平成15年度(2003年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1号機 安全注入系統テストライン配管の欠陥指示

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通報連絡日時:2003年6月13日18時45分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:なし

異常の内容

6月13日(金曜日)18時45分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 6月13日18時20分頃、定期検査中の伊方1号機の安全注入系統テストライン配管の2箇所で液体浸透探傷検査(PT)において欠陥指示(微少な傷)があることを確認した。
  2. 詳細は、今後調査する。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

その後、四国電力株式会社から、

  • 調査の結果、当該配管のテープ状の付着物があった2箇所にピット状の指示が認められた。
  • 今後、原因等について詳細に調査する。

との連絡がありました。

6月18日(水曜日)11時42分、四国電力株式会社から、その後の調査状況等について、別紙のとおり第2報がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. その後、近傍を含め確認したところ、テープと見られる付着物は当該箇所に4箇所あり、その内の3箇所(上記2箇所含む)に欠陥指示が認められた。
  2. また、
    • 建設時の試験において、当該配管に高温水が流れたこと・付着物は塩化ビニルテープと推測されたこと
    • 当該部分を切り出して調査を実施した結果、欠陥指示部には、枝分かれした粒内割れが確認されたことから、塩化物応力腐食割れによるひびであると判断した。
    なお、3箇所のひびは配管を貫通しておらず、最大のもので配管内表面から0.65mmのところまで進展していた。
  3. 現在、高圧注入系統テストライン配管全体について付着物調査を進めており、これまでのところ更に77箇所に付着物を確認した。このうち50箇所についてPTが終了しており、新たに6箇所に欠陥指示が確認されたが、表面をうすく研削することで、指示は消滅した。
  4. 今後、引き続き類似配管の点検を実施するとともに、切り出した部分については、新品の配管に取り替えることとする。
  5. なお、本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。

県としては、八幡浜中央保健所職員が伊方発電所に立ち入り、報告内容等を確認することとしています。

なお、本件は、系統の機能等から、国への法律・通達に基づく報告対象に該当しないと判断されました。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

  • 建設時の機能試験時に逆止弁の漏えいにより、当該配管に高温水が流れたこと
  • 付着物は塩化ビニールテープと推定され、破面にも塩素の付着が認められたこと
  • ひびには、塩化物応力腐食割れの特徴である枝分かれした粒内割れが認められたこと
  • 当該箇所は、保温材に覆われていないことから、塩化物イオンが中和されない酸性塩化物環境下に近い状態であったこと

以上のことから、建設時に識別用として配管外表面に貼り付けた塩化ビニールテープが、高温水により熱分解し、酸性塩化物環境下に近い状態で塩化物応力腐食割れが発生したものと推定される。

対策

  • ひびの確認された3箇所については、配管を取替済。
  • 高温配管に接続され、高温流体が流入する可能性のある範囲について点検を実施した結果、異常は認められなかった。
  • 高温流体が流入する可能性がない配管については、塩化物応力腐食割れの可能性はないが、念のため、漏えいが発生すると原子炉の運転に支障を及ぼす系統及び放射能を含む系統で未点検の全ての範囲について、今後2定検で計画的に点検又は取替を実施する。
  • 2,3号機については、1号機と同じ範囲について、今後3定検で計画的に点検又は取替を実施する。

県の公表

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