[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成22年10月分他)
 
22.12.10
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成22年10月までに発生した3件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 
安全防護系シーケンス盤の制御システム停止に伴う伊方2号機の運転上の制限の逸脱
(1,2号機)
22.6.8
定期検査中の伊方1号機において、保修員が安全防護系シーケンス盤Aのシステムが停止していることを確認した。
調査の結果、当該システムに電源を供給する計装用電源1A点検後の復旧操作において、停止していたCPU-A1を起動する際、故障リセットの操作は行ったが、制御スタートスイッチの操作をしていなかったため、CPU-A1は停止状態のままであったにもかかわらず、計装用電源装置1C点検のためにもう1系統のCPU-A2を停止したことから、当該システムが停止した。
同シーケンス盤は、1,2号機共用設備である中央制御室換気系隔離作動論理回路を有しており、同シーケンス盤Aのシステム停止により論理回路が動作不能状態となったことから、運転中の2号機に対して原子炉施設保安規定に定める運転上の制限を逸脱していると判断した。なお、もう1系統の中央制御室換気系隔離作動論理回路は健全であった。
本事象は、前回定検で新設した安全防護系シーケンス盤の復旧操作方法に係る確認が電話による確認のみで十分でなかったことから、運転員は制御スタートスイッチ操作の必要性を認識しておらず、また、故障リセット操作により同盤の故障ランプが消灯したことから、他のデジタル制御装置と同様に故障リセット操作のみで正常に復帰したと思い込み、安全防護系シーケンス盤Aの1系(CPU-A1)が正常に起動していない状態で2系(CPU-A2)の電源を停止したことで、安全防護系シーケンス盤Aの両系の出力が停止し、システムが停止したと推定。
本事象による環境への放射能の影響はなかった。

(1)計装用電源装置の復旧に係る安全防護系シーケンス盤の復旧は、運転員が安全防護系シーケンス盤の受電操作を行い、保修員が安全防護系シーケンス盤内の復旧操作を行うよう復旧操作手順書に反映する。
 その他の制御装置の復旧操作を保修員が運転員に移管する場合、保修員は操作手順を文書により運転員に説明する。
(2)制御装置等の設備更新に伴い隔離・復旧操作手順書を新規作成または改訂する際は、文書により設備主管箇所の確認を受けるように社内規定を見直す。
(3)設備を更新(新設、改造、撤去等)した場合、設備主管箇所は運転操作上の注意事項を文書(設備変更連絡書)により関係箇所に周知しているが、更に隔離・復旧操作時の注意点についても記載するよう様式を見直す。
(4)原子力保安研修所に平成23年度設置予定のデジタル制御装置の保修訓練設備を用いて運転員へも設備教育を実施する。
(5)制御システムの制御状態表示について認知性を向上させるため、制御スタートスイッチのLED表示と制御システムの制御状態を示す注意表示を当該LED部に掲示する。
(6)安全防護系シーケンス盤の故障リセット及び制御スタートは操作を行う同盤の故障ランプ消灯及び制御スタートスイッチのLED点灯により確認できるが、運転員の認知性を更に高めるため、故障リセット操作をしても制御スタートスイッチ操作を行うまでは、安全防護系シーケンス盤故障警報を中央制御室に発信させる設計に変更する。

原子炉格納容器内床面への純水の漏えい
(2号機)
22.10.5 定期検査中の伊方2号機において、原子炉格納容器サンプの水位の上昇を示す信号が発信したため、運転員が原子炉キャビティ純水補給状況を確認したところ、補給水がキャビティ排気ダクトへ流入していることを発見した。
その後、現地の漏えい状況を確認したところ、原子炉格納容器2階にあるキャビティ排気ダクトのダンパやダクトの繋ぎ目から水が漏えいし、また、地下1階や1階などにも漏えいしていることを確認した。漏えい量は原子炉格納容器サンプに流入したものが約164ℓで、その他各階の床面に溜まっていたものを合わせて、計約400ℓであった。なお、補給水は純水であり、放射性物質は含まれていない。
本事象は、原子炉キャビティの純水補給に用いる仮設ホースをキャビティ排気ダクト吸い込み口近傍に1点固縛で設置していたが、作業による仮設ホースの敷設ルートの変更により仮設ホースの原子炉キャビティへの挿入長さが短くなり、また、補給水の流れの反動により仮設ホースが排気ダクト吸い込み口へ向いてしまったことにより、排気ダクトに補給水が流入し、原子炉格納容器内への漏えいに至ったと推定。
本事象によるプラント運転への影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)今定検においては、原子炉キャビティの純水補給に用いる仮設ホースをキャビティ排気ダクト吸い込み口から離れた位置に移動させた。
(2)仮設ホースの状態に係わらず補給水を確実に補給できるようにするため、定検中の原子炉キャビティへの純水補給が必要となる期間のみ、キャビティ排気ダクト吸い込み口から離れた位置に、向きを固定することができる治具(先端部が鋼製の配管)を設置するよう作業要領書に追記する。

屋内開閉所における発煙
(2号機)
22.10.6 定期検査中の伊方2号機において、OFケーブルの異常を示す信号が発信したため、運転員が現場を確認したところ、1,2号機屋内開閉所の2号OFケーブル監視盤から発煙していることを確認した。
消防署が消防車で立入のうえ、現地を確認した結果、「火災ではない」と判断した。
調査の結果、発煙はOFケーブル監視盤内の制御電源用の変圧器から発生しており、一部に過熱損傷が見られ、また、整流器の一部に異常が見られた。
本事象は、整流器(ダイオード)の故障により、制御用変圧器に過大な電流が流れ、制御用変圧器巻線が過熱損傷し発煙に至ったと推定。なお、整流器下流の監視回路等を保護するためにヒューズを設置しているが、制御用変圧器と整流器の間にもヒューズを設置していれば、整流器の故障に対しても保護可能であった。
本事象によるプラント運転への影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)当該盤について、制御用変圧器と整流器等を取り外し、保護機能としてヒューズを追加した電源装置(制御用変圧器及び整流器等)と交換した。
(2)電気回路に制御用変圧器と整流器を組み合わせて使用しており、常時通電状態で長期間(25年以上)使用しているプラント設備について、整流器の故障に対する保護機能の有無を確認する。
 保護機能が動作に至らない可能性がある場合は、設置場所や点検状況を考慮し、次の対応を実施するよう保守計画を策定し、管理する。
○整流器の故障に対する保護機能の新設または改造
○保護機能の新設または改造が困難な場合は、当該整流器を交換。

※平成22年1月8日に発生した「伊方発電所岸壁クレーン軸受部からの油漏れ」、同年8月4日に発生した「伊方発電所モニタリングポストNo.3の伝送装置の異常」、同年8月16日に発生した「伊方2号機充てんポンプ点検用フランジ部からの水漏れ」及び同年10月20日に発生した「伊方3号機抽気逆止弁動作試験における異常」については、現在調査中ですので、原因と対策の報告後、公表します。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。