平成19年度(2007年度) 伊方原子力発電所環境安全管理委員会の開催状況 伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会(2008年3月11日開催)

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伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会 開催概要

1 日時

平成20年3月11日(火曜日)13時00分~15時50分

2 場所

愛媛県医師会館2階研修室

3 出席者

委員9名(別紙名簿のとおり)

4 議題

(1)平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2)平成20年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

5 報告事項

伊方発電所の耐震安全性について

6 審議等の内容(全部公開)

(開会、傍聴者への遵守事項の説明)

三好県民環境部長

部長の三好でございます。技術専門部会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

年度末の大変お忙しい中を委員の皆様方には、ご出席をいただきましてありがとうございます。伊方発電所につきましては、今後3号機のプルサーマルの導入、あるいは1号機の高経年化対策、全体としての耐震安全性などの課題がございます。県といたしましても、このような伊方発電所の課題を考慮いたしますと、現地の八幡浜地域における安全監視機能をより一層強化する必要があると考えておりました。組織改正のお話をしておるんですけれど、現在は放射線の常時監視及び放射能の分析につきましては、松山の衛生環境研究所で行っております。現地での安全監視機能をより一層強化するという観点から、今年4月には八幡浜支局、八幡浜の地方局があるんですけれど、地方局が5つありまして、この4月に3つに再編されるということで、八幡浜地方局は宇和島地方局の八幡浜支局ということになります。そこの八幡浜支局の環境保全課、これは変わりはないんですけど、そこに原子力安全室を設けまして、まずは放射線の常時監視機能は、そちらに移そうかと思っています。そして、平成23年4月には、原子力安全室を移したその次の段階として、衛生環境研究所の施設設備そのものを移しまして、23年4月に「伊方原子力発電所安全監視センター」という格好で、その間、建設しまして、23年4月から放射線の常時監視、放射能の分析あるいは伊方原子力発電所の指導とか調査とか監督とかいう機能をそちらに持っていこうと思っております。地域住民とか県民の皆様のご要望等に対して、お答えをするという形で考えております。「安全監視センター」の機能とか設備なんでございますけれど、基本計画をそのうち作りますものですから、その段階で皆様にご報告をしたいと思っています。ご専門の立場から、その際はご指導をお願いしたいと思っております。

本日の議題ですけれど、伊方原子力発電所の周辺環境放射線等の調査計画と温排水影響調査計画の2つの議題につきまして、ご審議をいただくことにしております。どうか忌憚のないご意見を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単ではありますけれど、あいさつとさせていただきます。よろしくお願いします。

事務局

それでは、濱本部会長さん、議事進行をお願いいたします。

濱本部会長

それでは、議題に入らせていただきます。

まず第1番に、平成20年度の伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画についてご審議願います。資料については、事務局からあらかじめ委員の皆様方には配付していただいているわけですけれども、まず事務局のほうから、ご説明お願いします。

門野原子力安全対策推進監

それでは、お手元の資料の1、平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画(概要)が1枚紙でございます。その紙の下には計画の(案)がございますので、両方を用いまして来年度の計画をご説明申し上げます。

この調査につきましては、ご承知のとおりでございますが、伊方原子力発電所周辺の環境の保全を図るとともに、公衆の安全と健康を確保するために伊方1号機が運転を開始する以前、昭和50年度から愛媛県と四国電力が継続して実施しておるものでございます。来年度の調査につきましては、基本的に昨年度、平成19年度と同じでございます。継続して実施をさせていただきたいと思っております。資料1の概要をご覧いただきますと、下線部を引いたところが前年度からの変更の箇所でございますけれども、19年度とはほとんど変わってございません。調査の目的、調査の機関、それから調査期間は4月1日から21年3月31日でございます。4番目の調査の項目、頻度、地点数につきましても、変更はございませんけれども、少しご説明を申し上げたいと思います。これにつきましては、計画の本文、本体の2ページと3ページもあわせてご参照いただければと思います。2ページと3ページに愛媛県の実施分として空間放射線の調査の地点、それから右側3ページには環境試料の調査項目、調査地点を書いてございます。この中で、下線を引かしていただきました松山市の後に、対照地点ということで書かせていただきましたけれども、これは今まで書いてなかったんですが、原子力安全委員会の放射線モニタリング指針によりますと、原子力発電施設からの放射線のレベルの上昇が予想されない地点であっても、データを比較対照するために離れたところで測定をきちんとするようにということになってございまして、今までも松山市の衛生環境研究所で測定をしておったんですけれども、モニタリング指針で明記されていることを今回計画でもしっかり、きちんと明示をしたいということで、括弧書きで対照地点ということで、追記をしてございます。中身は変わってございません。この中で、上から固定局による空間放射線の測定でございますけれども、伊方町内に県が設置しておりますモニタリングステーションが1局、それからモニタリングポストこれが7局ございまして、合計で8局の測定局において引き続き連続測定を行うということでございます。その下に、定点での線量率測定をするんですけれども、可搬型のスペクトロメータなどを使いまして、集落で定期的に測定を実施するということでございます。また、サーベイメータによる緊急時モニタリング候補地点での定期測定についても、前年度と同様に測定を実施をしたいと考えてございます。それから、この空間放射線のモニタリングカーと書いてございますけれども、走行測定というものも引き続きやってございまして、18年度に更新をいたしましたモニタリングカーにおきましては、NaIのシンチレーション検出器と加圧型の電離箱の検出器が両方搭載されておりますので、走行しながら連続的に測定が可能となってございます。

そういうことで、伊方町内の主要なルートを対象に今年も年4回測定をしたいと考えてございます。それから、積算線量でございます。本体の2ページの真ん中の下でございますけれども、積算線量につきましては、蛍光ガラス線量計による測定に切りかえて実施しておりますけれども、平成19年度も引き続き測定を実施をするということにしてございます。本文の3ページに書かせていただきました環境試料でございますが、まず陸上の試料につきましては、大気の浮遊じん、それから河川水、土壌、そして愛媛の特産のみかんなどを測定することにしております。それから、海洋試料につきましては、海水、それから海底土、それから魚類などを継続して調査する、そのような予定にしてございます。それでは、四国電力の実施分についてご説明申し上げます。本文は4ページに書いてございますし、概要は裏のページでございます。2枚目、2ページ目でございますけれども、四国電力の実施分でございますが、これも19年度と同じでございます。まず、四国電力が発電所周辺に設置してございますモニタリングステーションが、四国電力が1局ございます。それから、モニタリングポストが4局ございまして、合わせて5局で連続測定を行います。それから、サーベイメータなどによる線量率の定期測定を年4回行うということにしてございます。それと、伊方町内などの25地点において積算線量計の測定を実施するということでございます。それから、放射能の濃度でございますが、これも昨年と同様、陸上の試料、海洋試料、先ほどの県の調査の試料と同じでございますけれども、四国電力も同様に調査を行って継続して実施をしていくということにしてございます。それから、概要の2ページ目の5番目でございますけれども、調査結果の評価の方法でございますが、これも昨年と同じでございますけれども、モニタリングの指針に準じてそれぞれの評価、この項目ごとに評価を行いまして、四半期ごとにこの当技術専門部会にご報告をさせていただいた上で、その都度公表いたしますとともに、年度を通しての評価は年報を作成いたしまして、今度は管理委員会においてご報告をした後に公表をしたいと、そのように考えてございます。

それから、大きなⅡの放射性物質の放出管理状況に基づく線量評価計画でございますけれども、これもモニタリング指針に準じまして、それぞれ評価をしたいと思いますが、国の指針、この1年間の放出のその限度値というものは、ご承知のように1ミリシーベルトになってございますが、四国電力はその国の基準よりも非常に低い値でございます、年間7マイクロシーベルトで管理をいたしておるということでございますので、私どももこの年間7マイクロシーベルトという安全協定の努力目標値の遵守状況、これを今年度も確認をしていきたいと思っております。

それから、概要の2ページの最後のⅢでございますけれども、モニタリングカーによる自然放射線量率の分布の調査でございます。先ほど申しました18年度に導入いたしましたモニタリングカーで走行中に放射線量率をはかっておるんですけれども、19年度につきましては、愛媛県内の主要な道路を測定をいたしました。具体的には東は四国中央市から南は宇和島、愛南町まで、大きな国道等々について網羅的に19年度は調査をさせていただきましたけれども、今年20年度につきましては、もう少し詳細に調査をしたいと思っております。伊方町の中でも旧瀬戸町と旧三崎町、岬半島の先でございますが、そちらを十分調査をしたいと思っておりますし、また八幡浜市内につきましても詳細な調査を、走行しながら調査をしていきたいと思っております。以上でございますけれども、この計画書の本体のところで、ちょっと下線を引いておりますところを、もう一度簡単にご説明申し上げますと。2ページ、3ページは、先ほど申し上げました対照地点というものを追記したものでございます。それから、7ページのところに測定地点の数が、ちょっと変わったようになっておりますが、これは対照地点、松山市の衛生環境研究所を外出しにしたものですから、そういった意味で件数、地点数が変わってございますが、これは昨年と全く同じでございます。同じように、8ページも同じ趣旨でございまして、衛生環境研究所を外出しにしたということで、件数が変わってございます。それから、下線を引いたところは17ページ以降に実際の測定器などについて下線を引いたところがございますけれども、これは新しい設備に更新したりしておりまして、型番が変わったりしておりますので、17ページ、18ページなどの下線については、そのようなものでございます。そして、22ページは、モニタリングカーによる走行をしながらサーベイをするということでございまして、調査の地点を旧瀬戸町と旧三崎町、それから八幡浜市に今回しているということでございます。

最後に、一番最後のページの37ページをお開きいただきたいと思います。この一番最後の37ページは、実際に我々が連続測定をしております結果を広く住民の方に見ていただくためにディスプレイを置いておるんですけれども、旧三崎町の三崎総合支所の1階にもそのような表示装置を置かせていただいておりますので、追記させていただきました。基本的には、19年度と今回の調査の計画につきましては、変わりませんけれども、同じように連続測定をしてまいりたいと思います。どうぞご審議のほどよろしくお願い申し上げます。以上でございます。

濱本部会長

どうもありがとうございました。それでは、今説明がありました平成20年度の調査計画についてどなたかご質問、ご意見ございますでしょうか。藤川先生。

藤川委員

走行測定といいますか、モニタリングカーのほうの活用について教えていただきたいんですけども、NaIなどのほかにゲルマも積んでいただいているということで、飛躍的に情報量も増えるでしょうし、逆に言うと、データの表示方法は大分複雑になったんじゃないかなと思うんですが、緊急時にそういうものをどういうふうに活かすかとか、日ごろの県民の皆様の放射線のご理解に、このデータをどういうふうに活用していただくのかについてご説明をいただければと思います。

吉野内衛生環境研究所環境調査課長

18年度に更新いたしましたモニタリングカー、現在、19年度測定を実施しております。このモニタリングカーにつきましては、先生ご承知のとおり、最新の設備を搭載しておりまして、放射線の測定データとあわせて、GPSの位置情報も同時に記録できるというシステムにしております。したがいまして、必要に応じて固定モニタのない場所にも迅速に移動して、空間ガンマ線量率の測定ということも可能でして、従来サーベイメータで定点測定をしていた状況と比べまして、飛躍的に多地点で迅速に測れるということになっております。また、GPSの位置情報を活用いたしまして、パソコンの画面上に自動的にソフトウエアで測定データを面的に表示ができるというシステムになっております。また、測定データは、衛星携帯電話を通じまして基地局へも、従来、携帯電話で報告すると、またそれを作表するという作業を行っておるわけですけれども、これらの報告が人の読み間違いとか記載間違いとかそういうことをなくして、迅速に送れるということになっております。

また、今年度は県下の主要国道沿いのデータが得られましたので、現在調査取りまとめ中でありますけれども、本県を横断する中央構造線の北部と、それから南側の自然放射線レベルの低い地域と、その2つの傾向が一応把握ができております。緊急時におきましては、平常時におけますこれらの測定データをもとに施設からの影響の有無を判断しましたり、また万一ですけれども、地表面への人工放射性物質が汚染する地表汚染、そういうような状況が発生した場合にも、ゲルマニウム半導体検出器を搭載しておりますので、これらの地表面からの放射線を、エネルギースペクトルを詳細に解析することによりまして、人工放射性物質による汚染への程度を評価するということにも活用することとしております。これらの走行測定のデータは、従来NaIの検出器だけでしたけれども、電離箱による高レベルの線量率も測定するというふうに、能力向上しておりますので、これらのデータを平常時に県下のまた発電所周辺の地域で、どういうレベルであるかということを把握いたしまして、万一の場合の影響判断にもこれらのデータを活用してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

濱本部会長

よろしゅうございますか。 そのほかどなたかございますでしょうか。辻本先生何かございませんか。

辻本委員

20年度の計画は19年度と同様で、特に大きな変更点もありませんので問題はありません。環境放射線モニタリングは継続する事が必要です。行っておられる内容は非常にレベルの高い、精度の高いことをやっておられ、膨大なデータをお持ちですので、環境放射線の監視が主目的ですが、環境放射線の監視以外に住民に役立つ地球科学的なまとめ方が出来ないものかと思います。例えばラドン等の測定により中央構造線の活動の調査、中国からの黄砂の予想等についても行うことが出来ると思います。今回の計画は19年度と同様で特に問題はありません。

濱本部会長

どうもありがとうございました。

そのほかご意見なければ。森先生。

森委員

今のご質問とも関連するんですけれども、最後のページに書いてある原子力情報ホームページというのは、県のホームページからのアクセスは簡単になっているんでしょうか。

門野原子力安全対策推進監

県のホームページでも、当然クリックしていくとわかるんですけれども、この、先ほど申し上げた三崎とか瀬戸町民センターに置いてあるのは、実際にモニタリングデータを表示しているということでございます。県のホームページからたどるということもできますし、そのモニタリングデータそのものを表示させておくこともできます。

森委員

ここにそのホームページのアドレスがあるので、アドレスを打てばまさにこの名前のものが出てきはしますが、県の扉のホームページから何回かチャレンジしてようやく1回はたどりついても、2回目にもう一遍チャレンジしようとすると、かなりたどりつきにくい、つまり普段からご覧になってらっしゃる方がいらっしゃれば、それはすぐなんでしょうけれども。つまり、誰でも扉からすっと入っていけるようにしておかないと、やはり、万が一のときだとか、あるいは心配なさったときに容易にたどり着けるように、安心材料として提供しているわけですから、それが活きるようにするように、少しホームページの構成等を考えていただければと思います。

門野原子力安全対策推進監

ありがとうございました。工夫をさせていただきたいと思います。

濱本部会長

そのほか。はいどうぞ。

古賀委員

30ページのところで、環境放射線のことについて説明をされているんですが、ここのところの図2のところの日本国内の都道府県別の線量ということになってまして、これにはラドンとかそういうふうなものは含んでないんですけども、平均で約1.3ミリシーベルト、1年当たりの線量を受けているというふうな注釈がついているんですけども。これ世界平均のほうの値で日本はもう少し低いというふうに理解してますので、何かちょっと附則つけたほうがいいんではないかというふうに思うんですけど。

門野原子力安全対策推進監

わかりました。ちょっとここについては、今ご指摘をいただきましたので、この数値が今、日本では最新のデータとしては何ミリなのかということを補足をしておきたいと思います。

古賀委員

日本のラドンの濃度っていうのは、最近のものはないと思うので、ちょっと古いので出ているのはあるんですけども、それでこの1.3というのは、世界平均であるというふうなことをつけ加えたほうがいいんではないかなというふうに思います。

門野原子力安全対策推進監

わかりました。ありがとうございました。

濱本部会長

そのほか何かございますでしょうか。ないようでしたら、この議題(1)については、取りまとめさせていただきたいと思います。

平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画については、前年度の調査を基本的に継続するものであり、適切なものであると認められる。以上、意見を取りまとめたいと思いますが、これでよろしいでしょうか。

(異議なし)

濱本部会長

どうもありがとうございました。

それでは続いて、議題2、平成20年度の伊方原子力発電所の温排水影響調査計画について、まず県のほうからご説明お願いいたします。

阪本水産課長

お手元の資料2-1をご準備願えますか。本調査は、伊方原子力発電所から排出されます温排水が、周辺海域に与える影響の有無を判断することを目的に、愛媛県と四国電力が、それぞれ実施しているものでございます。表紙のところには、両者の調査計画の概要を取りまとめまして1枚紙としてお示ししております。恐れ入ります5枚めくっていただけますか。5枚めくっていただきますと、平成20年度の調査計画案がございますので、その調査計画書案の1ページ、下にページを振っておりますけど、1ページをお願いいたします。

愛媛県の調査分の計画概要をお示ししております。調査期間は平成20年の4月から1年間ということで、今年と同様に愛媛大学に調査を委託する予定でございます。次の2ページの表1をお願いいたします。調査計画につきましては、1の水質、2の水温、4のプランクトン、5の付着動植物調査につきましては、年4回の実施をすることにいたしております。なお、水温については連続観測もあわせて実施する計画になっております。3の流動調査、それから7の拡散調査につきましては、年に2回の調査となっております。6の漁業実態調査は八幡浜漁協の3支所において周年実施する計画としております。各調査とも従来と同様の内容、回数となっております。各々の調査点につきましては、3ページと4ページに示しております。

それでは続きまして、四国電力の調査計画についてご説明させていただきます。5ページをお願いいたします。調査期間は平成20年4月からの1年間でございます。調査は、今年度と同様に四国電力が直接または、専門会社に委託して実施する予定でございます。次のページをお願いいたします。調査計画を6ページから9ページにかけての表に示しております。調査内容は1と2の水温、3の塩分、4の流動、5の水質調査など9ページにかけまして14の調査を行うこととなっております。そのうち9ページの12藻場分布調査と14の取り込み影響調査の動・植物プランクトン調査、この2つの調査のみ年2回となっております。この2つの調査以外の調査につきましては、年4回実施する計画といたしております。10ページ以降には、それぞれの調査測点を示しておりますので、後ほどお目通し願ったらと思います。

次に、20年度の調査におきまして、変更点がありますので、その点についてご説明させていただきます。恐れ入りますけども、資料の表紙のほうに戻っていただいて、1枚めくっていただきますと、横長の資料になりますけども、調査計画に関する比較表がございますので、ご覧ください。変更前と変更後として19年度と20年度の調査内容を示しております。5の水質調査、次のページの6の底質調査、7のプランクトン調査、9の底生生物調査、10の潮間帯生物調査、11の海藻調査、13の魚類調査においては、調査内容につきましては、変更がございませんけども、調査測点が減少しております。8の魚卵・稚仔魚調査と12の藻場分布調査につきましては、調査測点の減少に加えまして、調査方法の変更がございます。魚卵・稚仔魚調査では遺伝子解析による調査を、藻場分布調査では超音波法による調査を、新たに追加いたしております。詳細につきましては、後ほど四国電力から説明していただきます。以上が平成20年度の温排水影響調査計画でございますので、ご審議のほどよろしくお願いいたします。

濱本部会長

どうもありがとうございました。ただいまの説明にありましたように、新しく測定方法、異なってきた2点について四国電力のほうから説明いただこうかと思いますが。これまで温排水の影響調査につきましては、この部会での審議を踏まえて、高度化というものが図られることになってるわけでありますが、その中で、魚卵調査、それから藻場の調査、そういったものが挙げられるわけでありますが、この内容につきまして四国電力のほうから説明いただいて、それを審議した上で、今後の計画に載せていこうということであります。ご説明よろしくお願いします。

四国電力 洲之内常務取締役原子力本部副本部長

当社からの説明に先立ちまして、一言ごあいさつをさせていただきたいと思います。

皆様方には、日ごろから伊方発電所の運営につきまして、ご理解、ご指導を賜りまことにありがとうございます。この場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げます。現在、伊方発電所では、1号機及び3号機は安定して運転を続けております。伊方2号機は定期検査中でございますが、今回発見いたしました湿分分離加熱器、これ4つございましてBでございますが、Bの天板の割れの件につきましては、1号機での過去2回に引き続き湿分分離加熱器の溶接部で割れが発生したものでございまして、地元の皆様にご心配をおかけいたしました。当社は今回の事象を真摯に受けとめまして、当該箇所の詳細な調査など原因究明を徹底的に実施いたしますとともに、再発防止に万全を期すべく対策を実施いたしました。また、現在、新潟県中越沖地震を踏まえた地震時の対応につきましても、着実に検討対策を進めているところでございますので、その状況につきましても、今回御報告をさせていただきます。今後とも信頼される伊方発電所を目指しまして、安全、安定運転の継続と、情報公開の徹底に全力を挙げて取り組んでまいりますので、引き続きご指導を賜りますようお願いを申し上げます。

それでは、資料に基づきまして、伊方発電所安全技術グループリーダーの岡崎から説明をさせていただきます。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

お手元の資料2に基づきまして、温排水影響調査のさらなる高度化につきまして、着席して説明させていただきます。

伊方発電所前面海域におけます温排水影響調査につきましては、先ほど部会長からもありましたように、これまで環境安全管理委員会あるいは専門部会等におきまして、最新技術の積極的な導入による調査のさらなる高度化の取り組みについて報告をしてまいっているところでございます。平成19年度に超音波を用いた海面上からの海藻調査及び遺伝子解析を用いた魚卵調査の試運用を行いまして、良好な実績が確認されてございます。そのことから平成20年度より、これらを本格導入いたすとともに、調査内容を見直す計画としてございます。1つ目の超音波法を用いた海面上からの海藻調査でございますが、本調査手法は、船から発信した超音波の海底からの反射強度をもとに必要に応じてCCDカメラを併用することによりまして藻場分布を把握するものでございます。

3ページ目をお開きいただきますと、図1に超音波を用いた海面上からの海藻調査ということで、上の写真にございますように、調査船にデータの解析部、表示部、パソコンでございますが、それを積み込みまして、船に超音波の送受波部を乗せて、下のように海面に向かって周波数200キロヘルツで超音波を発信いたしまして、海底から返ってくる一次反射で海底の粗さ、そしてもう1つは二次反射としまして、海底に当たりましたものが海面に当たり、さらに海底に当たって返ってくると、この二次反射で海底の硬さを測るものでございます。これらの方法をもちまして事前に潜水調査を行いまして、海底の状況と先ほどの反射信号との校正をもちましてパターンを作成してございます。例えば、一次反射で強度が小さく返ってきて二次反射でも小さいものが、評価としましてはシルト域であると。また、一次反射が大きくて二次反射も大きい場合は、岩の部分であると。あるいは、一次反射が比較的大きいけれども、二次反射は中程度である場合は、クロメの生域部分というふうにパターンを確立いたしまして、確認してございます。また、クロメの生息は水深20メーターよりも上でございますので、CCDカメラが使えますので、それによる確認もしてございます。

1ページに戻っていただきまして、19年度の春、夏の調査におきまして、代替藻場周辺におきまして、クロメの三次元の分布パターンが確認できてございます。これにつきましては、これまでの潜水による調査に比べまして、海面上から安易にかつ安全に詳細状況を把握することができてございます。また、広域調査結果におきましては、調査範囲全域の岸に沿いましてクロメの帯状の分布、また代替藻場あたりでは、クロメの塊状の分布が確認できてございます。これらの分布範囲につきましても、目視調査による調査結果と比較しますと、ほぼ合致してございます。

4ページをあけていただきますと、今申しましたように、有寿来マウンド、町見マウンドのそれぞれの代替藻場におきまして、このような三次元パターンがリアルに確認できます。この緑の部分がクロメでございます、このようにわかりやすく表示できると。また、下にございます広域調査結果では、岸沿いに帯状のクロメの分布、そしてそれぞれのマウンドにおきます塊状のクロメの分布が、はっきりと見られたところでございます。

1ページに戻っていただきまして、2番目の遺伝子解析を用いた魚卵調査でございますが、今年度に実施しました魚卵調査におきましては、従来の顕微鏡による外観観測ではこれまで同様に種不明卵が多数出現してございます。これらを遺伝子解析を実施することによりまして、種不明卵として扱われた魚卵の一部について魚種を特定できまして、データの充実を図ることができました。

具体的に申しますと、春の種不明卵10個体を解析いたしまして、1個体がシロギスと、夏につきましては種不明卵16体を解析いたしまして、3個体がイサキ、3個体がササノハベラ、1個体がマトウダイであることが評価されてございます。また、秋につきましては、種不明卵のうち出現個体数の多い各タイプから10個体ずつを取り出しまして、解析いたしました。そうしますと、種不明卵総数2万個のうちの6割を占めるタイプから抜き取りました10個体のうち半数が、ササノハベラであることが評価されてございます。これにつきましては、5ページ目を開いていただきますと、図3におけます平成19年度の種不明卵の出現状況でございますが、春、夏、冬ともに不明卵が80%を超えるような状況でございます。これは従来の顕微鏡による観察結果でございます。それを図4にございますように、平成19年度の夏の解析の例でございますが、魚卵から取り出しましたDNAを増幅処理いたしまして、DNAの断片の長さの違いによりまして、見ますところの写真でございますが、それらを既知のわかっております魚類のパターンと比較いたしましたところ、識別できるということで、19年度夏につきましては、不明卵16個のうち7個体が見つかってございます。その中のイサキ、マトウダイを写真であらわしてございます。

また、図5につきましては、秋に調査しました種不明卵約2万個をタイプa、b、c、これは卵の球形の大きさにおきまして分類してございますが、その中で一番多かったタイプaの中から10個につきまして、解析を行った結果、5個体がササノハベラというふうに評価できたということをあらわしてございます。

1ページに戻っていただきまして、高度化に伴う従来の調査内容の見直しでございますが、先ほど見ました超音波法を用いた海面上からの海藻調査、遺伝子解析を用いた魚卵調査によりまして、海藻や魚といった生物項目の高度化が可能となってございます。それと、これまでに実施してございますドップラー流向流速計、水質連続自動測定装置といった物理・化学項目の高度化とあわせますと、従来より詳細かつ大量のデータが得られることができてございます。そうすることによりまして、前面海域の環境をこれまで以上に詳細に把握できるようになってございます。そういうことから、従来の温排水の影響調査の測点、測線を調査範囲内の代表的な測点、測線に変更を考えてございます。

6ページ目をあけていただきますと、上の図でございますが、水質調査、プランクトン調査、魚卵・稚仔魚調査でございますが。これにつきましては、従来、丸のついたポイントを実施してございましたが、今回赤いポイント代表6測点、これにつきましては調査範囲でございます発電所の東西2キロ、沖合2キロの地点、個別にいきますと西側の15のポイント、それと東側が29のポイント、それから沖合31ポイント、17ポイント、それと、発電所前面海域の22ポイントと24ポイントのこの代表的な6測点に、プラス水質調査につきましては、左のほうにございます鳥津漁港周辺の12番、それと発電所沖合の23番を加えた8ポイントと、それから、プランクトンと魚類・稚仔魚につきましては、赤い6測点とそれぞれの中間域でございます16、23、30のポイントの9測点と変更したいと考えてございます。下の段にあります底質調査、底生生物調査につきましては、先ほどの6点に加えまして、発電所の湾内での性状等を考慮しました発電所西側の39ポイント、そして東側の43のポイントを入れました26ポイントから8ポイントに変更でございます。

7ページ目に参りまして、海藻調査、魚類調査等でございますが、これにつきましては

海藻類がつきますのは、基盤において違ってきますので、岩盤であるとか人工護岸、転石、砂等の違いを考慮しました代表的な測点を選定してございます。そして、一番西の端になります12のポイントから東の27ポイント、それと発電所周辺のポイントということで、岩盤上ということで測点の27、そして人工護岸であるところの16、22、それから転石のところの24、27、砂のところが12というふうに選んだところでございます。

それから、次の下の潮間帯生物調査でございますが、これも従来の16から5ポイントに変更いたします。これも生物が着生いたしますのは、基盤によりますので、岩盤であるとか人工護岸、転石との違いを考慮して代表的な測点としてございます。

また、1ページに戻っていただきまして、そういう測点を変更いたしましたその結果、過去7年間の調査データをもとに、1番の水質調査、魚卵・稚仔魚調査、2番の底質調査、底生生物調査、3番の海藻調査、魚類調査、4番の潮間帯生物調査の各調査項目を代表的な測点、測線に変更した場合でございましても、季節変化等これまでと同様に把握することができ、また優占種や貴重種が四季を通じて把握できることを確認してございます。これにつきましては、8ページ以降にお示ししてございます。

8ページをあけていただきますと、図7といたしまして、稚仔魚調査における現行の17測点と6点との比較でございますが、種類数につきましては、地点が減りますので、少し減ってございますけれども。季節変動、夏に多くて冬少ないというものについては傾向が変わってございませんし、また下にありますように総個体数、1,000立m3あたりの個体数につきましても、ほぼ同様な値を示してございます。

9ページ目をあけていただきますと、図8で底生生物における現行の26測点と代表8点の比較でございますが、種類数につきましては、種類数は減りますけれども、傾向としましては春に多くなっているという傾向につきましては、同様な傾向でございます。また、個体数につきましては、同様な傾向を示してございます。

次、10ページでございますが、海藻調査における現行の16測線と代表5測線の比較でございますが、種類数につきましては、これも減ってございますが、パターンといたしましては、春に多いパターンにつきましては、同様の傾向を把握できてございます。それから、下の総湿重量につきましても、海藻類につきましては、春から夏にかけまして重量が増加いたしまして、秋から冬にかけて減少するというパターンがはっきり見てとれてございます。

11ページ目に参りまして、潮間帯生物(植物)における現行16測点と代表点の比較につきましても、今まで同様に傾向は把握できてございますし、総湿重量における傾向も全くパターンとしては認識できてございます。

12ページ目でございますが、これにつきましては、優占種と貴重種におけます測点による違いということでございますが、優占種でございますカザリゴカイ科につきましても、十分、各測点におきまして把握できてございます。また、貴重種につきまして、ナメクジウオにつきましても、確実にとらえられることができておると、こういう結果でございます。

2ページ目を見ていただきますと、そういうことから今後の予定でございますが、(1)の平成20年度の計画といたしまして、超音波法を用いた海面上からの海藻調査及び遺伝子解析を用いた魚卵調査を導入するとともに、従来の温排水影響調査、測点・測線を代表的な、先ほど申しました、測点・測線に変更いたしたいと考えてございます。

その他といたしまして、今後も熱赤外撮影装置によります温排水拡散状況調査の適用可能性を含めまして、最新技術の導入による調査の高度化について、更に検討を進めていくこととしてございます。以上ご説明を終わらせていただきます。

濱本部会長

どうもありがとうございました。ただいま説明のありました最初に県から、それから今四国電力からございましたけれども、来年度の温排水影響調査計画及びその高度化への取り組み状況について、何かご質問、ご意見ございますでしょうか。有吉先生。

有吉委員

今ご説明いただきました四国電力の調査分ですが、調査の定点が変えられて数的には2分の1から3分の1に減ってるわけですが、単純にモニタリングはこれで大丈夫ですかということをお聞きしたいのと、どういう基準で測点を選ばれたのかということを含めて、ご説明いただければと思います。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

調査定点の変更につきましては、減少してございますが、先ほども申し上げましたように、過去7年間のデータをもとにいたしまして、調査点の変更前後の傾向を比較した結果、変更後の測点、測線にした場合でも、季節変化などこれまでの同様なことが把握できることを確認してございます。また、年間を通じて出現頻度の高い優占種や愛媛県さんが指定してございますレッドデータブックに記載のある貴重種につきましても、これまで同様に把握できることから、今後とも発電所から放出される温排水の影響調査で問題ないものと考えてございます。

もう一点の定点の測定の基準につきましてでございますが、温排水の影響調査の調査範囲でございます伊方発電所を中心といたしました東西2キロ、沖合2キロと、これを縮小することのない定点を選定してございます。水質調査におきましては、その代表的な6点に加えまして、先ほども申し上げましたように、近隣の漁港であります鳥津漁港さんの周辺を調査を把握すると、ここを継続してございます。それから、底質調査におきましても、代表点は6点に先ほども申しましたように、発電所東西、湾内の流況の調査も含めましたところを追加してございます。あと、海藻、潮間帯生物につきましても、生物の着生に基盤、岩盤とかそういうのが影響をいたしますので、そのあたりを十分考慮して選んでございます。これら代表的な測点に変更にしましても、先ほど申しますように、季節的な変化は同様に把握することができて、問題ないんじゃないかと考えてございます。

有吉委員

先ほど説明のあった種類数に違いがありますね、これは傾向が合っとればそれでよろしいということなんでしょうか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

種類もたくさんございますので、優占種のところを見ますと大体一応傾向がわかりますので、それでその傾向が変わってなければ十分じゃないかと考えてございます。

有吉委員

そうですか、はいわかりました。

濱本部会長

森先生、どうぞ。

森委員

あの、素人なので、全く根本的なことからお聞きしたいんですけども、今まで何年間か見せていただいてて、この温排水の及ぼす影響ということであれば、これらの種類数だとか個体数だとかというのと温度との相関というのは、どうなっているんでしょうか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

発電所から出ます温排水のエリアにつきましては、その拡散範囲を年4度調査しておりまして、1℃の範囲はこれだけであるということを、それはそれで従来どおり実施してございます。ですから、それの関連と生物については特段の因果関係はございません。

森委員

じゃ、因果関係がないというものが既に何件か報告はされていらっしゃるんでしょうか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

それにつきましては、発電所が運開以来調査してございますので、それらとおいても変わらないということから、発電所での温排水の影響はないというふうに判断してございます。

森委員

そうすると、こういうデータを見るのは、あくまでこれは初期値からの変動というのが、温度と無相関であるというふうに理解してよろしいんでしょうか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

種類数とかその傾向につきましては、相対的に過去と比べてどうであるかということと、先生のおっしゃる温度との因果関係につきましては、そこまでシビアに調査した因果関係というのは、我々のほうではそこまではやってないのが実情でございます。

森委員

単純に私が聞いているのは、これだけ大変な調査をされて、とても貴重なデータだと思うんですけれども、それぞれの相関が余り検討されていないような気がいたします。つまり、影響がないということを証明したいがための調査であるにもかかわらず、その温排水ではなく自然の温度との関連において相関があって、なおかつそこに温排水としてのその温度差というのは、もう無視できる範囲でっていう、何ていうのかそういう論理的な理解が、生物の専門家ではないんですけれども、いわゆるこういう数字の解釈の仕方っていう観点から、お聞きしているという次第です。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

我々、事業者側といたしましては、やっぱりそういう学術的にというよりも、一番大きなところでいきますと、やっぱり我々としましては、発電所の運開前から調査してデータが継続されている、それで大きく変わってないというところを一番重点的に見ているということで、先生のおっしゃるように、自然界の変動につきましての大きなところまで、まだ見れてないというのが正確なところじゃないかと思います。

森委員

わかりました。あと、この測定点数を減らすというのは、実務的に大変よく理解できるんですけれども、それぞれの時系列は示されてはいますが、それぞれの相関というのは検討されているんでしょうか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

先生、時系列と申しますと。

森委員

例えば、今9ページを見ていますが、例えば9ページで上に種類数、それから下に総個体数と書いてあります。その場合に縦軸に種類数、横軸に時間の軸が書いてあります。ところが、この青と赤の相関、横軸に青、縦軸に赤とかっていうような、そういう相関においてどれだけのばらつきがあって、そういう、何というか、減らすための検定といいますか。

四国電力 高橋安全グループ副リーダー

今回9ページでいきますと26測点と8測点という形になっておりますが、この高度化というのをですね、16年、17年ぐらいからやらせていただきまして、その中で報告もさせていただいております。当初、調査エリアを若干少なくしたとか測点を減らしたときに、t検定というのをやりまして、近傍と遠方との比較をやっております。なかなか生物につきましては、非常に難しいというか、その評価というものが、必ずしも明確になってないところがございますが、水質などの化学的な項目につきましては、その評価の中で問題ないという形で、この辺につきまして、当初ワーキングということで愛媛大学の先生方にいろいろ事前にもご相談させていただきまして、その中での了解をいただいた方法です。今回、改めてそういう検定はちょっとやっておりませんが、当初からの中で問題ないと把握しておるというふうに思っております。

森委員

わかりました。統計学的な検定を以前はなさった上で検討されているということのようにお聞きしましたが、例えば、その種類数については、相関が高いものとそうでなくてばらつきが多いようなものがあったりして、この辺きちんとした統計的な検定をなさっておかれたほうがいいんではないかなと思いましたので、発言させていただきました。

それから、あともう一点お聞きしたいんですけども、これも専門ではないんですが、それぞれ例えば下のほうにm2当たりの個体数とありますけども、これは具体的にはm2当たりっていうふうに換算はしてあるんですけど、具体的には実際に測られてるのは、例えば1cm2に5個とか6個とかってそういうものなのか、1m2で500個測っているのか、どういう測定をされているのか教えていただけませんでしょうか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

物によりますけど、海藻等につきましては、1m2の坪刈りと申しまして、定点を決めまして1mのところの図をとりまして、それの重量、数等を勘定してございます。潮間帯生物につきましては、50cm、50cmの枠を決めまして、その中から選んだもの取り出したものの測定を実施してございます。

濱本部会長

武岡先生、お願いします。

武岡委員

海藻調査のほうですけども、これは船で一度に測れる幅ですね、超音波では基本的に幅があると思うんです。あと、測線間隔どれぐらいとられているのかというあたりをちょっと説明していただけませんか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

おっしゃるとおり、反射をとりますので、1回の走行で50cmずつぐらい横をずっと行き来して幅をとってるということでございます。

武岡委員

50m。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

失礼しました。幅50mぐらいの間を何往復かいたしまして、確認しているということでございます。

武岡委員

要するに、スキャンしますよね、超音波でやったときに。それでとれる幅があって、カバーできない、つまり、それはすべての場所をカバーしているのか、船がこう、測線の間があくでしょう、そうするとカバーできない部分は補完しているのか、その辺ちょっと説明していただけませんか。

四国電力 高橋安全グループ副リーダー

船と船との測線の幅といいますと大体4、50mございます。あとは超音波を出しまして反射してきますので、その海底からの距離、深さですね、それにもよります。実際に評価としましては大体10cm前後ぐらいの面的にとれてるだろうというふうに考えております。ですから、その4、50cmを10mで行きますと、間はちょっととれてないとこがございますけど、それにつきましては補完をしてるというか、内挿した形での評価をしております。

武岡委員

船の位置はGPS、DGPSか何かを使ってる。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

はい。ディファレーションのGPSを積み込みまして、何度もこれ調査を継続いたしますので、可能な限り過去からの経路といいますか、それを踏んでいこうというように考えております。

武岡委員

それから、遺伝子解析のほうですけど、これは今のとこすべてのものがわかるわけではないですが、これ今後いろいろと情報が蓄積されてくると、その識別できる種類というのは増えると考えていいんでしょうか。

四国電力 岡崎安全技術グループリーダー

現在、データを完備していますのが、魚種として31種でございますので、今後いろんな形でそういうデータを、魚を集めまして、そういう既知のデータをたくさん集めまして、少しでもわかるように今後進めていきたいと思いますし、既知のデータが集まることによりまして、種不明卵がかなりわかってくるんじゃないかと考えてございます。

武岡委員

はい、どうもありがとうございました。

濱本部会長

そのほかございますでしょうか。

武岡先生、この温排水の影響調査計画、それから高度化の方向についてご専門の立場から総括、ご意見いただけますでしょうか。

武岡委員

今回のこれは、今まで、さっきも説明がありましたように、いくつか高度化してきた流れの中にあるということで、高度化されること自体は私は結構なことだと思います。今までなかった新しい情報がとれるということですが、これに伴って測点減らされるということですけども、もちろんこれはたくさんとればいいには決まってるといいますか、当然それは望ましいとは思いますけども、一応このお話の調査の目的といいますか、これはおそらくもう相当時間が経っていますので、時間的な変化ですね、事故があってはいけないですけど、そういうことがあったようなときに、何かこういうところに特別な変化が出てくるかどうかですね、そういうものを見るという意味では、時間的な変化というものが、きちんと押さえられればいいのではないかと。そういう意味で種類数なんかは当然減らせばできますけども、大きなトレンドが変わるという状況にはないということですので、特に問題はないということで、そういうことではないかと思います。

濱本部会長

ありがとうございました。そのほかの委員の先生方、今の総括のようなご意見でよろしいでしょうか。

それでは、この第2の議題の排水影響調査、その高度化の取り組みについて、部会としての意見を取りまとめたいと思います。

平成20年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画については、県の調査分は、前年度を継続するものであり、四国電力調査分は、高度化及びそれに伴う調査範囲の見直し等だったものとなっており、19年度の試験運用結果からも、適切なものと認められる。このように取りまとめて、明日の環境安全管理委員会に報告したいと思いますが、よろしゅうございますか。

(異議なし)

濱本部会長

どうもありがとうございました。

それでは、きょうの議題はこれで終わりですけど、もう1つ報告事項がございます。伊方発電所の耐震安全性について四国電力からご報告いただきます。お願いします。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

新潟県中越沖地震を踏まえた対応状況を中心にして、資料3に基づいてご説明させていただきます。失礼ですが、座ってご説明させていただきます。

1の新潟県中越沖地震に対する国の検討状況と当社の対応状況について、まずご説明させていただきます。保安院では、各種委員会を立ち上げて、改善検討項目の抽出を実施しております。これに合わせて当社でも地震の教訓を踏まえて検討対策を進めております。大きく2つありますが、1つは自衛消防及び情報連絡提供に係るものでございます。まず1つ目ですが、保安院、主査の先生、大橋先生の名前をとりまして、大橋ワーキングと称されておりますが。これにおきまして、この件に関する報告書案が取りまとめられまして、2月20日に上部の委員会であります中越沖地震における原子力施設に対する調査対策委員会、委員長が斑目東京大学大学院教授のもとでやられている委員会でございますが、ここに報告されました。当社では、この報告に基づきまして、地震時の自衛消防及び情報連絡提供をより一層向上させるということを念頭に検討してきておりまして、その具体的な対応状況について国に報告をしております。この内容につきましては、この文書の中でエッセンスは書いてございますが、詳細は別紙1に記載しておりますので、2枚目のA3の資料に基づいて当社が考えております内容につきましてご報告させていただきます。全体は、左から主な具体的実施内容と、その右にこれまでの取り組みと今後の取り組みの具体的な方針を書いてございます。右側にはそれを実施するスケジュールを記載しております。時間の関係もありますので、これに基づいたエッセンスをご報告させていただきます。自衛消防の強化策の1として、初期消火体制の充実という観点から、(1)にありますように、初期消火要員について常駐を基本とした10名程度を確保するということを考えまして、右側にありますように、平成19年9月より常駐で10名以上を確保する体制を既にとっております。夜間、休・祭日でも最低10名いるという体制を確立いたします。それから、初期消火体制の中核的なリーダーを育成するということで、初期の消火体制において自衛消防隊長、夜間・休・祭日は守衛所の班長にやっていただくことにしておりますが、この指揮のもと社員等による消火活動を実施するということで、計画を立てて訓練を実施して、中核リーダーを養成していくということとしております。2の消火設備の信頼性の向上という観点からは、消火設備の耐震性の確保を考えております。屋外消火配管、柏崎原子力発電所では、これが壊れて水が出ず消火に手間取ったという反省に立ちまして、右の(1)のイにありますように、消火配管の建屋の接続部、屋外消火配管継手部、ここが弱いということが指摘されておりますので、本年の5月ごろまでを目途に調査を実施しております。この調査の結果、補強対策等を実施するということを考えております。それから、消火の水源があります。伊方発電所はろ過水タンク、ろ過水貯蔵タンクというタンクを水源にしておりますが、これを同じく本年5月ごろまでを目途に耐震、現状の耐震の強度評価を実施しております。必要であれば補強等の対策を考えております。こういうもの以外に消火設備の多様化、多重化という観点から、消防車の配備を考えておりまして、化学消防車を既に1台、伊方発電所に追加購入いたしました。その他としては、油火災の場合に泡消火剤が必要となりますが、これは現在500リットル備蓄しておりますが、3倍の1,500リットルに増強したいと考えております。それから、防火水槽、消防車の水源となります防火水槽を、今4基持っておりますが、5月ごろまでを目途に、この防火水槽の増設の必要性を検討しております。必要であれば増設も考えてやっていくと考えております。

それから、消火用の配管が壊れたときに建屋内の自動的な消火設備がおかしくなるというようなことも考えられます。消防車から建屋の入り口に給水接続口を設けたほうがいいという意見があります。3号機については、もう既に設置しておりますが、1、2号機については、平成20年度を目途に接続口を設置するということを考えております。それから、大型の消火器、既に発電所内に35台設置しておりますが、柏崎原子力発電所の事態のときに消すことが難しかった変圧器、このエリアに1、2、3号、それぞれに大型消火器を追加配備するということを考えております。それから、3の消火設備関連の信頼性の向上で、公設消防との専用回線を耐震性のある中央制御室に確保すると、これはもう既に設置いたしました。それから、緊急時対策室、これはこういう地震以外もそうですが、非常時のときの社外等の情報連絡の窓口になって活動する部屋ですが、この緊急時対策室。それから、消防車両車庫、こういうようなものの防災拠点並みに上げた耐震性が必要だというような意見がございます。柏崎では緊急時対策室の扉が地震で開かなくなって、うまく使えなかったという反省がございます。扉については、丁番を替えて耐震の丁番をもう既に取りつけました。地震時に開きやすいようにしたということです。それから、消防車庫とか緊急時対策所の耐震性の確認を5月ごろまでで実施しております。必要であれば、補強工事は実施したいと考えております。

次のページでございます。自衛消防の強化の実践的な訓練の実施と検証という観点で、資機材とか要員、それから地元消防とのタイアップ、それからその計画や訓練のよそでやっている情報事例の情報交換、これらすべて実施していきたいと考えております。5番には、火災予防教育・対策の充実、その他ということがありますが、必要なものはきっちりやっていきたいと考えております。それから、情報連絡提供の強化策というような観点からも指摘がございまして、煙が上がっているのに十分な情報が地元に提供できなかったというようなことで、この迅速な情報提供というようなことの観点からの必要な工夫が要るということで、自治体、伊方町等にお願いすることにはなりますが、防災無線やそういうものを使った運用を考えていきたいと考えております。それから、言いぶりとかそういうものについてもわかりやすくて、情報の提供の仕方を考えていくべきだという視点がありまして、この辺は勉強していきたいと考えております。それから、情報収集提供では国の情報収集体制が強化するということを考えております。伊方発電所のプラント情報をこういうところにきっちり伝わるような設備変更、運用の変更は遺漏なくやっていきたいと考えております。それから、モニタリング等の情報収集装置、これを信頼性上げると、耐震上の信頼性を上げるということでございますが、既にモニタリングポストのデータ処理装置等につきましては、転倒防止、アンカー等で固定するということですが、これはすべて実施いたしました。それから、プラント情報の収集装置についても固定を実施いたします。また、電源の多重化というような観点からもチェックいたしております。放射性物質が漏えいした場合に分析に手間取って、はっきりとした答えが言えなかったというような地震時の対応が指摘されております。新潟県中越沖地震は休日の昼間起こりましたが、休日とか夜間につきましても、放射線の計測要員、これを昨年9月から常時3名、活動できるように確保しております。それから、国や自治体に対して情報連絡するルールを明確化するということですが、これは愛媛県のご指導を得て常に今動いております。それを間違いなく実施できるようにやっていきたいというふうに思っております。それから、情報提供体制の強化ということで、現地に迅速な幹部職員等を派遣して、必要な責任を持った体制を敷くべきだというような話があります。当社においては、もう既にできておりますのを確実にやっていきたい。それから、こういうものを一時期やって、やった後、長期的にそれを確実なものにしていくということで、検証体制を確認するということも重要な指摘であります。これについても、きっちりやっていきたいというふうに考えております。

もとへ戻りまして、2ページ目でございます。原子力発電所の地震時の運営管理に関する対応の状況です。保安院においては、関村先生が主査をやっておりますワーキングで、地震時の運営に関する評価結果が取りまとめられております。運転員の地震に対する運転員の訓練とか、仮置き物品で損傷が起こらないようにするための仮置き物品のルール化とか、それから作業員が緊急時に建屋の外へ出る、そういう場合の要領をきっちり決めておくと、といったようなものが指摘されております。当社では、それをきっちり実施して、その取り組み状況については、国の保安検査の中で確認することになっておりまして、それに従って、指導を受けてやっていきたいと考えております。国以外のほうに関しても日本原子力技術協会、これ民間の協会でございますが、この協力を得ながら東京電力からの情報収集、それから各社間の情報共有、そこにあります非常にいいやり方、この辺も勉強してできるだけいいものをやっていきたいというふうに考えております。それから、その他というふうに表示しておりますが、いわゆる耐震安全性評価の状況でございます。昨年12月27日に保安院から新潟県中越沖地震に関して、現時点までに得られました知見、これを耐震安全性の評価の中に、特に中間報告に反映するよう通知文書が出されました。主な知見は、そこにあります2つというふうに見ております。地震動の評価に当たっては、活断層の地下深部への広がりを考慮するとともに、地盤の増幅特性を適正に評価すると。地表面では小さい活断層が地下深部では非常に大きなつながりになっていたり、表面ではいろいろ違う活断層に見えているものが地下ではつながっていると、こういうようなことを適切に評価しなさいということと考えております。それから、褶曲構造が見られる場合には、その褶曲構造と活断層の関連性に十分注意しながら活断層を評価すると。やわらかい地層が表層にある場合には、褶曲という構造になって断層というのが地表面に出てこない、しかし地下には大きな断層が隠されている場合があると、これが新潟中越沖地震であの地方に特有なものとして指摘されております。こういうことにつきましては、現在評価に必要な設計データの整備や基準地震動などの検討を進めております。今後、保安院からの先ほどの上記通知内容を取り込んだ検討を進めております。3月下旬を目途に中間報告をする予定としております。それから、伊方発電所では敷地内の埋立地のボーリングを実施しました。宇和海における調査も実施しました。これらについては、別添に表記しておりますので、別添に基づいて少し詳しくご説明させていただきます。ボーリングについては、参考1という資料をご覧ください。新潟県中越沖地震で、原子力発電所構内の埋立地盤の一部の施設で地盤沈下などの影響が出ているということで、ボーリング調査を実施しておりましたが、もう既に終了しました。現在、採取試料の試験結果を評価中であります。その結果を踏まえた今後の予定についてご報告いたします。調査の内容でございますが、ボーリング掘削で、掘削方法はロータリー式コアボーリング、径が66から86mmのものでございます。掘削場所は14カ所でございます。選定は伊方発電所の敷地内の埋立地等に設置しております一般構造物の中で、防災上重要なもの、それから有用になるだろうというようなもの、それから当社は電力供給という社会インフラを担っておりますので、長期に発電停止をするということが、社会的な問題にもなる可能性もありますので、そういう長期発電停止等のリスク低減、こういう観点からのリスクを低減するという観点から、重要と考えられる設備、これの近傍を選定しております。後で具体的な場所はご説明させていただきます。掘削長が全長で394mということになります。現地の作業工程は、昨年10月18日に始めまして、12月14日に終わっております。掘削位置は次のページ、裏側の6ページご覧ください。そこにありますように、赤でちょっと字が小さいことはございますが、埋立地の全体の中である程度重要なものを意識しまして、ボーリングを実施しております。真ん中ごろに左側に№3とか№4とか書いてあります。これは先ほど言った緊急時対策所を持っている設備、建屋、これの近傍をねらってボーリングしたものでございます。これの山から海そこら辺に関連する山から海の部分、ここを取っております。それから、№6というそこのところが、右下に少し離れたとこがありますが、これ丸で書いてあるのがタンクの表示になります。これが消防の水源になる、今据えようとしておるタンク、ここの地下もどういう状況かということを把握するためにしております。それから、№1、一番左側は、これはもし大地震で道が寸断された場合は、海上から船で荷物を揚げて補給をするというか、復旧資材を運び込んだり、要員を入れるというのが一番確実であると考えておりますが、このために船が着けるところの状況を見るために、ここはボーリングいたします。それから、そこから発電所の主要施設へ行くための道の状況などを見るためのボーリングもいたしております。全14の孔別の掘削長を下に書いてありますが、大体4、50mぐらいのものですが、地下の岩盤に当たるところまではデータとるということで、それぞれの岩盤の深さ、その地点の岩盤の深さによって掘削長が変わっております。埋め立ての土壌の状況、岩盤までの状況をこのボーリングで把握するということで、データをとります。

もとへ戻りまして、5ページに戻ります。試験項目の概要でございます。ボーリング孔を掘ってやった試験は5つほどありまして、1が標準貫入試験、ボーリングロッドを打撃して、規定貫入量の30cm打ち込む、その貫入に要する落下回数を測定して、土の締まりぐあい、かたさ等を把握するというJISの規定に従った試験でございます。それから、孔内水平載荷試験、ボーリング孔の孔側面に垂直に載荷して、そのときの圧力と変位を計測いたしまして、地盤の静的変形特性を把握するという試験です。それから、透水試験は、ボーリング孔内から揚水して、孔内の水位が一定となったときの流量を測定しまして、地盤の透水特性を把握する。それから、密度試験は、単位体積当たりの土の粒子の質量を計算して、土の湿潤密度を把握する試験でございます。それから、粒度試験、土の粒子径の分布状態を質量を百分率で計測して、地盤の粒度を把握するというような試験を実施します。調査結果を踏まえた今後の予定でございますが、今後発電所敷地内埋立地等に設置している重要と考えられる設備につきまして、この試験によって得られた物性値を用いまして、地震時の構造物の安定性評価を行うこととしております。その後、必要に応じて適切な工法により補強、耐震強度の増強を考えていきたいというふうに考えております。

次に、参考2、7ページに、宇和海における調査の話をご説明させていただきます。伊方発電所は佐田岬の北側に位置しておりますが、佐田岬半島南側の宇和海において3号建設時の音波探査結果において活断層は確認されておりません。近年においても、宇和海に中央構造線活断層系による地震動を上回るような活断層を想定する知見は得られておりません。しかし、能登沖地震や新潟県中越沖地震に関する各種機関での調査分析等を見据えて、データ拡充の観点から宇和海において追加調査を実施いたしました。昨年11月上旬から開始しまして、1月中旬に現地作業を終わっております。今、詳細解析を実施するという段階になっております。現地調査実績の概要でございます。敷地から半径30kmの範囲で4km格子ごとを基本に敷地付近でより稠密な海上音波探査を実施する。探査深度の浅いものからソノプローブ、ジオパルス、ウォーターガン、エアガンの4機種を使いました。測線数が約120本でございます。そこにあるような内訳になっております。測線長で約1,200kmというようになっております。下側の図2に宇和海の調査範囲、この青で塗った範囲が今回の対象になっているようなものでございます。右上の図1が調査範囲の概念図でございますが、観測船から発振機を入れて、海底面ないし海底の地下のところから返ってくる反射波を受振機で観測して分析するという方法でございます。今後の予定としましては、得られた膨大なデータをもとに詳細な分析を行い、これらをもとに地質総合解析を行う予定でございます。なお、これらの地質総合解析は平成20年7月に3号機を対象にして最終の報告を国に行うことに考えております。これに間に合うように実質的な分析検討を終えるということで、現在実施しております。

最後のページの8ページは、調査の手法の概要を書いてございます。今回使用したものが4つ、それから3号機で使用したものが1つでございますが、ソノプローブ、ジオパルス、それから3号機の使用したのがスパーカー、今回ウォーターガンとエアガンと、今回4つ。それぞれ周波数等が違っておりまして、一番下側にありますように、エネルギーは左へ行くのが小さいけど分解能は大きいと、右側はエネルギーが大きくて分解能が小さいと。したがいまして、逆に言えば可深深度、下から2つ目の表でございますが、左側ほど表層を細かく見えると、それから右側へ行くと地下深くまでですが、大まかに見えるとでも言いますか、地下深くまで見えるということで、エアガンの場合は海底下数km程度まで探査可能と考えております。これらのデータを組み合わせて、詳細に分析評価をしたいというふうに考えております。私から以上でございます。

濱本部会長

どうもありがとうございました。それでは、委員の先生方ただいまの説明についてご意見、ご質問ございますでしょうか。

森委員

ご説明いただいたことについて順にお聞きしたいことがあります。まず、別紙1に関連してなんですけれども、泡消火剤っていうのとそれをどのように使うのかという、つまり泡消火剤っていうのは大型消火器で使うのか、それとも消防車で使うのかという質問です。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

ここで言う泡消火剤は消防車のものでございます。普通の消火器、大型消火器はこの中には入っておりません。消防車の中で入れかえ、油火災等に応じて泡消火剤を使うということでございます。

森委員

あと、この500だとか1,500リットルというのは、どれぐらいの消火力あるいはどれくらいの消火時間があるんでしょうか。つまり、この質問は、ご承知のように地震のときにタンクの油が燃えて、日本中の泡消火剤を全部費やしたというようなことがあるぐらいですから、これがどれぐらいの時間を持つのかというのをお聞きしたいと思います。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

今、発電所にある油タンクとか変圧器に入っている油の量、これはカバーできるものとして考えております、ちょっと具体的に時間までは...。すみません、おおむね1時間程度です。

森委員

ありがとうございました。それが十分かどうかというのは、引き続き慎重にご検討ください。

それと、あと次の4ページ目で質問があります。簡単な質問からなんですけれども、下の情報連絡提供の強化策の(3)という箇所なんですが、これモニタリングポスト等の耐震性向上ということなんですけれども、実は、四国電力さんではなくて愛媛県分についてはどうなっているかというのをお聞きしたいと思います。

門野原子力安全対策推進監

モニタリングポストとモニタリングステーションとかの耐震設計でございますか。今、すみません、手持ちにございませんけれども、通常のそんなに重いものではないものですから、通常の振動であれば耐えられるようになってると考えておりますけれども。具体的なデータは、今持っておりません。

森委員

わかりました。恐らく、事業主体は別にしても機械としては同じようなことなので、同じような対策を施す必要があるというふうに思いましたので、コメントさせていただきました。

それと、あとこの情報提供の強化策に関連してなんですけれども、以前の技術専門部会のときに、有感地震時の地震観測結果の公表について、意見を申し上げたところ、四国電力さんのほうからは、積極的な情報開示について検討していきたいというご見解を示されましたけども、それがこの表には含まれていないように見受けられるんですが、その点についていかがでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

先生ご指摘のやつで、内部で検討しておりますが、今回のこの表で書きましたのは、国において柏崎の事態を踏まえて必要なものということで、国にご報告したものとしてリストを上げております。うちは国に報告する以外にも自主的な取り組みとして、いろいろやっていきたいと思っておりますので、それはその中で表記していきたいと思います。また、機会を見つけて必要とあればご説明させていただきたいと思っております。

森委員

それでは、この今ご提供いただいているものは、あくまで国へ提出したものの資料としてご提出されているという理解でよろしいんですか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

いろいろご説明しました大橋ワーキング、これで指摘された標準的に国としてオールジャパンとして、これぐらい考えたほうがいいだろうというようなものの、我々の今の状況というふうにご理解いただいたらと思います。

森委員

どうもありがとうございました。引き続き、ボーリング調査のほうについてもお聞きしてよろしいでしょうか。

参考資料1のほうなんですけれども、まず12月4日に終わって3カ月たっていますが、この調査結果はいつまとまるのでしょうか。

四国電力 今西設備保全推進グループ副リーダー

調査の終了の時期なのですが、ただいま3月末を目途に取りまとめ中でございまして、若干遅れぎみでございますが、結果がまとまり次第公表できるようになると考えております。

森委員

せっかくこういう委員会がありますから、できれば中間的な様子でもご報告いただければありがたかったんですが。もう1つは、安全評価、安全性評価ということが、調査結果を踏まえた今後の予定のところに書いてありますが、この安全性評価の方針がどうなっているのかということと、それからやはり結果がいつまとまるのか、その目途についてお聞きします。

四国電力 今西設備保全推進グループ副リーダー

この今回のボーリング調査につきましては、評価対象につきましては、この説明にもございました一般構造物でございますので、安全性評価の手法といたしましては、原則として静的解析によるものと考えております。したがいまして、今まだその物性値の評価中でございますが、トライアルの解析は今実施中であります。先ほども申し上げましたように、3月末を目途に取りまとめ中であります。

森委員

調査結果が3月末に取りまとまるというのは、さっきお聞きしたんですが、調査結果をもとに評価を行うわけですよね。その評価、安全性評価はいつまとまるのかというのが、私の2つ目の質問だったわけですが。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

社内の技術的な評価っていうのは、間もなくと思っているんですけど、いろいろ会社としての評価というような観点は、5月ないし6月ごろというふうに見ております。

森委員

その調査結果とか評価結果というのは、この環境安全管理委員会のほうではご報告されるご予定はおありなんでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

今、国のほうにおいては、これ先ほども話しましたが、我々と一般構造物を対象に防災上有益であろう施設とか、いわゆる発電所として考えていかないと、こういうところなものですから国における、いわゆる原子力安全という観点から見て、国の指導する範囲とは少し異なっているというふうに私は考えております。しかし、我々がやります評価ですので、広く国を含めて意見は聞きたいということは考えておりますが、国のほうがどうお考えになるかというようなことにつきましては、また別途国との調整があろうかというふうに考えております。

森委員

私の質問は、あくまでその愛媛県にある伊方発電所の環境安全という観点に立ってお聞きしているんですが。つまり、愛媛県に住んでいる人の安心のためにという意味で、この委員会のほうにご報告される予定があるのかないのかという、そういう質問でした。

門野原子力安全対策推進監

すみません、県でございます。この四国電力がやっております埋立地のボーリング調査の結果は、当然、発電所一体として安全かどうかということを調べておりまして、この技術専門部会の場で、その結果について報告をしていただくようお願いしたいと思っております。

森委員

ありがとうございました。しばらく続きます。6ページのほうに行って、今度細かい質問なんですけれども、この赤いボーリング地点、例えば6番のそばにあるのは消防のために使うタンクだというご説明があったわけですけれども、このいわゆるアクセス道路っていうのが、実際に昨年現地を見させていただいたときに感じたのが、アクセス道路っていうのが1つしかない。そのアクセス道路が、例えば原子力施設ではないので、どのような耐震安全性が検討されているのか。つまり、おそれとしては、あってはならないことでありますけれども、アクセス道路が埋まったために、肝心なところへ外部からは行けないっていうふうなことになることに対するその危惧、そういう観点からお聞きしたいと思います。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

仰せのとおり、アクセス道路は県道ないし国道を含んでおります。したがいまして、このあたりがどの程度の地震に対してどの程度強固なものであるかということにつきましては、原子力発電所のことだけを考えて見るわけにもいきませんので、先ほど言いましたように、最低必要なものは海上から運び込めると、それから緊急時の要員については、休祭日、夜間含んで、そこでおるものだけで活動できるというようなことを基本に考えております。したがいまして、荷揚げ岸壁と言っております、船を着ける№1と表示しているところに船が着いてきますが、ここから発電所の主要施設に向かう道路につきましては、いわゆるアクセス道路というふうに考えて、大きな地震の場合の通行に問題がないかどうかというような検討は、実施していきたいというふうに考えております。

森委員

それが、例えばここで言う№2というボーリングだとか、あるいは11というボーリングが、そういう検討対象に当たるという理解でよろしいんでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

ええ、そこの地下の状況を踏まえて、技術判断をしていきたいというふうに考えておると。

森委員

最後に1つお聞きしたいんですけれども、先ほどのご説明で岩盤に当たるまでというふうなご説明だったかと思うんですけれども、そういう説明を聞いたときに、この最後の14番というのが、ちょうどその主要施設、重要な施設っていうところだとおっしゃってご説明になった赤い点がまとまっているこの図の中央あたりのところ、この№14というのは山の斜面に当たると思うんですが、ここで16m掘っておられるというのは、岩盤に当たるまで16mかかったというふうに理解するんでしょうか。

四国電力 今西設備保全推進グループ副リーダー

お答えします。この№14ポイントにつきましては、鉄塔基礎が滑らないようにという、すぐ右側に鉄塔がございまして、その確認のためのボーリング位置でございます。16mといいますのは、健全な岩盤まで着岩して岩盤コアが連続して2m程度出現するまで実施した結果の長さになっております。ということで、ごくやわらかな、岩盤は出てきているんですが、連続してコアが取れなかったので、16mという長さになっております。

森委員

そうすると、今の話からだと2mを引いた14mは、連続したコアの取れない風化の。

四国電力 今西設備保全推進グループ副リーダー

そうです。風化というか、そこまで弱くはないんですけど。

森委員

わかりました。ありがとうございました。

濱本部会長

そのほかどなたかご質問ございましょうか。どうぞ。

岡村委員

今の最後の6ページの地図を見ながら1つ伺いたいんですけども。ここで、先ほど来から化学消防車を導入しただとか、あと、この地域の地盤の健全性を研究しているとかいうお話を聞きながら1つ伺いたいのは、この地域で地震が起きてどういうシナリオを想定されているんでしょうか。どこの建物あるいはどこを守るためにどこに消防車を置いて、10分以内に、10分か5分かわかりませんけど、どの道を使っていくためにどの地盤を調査をしているのか。あるいはその後、半日か1日かわかりませんけども、護岸に着いた船から半日後の復旧のために、どんな車を使って段差を乗り越えて通ってと、どういうシナリオをお考えなのかということを、お伺いします。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

具体的に伊方発電所で起こる、想定される地震というような地震を想定した場合に、東南海それから南海地震、こういうものが一番大きい地震だと思いますが、これについては何も起こらないと、地震災害は起こらないというふうに考えております。もっと大きな地震を仮想した場合にいろんなことが起こるだろうと、その地震をどの程度大きなものを仮想するかということにつきましては、どこまで考えるべきかということも含めて今検討しております。したがいまして、それぞれの設備なり地盤なりが、どういう地震まで大丈夫で、どういう地震で余裕がなくなるのか、どの程度の大きさでなくなるのかと、そういうものを今データを収集している段階でございます。したがいまして、そのデータを収集した状態の後で、先生のおっしゃられるような、具体的なこの程度の地震については、どういうことが起こるというようなものが出てくるんだろうなというふうに考えております。そこまでまだ行っておりません。

岡村委員

じゃ、少し質問を変えまして、地震の規模を決めかねているというのは、それはそれでしょうがないとは思うんですけども、地震の後にですね、このエリアで、道路なりそれから建物なりが、その想定する地震の上で、全く被害がないように耐震補強をしていくという方針なのか、それともどういう方針で今後補強を含めてやっていくのかということをお聞きしたいんですが。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

原子力の安全性に本当に必要なものにつきましては、これはどんな大きな地震が来てもその放射線の影響について地域の皆さんにご迷惑かけることはないと、これははっきりしておりますが、その他の、先ほど言いましたように、電力会社として発電継続をどう考えるかと。原子力発電所が自動停止するということが起こりますが、それがすぐ直ちに自動停止が解けて復旧するようなことを考えるのか、1日から1週間ぐらい止まっていいのかとか、それは地震の規模によりまして、その中で必要とする電気の規模も変わってくると思いますので、そういう観点からは少し今後検討する課題が残っているというふうに考えております。

岡村委員

じゃ、もうちょっと具体的にお尋ねします。このボーリングの計画配置なんですけどね、空白の点がいっぱいあると、ここはどうされるんですかという、もっと具体的なことをお伺いすると、要するに、どこに消防車があって、どこの道を通るおつもりなのか、消防車の腹は10センチにするのか20センチにするのか、そのときにここのボーリングの本数でいいのか悪いのか、どうお考えなのかという、もう少し具体的に言ってください。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

わかりました。先ほども言いましたように、アクセス道路についてどの程度まで耐えられるということにつきましては、地盤の変位がどの程度許容するかという問題になるわけですが、現在消防車は3号機、ここで言う丸が三角形で左に2つ、右に1つありますけど、これ右側が3号機の位置ですが、これの一番右側に事務所、四角のものがその丸の右上にあると思いますけど、ここに消防車が1台置いてございます。もう一台は、そこから少し右上に行ったところに今置いてございます。先生おっしゃるように、消防車の配置位置は何が一番ベストかということにつきましては、先ほどお話しさせていただきましたように、このボーリングの結果を見て、敷地の地盤の変位がどういう形になるかということも含めて消防車の適切な配置というのを決めていきたいと。また、消防車を入れる車庫の地震の強度、これにつきましても、そういう観点からどの程度強度を持ったものにするか、その基礎の地盤についてはどういう評価するかということも総合的に考えていきたいというふうに考えております。そういうものが先ほど言いましたように、総合評価の中で会社としては判断していきたいというふうには考えております。

濱本部会長

よろしゅうございましょうか。そのほか。辻本先生。

辻本委員

自衛消防のことですが、ある新聞によりますと、新潟県中越沖地震の場合、自衛消防隊員がほとんどパートタイマーであったというような記事が載っておりました。今回の場合に6名から10名に増やされたということですが、この人たちは四電の職員の人でしょうか、パートでしょうか、これらの人の身分について、お聞きします。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

消防に当たる10名は先ほどの別紙の1、3ページですが、そこに書いてございます。委託員も入っておりますが、この委託員については交代勤務に当然なりますので、どういう場合もこれが確保できるというふうな体制はとっております。訓練も、当然委託員であろうが必要な訓練は、我々と一緒に実施するということにしております。

辻本委員

定期的なそういう講習とかなんかにも出ておられるわけですね。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

はい。そういうのも契約の中できっちりやるようにしております。

辻本委員

もう1つ、自衛消防団という組織ですが、原子力施設で異常事態が起きた場合には、原子力防災の組織が動くとばかり思っておりました。ここで自衛消防と緊急対策室、原子力防災組織の関係について、防災活動資材はどこの組織が管理するのか等について教えてください。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

消防に関しては、自衛と書いてあるのは、他所の応援を受けなくて自分たちだけで必要な活動ができるということで、自衛という言葉を使ってるわけで、いわゆる発電所の消防に対して責任を持って十分、必要な教育も受けた者をつくっております、それを自衛消防隊と称しております。火災についてはこれが対処します。それで、先ほど言っている防災ですね、防災については防災の体制の中で、発電所長等を先頭にして必要な体制が、それぞれ防災の中身に応じて走っていきます。火災の分野については、この自衛消防隊がその責任を持ってやると、こういう形になるということです。

辻本委員

そうしますと、通常の火災は自衛消防隊が行いますが、火災でも大きくなりますと、自衛消防隊の人たちは原子力防災組織のほうへ組み込まれるのですか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

大きくならなくても、その自衛消防隊は消火だけですので、所外に対する情報の提供とかそういうのは別途、情報提供の、防災の体制ですね。その防災の体制は程度によって大きくなっていきますが、その初期の段階からそういう体制は走ります。それが社外に対して情報提供するということになります。

辻本委員

いろいろハード面の対策についてお聞きしましたが、教育等のソフト面での対応はどのようになっているのでしょうか。中越沖地震の東電の場合は、非常にプレスに対する対応が悪かったようですが、四電さんは、事故時の対応についての教育は行われておられるんでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

我々としてはやっているつもりです。県のご指導も受けて既にかなりの数を情報提供しておりますので、かなりの訓練を受けた、経験を積んだ者も数は増えておりますので、問題なくというわけじゃないですけれども、やれるだろうというふうに考えております。

辻本委員

それから、中越沖地震のときのことですが、IAEAが現地調査を行い、安全上重要な機器は予想以上によい状態であったと報告されておりますが、そのようなプラスの面もPRし、住民たちを安心させる方法はないものでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

我々も気をつけてそういう点までもやっていきたいと思います。

辻本委員

朝日テレビの報道特集でやっておりましたが、元柏崎刈羽原発の安全審査した人が、あのときは断層のことなんか言うような状況じゃなかった、雰囲気じゃなかったと、原子炉をつくることが最重要であったと言われました。そして、司会者はこの人は四国電力の安全審査もされたことを付け加えられました。このような発言に対して、抗議するような必要はないのでしょうか。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

抗議というか、問題になれば事実関係は正確にご説明したいとは思っております。ちょっと余談と言えば余談ですが、安全審査、伊方の1号の場合ですと30年以上前に実施したんですが、その安全審査で一度確定して、地質の状況、断層の状況確定して、それ以外ずっと変えないということじゃなくて、やっぱりいろんな知見、それから学術的な進歩出てきますので、そういうものを十分フォローして、適切に、必要な場合はそれを取り込んで安全対策をレベルアップしていくと、こういう形で常にやっていきたいというふうには考えております。したがいまして、30年前がこうであった、そうであったかそうでないかというような議論をするよりも、今どうかというようなことのほうを重視してやっていきたいとは思っております。

濱本部会長

有吉先生どうぞ。

有吉委員

国のほうにお伺いしたいんですが、すべての電力会社に対して3月にいわゆる中間報告を出させるようになっております。伊方3号機に関しては、更に7月に最終報告ということですが、中間報告から最終報告までの月数が4カ月ということになりますか、3月から7月ですからね。その間に、中間報告の審査結果を最終結果に反映させることができるんですか、どうするんですかということ。それから、具体的に審査のプロセスについてご説明願えればありがたいんですが。

惟高伊方原子力保安検査官事務所長

耐震のバックチェックにつきましては、本院の安全審査課のほうの所掌でございますけども、きょうはあいにく出席しておりませんので、代わって回答させていただきます。

耐震安全性の確保の万全性を期すためということで、耐震バックチェックにつきましては、昨年7月に現在の評価の進捗状況を勘案して、確実にしかし可能な限り早期に評価を完了できるよう、実施計画の見直しについて検討を行うということを指示しております。それを受けまして、昨年8月、四国電力初め全電力会社等から今年度中に基準地震動の策定をおおむね終了し、各発電所ワンプラントを対象に主要な設備についての耐震安全性の評価を行い、その結果を中間報告として提出することということが報告されております。

また、伊方の3号機につきましては、最終報告を20年7月に提出する予定であるということが報告されております。中間報告におきましては、地質調査と基準地震動の策定の結果、それから同地震による主な設備の耐震安全性についての報告がなされ、最終報告においてはこれに加えて残りの設備の耐震安全性についての報告がなされるものと承知しております。原子力安全・保安院としましては、事業者から提出された報告の内容について耐震構造設計小委員会において専門家の意見を聞きながら順次厳正に評価することとしております。その結果、追加的に考慮すべきと指摘があれば、事業者に対して適切に指導してまいりたいと、そういうふうに思っています。3月の中間報告と7月の最終報告では、報告内容が違います。それと、先ほど申したように、耐震構造設計小委員会のほうにおいて、中間報告が提出された時点において順次審査を行っていくということです。また、その7月の最終報告が出ましても継続して評価、審査を行っていくと、そういうことでございます。

有吉委員

ありがとうございました。

濱本部会長

森先生どうぞ。

森委員

耐震安全性評価について、この資料の2ページ目のその他(1)耐震安全性評価というところに書いてある、保安院からの通知文書の主な知見は次のとおりと2つ書いてあります。1つ目も2つ目も活断層に十分注意してっていうのを受けて、更に新たに宇和海のほうを調査しているという、そういう流れは理解しているつもりですが。この特に(1)のほうの地盤の増幅特性を適切に評価することというのがありますが、これは柏崎刈羽発電所における地震動が増幅されたということを受けた内容なんでしょうか、それとも、それを受けて総合的に適切に評価することということなんでしょうか。

惟高伊方原子力保安検査官事務所長

申しわけございません。ちょっと私耐震のほうの専門家というか担当でないものですから、そのあたりの詳細につきましては、承知してないというのが現状です。

森委員

わかりました。四国電力の方にお聞きしたいんですけれども、私の理解では柏崎刈羽が、伊方が岩盤であるのに対して、砂丘地であって、その深くにある岩盤に支持すべく造られてある。つまり、ここで書いてある地盤の増幅特性というのは、そういう柏崎刈羽の表層地盤での地盤の増幅特性だという理解をしているんですが、「適切に」というこの言葉に対して私ちょっと気になっていまして、先ほどの6ページに地図がありますけれども、柏崎刈羽がいわゆる砂丘性の地盤に建っているのに対して、伊方では非常に岩盤に近いところにある。先ほどこのボーリングデータ見せていただいても、山すそのそばにある№11なんていうのは12m、ちょっと行くともう何十mというように、つまり岩盤が出るまで、いわゆる旧海岸線から離れると軒並みどんどん深くなっていく地形と思います。つまり、地形について、柏崎刈羽がいわゆる堆積層をなしているのに対して、ここは急に深くなっているという全く違う地形の特徴がありますね。当然、設計のときには、そういうものも考慮されているものと思いますが、こういう基盤が非常に不整形な変化をしている。とてもいい岩盤なだけに、その上にあるこのいわゆる埋め立ててつくってあるところというのは、専門用語で言えばインピーダンス比というか、かたさやわらかさがとても強く変わってくる、そういうところは揺れがとても大きくなるということは、ご承知のようによくわかっています。かつ、これだけ入り組んでいると、揺れの評価というのが、ちょうど建設していたころには余り指摘されていなかったそういう効果が、実際には出てくるであろうということが容易に予見されます。そういうことが、今回の新たな地震動の再評価というところで、考慮される予定があるのかないのか、その辺のところについてのお考えと、その予定の有無についてお聞きしたいのですけれど。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

今我々が考えておりますのは、原子力の安全に関するものは、先ほど地図を示した6ページのボーリング孔の掘削位置図で見ていただいて、丸が3つあるというふうにお話ししましたが、この丸が原子炉格納容器で一番重要なものがこの中へ入っております。この周辺のコンクリート建屋の原子炉補助建屋、もしくは原子炉建屋と称しておりますが、この建屋の中に附属設備を含めて重要な施設が全部入っております。この建物の基礎はすべて岩盤に直接入れてあります。したがいまして、先生がおっしゃられるような意味での、岩盤の上に複雑な形で表土が乗っているようなところの増幅というのは、柏崎でかなり言われておりますが、それはこの赤でありますように事務所だとか緊急時対策所、そういう事務的な処理をするものを今実施している事務棟がそういう上に乗っております。その事務棟の地震時の強度について、我々がどう評価するかという問題と、先ほどのような原子炉の安全に直接かかわる設備の地震動をどう考えるかというのは、少し観点が違っているというふうに考えておりまして、原子炉の安全に直接関係するものは、先ほどの国の保安院で厳密な指示事項が出てて、その中で地震動についても地下の構造を考えて評価すべきだと、こういう話が出ておりますが、これについては当たらないんじゃないかというふうに考えております。ただ、その先ほど先生おっしゃられるような効果が多分あるであろう一般事務棟につきましては、確かにそういう効果はあろうかというふうに考えておりますが、最新の学術的な考え方も入れても、非常に難しい評価になろうかと思いますので、ここのところはざっくりと余裕を持ったような形で、どういうものまで考えていれば、多分使えるのかなというような、そういう工学的な判断を入れた評価ということになろうかというふうに現時点では考えております。

森委員

じゃ、私の言葉で今の内容を言い直させていただきますと、この丸3つがある原子炉建屋のとても重要なものっていうのは、もう基礎の真下に良好な岩盤があって、それから周りにはいわゆる岩盤ではない軟質な土はないので、地盤の増幅特性を適切に評価するっていうような指示に当たるものではないと、つまり基準地震動をもし見直すのであれば、あくまでその活断層調査の結果によっているのみであると、そういう理解でよろしいんですね。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

はい。

森委員

はい。ありがとうございました。

濱本部会長

よろしゅうございますか、そのほかございませんか。

どうもありがとうございました。耐震安全性評価の検討結果につきましては、ただいまお話がありましたように、3月下旬を目途に原子力安全・保安院に四国電力のほうから報告されるということでありますが、その内容につきましては、この委員会で確認したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

四国電力 谷川原子力本部原子力部長

わかりました。県のご指導を踏まえて適切に実施していきたいと考えています。

濱本部会長

それでは、長時間にわたってご審議いただきましたが、大変実りある技術専門部会だったと思います。委員の先生方は長時間にわたってありがとうございました。これで終わらせていただきます。

先ほど、1つ1つで申し上げましたけれども、今日審査いただきました1、2の議題については、適切である旨、安全管理委員会に報告させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

三好県民環境部長

どうもありがとうございました。3月に耐震安全性の報告があり、結果が出ると思うんですけれど、それが出たら余り時間を置かない間、4月ないし5月ぐらいに、早急にこの委員会で、またご検討願うということにしたいと思っております。それから、きょうは非常に熱心にご討議いただきましてありがとうございました。県としても、また考えないといけない事柄も何点か指摘されたと思いますので、きっちり対応いたしまして、先生方にご報告、ご相談したいと思いますので、よろしくお願いします。今日はありがとうございました。

(閉会)

伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会 次第

日時 平成20年3月11日(火曜日)13時30分~
場所 愛媛県医師会館2階研修室

1 開会

2 議題
(1) 平成20年度伊方原子力発電所周辺環境放射線等調査計画について
(2) 平成20年度伊方原子力発電所温排水影響調査計画について

3 報告事項
(1) 伊方発電所の耐震安全性について
(2) その他

4 閉会

伊方原子力発電所 環境安全管理委員会技術専門部会 資料目次

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