- ホーム
- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和6年度(2024年度)
- 伊方発電所 雑固体焼却設備の排ガスブロアの不具合
- 通報連絡日時:2024年4月17日18時27分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし
異常の内容
4月17日(水曜日)18時27分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 焼却炉の排ガスブロアの軸受部より異音がしていることを保修員が確認し、詳細な点検が必要と判断した。
- 現在は、焼却炉の排ガスブロアを含め、焼却炉の運転を停止している。
- なお、この事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
- 今後、詳細を調査する。
異常の原因及び復旧状況
四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 第2報:7月1日(月曜日)13時13分
- その後、作業員の手配、分解点検の準備が整ったことから、焼却炉の排ガスブロアの分解点検を実施したところ、軸受けに傷があることを確認した。
- 今後、当該軸受けの取替えを計画するとともに、引き続き詳細を調査する。
- 第3報:2月7日(金曜日)10時00分
- その後、当該軸受けを取り替え、焼却炉の排ガスブロアの運転に問題がないことを確認し、通常状態に復旧した。
- 今後、詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
推定原因等
排ガスブロアは平成29年に軸受け変更後、焼却炉の運転に伴い、約200 度の温度変化を受けながら年間平均約110回の起動、停止を繰り返し継続使用されており、以下のように軸端側軸受けに傷が発生、進展したことで異音、振動が発生したものと推定した。
- 継続使用の影響により、軸端側軸受け内輪軌道面及び外輪軌道面の表面が経年劣化することで、この一部に微細な剥離が発生し、これが異物となり点状の傷が発生した。
- その後、排ガスブロアが約200 度の温度変化を受けることでブロア軸に熱による伸縮が生じ、ブロア軸に取付けしている軸端側軸受け内輪の移動が生じた。この軸受け内輪の移動が、軸受け内に異物が介在する状態で繰り返されることで、点状の傷から軸方向の線状の傷に進展した。
- 更に軸受けに傷が存在する状態で継続使用されることにより、微小な振動の影響により、線状の傷の端面からの表面剥離が継続的に発生することで大きな傷に進展し、異音、振動の発生に至った。
なお、軸受け箱内に確認された金属片は継続的に発生した、軸受けの剥離片と推定した。
対策
- 軸端側軸受けの取替えを実施した。また、念のため、モータ側軸受けも取替えを実施した。
- 排ガスブロアは、不具合の兆候が確認された場合に分解点検を実施することとしていたが、これに加えて、平成29年の軸受け取替以降、本事象の発生まで約7年継続使用していた実績を踏まえ、この期間の約半分となる4年毎に分解点検を行い、軸受けの健全性確認を行う。
- 排ガスブロアの軸受けは、排ガスブロアの定期的な分解点検時の健全性確認の結果により、軌道面の一部に点状の傷や軌道面の一部に短い線状の傷が見られ手入れが難しい場合には、次回の分解点検時期を早める等の適切な対応を行い、軌道面の全面に点状の傷が多数見られる場合や軌道面の一部に線状の傷が見られる場合などには、大きな剥離への進展を防止するため取替えを行う。