平成14年度(2002年度) 伊方原子力発電所環境安全管理委員会の開催状況 伊方原子力発電所 環境安全管理委員会(2003年3月19日開催)

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伊方原子力発電所 環境安全管理委員会 開催概要

1 日時

平成15年3月19日(水曜日)13時30分~15時00分

2 場所

愛媛県自治会館5階大会議室

3 出席者

委員18名(別紙名簿のとおり)

4 議題

(1) 平成15年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成15年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

5 報告事項

(1) 伊方発電所1号機タービン架台のひび割れに係る対応状況等について
(2) 東京電力の不正問題に係る対応状況等について
(3) 最近の調査結果等を踏まえた伊方発電所の耐震安全性評価について
(4) 伊方発電所における回収ウラン燃料の使用について

6 審議等の内容(全部公開)

(定刻になり、開会)

事務局

昨年8月1日に任期満了に伴います委員の委嘱替えが行われております。委員の皆様の御紹介を申し上げます。

(委員紹介)

事務局

続きまして、委員の委嘱替えに伴いまして、会長、副会長が空席となっておりますので、選任をお願いしたいと存じます。本委員会の設置要綱により、会長、副会長は委員の互選により選出するということになっておりますが、いかが取り計らいましょうか。

大元委員

従来のとおり、会長は吉野内副知事さんに、副会長は中元伊方町長さんにお願いしたらと思いますが、皆さんにお諮りしてください。

事務局

只今、会長には吉野内委員さん、副会長には中元委員さんという御発言がございましたが、いかがでございましょうか。

(全員賛成)

事務局

異議なしということで、御了解頂きましたので、吉野内会長さん、中元副会長さん、会長席、副会長席の方へ移動をお願いいたします。

事務局

それでは、吉野内会長から、ご挨拶を申し上げます。

会長

(挨拶)

事務局

ありがとうございました。議事の進行につきましては、吉野内会長さんにお願いいたします。どうかよろしくお願いいたします。

会長

それでは早速でございますが、議事に入らさせていただきます。まず、議題1の平成15年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画、議題2の温排水影響調査計画につきまして、一括して事務局から説明をお願いいたします。

環境政策課長

(【資料1】に基づき、平成15年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について説明)

水産課長

(【資料2】に基づき、平成15年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について説明)

会長

どうもありがとうございました。この二つの調査計画につきましては、技術専門部会で御検討を頂いております。濱本部会長さんの方から、部会の御意見等、御報告頂けたらと思います。

濱本部会長

技術専門部会としては、両調査計画につきまして検討いたしました結果、前年度の調査を基本的に継続するもので、国の測定マニュアルの制定状況等を踏まえた見直しも図られており、適切なものと認められる、そのように意見をとりまとめましたので、御報告申し上げます。

会長

ありがとうございました。技術専門部会の委員の皆様には御苦労でございました。厚くお礼申し上げます。只今の二つの調査計画につきまして、説明と技術専門部会の方からの報告がございましたが、この計画について御意見等ございましたら承りたいと思います。

会長

どなたか御意見ございませんか。

会長

特に御意見もないようでございますので、この委員会として、議題1、議題2の両調査計画につきまして、適切である、旨意見をとりまとめて、知事に報告させて頂きたいと思います。御了承頂けましょうか。

(異議なし)

会長

それでは、そのようにさせていただきます。

以上で予定の議題の審議は終了し、続きまして報告事項がございます。

まず始めに、昨年9月に明らかとなりました伊方1号機タービン架台のひび割れについてでございます。本件の対応状況につきまして、既に昨年、各委員さんには文書で報告しているところでございますが、今回改めて事務局から概略を報告してもらいます。お願いします。

環境政策課長

(【資料3-1】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。続きまして、四国電力の方から安全評価結果や今後の対応につきまして、報告をお願いします。

四国電力株式会社

四国電力原子力本部長の太田でございます。皆様方には日頃から伊方発電所の運営につきまして、御理解、御指導を賜りまして、ありがとうございます。現在、伊方発電所では、1号機と3号機が、順調に定格熱出力で運転をしております。2号機は、去る1月27日から、定期点検のために停止しておりますけれども、これも終盤に入っておりまして、4月1日の運転再開に向けて頑張っているというところでございます。今後とも、安全、安定運転に努めて参りますので、よろしく御指導の程、お願いいたします。それでは、お手元の資料に基づきまして、伊方1号機タービン発電機架台のひび割れに関する安全評価等につきまして、原子力部長の石崎から説明いたします。

(【資料3-2】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。只今御説明のございました伊方1号機のタービン架台のひび割れにつきまして、何か御質問はございましょうか。

会長

どうぞ。

有吉委員

先般の技術専門部会で出た話で、その後、県の方から文書が交付されてますね、資料の3-1の2ページ目ですか。で、それの一番最後ですね、架台の構造解析を実施すると。最新の知見を考慮してと。それから補修の実施と適切な管理に努めると。で、これ以降、どのように対応されているか、お聞きしたいのですが。

会長

四国電力さん、お願いします。

四国電力株式会社

はい。資料3-2の後ろに、説明を省略しましたけれど、添付資料9に、タービン発電機架台ひび割れ対応スケジュールというのがありますけれども、これに基づいて御説明いたします。まず、そのスケジュールの一番上の項目ですけども、架台の健全性を維持するための補修ですけども、その14年度の欄にピータイル部の対策ということで、昨年の10月から12月にかけまして、架台上面のピータイル部の補修を実施いたしました。また、今後ですが、4月下旬から行います1号機の21回定検の時に、架台の残りの部分のひび割れの補修を実施する計画です。次に、下の欄の架台の構造解析ですけども、(1)の解析の手法それから評価方法の開発についてですが、現在は文献調査を中心に、設計基準をさらに進展させた維持基準的なものを検討しようということで、準備を進めております。で、(2)の最新データの収集ですが、実機コンクリートの物性値をより正確に把握しようということで、現在、正常な2号のタービン架台のデータを採取しております。次回の定検のときに、1号機のデータを追加採取するという計画でございます。また、ここではASR試験と書いていますが、これはアルカリ骨材反応を人工的に発生させた供試体を用いまして、物性を見るとか、強度試験をするとか、そういうことを行おうということで、計画しております。(3)の構造解析ですが、解析そのものにつきましては、先ほどの(1)とか(2)の結果をみながら進めていきたい、そういう計画で進めております。

会長

有吉委員さん、よろしゅうございますか。

有吉委員

はい。

会長

そのほか何か御質問等ございましたら。

会長

それでは、特に御質問もないようでございますが、四国電力さんにおかれましては、先ほど報告にもございましたように、計画に基づきまして、確実な対応をお願いします。

それでは次に、東京電力の不正問題に関する対応状況等につきまして、まず事務局から報告をして頂きます。

環境政策課長

(【資料4-1】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。それでは、続きまして、この件に関しまして、四国電力の方から、国や県からの要請に基づく総点検結果についての報告をお願いします。

四国電力株式会社

四国電力の原子力点検評価委員会委員長をしております栗田でございます。今回の総点検につきましては、原子力部門以外のメンバーから成る委員会を設置しまして、総点検を行いました。その結果、現時点までの調査におきましては、不正や法令違反となるものはございませんでした。今回の中間報告の内容につきましては、当委員会のメンバーでございます加藤の方から、御説明をさせて頂きます。

(【資料4-2】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。続きまして、原子力安全・保安院におかれましては、東京電力の不正問題を受けて、規正法制の見直しなど、再発防止に取り組んでおられますので、その状況等について、御説明をお願いします。

原子力安全・保安院

(【資料4-3】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。只今、東京電力の不正問題につきまして、事務局からの報告、さらには四国電力からの報告、保安院からの御説明等ございました。何か御質問等ございませんでしょうか。

会長

どうぞ。

中元委員

只今の国の方の御説明によりますと、検査体制の充実を図るために、独立行政法人原子力安全基盤機構という組織を、新たに設置されるようでございます。本当に、我々地域の住民といたしましては、心強く感じます。しかし、今までも、そのような組織を色々と立ち上げておりながら、十分に機能しなかったという例がまあまあございました。したがいまして、今後は、せっかくこのような組織を新しく立ち上げたという、創ったということでございますので、十分に機能するように、常時手抜かりのないような、そのような運営をして、なお一層、原子力発電所の安全・安定の確保に努めて頂きたいと思います。そのようにして頂きますことが、地域住民の本当に根底からの、心からの願いでございますので、よろしくお願いをいたします。

会長

今のは要望ということで。

中元委員

はい。

会長

そのほか何かございましょうか。

会長

それでは、特別な御質問もございませんようですので、四国電力におきましては、引き続きまして、適正な検査・点検により、伊方発電所の安全確保に努めるようにお願いいたします。また、国におかれましても、国民理解の得られる再発防止対策の検討・実施を進められますとともに、事業者への厳正な指導・監督を頂きますようお願いをいたします。

次に、産業技術総合研究所による伊予灘海底活断層の調査など、最近の調査結果等を踏まえた伊方発電所の耐震安全性につきまして、四国電力から報告をお願いします。

四国電力株式会社

(【資料5-1】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。それでは、この問題につきまして、国においても確認がなされておりますので、原子力安全・保安院から、御説明をお願いしたいと思います。

原子力安全・保安院

(【資料5-2】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。只今御説明ございました最近の調査結果等を踏まえた伊方発電所の耐震評価、これにつきまして何か御質問ございましょうか。どうぞ。

大元委員

四国電力と国にお伺いをしたいのですが、今回、中央構造線全体が同時に活動した場合の評価結果について、報告があったと思います。過去にこのようなことがあったのかどうかと、あった場合にはかなりの被害が出たと思いますが、そのような歴史的な記録があるのかないのか、お知らせをいただきたいと、かように思います。

会長

四国電力さん、何かお分かりでしょうか。

四国電力株式会社

地震調査研究推進本部の調査委員会が公表しました内容によりますと、少なくとも中央構造線全体が同時に動いて、広範囲にわたって多大な被害が生じたことを示す記録は得られていないようです。

会長

その他ございましょうか。

会長

それでは、特に御質問もございませんようですので、四国電力におかれましては、今後とも、新たな知見に対しては、適切に対応して頂きますとともに、その情報公開に努めて頂くようお願いいたします。

それでは、最後に、伊方発電所における回収ウラン燃料の使用計画につきまして、四国電力さんから報告をお願いします。

四国電力株式会社

(【資料6】に基づき、説明)

会長

ありがとうございました。原子力安全・保安院の方から、回収ウラン燃料の安全性、あるいは法令上の取扱いなど、国の考え方につきまして、御説明をお願いします。

原子力安全・保安院

原子炉の設置許可や燃料体設計の認可といったものが必要になるときは、ウラン-235の濃縮度とか、最高燃焼度、寸法や形状等の燃料集合体の仕様に変更があった場合につきまして、必要になってまいります。しかしながら、今回の伊方発電所で採用する計画の回収ウラン燃料につきましては、先程申しました濃縮度、最高燃焼度、燃料集合体の仕様が、既に使用されている燃料のものと変更がありませんことから、原子炉設置許可とか燃料体設計認可が必要ということにはなりません。また、原子炉の安全性にも、特に影響はありません。

会長

ありがとうございました。今の御説明等につきまして、何か御質問ございましょうか。

会長

どうぞ。

得能委員

ちょっとお伺いしたいのですが、回収ウラン燃料の表面の線量当量率が多少高いようですが、これは今までどおりの運搬容器等で運搬して周辺に異常があるのかないのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

会長

今の御心配の点についてまして、四国電力、ご説明をお願いします。

四国電力株式会社

回収ウラン燃料の表面の線量率は、御指摘のとおり、天然ウラン燃料に比べて若干高くなってございます。しかしながら、先ほどの3ページ目にもありますように、輸送容器の表面線量当量率は、法令の制限値に比べて十分に低いということ、それから、発電所構内での輸送経路は、敷地境界から十分離れていますので、環境への影響はないと考えております。以上でございます。

会長

得能委員さん、よろしゅうございますか。

その他何か御質問ございましょうか。

会長

どうぞ。

佐藤委員

このことに特に関係することではないんですが、いいでしょうか。ふっと気が付いたんですけれど、実はひょっとして伊方がこのことに当てはまらないかもしれないのですが、最近、事故と言われるものを新聞紙上等で拝見しておりますとね、こういうシステムとか、あるいは機械の問題じゃなくて、ほとんどが人間の問題のような気がしてならないんですね。今、実は、私の属しております日本学術会議の学術と社会常置委員会でも、技術倫理とか技術者倫理ということを取り扱っているんですけれども、なんか、技術者あるいは作業員でもいいんですが、そういった人の考え方っていうかな、そういったものが変ってきている、変質しているといいますか、どうしてこんなことが起こるのと僕らが思えそうなことが、起こる世の中になっている。それは良いとか悪いとかじゃなくて、そういう風に世の中、考え方が変ってきていると思うんです。例えば、恐縮ですが、自動車ですね。僕らが免許を取った頃の何十年か前には、車というのは、毎朝必ずボンネットを開けて、水があるか、オイルがあるか、始業点検をやるのが原則だったんですね。今はそんな馬鹿なことをする人はいないですね。機械に対する考え方っていうのが、我々は狂うものと考えていたのが、今は狂わないものという前提になって、生活が成り立っているという気がする訳です。そういう中で、こういうのが扱われていて、思わぬ事故が起こることがあるというのは、やはり、そういう日頃からの安全に対する教育というものを、徹底的にやって頂くということが大事なんじゃないかなと、それも、我々が考えていたのとは違うような形でですね、やって頂く必要があるのではないか。それからもう1つ、繰り返しやって頂く必要があるのではないかと。今の世の中、こういう人達にやったから安全と思ってても、人は替わります。技術者も替わり、作業員も替わる。替わったら、こちらの教育は絶対こういった人たちに伝わらない。そういう世の中ですね。ですから伝わりませんから、この人達は同じミスをするかもしれない。そういう前提にたった安全性教育というのが必要なんじゃないかなというのが1つでございます。それからもう1つは、マニュアルなんですが、これもひょっとしたら原子炉には当てはまらないかもしれないですけども、例えば、携帯電話とかパソコンの取扱説明書とか、ああいうのを読んであれが動かせる人っていうのはいない訳です。専門家もそうおっしゃいます。あれは、そこの部分についてはよく書いてあるのだけれど、読んでいくとこれについてはここを読んでください、こっちを読むとこういってこう読んで下さい。そしたら、この人はここしか知らんのですね。そういう書き方が普通にされていると。原子炉の場合がそうだと言う訳ではないんですけど、私らデジタルデバイドを持っている者のひがみかもしれないんですけれども、そういったところも、誰でも分かるような書き方になっているかどうかという確認をして頂く必要があるのではないかなと。ちょっとこれは当てはまらないかもしれないんですが、そんなことを感じたものですから、もし御参考になれば、そういったことを留意して頂けたらというお願いでございます。

会長

どうもありがとうございました。今、佐藤委員さんが言われたことは、大概の事柄に当てはまることだろうと思います。特に原子力を取り扱う者につきましては、色々言われていますように、人災人災と言われて久しゅうございますので、是非とも、今の委員さんの御意見をきっちりと実現して頂くようにお願いをしたいと思います。その他ございませんでしょうか。

会長

それでは、もう御質問もないようでございますので、四国電力におかれましては、今、佐藤委員さんのお話にもございましたように、今後とも、伊方発電所の安全運転に万全を期して頂きますとともに、その実績を積み重ねて頂き、県民の信頼向上に努められるよう重ねてお願いをいたします。

以上をもちまして、本日の会議を終了します。

委員の皆様には、長時間、どうもありがとうございました。

(閉会)

[委員会事務局]
県民環境部環境局環境政策課原子力安全係
電話番号:089-941-2111(内線2352)
ファックス番号:089-931-0888

伊方原子力発電所環境安全管理委員会次第

日時 平成15年3月19日(水曜日)13時30分~
場所 愛媛県自治会館5階大会議室

1 開会

2 議題
(1) 平成15年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成15年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

3 報告事項
(1) 伊方発電所1号機タービン架台のひび割れに係る対応状況等について
(2) 東京電力の不正問題に係る対応状況等について
(3) 最近の調査結果等を踏まえた伊方発電所の耐震安全性評価について
(4) 伊方発電所における回収ウラン燃料の使用について

4 閉会

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