書が作成され、その要領書に基づき作業が実施されたため、リフティングフレームの下端と燃料コンテナが接触したものと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。




 
(1)
@作業要領書について、干渉しないように、「リフティングフレームを水平にして取り外し、オペレーションフロアに仮置きする」要領に変更する。
A燃料コンテナ等の変形は、変形部分を元の形状に復元する。
Bリフティングフレームの軸受構成部品は、新品に取替えを実施した。
C念のため燃料コンテナを新品のものと取替えた。
(2)メーカにおいては、燃料コンテナの軸受構成部品取替えにあたっては、燃料コンテナとリフティングフレームを分解して実施することを標準工法とする等の再発防止を図ることとしており、四国電力はこの実施状況を確認する。
(3)「伊方発電所作業要領書作成手引き」に、「装置の分解点検等に伴い、インターロックを除外して行う操作がある場合は、事前に装置相互の干渉が生じないことを確認する」旨注意事項の記載を追記し、四国電力の承認においても確認を行う。また、「作業要領書作成チェックシート」に、チェック項目を追記する。
(4)伊方1,2号機の燃料移送装置においては、燃料コンテナが所定位置でない状態で、リフティングフレームの立て起こし操作を行うと、リフティングフレームの下端が燃料コンテナと干渉する構造であることを、新たに作成したワンポイントレッスンにより関係者に周知した。





 
海水淡水化装置建屋内での塩酸漏えい
(3号機)


 
22.8.2



 
通常運転中の伊方3号機において、海水淡水化装置室内から塩酸ガスの検知を示す信号が発信したことから、運転員が現場を確認したとこと、塩酸受入中の塩酸貯槽まわりの配管フランジ部から塩酸が漏えいしていることを確認した。
調査の結果、海水淡水化装置の塩酸系統配管フランジ部を分解点検した際に、点検後の締め付けが不十分であったことから、塩酸の受入時に漏えいした。
本事象は、
・作業員がフランジ仮締め状態のときに、他の現場に呼ばれ、締め付けを忘れた。
・フランジの面間測定記録は、必須な記録であるが、標準作業要領書の記録用紙に「参考記録」との記載があったことから、塩酸受け入れ前にフランジの面間記録の確認を実施しなかった。
・複数のフランジを分解点検する場合、個々のフランジの締め付け確認が確実にできる標準作業要領書となっていなかった。
・工事責任者と作業員の間でフランジ締め付け完了確認方法を明確にしていなかった。
ことから、締め付けが不十分なフランジ部から塩酸が漏えいしたと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

 
(1)当該フランジ部については、ガスケットを取り替えて確実に締め付けを行うとともに、今回分解点検を行ったその他のフランジ部(176箇所)についても確実に締め付けられていることを確認した。
(2)フランジの面間測定記録は、フランジ締め付けが完了していることを確認するための必須な記録であることが分かるように、「参考記録」の表記を削除した。
(3)複数のフランジを分解点検する場合は、フランジ締め付け管理チェックシートにて、フランジ1ヶ所毎の締め付け確認を確実に実施するよう、標準作業要領書及び品質保証チェックシートを改正した。
(4)作業要領書読み合わせ時等にて決められたことは確実に実施するよう、また、作業要領書のステップ毎に工事記録による確認を確実に実施するよう、ワンポイントレッスンを作成し、関係者に周知する。








 
タービン非常用油ポンプ電源装置の異常
(1号機)




 
22.8.3




 
定期検査中の伊方1号機において、タービン非常用油ポンプ電源装置の異常を示す信号が発信した。
調査の結果、タービン非常用油ポンプの電源回路にある整流器の制御カードの不具合により、整流器出口の電圧が上昇したため、電源装置の異常を示す信号が発信した。
本事象は、タービン非常用油ポンプ電源装置盤ケーブル処理箱内電線管端部にシール未施工箇所等があり、電線管を通して高温の外気が室内に流入し、急激に冷やされ結露水となって、制御カードに落下したため、一時的に誤った制御信号を整流器に出力し、整流器過電圧発生に至ったものと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。


 
(1)当該制御カードを新品に取り替えた。
(2)タービン非常用油ポンプ用直流電源装置の設置環境上、ケーブル処理箱内電線管端部に結露が発生しやすい状態であることが分かったため、ケーブル処理箱内全ての電線管端部について、シール処置をした。
(3)他号機を含め同様な設置条件下にある他の電源装置についても、ケーブル処理箱内のシール処置状況を確認した結果、シール未施工箇所等はあったが、結露水の発生がないことを確認した。なお、念のため、シール未施工箇所等についてはシール処置を実施した。
(4)ケーブル処理箱内電線管端部のシール処置状況の健全性を確認するよう、作業要領書の改訂を行い、定期検査時に点検を行う。







 
一次系弁の漏えい監視用温度伝送装置の異常
(1号機)



 
22.8.11



 
通常運転中の伊方1号機において、一次系弁漏えい監視用温度の異常を示す信号が発信した。
調査の結果、弁の漏えいを示す他の運転データに異常がなかったことから、弁からの漏えいはなく、一次系弁漏えい監視用温度の送受信器の動作不良により、異常を示す信号が発信した。
本事象は、送受信器の故障により、正常な温度の電気信号が得られなかったためと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

 
(1)当該送受信器は製造中止のため、同じ機能を持つ型式の異なる新品のものに取り替えた。
(2)同型式の送受信器は2号機にあり、これらについても今定検時(2−22定検)に取り替える。

 




 
充てんポンプ逃がし弁の異常
(2号機)



 
22.8.20



通常運転中の伊方2号機において、充てんポンプ2Bの点検後の確認運転を終え、運転機の切り替え操作をしていたところ、ポンプ出口の逃がし弁が動作し、充てんポンプ2Bを停止しポンプ出口弁を閉とするまで当該弁が動作し続けた。
本事象は、「充てんポンプ2Aの速度調整」、「充てんポンプ2Bの速度調整」及び「充てん流量調整弁の開度調整」を同時に実施する運転操作において、わずかな操作タイミングのずれにより、充てんラインの圧力が高くなり、回転数の高い充てんポンプ2Bの出口側に設置している逃がし弁が動作したものと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。


 
(1)充てんポンプ切換等の運転操作時に、従来は充てん流量と封水注入流量を監視して調整していたが、今後は、充てんラインの圧力も監視しながら操作できるように、充てんラインに圧力計を設置する。なお、万一当該弁が作動した場合には、充てんポンプを停止後、充てんポンプ出口弁を閉止し、充てんポンプ逃がし弁の温度と漏えい音の確認を速やかに実施するよう関係者に周知する。
(2)充てんポンプ切換等の運転操作について、従来より原子力保安研修所のシミュレータにより訓練しているが、今後は、充てんポンプの速度調整と充てん流量調整弁の調整レートに重点をおいた訓練を実施する。
 
※平成22年1月8日に発生した「伊方発電所岸壁クレーン軸受部からの油漏れ」、同年6月8日に発生した「安全防護系シーケンス盤の制御システム停止に伴う伊方2号機の運転上の制限の逸脱」、同年8月4日に発生した「伊方発電所モニタリングポストNo.3の伝送装置の異常」、同年8月5日に発生した「伊方3号機主変圧器火災警報装置の誤発信」及び同年8月16日に発生した「伊方2号機充てんポンプ点検用フランジ部からの水漏れ」については、現在調査中ですので、原因と対策の報告後、公表します。
 
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。