愛媛県プルサーマル公開討論会

質疑応答

【質問者11】
 八幡浜からまいりました、質問者11と申します。三点お聞きしたいと思います。まず一点ですが、小林先生の中で世界的にプルサーマルはどんどん撤退していっていると、そして現在ではフランスだけというふうな状況になっているというお話でしたが、もし経済的にも安全の面でもいいものなら、世界が撤退していくはずがないと私は思うのですが、なぜ世界が撤退していっているのか、その点をお聞きしたいと思います。
それから、二点目ですが、館野先生のレジュメの1ページの下のほうに、3の所です、過渡的に一時、軽水炉で燃やすというならば、万一事故の場合の対応能力のある東電や関電が行なうべきですとありますが、万一事故が起こった場合、伊方の原発は対応能力がないということでしょうか。この点をお聞きしたいと思います。三点目ですが、ある方の論文を読んでおりましたら、地震はこの2,000年近く穏やかな時期が続いていて、その2,000年が終わって今活動期に入っていると、それでこれまで人類が体験したことのないような巨大地震がくる恐れがあるんだというふうなことを読みました。そういう点で、四国電力の方にお聞きしますが、こういう新しい地震の知見に基づいた上での伊方原発はプルサーマルをやっても大丈夫だというふうに言われるのでしょうか。いくらその、核のものが十分あったとしても最近の日本のあちこちで起こっている巨大地震をみますと、いくら頑丈な覆いでもそれが割れたら放射能が漏れるということもあるわけで、非常に心配しております。プルサーマル、今以上に危険性の少しでも、強まるものならば、プルサーマルはやってほしくないというのが正直なところです。


【コーディネーター(中村)】
 はい。ありがとうございました。それではまず。小林先生のほうから世界がプルサーマルから撤退しているその理由…

【小林】
 はい。スライドを出してください。大きく分けて3つありまして、1つはやっぱり冒頭に申しました核拡散問題です。プルトニウムは原爆の材料であり、これを大量に使う作業がプルサーマルです。そのように、平和利用といえどもプルトニウムが大量流通するプルサーマルをやってましたら、よその国がじゃあなぜ私の国は駄目なのかという理由で、その国のいわば平和利用を口実とした核武装に道を開くことにつながります。プルトニウムではなくて、ウラン濃縮のほうですけども、イランの問題はまさにそうです。北朝鮮のほうはプルトニウムの原爆を作ろうとしています。ですから、世界はみんな、プルトニウムの利用から手を引き核拡散に手を貸さないという配慮をしています。
 それから二つめは、プルサーマルでは実はエネルギーの節約に、全然ならないんですね。先程から他の方は10パーセントないし20パーセント節約になると言われておりましたが、私も実は、試算をしますと確かに10パーセントの節約っていうのは出てくるんです。ところがこれはですね、全部プラスの要因ばっかりを考えただけの話でして、実際にこのプルサーマルで10パーセントの、節約効果を出そうと思ったら、そのために再処理が必要ですし、燃料の加工が必要です。それから燃料の輸送・貯蔵も必要、使用済み燃料MOXの処理処分も必要、核物質防護対策も今のウラン燃料よりはるかに厳重な対策が必要です。
 こういったものに対する資源の投入量を、この10パーセントから差し引かないと実際にどれだけ節約になったかは、なんにも言ったことにならないですね。ただ、エネルギーを産み出すほうだけを言ってるのが10パーセントであって、それじゃあ節約の説明にはなっていません。
 10パーセントからこういうものを差し引く必要があります。これを差し引いたらひょっとしたら、ゼロどころかマイナスになるかもしれない。そうするとエネルギーのかえって無駄遣いで、資源節約どころじゃないということさえも考えられないことではないわけです。
 三番目にはもちろん安全性の問題があります。今のウラン燃料だけを使っている場合に比べたら、明らかに安全余裕を削るわけですから、その分だけより危険度を増すわけです。それを、必要性もないのに、しかも世界が嫌がってるのにあえて何故安全性を犠牲にしてまでやるのかと、しかもそれが東電や関電でなくて、ましてやこの四国電力が何故わざわざやらなくちゃならないかということが、その基本的な理由になるだろうと思います。

【コーディネーター(中村)】
 はい。反論おありだと思いますけれどその前に、館野先生のご指摘の真意をお聞かせください。聞き方によっては、四国電力に対してもの凄く失礼という聞こえ方もしました。

【館野】
 原発の事故って言いますと、なんか突然大爆発が起こるようなことをお考えかもしれませんけれども、現実にあのチェルノブイリではそういうことがあったわけですけども、スリーマイルの事故みたいに非常に小さい、最初は非常に小さなトラブルがどんどんどんどん大きくなっていって、その間に対応を誤ったことによって、ああいう大事故になるということが、私はあのケースとしては非常に多いというふうに思います。その時にですね、結局それに対して十分対応できる技術能力を備えている技術者がいるかどうかということが問題なわけですね。先程のその失礼かどうかって話なわけですけれども、これは単純に言いましても、関西電力、関西電力とか東電を持ち上げるつもりはありませんけれども、しかし、単純に言っても技術者があのたくさんいるわけですね。それだけ技術者がいれば、当然そういうことに対していろいろ研究する余裕もありますし、それからいろんな能力持ってる人を集めることができるということですね。単純に数の上から言っても、そういう対応能力はより大きいというふうに判断して間違いないじゃないかというふうに思います。決してその四国電力の方に対してですね、失礼なことを言うつもりではありません。

【コーディネーター(中村)】
 はい。ありがとうございました。質問者11のご質問の最後は地震、耐震性について四国電力としては、地震についてはどう考えているのか。これをお聞かせいただきたいと思います。

【太田本部長】
 今、館野先生、ちょっと後ろでムカっとしながら聞かせていただいたんですけども、私への質問は耐震安全性ということですので、この際ですからそのへんについて少し詳しくお話させていただきたいと思います。
 ポイントになるのはですね、まずその安全性をチェックするために設定をする地震の大きさというか、地震動の強さですね。その地震動に対してまず安全性を確かめられる必要がありますけれども、どれくらいの余裕を持っているのかというその二点についてお話ししたいと思います。
 これは伊方発電所から見てどのような地震があるかということですね。遠くではいずれ近いうちにくると思いますけれども、東南海地震、南海地震ですね。これは巨大な地震です。日向灘の方にも震源はありますから、そこにもかなりな大きな地震がくるでしょう。皆さんの記憶に新しい芸予地震というような安芸灘で発生する地震もあります。その他、あの発電所の敷地から見てですね、ありとあらゆる方角にある地震源、これをつぶさに調査をしてそれぞれの地震源でその地域の地質、構造をですね、そういうものをしっかりと検討してそれぞれの地点で最大と考えられる地震をまず選びます。発電所の方ではそういうことですから、色んな解析をしますと色んな地震動がやってくることになります。
 遠くの地震ですといわゆる皆さんグラグラグラっときた大きな、しかし周期の長い地震がくるし、近くですとガタガタガタッというような非常にその周期の短い、しかし強い衝撃のある地震がくる。こういう地震をですね、全て寄せ集めて、私どもがやってますのは、そのどんな周期、ガタガタの部分もグラグラの部分も全部ひっくるめてそれぞれのところでそういう地震を上回る地震というのを設定いたします。これが基準地震動というものでして、それはとてつもない強いものになります。もちろん、その全部の前面海域に断層がありますから、その断層が一気に動くという事も想定いたします。そうした結果強い地震動を設定するわけですね。
 大体その強さは、今後来るであろう巨大な南海地震の揺れに対して約6倍ぐらい強いそのような地震力を設定いたします。ちなみに申しますと、前面海域に先程、断層が一気に動いたらとてつもない地震になるというお話しもチラリとどなたかから有りましたけれども、私どもは、前面の海域から含めて、和歌山県まで360キロくらい断層が断続的にありますこれが、一気に動くということは現実には考えられませんけれども、それらが一気に動くと言うような地震も考慮いたしました。その結果、私どもが設定した地震力の方が、はるか強いということであります。そういうことですから、伊方の敷地で受ける地震力というのは、現実にはまず絶対無い強い地震力、これを設計用の基準地震動として定めました。
 それに対してどのくらい設備が持つかということですね。大切なことはですね。むしろ地震というよりは、実はあの原子力発電所っていうのは、遮蔽の為に非常に分厚い鉄筋コンクリートこれが、建物を占めております。一方、止める冷やすという、止めるという、そういう安全の基本機能を持っております一次系、これは150気圧以上の圧力を封じ込める為にこちらも非常に極めて頑丈になっております。先程申しました、ありえないような基準地震動に対して、先程から小林先生がよく余裕率ということをおっしゃいますが、余裕率という点で申しますと、100%。つまり地震動に対して2倍の余裕があるということで、実は原子力発電所というのは原子力発電所の耐震安全性という点に関しては、極めて丈夫である。私どもは自信を持ってそう言えると思います。以上です。

【コーディネーター(中村)】
 はい。ありがとうございました。伊方会場の質問者11の質問に関連して、内山さんから一言だけ伺いたいと思いますが。

【内山】
 ちょっとスライドをお願いします。先程、小林さんからウラン燃料の節約について質問が出ましたので、一つだけコメントを言わせてください。プルサーマルを実施すると10〜20%ぐらいの節約になると。しかしプルサーマルを行うためには再処理工場やMOX工場などを造るために結局はその分使ってしまうのではないかという疑問ですね。それについては私も非常に関心があったものですから、実際に計算してみました。結果は、プルサーマルを進めるとウランの採掘工程が減少し、それから濃縮工程も減少しますので、使用済み燃料を直接処分する場合とほとんど同じになってしまいます。二酸化炭素のCO2排出量について計算しても、プルサーマルを実施する原子力発電の値はkWhあたり22グラムCO2と言うことで、風力発電や太陽光発電よりも低い値になっています。結論をいうと、プルサーマルを実施したことで余分に必要となる設備の建設や運転のエネルギーで資源節約にならないということはないということが分かっております。以上です。

【コーディネーター(中村)】
 伊方の皆さんFブロックの皆さん。ちょっと今画像がきれたものですから心配してたんですが、Fブロックからもう一方ご発言をいただこうと思っておりますが。そちらの眼鏡をかけてらっしゃって右手を挙げてらっしゃって、濃紺のジャケットにTシャツの方でしょうか、お願いします。



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参加者のコメント・討論内容


■概略説明
概略説明


■パネルディスカッション
(各自意見)
内山 洋司
工藤 和彦

小林 圭二

舘野 淳
西尾 漠
山名 元

■パネルディスカッション
討論

■質疑応答
質問者1
質問者2
質問者3
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