平成16年度(2004年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1号機原子炉補助建家排気筒排気ダクトのひび割れ

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通報連絡日時:2004年12月23日15時45分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:あり 備考:今回発表

概要

12月23日(木曜日)15時45分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 12月23日(木曜日)15時00分、定期検査中の伊方1号機において、原子炉補助建屋排気筒に接続されている排気ダクトの点検口設置工事に伴い、点検口付近の調査を実施した結果、当該ダクトにひび割れがあることを確認した。
  2. 今後、詳細調査を実施する。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

12月24日(金曜日)10時45分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり第2報がありました。

  1. 点検調査を実施した結果、当該ダクト内面に12個所のひび割れがあり、そのうち貫通したものを4個所確認した。今後、金属組織調査等により、原因究明を実施する。
  2. なお、当該ダクトのひび割れの貫通が確認された場所は、補助建屋内であり、建屋の排気が排気筒以外から外部へ放出されることはない。
  3. 本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。

県としては、八幡浜中央保健所の職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しております。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

調査の結果、補助建家排気筒に20箇所、格納容器排気筒に1箇所のひび割れが認められた。

今回のひび割れは以下の原因によるものと推定される。

  1. 断続溶接部のひび割れ(原子炉補助建屋排気筒)
    • 排気ファンの運転に伴い、ダクト曲がり部の後流部については、圧力変動が発生しやすく、水平ダクト部は、補強鋼材の間隔が長く振動が大きくなりやすい。
    • 鉛直ダクト部は、短い間隔で連続した曲がり部の後流部であり、圧力変動が増加し振動が大きくなりやすい。
    • このため、溶接残留応力があり、応力が集中する形状である断続溶接部において、変動応力が疲労限を超えたことから、ステンレス鋼板外面よりひび割れが発生し進展した。
  2. シール溶接部のひび割れ(原子炉補助建屋及び格納容器排気筒)
    • 排気筒は雨天時に濡れる構造であることから、雨水が断続溶接部の隙間から浸入し、滞留した雨水により腐食が発生し、腐食がシール溶接部を進展したため、内外面を貫通するひび割れが発生した。

対策

  • 原子炉補助建屋及び格納容器排気筒の水平ダクト部については、補強鋼材を追設したものに取替。
  • 原子炉補助建屋排気筒鉛直ダクト部については、ひび割れ個所を撤去し、同種・同材のステンレス鋼板で復旧するとともに、振動低減を図るための振動抑制用サポートを追設。
  • 原子炉補助建屋及び格納容器排気筒の水平ダクト部について、屋外部にある断続溶接部間の隙間は、雨水による腐食防止を図るためシール材を塗布。
  • 定期点検時に外観点検を行う等排気筒の点検要領を定め適切に管理する。
  • 2,3号機は1号機と異なり、振動による損傷が認められた類似箇所は振動しにくい又は強度が高い構造、腐食損傷が認められた類似箇所は雨水が浸入しない構造等となっており、外観点検を実施したが異常は認められなかった。

県の公表

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