[原因と対策の報告の公表文(様式2)]
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策の報告について(平成23年3月分他)
 
23.6.10
原子力安全対策推進監
(内線2352)
 
1 四国電力(株)から、平成23年4月までに発生した2件の異常に係る原因と対策の報告がありましたので、お知らせします。
 
[報告書の概要]
県の
公表
区分

異常事項
 
発 生

年月日

推定原因等
 

対     策
 
原子炉トリップ遮断器取替えに係る運転上の制限の逸脱
(3号機)
23.2.14
通常運転中の伊方3号機において、原子炉トリップ遮断器1台の開放動作に遅延傾向が見られたことから、当該遮断器の開放動作時間を測定するとともに、当該遮断器を予備品に取り替えることとした。
当該遮断器の取替えに伴い、保安規定において必要とされる原子炉保護系論理回路4系統のうち、1系統を動作不能としたことから、一時的に保安規定に定める運転上の制限から逸脱した。
調査の結果、遮断器のトリップラッチ回転軸のグリースに変色が見られ、主ローラのグリースに若干の酸化劣化が確認された。
本事象は、原子炉トリップ遮断器開閉機構部のトリップラッチ回転軸及び主ローラにおいて、定検時に実施している注油がグリースへ浸透しなかったため、塗布していたグリースが酸化劣化し、グリースの粘度が増大した結果、トリップラッチ回転軸及び主ローラの摺動抵抗が増大して回転動作が緩慢となり、開放動作時間が遅延したと推定。
本事象によるプラント及び環境への放射能の影響はなかった。

(1)原子炉トリップ遮断器8台のうち、これまで遮断器取替えを行っていない5台について、本定検において開閉機構部の分解点検及びグリースの交換を実施する。
(2)今後、遮断器開閉回数が規定回数に達しない場合でも、10定検ごとに開閉機構部の分解点検及びグリースの交換を実施する。
(3)グリースの交換に当たっては、遮断器開閉機構部摺動部に使用しているグリースをリチウム系グリースから酸化劣化が生じにくいフッ素系グリースに変更する。
(4)毎定検実施している開閉機構部摺動部への注油にあたっては、油分がグリースに浸透しやすいよう、スポイトにより油を滴下する要領から、霧状にスプレイする要領に変更する。
(5)今後は原子炉トリップ回路ロジック試験に合わせて、遮断器単体の開放動作時間を測定し、開放動作時間の管理値を設定して適切に管理する。

使用済燃料ピット水中照明ボルトの折損
(2号機)
23.3.17 通常運転中の伊方2号機において、作業員が使用済燃料ピット水中照明の不点灯照明取り替え作業中に灯具取り付け棒(ポール)に灯具を取り付けているボルト1本の一部が折損していることを確認した。
調査の結果、折損したボルトのねじ部には下向きの若干の曲がりが認められた。
本事象は、受け皿とポールの接触による損傷を防止するため、ポールを徐々に吊り上げるための小刻みに繰り返していたクレーンの入・切操作によって、クレーンによる強い引き上げ力と灯具の自重により、当該ボルトは下向きの繰り返し荷重を受け、折損したと推定。
本事象によるプラント運転への影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

(1)不点灯照明を取り替える際は照明灯具の取り付けボルトが、クレーンのインチング操作によって生じるクレーンによる強い引き上げ力と灯具の自重による繰り返し荷重を受けないよう手動操作によって滑らかに巻き上げる操作が行える専用の設備をクレーンに取り付けてポールを吊り上げるよう作業要領書を変更する。
(2)照明灯具の取り付けボルトの全数取り替え・取り付けを行うとともに、照明灯具の取り付けボルトが落下しないよう、点溶接による固定を8月末までに実施する。また、不点灯照明の取替え時に固定状態を確認するよう作業要領書を変更する。
(3)1,3号機の照明灯具の取り付けボルトについても、2号機と同様の固定を9月末までに実施する。

※平成23年3月7日に発生した「伊方3号機中央制御室放射線モニタの異常」及び同年3月26日に発生した「伊方1号機非常用ディーゼル発電機燃料油貯油槽油面計の異常」については、現在調査中ですので、原因と対策の報告後、公表します。また、中間報告のあった「伊方発電所岸壁クレーン軸受部からの油漏れ」についても、最終報告後、公表します。
 
2 県としては、伊方発電所に職員を派遣し、対策が適切に実施されていることを確認しています。