平成29年度(2017年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機海水電解装置の電解液注入配管からの水漏れ

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通報連絡日時:2017年5月2日10時55分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

概要

3号機海水電解装置の電解液注入ライン配管から、次亜塩素酸ソーダを含む海水が漏えいしていることを、運転員が確認した。
このため、当該の電解液注入ラインを隔離した。

本事象による外部への放射能の影響はない。

漏えい箇所を確認した結果、当該配管に貫通穴があることを確認した。
漏えいした水の推定量は最大4m3で、すべて建屋内の排水槽に回収されており、総合排水処理装置で処理する。
漏えいした配管は、取り替え用配管が調達でき次第、復旧する予定。それまでの間は塩化ビニール配管で応急復旧する。
今後、漏えいした原因を調査する。

その後、当該配管を塩化ビニール配管に取り替えて応急復旧し、通水状態で漏えいのないことを確認した。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

伊方発電所3号機の海水淡水化装置建屋(管理区域外)にて、海水電解装置の電解液注入ライン配管から、次亜塩素酸ソーダ(塩素)を含む海水が漏えいしていることを確認した。その後、当該配管を確認した結果、貫通穴(1箇所)があることを確認した。

調査の結果、貫通穴を確認した上流の配管分岐部付近で流れの乱れが生じ、海水電解処理の過程で海水中に含まれるカルシウムイオンにより生成したスケールが同部に付着し、スケール付着により更に流れが乱れたことにより偏流が大きくなったと推察した。

次亜塩素酸ソーダを含む海水の偏流によりエロージョンが発生し、配管内面ライニングの減肉及び剥離が発生した結果、炭素鋼配管が配管内の次亜塩素酸ソーダを含む海水により腐食して貫通穴となり漏えいに至ったものと推定した。

対策

  1. 当該配管をエロージョンが発生する恐れのない直管(分岐管のないもの)に変更し、新品に取り替えた。
  2. 上記(1)と同様に配管分岐部(T形管継手)と類似構造の箇所(2箇所)は、エロージョンが発生する恐れのない直管(分岐管のないもの)に変更し取り替えた。
  3. 海水電解装置電解液注入配管の、定期的に配管内部の目視点検及び配管内面のゴムライニング厚さ測定を実施していない箇所について念のため、今後2年を目処に内部流体によるエロージョンに対し耐性が高い、ポリエチレン粉体ライニング管に取り替えを実施する。(対象配管長 約135m)
    なお、1,2号機の海水電解装置電解液注入ライン配管は、ゴムライニングに比べ、内部流体によるエロージョンに対し耐性が高い、塩化ビニールライニング管であるため配管の取り替えの必要はないと考えるが、念のため今後は、1回/24ヶ月の頻度にて電解液注入ライン配管の代表箇所にて行っていた配管内部の目視点検時に、ライニング厚さの測定を行い劣化状況の確認を行うこととし、作業要領書を改正する。
  4. 上記(3)のポリエチレン粉体ライニング管に取り替えが完了するまでの間、1回/12ヶ月の頻度にて配管内部の目視点検及び配管内面のゴムライニング厚さ測定を実施する箇所を16箇所から22箇所に変更し、設備の劣化状況の確認を行うこととし、作業要領書を改正する。なお、取り替え完了後の点検頻度及び点検箇所については、今後の点検結果を踏まえて決定する。

県の公表

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