平成16年度(2004年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1号機送電線リレー動作による所内単独運転

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通報連絡日時:2004年5月19日10時15分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

5月19日(水曜日)10時15分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 5月19日(水曜日)10時00分、通常運転中の伊方1号機において、所内単独運転となった。
  2. 詳細は調査中である。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

その後、四国電力株式会社から、

  • 送電線リレーが何らかの原因で動作し、外部への送電ができない状態である。
  • 原子炉出力は10時20分から約30%で一定運転している。

との連絡がありました。

5月19日(水曜日)18時40分、四国電力株式会社から、その後の調査状況等について、別紙のとおり第2報がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 調査の結果、2号機第17回定期検査での発電機と送電線を接続するGIS(ガス絶縁開閉装置)への取替作業において、新しいGISの試験中に、GIS回路の出力信号を誤って発信したことにより、送電線保護リレーが動作し、しゃ断器が開放されたことが判明した。
  2. このため、当該GIS回路を切り離し、既設の送電線保護回路の健全性の確認を行い、問題がないことを確認した。
  3. 準備が整い次第、送電線をつなぎ、送電を再開する。
  4. 本事象による環境への放射能の影響はない。

県としては、八幡浜中央保健所職員が伊方発電所に立ち入り、現場の状況等を確認しました。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

  1. 試験要領書の作成・審査にあたって、その方法・手順及び留意事項(チェックポイント)を定めたものがなかったことから、標準的な試験要領書で計画されたこと。
  2. 標準的な試験要領書が作業管理責任者及び各作業責任者間のコミュニケーション不足により、試験条件に合わせた必要な隔離条件を追記する等の見直しが行われなかったこと。

から、本来必要であった隔離が行われずガス絶縁開閉装置(GIS)主回路抵抗測定試験を実施した結果、操作した断路器に連動した補助リレーが動作し、乙母線の計器用変圧器(PD)2次回路が接地中の甲母線のPD2次回路と接続状態となり、乙母線のPD2次回路の電圧が低下し、送電線後備リレーの動作により遮断器が開放され、送電停止に至ったものと推定される。

対策

当該工事に関する対策

  • GIS試験要領書については、試験条件に合わせた隔離の必要性について明確に記載するよう改訂。
  • 作業管理責任者及び各作業責任者の関係者合同のミーティングを開催し、作業内容、工程、隔離の必要性等の問題点と対策について調整し、その内容がチェックシート等を用いて確実に情報連携される体制を構築。
  • ヒューマンファクター教訓シートを作成し、試験時の外部機器への影響の検討、試験内容の詳細な記載、各工事グループ間の連携等を発電所及び関係会社所員全員に周知徹底。

要領書作成・審査等における抜本対策

  • 「作業要領書作成手引き」を制定し、ヒューマンエラー防止対策を含め、作業要領書作成時に反映すべき事項をまとめ、作成・審査(承認)のチェックポイントについても明確にする。
  • 工事の発注に当たっては、当該手引きに従い作業要領書を作成する旨、発注仕様書に明記。
  • 「ヒューマンファクター検討会議」を設置し、作業要領書が適切に作成されていることを確認し、ヒューマンエラー事象の防止を図るとともに関連する対応策を検討。
  • 多数の作業班が編成される工事については、作業管理責任者と各作業責任者の関係者合同ミーティングを開催し、問題点と対策を調整し、チェックシート等を用いて確実に情報連携されるようにする。

作業員の資質の向上及び意識改革

  • 関係会社の作業責任者クラスに対する発電所設備や系統に関する教育時間の増加等により一層強化し、能力向上を図る。
  • ヒューマンファクター担当者を選任し、事例研究や教育等の継続的な活動を展開し、意識の高揚と資質の向上を図る。なお、活動には社外の専門家の指導を得ながら推進。

県の公表

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