平成28年度(2016年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方2号機余熱除去冷却器2A出口配管ベント弁の下流側配管の液体浸透探傷検査による指示確認

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通報連絡日時:2016年8月31日15時30分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

8月31日(水曜日)15時30分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 定期検査中の伊方発電所2号機において、余熱除去冷却器2A出口配管ベント弁の下流側配管にほう酸と思われる付着物が認められたことから、液体浸透探傷検査を実施したところ、8月31日(水曜日)15時00分頃、同配管の溶接部に欠陥指示を保修員が確認した。
  2. なお、ほう酸と思われる付着物は拭き取りを実施した。
  3. 本事象によるプラントへの影響および環境への放射能の影響はない。
  4. 今後、当該箇所の調査を実施する。

その後の状況

9月1日(木曜日)12時09分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後の調査において付着物の分析をした結果、付着物はほう酸であり、配管内のほう酸水が溶接部の欠陥(ひび割れ)からにじみ出て、乾燥したものと推定した。
  2. 付着物の放射能量について測定した結果、約7ベクレルであり、また、付着物の重量から、にじみ出たほう酸水の量は約10ミリリットルと推定した。
  3. 現在、当該溶接部からの漏えいはない。
  4. なお、ベント弁については異常がないことを確認した。
  5. 今後、当該溶接部のひび割れの原因について、詳細調査を実施する。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

伊方発電所第2号機の原子炉補助建家(管理区域内)において、余熱除去冷却器2A出口配管のベント弁の下流配管にほう酸と思われる付着物が認められ、液体浸透探傷検査により同配管の溶接部にひび割れがあることを保修員が確認した。

ひび割れの形態は、疲労損傷の特徴である枝分かれのない直線的なき裂で疲労破面特有のストライエーションが認められた。また、プラント長期停止期間中特有の運転により、当該配管には大きな振動が長時間作用したことから、振動により応力集中の生じやすい当該配管のベント弁下流ソケット溶接部に推定疲労強度を超える応力が作用したことにより、疲労割れが生じ、進展・貫通に至ったと推定した。

対策

  1. ひび割れの生じた当該溶接部を含むベント弁下流配管を新品に取り替えた。
  2. 本事象が発生した余熱除去系統において、プラント長期停止期間中特有の運転により同様に振動影響を受けた可能性のある他ベント・ドレン配管については、外観確認により異常のないことを確認しているが、念のため当該ベント配管同様にベント・ドレン弁下流配管を新品に取り替えた。
  3. 当該配管に大きな振動が発生しない通水系統で運転する運用に変更する。
  4. 3号機は、プラント再稼働時にベント・ドレン配管について異常のないことを確認していること、2号機に比べて3号機は、同運転でのバイパスライン通水時の流速が小さく、弁の絞りによる流体の乱れは小さいと評価されることから、対応は不要である。
  5. 1号機は、今回ベント・ドレン配管について異常のないことを確認しており、今後、プラントの運転終了に伴う保全計画の見直しにより余熱除去ポンプの定期試験は取り止める方針であることから、対応は不要である。
  6. 余熱除去系統以外の他系統については、余熱除去系統のようなプラント長期停止期間中特有の運転を実施していないことを確認した。

県の公表

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