令和3年度(2021年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機 空冷式非常用発電装置の始動用バッテリーの電圧低下

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通報連絡日時:2021年7月23日3時03分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

概要

伊方発電所3号機総合排水処理装置にて塩酸ガスの検知を示す信号が発信した。
その後、運転員がポンプ出口フランジ付近で塩酸の漏えいを確認した。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。

その後、塩酸貯槽の出口ラインの弁を閉止することにより、保修員が漏えいの停止を確認した。塩酸の漏えい量は約30Lで発電所外部への流出はない。
漏えいした塩酸は回収し、総合排水処理装置にて処理した。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

伊方発電所3号機は定期事業者検査中のところ、3号機中央制御室に空冷式非常用発電装置4号の異常を示す信号が発信した。
このため、運転員にて現地を確認したところ、始動用バッテリーの電圧が低下していることを確認した。

調査の結果、空冷式非常用発電装置4号内にあるバッテリー充電器盤の充電モード選択スイッチについて、通常「浮動充電」であるところが「切」であったことから、充電器盤から制御装置へ給電されるべきところが、バッテリー充電器盤ではなく始動用バッテリーから制御装置への給電が継続したことにより、始動用バッテリー電圧が低下したと判明した。

充電モード選択スイッチが「切」となっていた原因については、自動でモードが切り替わらないこと及び同選択スイッチ設置個所は施錠管理されており関係者以外操作できないことから、同選択スイッチの操作を行う空冷式非常用発電装置月例点検の始動用バッテリー電圧確認を行った際に、作業責任者が同選択スイッチを「切」から戻し忘れたものと推定した。

同選択スイッチの戻し忘れは、作業責任者が始動用バッテリー端子の緩みに関する一連の報告を受けたことにより、始動用バッテリーの電圧データ採取後、そのまま復旧しなかったものと推定する。

その要因としては、

  • 作業要領書には、電圧データ採取時の注意事項欄に「充電モード『切』で確認」とのみ記載しており、データ採取後に充電モードスイッチの復旧をする手順が記載されていなかったこと
  • 電圧データ採取は作業責任者1人で行っており、他の作業員が充電モード選択スイッチの復旧に気づけなかったこと

の2つが重なったことによるものと考える。

対策

  1. 当該始動用バッテリーについて、完全に充電が完了するまでに時間を要することから、空冷式非常用発電装置4号を早期に通常状態に復旧するため、予備の始動用バッテリーと取替えた。
  2. 充電モード選択スイッチ操作による「切」位置への切替え及び「浮動充電」位置への復旧について作業要領書の手順に追記した。
  3. 今回の点検と同様に、運転中又は待機中設備の点検に使用する作業要領書において、スイッチ操作を伴う手順を確認し、操作後の復旧状態の確認の記載がない作業要領書に対し復旧状態の確認手順の追加を行う。
  4. 作業時におけるダブルチェックや手順書のステップ確認等のヒューマンエラー防止対策について、改めて関係者に周知を実施した。

県の公表

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