平成22年度(2010年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1号機復水脱塩装置塩酸貯槽の変形

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通報連絡日時:2010年5月18日17時35分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

5月18日(火曜日)17時35分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 定期検査中の伊方1号機において、復水脱塩装置塩酸貯槽の水洗作業のため、保修員が貯槽の上部に上がったところ、16時50分、貯槽の上部が変形していることを確認した。
  2. 塩酸貯槽は昨日液抜きをしており、塩酸の漏えいはない。
  3. 今後、詳細調査を行う。
  4. 本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。

四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 通常、貯槽上部は、中央部が高い山なりの形状をしているが、貯槽上部全体がへこんでいた。
  2. 変形による貯槽への亀裂等は見られない。

復旧状況等

6月15日(火曜日)10時40分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 調査の結果、変形による貯槽への亀裂等は見られなかったため、貯槽内部から力を加え変形部分を元の形状に戻し、また、貯槽内面ゴムライニングには一部割れが確認されたため、当該部分を新しいゴムに貼り替えし、浸透探傷試験等により貯槽に亀裂等がないことを確認のうえ、6月15日(火曜日)10時25分、通常の状態に復旧した。
  2. 今後、詳細を調査する。
  3. 本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

復水脱塩装置塩酸貯槽内の水洗作業のため、保修員が当該貯槽上部に上がったところ、貯槽天板が変形していることを確認した。

本事象は、塩酸貯槽液抜き取り後の洗浄用水の水張り時に塩酸貯槽上部まで洗浄用水を水張りしたため、オーバーフローラインからの排水によって、貯槽タンク上部に負圧が生じ、この負圧がオーバーフローラインのスクラバーバイパス弁中心部の堰のような構造と相まって、オーバーフローラインに洗浄用水を滞留させたことで、塩酸貯槽下部から洗浄用水を水抜きした時に、オーバーフローラインから十分な空気が確保できなかったため、貯槽内が負圧になり変形したと推定。

本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

対策

  1. 塩酸貯槽天板の変形は、貯槽内部より力を加えて変形部分を元の形状に復元し、貯槽内面のゴムライニングの割れは、ゴム補修した。
  2. 塩酸貯槽に洗浄用水を水張りする場合は、水張り量を流量積算計で管理しオーバーフローさせないよう作業手順書に明記する。
  3. 塩酸貯槽の洗浄用水を水抜きする際は、貯槽上部のマンホールをずらし、空気の吸い込み箇所を確実に確保するよう作業手順書に明記する。
  4. 今回の事象を関係者に周知し、他号機の操作手順書も同様に改正する。

県の公表

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