平成19年度(2007年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方2号機制御バンクC制御棒1本の位置表示の変動

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通報連絡日時:2007年12月10日14時20分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

12月10日(月曜日)14時20分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 本日13時30分頃、通常運転中の伊方2号機において、制御棒の操作を行っていないにも係わらず、制御バンクCの制御棒1本の位置表示がわずかに変動していることを運転員が確認した。
  2. 今後、詳細について調査する。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

その後、四国電力株式会社から、

  • 制御棒の引抜き・挿入の操作は行っていない。
  • 原子炉出力等主要パラメータは変化していない。

との連絡があった。

復旧状況等

12月12日(水曜日)16時20分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり第2報がありました。

  1. 事象発生後、当該制御棒の位置表示の変動は自然に収まり、変動前の状態に戻った。
  2. 調査の結果、制御棒はその動作機構上、1本だけ動くことは考えられないこと及び炉内核計装装置を用いた炉内出力分布の測定結果に異常が認められないことから、制御棒は実際に動作していないと判断した。
  3. 制御棒位置指示装置内の制御基板の点検手入れ(信号処理カード可変抵抗器摺動操作)により健全性が保たれていることを確認した。
  4. 制御棒を実際に動作させて制御棒位置表示が正常に動作することを確認した。
  5. 今後、念のため監視を強化するとともに、次回定期検査時(平成20年1月開始)に引き続き当該基板の調査を行います。
  6. 本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。

県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認しております。
また、原子力安全・保安院に確認したところ、本事象については、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断である。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

制御棒位置指示装置の指示値上昇の要因を調査した結果、信号処理カードが故障した場合のみ、指示値が上昇する可能性があることが判明した。
また、信号処理カードの詳細点検の結果、可変抵抗器に一時的な抵抗値の変動が見られた。(G7、H8の信号処理カード)

これらの結果から、制御棒位置表示が変動した原因は、信号処理カード内可変抵抗器に酸化皮膜等による一時的な抵抗値変動が生じた結果、信号処理カードの電圧が上昇し、制御棒位置の指示が見かけ上変動したものと推定される。

なお、原子炉熱出力等の各パラメータに有意な変動が見られないことなどから、事象発生時制御棒は動作していないと考えられる。

対策

  1. 第20回定期検査において、一時的な抵抗値変動が見られた信号処理カード(G7、H8)を予備品と取り替えた。H8の信号処理カードについては、実力的には取替は不要であるが、念のために取替を実施した。
  2. 今後とも信号処理カードを予備品として常備する。
  3. 今後数年のうちに信号処理カードを可変抵抗器のないタイプに取り替える。それまでの間は、定検において可変抵抗器摺動操作前後に酸化皮膜等の除去効果を確認するため、タッピング試験を追加実施する。摺動操作前後のタッピング試験で、カード出力電圧の有意な変動が確認された場合には、カードを予備品に取り替えることにより、事象の再発を防止する。これらの内容を作業要領書に反映するとともに、関係者に周知する。

県の公表

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