平成18年度(2006年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機制御用空気圧縮機3Aの異常

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通報連絡日時:2007年2月1日15時45分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

概要

通常運転中、制御用空気圧縮機A号機の運転電流値及び吸気弁の温度が若干高い傾向を示していたため、消耗部品を取り替えて確認運転をしたが、吸気弁の温度が高いままであったため、当該圧縮機の詳細な点検を実施。

点検の結果、制御用空気圧縮機A号機の第1段シリンダ内にある吸気弁を押さえるアンローダバネ2個に折損及び1個にひびがあることを確認。当該バネ3個を含む第1段シリンダ内の4個の吸気弁全てのアンローダバネを新品に取り替えて運転状態に異常のないことを確認し、通常状態に復旧。

プラント運転及び環境への影響はなかった。

2月28日に同型の制御用空気圧縮機3Bを点検した結果、3Aで損傷があったものと同型のバネに異常はなかった。
なお、同バネは、点検に併せて新品に取り替えた。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

アンローダバネが折損した原因は、バネ製作段階の素材移動時に発生させた擦り傷が起点となり、繰り返し荷重を受けることで、バネが疲労破壊したものと推定される。

また、無負荷運転電流値及び吸気弁周辺温度が上昇した原因は、吸気弁No.4の当該バネを含む消耗部品は取り替えたが、吸気弁No.3のアンローダバネは折損していたままであったため、吸気弁No.3は無負荷時に吸気弁ピストンに駆動圧力が加わっても当該バネ折損によりアンローダフォークが途中までしか下降せず、吸気弁が全開にならない状態となった。このため、吐出工程において吸気弁No.3で空気抵抗が発生することにより、シリンダ内で若干圧縮が発生するため、無負荷運転電流値が上昇したものと推定される。また、圧縮され温度上昇した空気は、空気抵抗の少ない吸気弁No.4から吐出されることにより、吸気弁No.4廻りの温度が上昇したものと推定される。

対策

  • 当該バネを非破壊検査および外観点検を実施した新品に取り替えた。また、制御用空気圧縮機B号機の同型バネについてもA号機同様に検査・点検し、念のため新品に取り替えた。
  • 当該バネについて、受け入れ時に内面目視検査および浸透探傷試験を実施することとした。また、今回の事象においてバネ内側の軸方向に垂直な擦り傷が発生する可能性があることがわかった旨、あらためてメーカに周知するとともに、メーカへの発注時の要求事項として、製作時の検査項目に内面目視検査と浸透探傷試験を追加することとした。
  • 運転中の故障に対応するため、当該バネ(1台分4巻)の予備品を常備しておく。

県の公表

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