[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成22年8月分他)
 
23.1.11
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成22年8月までに発生した3件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 
岸壁クレーン軸受部からの油漏れ
(1,2,3号機)


[中間報告]
22.1.8
伊方発電所において、保修員が荷揚岸壁に設置している岸壁クレーンの基礎部近傍にある電源中継箱の下部に少量の油漏れがあることを確認した。
調査の結果、軸受部に破断が確認され、その破断部から潤滑油が漏れ出し、電線管を通じて電源中継箱より漏えいしたことを確認した。
破断した軸受部は、7月に新品に取替えたが、その後の破断面や材料等の調査結果から、当該軸受部には設計での許容応力を上回る集中応力が発生することが確認されたため、取替えた軸受部を調査したところ、再度、初期き裂が確認された。
本事象は、設計時に想定していなかった集中応力が軸受部に発生した結果、軸受表層部に初期き裂が生じ、クレーンの運転に伴う繰り返し応力によりき裂が進展して破断したことにより、当該軸受部の潤滑油が電線管を通じて電源中継箱から漏えいしたと推定。
今後、設計時に軸受部の応力集中の発生について想定していなかった原因、改良品への取替後の健全性確認結果並びに再発防止対策については、最終報告時にとりまとめる。

(1)当該軸受部について、集中応力を考慮したうえで設計をやり直し、1年以内を目途に形状変更等により応力集中を緩和するとともに強度に高い材料を使用した改良品に取替えることとし、それまでの間、当該クレーンを使用しない。
(2)当該軸受部の改良品については、当該部への応力集中を適切に評価した設計であることを確認する。
(3)現在、当該クレーンに取り付けている軸受部には初期き裂を示す信号が認められるが、急激に進行する可能性はないこと、また、地震及び強風時を考慮した安全性評価を行った結果、仮に破断に至ったとしても倒壊等の恐れはないことを確認したことから、安全上の問題はない。

モニタリングポストNo.3の伝送装置の異常
(1,2,3号機)
22.8.4 伊方発電所において、モニタリングポストNo.3の故障を示す信号が発信した。
調査の結果、緊急時対策所の環境モニタリング盤の高レンジ線量率及び低レンジ線量率並びに放射線管理用計算機システム(TRAMS)の高レンジ線量率及び低レンジ計数率に異常が見られた。
本事象は、外観検査、機能確認検査及び保守状況等に異常は見られなかったことから、伝送装置及び光コンバータの一過性の不具合により、一時的な伝送障害が発生したものと推定。
なお、モニタリングポストNo.3(現地)及び中央制御室の野外モニタ盤において、高レンジ線量率及び低レンジ線量率は、正常に表示されており、復旧までの間、線量率に異常のないことを確認した。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)当該伝送装置及び光コンバータを予備品に取り替えた。
(2)運転中に伝送装置故障が発生すれば速やかに状況を確認し、必要であれば予備品に取替えが行えるよう、今後とも伝送装置の予備品を保有する。
(3)野外モニタリング設備については、設置から長期間が経過しており、製造中止部品の増加が予想されること及び経年劣化による故障の増加を予防するため、平成23年度中を目途に取り替える計画である。

充てんポンプ点検用フランジ部からの水漏れ
(2号機)
22.8.16 通常運転中の伊方2号機において、運転員が充てんポンプ2B点検用フランジ部から1次冷却材が漏えいしていることを確認した。
漏えい量は約120cc(放射能量:約70Bq)であり、全量を紙ウエスで回収した。
調査の結果、ポンプ点検用フランジ(前面側)により締め付けているリフト押さえとポンプケーシング部の接触面をシールするためのOリングの一部に損傷が認められた。
本事象は、
○充てんポンプ内部流体圧力の周期的な変動により、Oリング表面が劣化しやすい構造であった。
○Oリングによるシール部は三角溝形状であり、Oリングは流体圧力が作用すると溝にそって外側へ押し出される方向に動く構造であった。
○ボルト締付時に座面の摩擦等の影響により、ボルト締付トルクが十分に締付力に変換されなかったことから、吐出圧力が負荷されるときに生じるリフト押さえとポンプケーシングとの間の微小な隙間が大きくなっていた可能性がある。
これらの要因が重なったことから、充てんポンプ運転時間の経過とともにOリングがはみ出し、損傷した結果、シール機能が失われ漏えいに至ったものと推定。
本事象によるプラント運転への影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)充てんポンプ2A,2B,2Cについて、当該フランジ部を含む全てのOリングの取り替えを実施し、復旧後、漏えいのないことを確認した。
(2)当該事象は運転時間に起因していることから、充てんポンプ2A,2B,2Cについて、点検周期(Oリングの取替周期)を1回/3運転サイクルから、1回/1.5運転サイクルに短縮する。また、充てんポンプ2Bについては、次回の第 23回定検時にフランジ部の分解点検を行い、Oリングの状態を確認する。
(3)充てんポンプ2A,2B,2Cのフランジ部(前面側)について、ボルトの締付トルクを座面の摩擦等による締付力のばらつきが生じても十分な締付力(約23.3t)が得られる345Nmとするよう作業要領書の改正を行い、当該フランジ部を345Nmで締め付けた。

※平成22年10月20日に発生した「伊方3号機抽気逆止弁動作試験における異常」及び同年11月29日に発生した「伊方2号機塩素注入配管からの海水漏れ」については、現在調査中ですので、原因と対策の報告後、公表します。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。