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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 令和7年度(2025年度)
- 伊方1,2号機 純水装置塩酸受入タンク抜取り作業中の塩酸漏えい
- 通報連絡日時:2025年7月30日14時00分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし
異常の内容
7月30日(水曜日)14時34分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所1,2号機は廃止措置中のところ、塩酸受入タンクの抜取り作業において、抜取り用のホースが外れ塩酸が漏えいしたことを化学員が確認した。
- 漏えいした塩酸は、防液堤内に留まっており、発電所外への流出はないことを確認している。
- この事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
- 今後、詳細を調査する。
異常の原因及び復旧状況
四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 第2報:7月31日(木曜日)16時06分
- ホースが外れた際に、現地作業員が直ちにホース接続部の弁を閉止し、漏えいは停止している。
- 防液堤内に留まっていた塩酸は約40リットルであり、仮設ポンプにて廃液中和槽へ移送を行い、全て回収した。なお、ホース接続部には閉止フランジを取付け、ホース取付け前の状態に戻している。
- その後、ホースを使用せず廃液中和槽に移送できるよう、別ルートの配管を整備し、塩酸受入タンクに残った塩酸の抜取り作業を再開し、7月31日、抜取り作業が終了した。
- 廃液中和槽に移送した塩酸は、総合排水処理装置にて処理する。
- 今後、詳細を調査する。
県では、原子力センターの職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しています。
推定原因等
不具合のあったフランジの材質は炭素鋼であり、塩酸に対して耐薬品性がないため、計7回の塩酸抜取り作業に伴い、当該フランジの腐食及び減肉が徐々に進行した結果、短管が折損したことにより、接続していた仮設ホースが外れ、漏えいに至ったものと推定した。
また、作業要領書に当該フランジの外面及び内面の外観点検を実施する記載がなかったことも、本事象発生の要因と推定した。
対策
本事象の作業及び類似作業※について以下の対策を実施する。
- 次回の各作業までに、薬品の通液作業時、薬品を通液する部材を耐薬品性の部材に取り替えるとともに、通液作業前の点検として、仮設ラインを構成する部材の外面及び内面を外観点検することとする。
- 作業要領書に、以下の内容を追加する。
・薬品の通液作業時、薬品を通液する部材に、耐薬品用の部材を使用する。
・薬品の通液作業前の点検として、仮設ラインを構成する部材の外面及び内面の外観点検を実施する。
※類似作業(3件)
・1、2号機前処理装置次亜塩素酸ソーダ貯槽の次亜塩素酸ソーダ抜取り
・3号機純水装置塩酸受入タンクの塩酸抜取り
・3号機総合排水処理装置塩酸貯槽の塩酸抜取り
